2017/11/23 - 2017/11/23
696位(同エリア741件中)
ちふゆさん
ブエノスアイレス(Buenos Aires)初日の続き、この日の夜はタンゲリア(Tangueria)へ。タンゲリアとはお酒飲んだり、食事をしながらタンゴ(Tango)の生演奏やプロのダンサー達の踊りを楽しめる店。アルゼンチンに限らず世界のどこに行ってもこういう店はタンゲリアと呼ばれるのだが、やはりブエノスアイレスが一番の本場と云うことで、ネットで送迎付きの食事&ショーのコースを予約しておいた(実際には確かブエノスアイレスの直前の町のサルタ(Salta)で予約)。
アルゼンチンタンゴ(Tango Argentino)は1880年頃、ラプラタ川(Rio de la Plata)の河口地帯の両岸、ブエノスアイレスやウルグアイのモンテビデオ(Montevideo)辺りで生まれたタンゴの一伝統様式。タンゴ自体は18世紀後半にイベリア半島で発祥したが、19世紀にスペイン植民地帝国政策の一環としてこの地域へ伝わり、発展した。ブエノスアイレスのボカ地区(Barrio La Boca)は当時、新天地を求めて来た移民者がひしめき、雑然とした港町であった。さまざまの人種が共存しているフラストレーションのはけ口として、男同士が酒場で荒々しく踊ったのが、アルゼンチンタンゴの始まり。次第に、娼婦を相手に踊るようになり、男女で踊るタンゴの原型が出来ていくが、当時の新聞は、酔漢達やならず者が踊る下品な踊り、と非難した。しかし、タンゴはそうした批判にもかかわらず、ブエノスアイレスやモンテビデオの下層階級を中心に、日増しに人気を得て行った。
1880年に「バルトール(Bartolo)」と云う曲の譜面が印刷され、後にこの年がタンゴ元年と定められた。1890年頃にバンドネオン(Bandoneon)と云うドイツ発祥の蛇腹楽器が持ち込まれ、タンゴに欠かせない楽器となった。しかし、この頃はまだアルゼンチンの社交界には受け入れられてはおらず、国民的な文化になるのは、海を渡ったフランスでの大流行によってだった。20世紀に入り、アメリカやヨーロッパに持ち込まれたアルゼンチンタンゴはフランスでカトリック教会が禁止令を出すほど大流行。ようやくアルゼンチンの社交界でも認められた。なお、各国に持ち込まれたタンゴは独自の発展を遂げ、例えばヨーロッパで進展したものはコンチネンタルタンゴ(Continental Tango)と呼ばれる。
ブエノスアイレス市内にはたくさんのタンゲリアがあるそうだが、行ったのはこの日の夕方に最初に歩いたモンセラート地区(Barrio Monserrat)の少し南のサンテルモ地区(Barrio San Telmo)にあるエル・ビエホ・アルマセン(El Viejo Almacen)と云うお店。1969年開業のブエノスアイレスのタンゲリアの中でも老舗中の老舗。タンゴの伝説的名歌手、エドムンド・リベロ(Edmundo Rivero)がタンゴピアニストのカルロス・ガルシア(Carlos Garcia)と開いた店で、彼は1930年代の黄金時代から長きにわたってタンゴの屋台骨を支え続けていたが、1950年代に入り、52年にカリスマ的な支持を得ていたペロン(Juan Domingo Peron)大統領夫人エビータ(Evita)が亡くなり、さらに55年の軍事クーデターによるペロンの失脚がアルゼンチンに暗い影を落とし、タンゴは長い低迷の時代へと進んだ。
そんな時代に、ミュージシャンの避難所としてオープンしたのがこの店。店主のリベロの歌唱やガルシアの楽団の演奏のほか、「タンゴの神様」と呼ばれるアニバル・トロイロ(Anibal Troilo)の楽団も一時期専属楽団となるなど、有名なタンゴ楽団の生演奏があった。当時新人だったグラシェラ・スサーナ(Graciela Susana)もステージで歌っていた。タンゲリアとしての知名度は高く、日本のアルゼンチン旅行ガイドにも掲載されていた。
店の名は「古い倉庫」と云う意味で、1778年に建設され倉庫として使用されていた建物で、1840年代に英国病院建設のため拡張工事が行われ、1900年からはエル・ボルガ(El Volga)と云うレストランとなっていたのが廃業してオープンしたもの。86年にリベロが亡くなり、その後、国全体の経済状態の悪化が災いとなり、93年に一旦閉店となったが、96年に営業再開して現在に至る。
現在では多くの店が多くのインターナショナル化したタンゴショーを行う中、このコロニアル調の建物で行われるタンゴはまさに伝統的なアルゼンチンタンゴで、最も有名なタンゲリアとなっている。現在の上皇陛下もここで鑑賞されたことがあるらしい。
ホテルとかじゃなく民泊だし、携帯電話はローミングしてないし、迎えを心配してたが、8時過ぎに部屋のインターホンが無事鳴る。そのまま車でお店へ。店の前まで車だったので、店の周りはほとんど歩いてはいないが、石畳の街並みが続く、とても趣きのある地域。
8時半、まずは併設のレストランで夕食。前菜とメインディッシュとデザート、それに飲物が付くコース。飲物はミネラルウォーターやソフトドリンクもあるが、やはりワイン。アルゼンチンはチリと並び、近年高い評価を得ているニューワールドのワイン生産国で、その躍進に一役買っているのが、アルゼンチンにおける最古参ワイナリー「トラピチェ(Trapiche)」。黒ワインとも云われるマルベック(Malbec)種の赤ワインを飲む。ボトルで来るのがすごい。
前菜は5種類ある中から地中海サラダ(Mediterranean Salad)にしたけど、アルゼンチンだしエンパナーダ(Empanadas)にすべきだったかしら。メインはサーロインステーキ(Sirloin Strip Steak with sauteed potatoes)。これも5種類から選べ、他はチキンか魚かラビオリかリゾットだった。デザートは4種類からで私はサンディー(Sundae(Creamy Ice cream with fruit salad, meringue and strawberry coulis))を戴いた。他はケーキかフランかチョコレートムースだった。
https://www.facebook.com/chifuyu.kuribayashi/media_set?set=a.2136757776394235&type=1&l=8a89379cb0
1時間半ほど掛けて、ゆっくり夕食を戴いて10時前に道を挟んだ向かいの建物に移動。ここが昔倉庫だったもの。舞台の前の1階席と、コの字型の2階席とがあり、私の席は2階の左手だった。まあ、全体が見えるので悪くはない。ここでも飲物が付く。
ショーは10時20分頃に始まり、1時間半続いた。夕食でワイン1本空けて、さらにここでも飲んでたのであまりよく覚えてはいないが、タンゴの踊りと歌のほか、フォルクローレもあったようで、バラエティーに富んだものになっていたようだ。タンゴでは欠かせない楽器、バンドネオンの演奏レベルは、厳しい地元の人をもうならせると云う評判。半分寝ながら楽しんだ。
https://www.facebook.com/chifuyu.kuribayashi/media_set?set=a.2136761636393849&type=1&l=8a89379cb0
11時50分頃終演。帰りも店も前から送りの車が出て、問題なくアパートまで送ってもらえた。この送迎付きのコースは、安心できるし、実際安心で楽だし、お勧め。ちなみにクレジット払いだったが現地通貨で2000ペソ足らず(13000円弱)だった。ブエノスアイレス初日終了。
2日目へ続く
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