2019/08/25 - 2019/08/26
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毛利慎太朗さん
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母を伴っていった会津の旅・第三編
15時まえに飯盛山を後にした私たちはバスと徒歩で今宵の宿、東山温泉・向瀧へ。
登録有形文化財第一号である向瀧は、高松宮殿下をはじめ、伊藤博文、松方正義、犬養毅、小泉純一郎など首相経験者が訪れた名門老舗旅館。
館内の温泉、きつね湯(男女別の大浴場・熱め)、さる湯(男女別の大浴場・ぬるめ)、貸切風呂三か所はすべて加水・加温・循環なしの源泉かけ流し、泉質は弱アルカリ・硫酸塩・塩化物泉で絹のごとくやわらかい肌触りのお湯。
夕食には、鯉の旨煮、にしんの山椒漬け、こづゆ、紅ます寿司など会津の郷土料理が並び、大型ホテルのバイキングとは一線を画すおもてなしを堪能しました。
それではご覧ください。
- 旅行の満足度
- 4.5
- 観光
- 4.5
- ホテル
- 4.5
- グルメ
- 4.5
- ショッピング
- 4.5
- 交通
- 4.0
- 同行者
- 家族旅行
- 一人あたり費用
- 5万円 - 10万円
- 交通手段
- 高速・路線バス 新幹線 JRローカル 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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川沿いの建物は明治の終わりから大正初めの建造。
「向瀧」の金文字を見ると、「ついに来たな憧れの宿!」と感じる。会津東山温泉 向瀧 宿・ホテル
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文化財の宿に泊まったらこのプレートを見なくちゃ!
登録有形文化財第一号なので、「0001~0004号」の文字に注目してほしいところ。
玄関・はなれの間(一泊三万八千円くらいする、貴賓室)・客室棟2棟(山ぎわと川沿い)が文化財に指定されております。会津東山温泉 向瀧 宿・ホテル
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私たちが泊まった湯川沿いの2階「のぎくの間」も文化財。
自宅に帰って調べると、明治時代の部屋なんだって。
掛け軸は母によるとお釈迦さまだそうで。
ただ、滝の轟音が物凄い!
ある意味、豪快な男の生きざまのごとく、そういった浪漫を感じる。会津東山温泉 向瀧 宿・ホテル
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さっそく客室係さんから抹茶のもてなしが。
これぞ高級旅館って感じ。
大型ホテルだったら煎茶を各自で注いで、卓上の温泉饅頭だもんな。
板さん手作りの羊羹は甘さ控えめでいい。
のどの渇きが癒えたなあ~会津東山温泉 向瀧 宿・ホテル
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貸切風呂が三つとも空いていたので、さっそく入るとするか。
料金無料、空いてれば内側から鍵をかけて貸し切れるのがありがたい。
なんか昔の口コミで三つとも温度が違う的なことを言っていたような気がするので、中間の「瓢の湯」にすることに。
湯口に析出物びっしり、源泉かけ流しの証だね。
体感温度は41度で、湯上りさっぱり!会津東山温泉 向瀧 宿・ホテル
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上を見上げると「瓢の湯」だけに瓢箪三つのレリーフ。
チャーミングなデザイン。会津東山温泉 向瀧 宿・ホテル
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湯あがりは庭園を眺めてみたり。
山ぎわの棟は昭和十年(1935)竣工。
作家の浅田次郎氏が「龍が昇るがごとく」と表現した建物。
ここで小説なんか書いたら、直木賞とれそうな具合
(そんな文章能力ないし、最近活字も読まないしなあ。)
上から眺める庭も乙なのかも。会津東山温泉 向瀧 宿・ホテル
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廊下から庭園へ出ることもできます。
(茶色いスリッパに履き替えて、何足もある)
庭園は回遊式。
左手の棟が私たちが泊まっているところ。会津東山温泉 向瀧 宿・ホテル
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勿論鯉も泳いでます。
まさか、今夜の旨煮はこの鯉じゃなかろう(ブラックジョーク)会津東山温泉 向瀧 宿・ホテル
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きつねの湯方向より庭園を眺む。
ここで着目して頂きたいのが玄関の屋根の上の田村麿(なんちゃって)会津東山温泉 向瀧 宿・ホテル
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懸魚(げぎょ)といって、字のごとく火除けのまじないのようなもの。
旅館の有料の小冊子(帳場で800円で売っている、各客室に置いている)に書いてあった。会津東山温泉 向瀧 宿・ホテル
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夕食は18時30分より、部屋で。
右の漆器にのっているのが「強肴(しいざかな)にしんの山椒漬け」
強肴について調べると会席で客に酒を勧める料理とのこと、その通り!(児玉清並に語気を強める)
さっきまで泳いでいたにしんを〆たような弾力で、身欠きにする事によってうまみも増しております。
高坏状の瀬戸物にのった向付(刺身や酢のものを指す)には鯉のたたき。
こちらも山椒風味の醤油でいただきましたが、爽やかな後味で夏らしい。
小骨のコリコリした感じもいとをかし。
田沢温泉・ますやの洗いより骨っぽさがなくて食べやすかったです。会津東山温泉 向瀧 宿・ホテル
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向瀧名物といっても過言ではない「鯉の旨煮」
5から6時間じっくり煮てあるので、鱗も気にせず食べられる。
泥臭さや肝の苦みもなく、酒のあてにもなるし、ご飯のお供になる。
鯉を毛嫌いしている人へいうならば、食感・風味は鮭に近いものがあるのでお試しあれ。会津東山温泉 向瀧 宿・ホテル
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酒は猪苗代ビールのゴールデンエンジェル(中瓶・税込1022円)を頂きました。
味はキリンラガーを濃厚にしたような感じで、飲めば飲むほど癖になる苦み。
うちの母が好きそうな味です。会津東山温泉 向瀧 宿・ホテル
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インターネット予約特典として、半合程のグラスに向瀧オリジナル日本酒・美酒佳肴(びしゅかこう)が付いてきました。
旨口の酒で、にしんの山椒漬けにぴったしカンカン!
魚の旨味を引き立てる。
鮎なんかの川魚にもあいそう。
ちなみに「美酒佳肴」の意味とは「おいしい酒と料理」という意味で、粗酒粗肴(そしゅそこう・粗末な酒と料理)の逆をゆく。
はなれの間に掲げられている額で、揮毫は黄熱病の研究で識られる野口英世博士。会津東山温泉 向瀧 宿・ホテル
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焼物は会津地鶏と夏野菜の蒸し焼き。
味噌風味で、地鶏の旨味と野菜の甘みがマリアージュ。
プチトマトって焼くとこんなに旨いんだ。会津東山温泉 向瀧 宿・ホテル
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煮物は会津の冠婚葬祭には欠かせない「こづゆ」
具は里芋、人参、姫竹、きくらげ、お麩、糸こん、貝柱、椎茸。
貝柱と椎茸の優しい旨味がでています。会津東山温泉 向瀧 宿・ホテル
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お凌ぎ(先付すなわち前菜の次に出る一口サイズの寿司やそば)は紅鱒寿司。
漬けにしてあり、一口サイズ。
いやあ~もっと食べたいと思うけど、その気持ちを大事にして次いってみよう(byいかりや長介)会津東山温泉 向瀧 宿・ホテル
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天ぷらは、きくらげ、サツマイモ、モロヘイヤをお塩で頂く。
出来立てで温かく、サクサク。
きくらげの天ぷらって私的には珍しいかも。
ぶりんとした触感が一興だね。会津東山温泉 向瀧 宿・ホテル
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ご飯は会津のこしひかり。
ひとめぼれを食べなれているせいか、やや硬め。
だけど甘みも程よく、穀物のほんわりした風味もあり、目利きは◎
みそ汁はなすの赤だしで、会津みそとのブレンドらしい。
日常で食べる「かねさ糀つぶみそ」の汁に比べ、濃さはあるが、酔い覚ましの一杯としては◎会津東山温泉 向瀧 宿・ホテル
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食後はテレビを見ながらゴロゴロ。
21時半過ぎになってぬるめの「さる湯」に行ってみる。
体感温度40から41度で、「瓢の湯」より心なしかぬるめ。
シャワーが付いているのはこの浴場のみである。
ちなみに浴場供えつけのシャンプーは資生堂でも、ポーラでも、馬油でもなく斜め上を行く「DHC」
(写真はチェックイン時に撮ったもの)会津東山温泉 向瀧 宿・ホテル
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さて湯上りに庭園鑑賞をするもなかなか「映える」スポットがなく、苦し紛れに廊下の小窓から1枚。
さて、そろそろ寝るとしますか。会津東山温泉 向瀧 宿・ホテル
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翌朝は5時30分に目覚めお風呂に行くことに。
「きつね湯は45度の熱め」と帳場の方に言われたけれども、意を決していってみることに。
全身を湯船につける前に手でさわる、うんいける!
十分にかけ湯して、かけ湯して、あゝ極楽~極楽~。
体感温度は42から43度、今年の2月にいったほりえや旅館の大きいほうの浴槽の温度と同じくらいかな。
なにはともあれ、きりっと目が覚めるようなお湯でした。会津東山温泉 向瀧 宿・ホテル
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天井のレリーフは唐草模様かな。
会津東山温泉 向瀧 宿・ホテル
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朝食は7時30分に設定。
朝食の全景はこんな感じ。
おかず量はそこまで多くないけど、いい塩梅にチョイスされている。
ご飯が昨日より旨く感じて勧む、勧む。
(昨日はビールも飲んだ上にご飯も食べたからなあ、それとお風呂でカロリー消費したし)
デザートの「とうろこしぷりん」はブラマンジェみたい。
寄せ豆腐と間違って食間に食べちゃったけど、醤油かけなくてよかったね。会津東山温泉 向瀧 宿・ホテル
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お味噌汁は熱々状態を楽しめるように、固形燃料の鍋で出てきました。
この点は「白布温泉・西屋」なんかとおんなじ。
昨日とうってかわって、白みそ。
そうそう、いつもの味だな~会津東山温泉 向瀧 宿・ホテル
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もう一つの鍋には「紅鱒のせいろ蒸し」
客室係さんに「湯気が出てきて2、3分」と言われたけど、5分以上蒸したなあ。
けれど紅鱒はふっくらしてて、鮭にもヒケをとらん旨味。
淡水魚なめんなよって具合。
キレーイなサーモンピンクが食欲をそそるぜ。会津東山温泉 向瀧 宿・ホテル
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食後にまた庭園鑑賞。
このように廊下から眺めるだけでも十分楽しめる。
写真右手は、はなれの間(大正初期の建物)会津東山温泉 向瀧 宿・ホテル
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部屋に戻って旅館の案内を見ると「大広間だれでも見学できます。」とある。
時刻は9時過ぎ、これは見なくちゃと思って、帳場の番頭さんを訪ねる。
80畳(右手の襖を開ければ120畳)あり、昔はここで飲めや歌えやのどんちゃん騒ぎをしてたんだろうな。
しかも、格天井で格式高い造り。会津東山温泉 向瀧 宿・ホテル
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檜舞台をアップで。
舞台で足踏みすると「ダン」といい音がする。
一回役者をよんで「勧進帳」の弁慶なんかやったらいいかも会津東山温泉 向瀧 宿・ホテル
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こんな具合にね。
(番頭さんに写真一枚どうですか、といわれおだてる。)会津東山温泉 向瀧 宿・ホテル
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「太和随地生春」
檜舞台向かって左手にある第29代内閣総理大臣犬養毅翁の書。
「平田女史」とは向瀧の二代目の主人。
「木堂」とはの犬養翁の雅号。
番頭さん曰く「書の内容はあまりわからないが、内容を感じ取ってもらえれば」とのこと
お、「話せばわかる」の人だ。会津東山温泉 向瀧 宿・ホテル
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「東北第一楼」
檜舞台向かって右手にあるのが元老(第四代・第六代内閣総理大臣)松方正義公の書。
番頭さん曰く「書の内容は東北一の旅館」とのこと。
この方は金本位制の確立や日銀創設など「財政のプロ」であったものの、女遊びが好きで、明治大帝陛下から「お前の子供はいったい何人なのか」とツッコまれたんだよね。(実際26人いたらしい)
その他にも伊藤博文公、東郷平八郎元帥、竹久夢二などの書があるらしいので、興味深い。会津東山温泉 向瀧 宿・ホテル
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湯川のほうには花頭窓を思わせる窓が。
なんか懸魚といい、花頭窓といい禅寺の要素をこうやってとりいれているのがまたニクい(褒め言葉)。
さて、第三編も短いですが(第一編のほうが短いですが、向瀧という旅館を語る上では写真34枚では短いということで、一応謙遜しておく)ここまで。
ご覧くださいましてありがとうございました。会津東山温泉 向瀧 宿・ホテル
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この旅行記へのコメント (6)
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- norisaさん 2021/04/05 09:39:51
- 登録有形文化財第一号!
- 毛利慎太郎様
おはようございます。
いつも大変お世話になっております。
さて、このご旅行記、一番の印象は「登録有形文化財第一号」というくだりです。
現在も実用に供されている宿が登録有形文化財というのも貴重ですが、第一号から第四号まで独占とは、まさに由緒ある宿ですね。
これだけ古い宿ながらしっかりしたメンテナンスがされているのは流石です。
貸切風呂も昔からあった宿の売りだったようですね。
じっくり煮込んだ鯉をはじめ夕食もお酒が進みそうです(笑)
ご母堂もさぞご満足なさったことでしょう。
今後ともよろしくお願いいたします。
norisa
- 毛利慎太朗さん からの返信 2021/04/05 16:36:28
- Re: 登録有形文化財第一号!
- norisaさま、拙旅行記に丁寧なメッセージを賜り、誠にありがとうございます。
まず、建物は明治以後のものですが、会津藩の保養所『きつね湯』を起源とし、大変歴史の深い旅館です。
加えて、室外機で景観を損ねないように、空調は中央でコントロールし、客室にはウォシュレットトイレも完備され、ハードも時代に合わせて改修されている点も評価できます。
次に、貸し切り風呂は3つございまして、天井のレリーフの違いも見処で、空いてれば追加料金なしで入れるで、敷居は低いのがよい点です。
第三に、食事も地の幸をいかしたもので、『鮪や海老などを安易に使わない』点も評価できます。
鯉の旨煮は鱗まで食べられるくらい、じっくり煮込んであり、安心して頂くことができました。
山廃にして旨味の強い『美酒佳肴』にあうこと間違いないですが、ご飯のお供にも佳いです。
ちなみに、『美酒佳肴』も『鯉の旨煮』も向瀧HPにて通信販売されているので、興味がございましたら是非。
第四に、母も大変満足しており、『またいきたい』と申しておりましたので、こちらも予約した甲斐があったというものです。
結びに、こちらこそ、norisaさまよりいろいろなことを教わり、大変感謝している次第です。
今後とも宜しくお願い致します。
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- ateruiさん 2020/02/21 19:32:07
- 迎瀧 いいですね
- 迎瀧 30年ほど前に泊ったことありました
こんな感じだったか記憶ないんですが
改めてみると 素晴らしいですね
木造家屋 タイルのお風呂
素晴らしいですね
また行きたい!
aterui
- 毛利慎太朗さん からの返信 2020/02/21 21:28:36
- Re: 迎瀧 いいですね
- ateruiさん、毎度いいね!やコメントして頂き誠にありがとうございます。
一生に一度でいいからどまってみたいと思って行ってみたところ、大正解でした。
建物については、花頭窓や懸魚の禅風様式が使われていて、それが重厚な瓦屋根の建物を引きたてて、さすが文化財、見ごたえある建物でした。
客室のついては、ウォシュレット、冷暖房完備で快適でした。
しかしながら、冷暖房の配管が目立っておらず、建物を大事に使っているという事も感じられました。
接客も堅苦しくなくって、丁寧で、温泉も程よい温度で、源泉かけ流しの上等なお湯で、真綿のような弱アルカリ性の肌に優しくさっぱりとした温泉でした。
料理も鯉、鱒、こづゆ、鰊の山椒漬けなど、郷土色プラスアルファ季節感も感じられる献立で良かったです。
「美酒佳肴」も旨味の強い、とくに鰊の山椒漬けなどの淡白で塩気のある食べ物に合わせたいそんなお酒でした。
(鯉の旨煮は日本酒よりごはんにあうかな)
最後にまとめて、こんだけよかったので、予算があればもう一度訪問したい旅館ですね。
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- 機乗の空論さん 2020/01/29 19:39:40
- 有難うございました!
- 良い旅館を観せて頂きありがとうございました!、東山温泉は何度か行きましたが、向瀧は見るだけでした…、いつの日か宝くじでも当たれば行きたいです!、
私の旅行記を色々見て頂き有難うございました!。合掌!。
- 毛利慎太朗さん からの返信 2020/01/29 19:59:34
- Re: 有難うございました!
- 機乗の空論さん、はじめまして。
今度、弘前方面へ旅行へ行くので参考にいろいろと拝見させていただきましたが、無料で見学できる弘前の洋館、和製アーケード、こみせが連なる黒石の町並み、湯治場の雰囲気が残る温湯温泉など、なかなか興味深かったです。
拙い内容でしたが、目の保養にしていただいて幸いでした。
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