雨のクアラ・トレンガヌでやらかした～新マレー半島すちゃらか紀行・タクシーを使わずゆるりとな～

2019/11/25 - 2019/11/25

パックパッカーをしていた今から二十三年前の1996年夏、初めてマレーシアを訪れた。記憶が定かではないが、次のような旅程だった。

バンコク→国際寝台列車でマレー半島西海岸の国境を超える→バタワースで下車
その後、バス等でクアラルンプール、ムラカ（マラッカ）、バトゥ・パパを訪れる。
西海岸のクアンタンあたり（記憶がおぼろげ）に泊まった後、東海岸からタイ側のスンガイ・コロクへ戻る。

タイを旅する時と同様、宿の事前予約はせず、現地で交渉して泊まった。
当時の私には、なぜかマレーシアの宿泊代は高いとの先入観があり、ムラカではドミトリー、クアラルンプールではYMCAに宿泊したことをよく覚えている。タイでは決してドミトリーやYMCAには泊まらないのに。

※表紙の写真は、最初にマレーシアを訪れる前に私が買って読んだ本（当時は単行本）。女子三人の共著。この本で「ネコブル」なる言葉を初めて知った。私の海外の旅は最初からネコブルの連続である。今も出かける度にネコブルに見舞われている。（この本については、この旅行記グループの最後の旅行記で再び言及する。）

脳天気な私のマレーシア再訪、はてさてどういうことになりますやら。

【旅の概要】
バンコク
　↓
スンガイ・コロク
　↓
コタ・バル
　↓
クアラ・トレンガヌ　～この旅行記～
　↓
ジョホール・バル
　↓
ムラカ（マラッカ）
　↓
イポー
　↓
クアラルンプール
　↓
バンコク

（2019.11.08記）

エリア クアラトレンガヌー(マレーシア)

【11月25日（月）、コタバルからクアラ・トレンガヌへ】
コタバルのホテル、クリスタル・ロッジにて05時00分にアラームで目が覚める。
外は激しいスコールである。シャワーを浴びる。
このホテルの朝食開始は06時00分からだが、06時30分に朝食へ行く。雨はほぼ止んでいた。

七階のレストラン。ビュッフェ形式。品数が多い。味もまあまあ。私の好きなお粥もあった。
生のキュウリにつける味噌が激辛だった。青唐辛子を練り込んであるのか？しばらく口の中全体が痺れた。

☆☆☆クリスタル・ロッジの室内。前日写真を撮り忘れた。寝乱れた状態のベッドは、少し卑猥な感じもする。☆☆☆

部屋に戻ってから明後日以降の予定を立てた。マレー半島東海岸は当分毎日雷雨の予報になっている。
明日クアラト・レンガヌからジョホールバルへ直行することにする。
とりあえず明後日から三泊分のジョホールバルのホテルの予約をした。
部屋のエアコンの効きが悪い。本当に壊れたのか？

☆☆☆バスステーションの中のチケットカウンター。☆☆☆

そうこうするうちに時間が過ぎ、09時45分チェックアウト。
宿泊税（一泊あたり10RM）の支払い請求はなかった。ホテル代に含まれているのか。
歩いて昨日バスを降りたバスステーションへ向かう。

10時36分クアンタン行きのバスが発車。09時30分発のバスが遅れてきたとのこと。
このバスで私は途中のクアラ・トレンガヌまで行く。

途中トイレ休憩が１回だけあった。
14時13分クアラ・トレンガヌのバスターミナルに到着した。
ここで途中下車する私は、運転手にアピールしてバスのお腹のトランクルームを開けてもらい、スーツケースを受け取る。

この後このバスターミナルで明日のジョホール・バル行きバスのチケット購入をめぐって、私は迷走してしまった。
この日、相変わらず軽率な自分の振る舞いを激しく後悔する。

バスターミナルに着いたときから小雨が降り続いていた。その上、まだ昼食を取っていなかった。
時刻は14時15分を過ぎていた。できれば、早く明日のバスチケットを手に入れたい。
そんな焦りが私の視野を狭くしていたのであろう。
コタバルから乗ったバスを降りたあと、ターミナルの中をキョロキョロ見回したがバスチケット売り場が見当たらない。
そのとき、ターミナルの建物の外に並んでいる小さなチケット売り場が目に入った。三軒あった。
上の写真の左端の窓口から順に明日のジョホール・バル行きのチケットの有無を尋ねた。
ジョホール・バル行きのチケットを扱っているのは、左端とその隣の二軒。どちらも午前発の便は売り切れで、夜行便のみ空席があるという。

このとき私は、とんでもない誤解をしていた。
このバスターミナルの本体のチケット売り場は、私が最初見落とした方向にあり、しかもたくさんあった。
にもかかわらず、他にチケット売り場は無いと決めつけた。しかも、クアラ・トレンガヌからジョホール・バル行きのバスは人気路線で、明日の夜行便といえども早く予約しなければすぐに満席になるものと思い込んだ。
雨の降る中、私は即座に決断し明日の夜行便のチケットを買うことに決め、写真の真ん中の紫色のカウンターでチケットを購入してしまった。
料金は49.60RM（約1,300円）だった。その後、食事をしようとバスターミナルの中を歩くと、先程見落としていたチケットカウンターが多数並んでいた。
窓口の表示を見ると、ジョホール・バル行きの便も多数ある。
その直後、私はジョホール・バルのホテルを明日からの三泊すでに予約し、料金の決済も終えていることを思い出した。
慌ててホテル予約サイトにアクセスしたところ、宿泊する日を一日後ろにずらしたとしても、すでに明日の分のキャンセル期限が過ぎているため、返金されないことが分かった。
明日の宿泊料金は約3,000円である。夜行便のチケット代の倍である。
最悪、夜行便の払い戻しができず返金されないとしても、明日の宿泊料金を無駄にしない方が得である。

☆☆☆昼間の便のチケットをここで購入した。☆☆☆

ずらっと並んだチケットカウンターから大手と思われる会社の窓口ですんなりと明日のジョホール・バル行きの昼間の便のチケットを購入できた。
すぐに先ほど夜行便のチケットを購入したカウンターへ取って返したが、生憎休憩時間に入ったようで、カウンターは閉まっていた。
それ以上バスターミナルに留まることは諦め、仮に明日も夜行便のチケットの払い戻しができなければ、その分の約1,300円は高い授業料として受け止めようと、自分に言い聞かせた。

バスターミナルから傘を差しつつスーツケースを転がして、15時35分、今日泊まるHotel YT Midtownに到着した。
遠くからもよく見える立派な外観のホテルである。

一階のレセプション付近は何かレトロな雰囲気である。
日本で言うと昭和の香りがする。昔の大きな温泉旅館みたいな。
しかし、このホテルはまんざら悪くない気がする。

レセプションの奥はこんな感じ。

通されたのは９階の眺めがいい部屋だった。
取っ手がもげていて窓がピシッと閉まらないのはご愛嬌か。
Wi-fi は昨日のホテルとは大違いで、高速である。

☆☆☆客室からの眺め。☆☆☆

バスターミナルに着いた時に既に午後２時を過ぎていた。昼食を取っても良かったが、チケットのゴタゴタですっかり食欲がなくなっていた。
もうこのまま昼食は取らないことにする。
もうじき午後５時になろうとするが、クアラ・トレンガヌに着いた時からの雨はまだ降り続いている。

客室の天井にキブラ（聖地マッカ※の方角の指標）。マレーシアのホテルあるある。
昨日のコタバルの客室のキブラは、撮影を忘れてしまった。
※日本ではメッカと表記することが多いが、多分ムスリム（イスラム教徒）にはメッカでは通じない。

幸い、A型のコンセントが一口あった。しかも、その下にUSBの差込口が二つある。

☆☆☆この先が中華街。☆☆☆

夕方遅く小雨の中を外出する。州立モスクを迂回して中華街へ向かう。

ガイドブックに載っている食堂で肉骨茶（バクテー）を食す。

23年前に肉骨茶を一度食べているはずだが、舌の記憶はまったく無い。正直、一度食べれば十分かな。

缶のハイネケンビールを一本だけ飲む。マレーシア入国後に初めて飲むアルコールである。
予想と異なり、美味しくは感じられない。

もう一軒立ち寄ることにした。
大瓶のツボルグが来た。タイガーと言ったはずなのに。
食べ物も、雲呑麺の代わりにチャーシューがのった真っ黒な焼きそばと小雲呑スープが来た。（雲呑麺の汁なしバージョンだが、こちらの方がマレーシアではポピュラーだった。）

きれいな店ではないが、客がタイガーの大瓶をずらっと並べているのを見て辛抱たまらなかった。
帰り道を間違えそうになる。途中スーパーで飲み物を買う。やや夜更かしする。
アルコールを飲んだが量が少ないので寝落ちしない。自然に眠くなるのを待ってベッドに入った。
【11月25日（月）、了】