
2018/04/29 - 2018/05/04
13位(同エリア20件中)
Tatsuoさん
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この旅行記のスケジュール
2019/04/29
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電車での移動
地下鉄B線 テルミニ駅(8:13発)ーポンテ・マンモーロ駅(8:30着)
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バスでの移動
COTRALティヴォリ行 ポンテ・マンモーロ (8:45発)ーヴィッラ・アドリアーナ(9:28着)
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バスでの移動
C.A.T.バス ヴィッラ・アドリアーナーティヴォリ
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バスでの移動
COTRAL ティヴォリ(15:43発)ーポンテ・マンモーロ(16:38着)
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電車での移動
地下鉄B線 ポンテ・マンモーロ駅(16:45発)ーテルミニ駅(17:04着)
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ローマ再訪~古代ローマ遺跡三昧の旅
2007年にローマを初めて訪れたときに古代ローマの魅力にはまり、それ以来いつかお膝元のローマの遺跡巡りをしたいと思っていました。
そして2018年のゴールデン・ウィーク、うまいこと休みが取れたので、急に思い立って念願のローマの遺跡巡りに出かけることにしました。
訪れた遺跡は全部で70個。古代ローマ遺跡まみれの4泊5日の旅です。
(調べるうちに知らない遺跡を気付かずに見ていたことがわかり数が増えました。)
∴∵ ∴∵ ∴∵ ∴∵ ∴∵ ∴∵ ∴∵ ∴∵ ∴∵ ∴∵
【2】ハドリアヌスの別荘~静かにひっそり過ごす別荘だと思ったら・・・ (2018/4/30)
ローマ近郊ティヴォリにあるハドリアヌスの別荘を訪れます。
ローマ帝国領内各地を巡った皇帝ハドリアヌスが造った別荘で、ギリシャやエジプトなどの景勝地を模した庭園が美しいところです。静かにひっそり過ごす別荘というイメージを持って訪れたそこはしかし、想像とはかけ離れたものでした。
ここは交通の便が不便で訪れるのは難易度がかなり高いので、交通機関も詳しく紹介します。
※古代ローマ遺跡に興味のある方はぜひ下記のサイトもご覧ください!
ハドリアヌスの別荘(ティボリ)-「別荘」の概念をはるかに超えるもの(イタリア)
http://roman-ruins.com/villaadriana/
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【1】ローマ到着~予想外の古代ローマ遺跡に遭遇 (2019/4/29)
>【2】ハドリアヌスの別荘~静かにひっそり過ごす別荘だと思ったら・・・ (2018/4/30)
【3】まだ明るいのでテルミニ駅近くの遺跡めぐり (2018/4/30)
【4】ローマ市内遺跡めぐり~1日で42個の遺跡を一筆書きで歩いて巡る 【前編】(2018/5/1)
【5】ローマ市内遺跡めぐり~1日で42個の遺跡を一筆書きで歩いて巡る 【後編】(2018/5/1)
【6】アッピア街道~起点から4km、埃っぽいアッピア街道を歩く (2019/5/2)
【7】帰国 (2019/5/3-4)
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- ホテル
- 4.5
- 交通
- 3.0
- 交通手段
- 高速・路線バス 徒歩
- 航空会社
- フィンランド航空
- 旅行の手配内容
- 個別手配
-
朝起きてホテルの部屋の窓から外を見たら、まだ露店が店開きしていないので歩道が広く見えます。
左手正面に見えるのはテルミニ駅の建物。本当にすぐそばです。ホテル テックス ホテル
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朝食の場所は1階(日本でいう2階)のレストランです。
今日はハドリアヌスの別荘に行く予定。バスの時間があるので7時に朝食が始まるのに合わせてレストランに行きます。ホテル テックス ホテル
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こじんまりしたレストラン。まだ始まったばかりなので空いています。
ホテル テックス ホテル
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100%のオレンジジュースとコーヒーが自由に飲めます。
ホテル テックス ホテル
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もちろんカプチーノもあります。
ホテル テックス ホテル
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十分な朝食で満足。
ホテル テックス ホテル
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7:40にホテルを出発。
ホテル テックス ホテル
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夏時間のためかこの時間でも早朝という感じです。
シャッターの落書きがいかにもイタリアという感じです。ホテル テックス ホテル
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ホテル周辺の露店が開店準備中です。
歩道にマネキンが並んでいますね。変な光景だ。ホテル テックス ホテル
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ちょっと時間があるので、ハドリアヌスの別荘に行く前に駅から近いサンタ・マリア・マッジョーレ大聖堂 Basilica di Santa Maria Maggiore を見ていきます。
先ほど部屋から見下ろしたホテル横のジョベルティ通りVia Gioberti をテルミニ駅と反対方向、南西に歩きます。
2本めのナポレオーネⅢ通り Via Napoleone III には路面電車が走っていきます。 -
7:48にサンタ・マリア・マッジョーレ大聖堂 Basilica di Santa Maria Maggiore に到着。
この場所は古代ローマの七丘の一つエスクイリーノの丘で、キュベレ神の神殿があったところです。
434年創建と言われているので(英語版Wikipedia)、まだ西ローマ帝国があったころから存在する教会ということになります。ただ当時の皇帝ウァレンティニアヌス3世はローマではなくラヴェンナにいました。
この教会はカトリック最高位の四大バシリカ Major basilica の一つで、領土はイタリアですがラテラノ条約で特別な権利が与えられています。アヴィニョン捕囚が終わったとき、当時教皇座だったラテラノ聖堂が荒れていたため一時ここにいたそうです。
外観はゴツゴツして力強い感じです。建築様式には疎いのですが、バロック様式というとこんな感じでしょうか。サンタ マリア マッジョーレ大聖堂 寺院・教会
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反対側、北西面に回ってみると、さきほどとは全く違い、丸みを帯びていて柔和な印象です。こちらが裏側のようです。
長い年月をかけて増築、改築を繰り返してきたので、場所によってまったく建築様式が異なるのですね。
教会前(というか教会裏)のエスクイリーノ広場は西方向、写真で言うと向こうから手前、左から右に向かって傾斜していて、ここが丘なんだということがわかります。サンタ マリア マッジョーレ大聖堂 寺院・教会
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イチオシ
【遺跡No.3】エスクリーノのオベリスク Piazza dell'Esquilino Obelisk
エスクイリーノ広場の真ん中にはオベリスクが建っています。表面はツルツルで碑文がありません。
これはアウグストゥス廟(翌日訪れます)の前に建てられていたもので、エジプト製ではなくローマで作られたものと考えられているそうです。
これを本日の古代ローマ遺跡の1つ目とします。
ちなみにアウグストゥス廟の前には2本一組で建てられていたそうで、片割れは今クイリナーレ広場に建っているものです(これも翌日実物を見ます)。サンタ マリア マッジョーレ大聖堂 寺院・教会
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カヴール通り Via Cavour を通ってテルミニ駅に行きます。
フォロ・ロマーノの方から来る道でテルミニ駅まで上り坂です。
この通りの下をこれから乗る地下鉄B線が通っています。 -
8:02にテルミニ駅に到着。
テルミニ駅 駅
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これからハドリアヌスの別荘に向かいます。
テルミニ駅からは東に直線距離で23km程です。
イタリア鉄道(旧国鉄)でティヴォリまで行ってバスに乗り継ぐルートと、地下鉄B線でポンテ・マンモーロ Ponte Mammolo まで行ってバスに乗り継ぐルートがありますが、旅行ガイドで紹介されていることが多い後者を選びます。テルミニ駅 駅
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地下鉄B線 Metro Linea B の表示に沿って進みます。
テルミニ駅 駅
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意外と歩きます。
テルミニ駅 駅
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券売機でチケット購入。
テルミニ駅 駅
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乗るのはレビッビア Rebibbia 行き。
反対側のホームに渡ります。テルミニ駅 駅
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観光客らしき人もちらほら。
テルミニ駅 駅
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B線は途中でレビッビア Rebibbia 行きと ジョニオ Jonio 行きに分かれます。
8:13、レビッビア Rebibbia 行きに乗り込みます。
念のため乗ってからも車内の表示でレビッビア Rebibbia 行きであることを何度も確かめます。テルミニ駅 駅
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8:30、ポンテ・マンモーロ Ponte Mammoloに無事到着。
降りる人はわずか。本当位にここがハドリアヌスの別荘へのメインルートなのだろうか?
階下の改札を出て売店でバスのチケットを買います。ポンテ マンモーロ駅 駅
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この地域の路線バスを運行している COTRAL という会社のバスです。
ポンテ マンモーロ駅 駅
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予めGoogleマップで目的地のバス停周辺を見たときに、チケットを買えそうな店が見当たらなかったので、往復で買いました。特に行き先など書いてなくて、この同じチケットが2枚です。
ポンテ マンモーロ駅 駅
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再び階段を上がると大きなバスターミナルがあります。
地下鉄のホームに隣接しているのですがそちらは閉まっているようでした。ポンテ マンモーロ駅 駅
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バスの時刻はCOTRALのホームページで調べられます。(https://servizi.cotralspa.it)イタリア語しかありませんが、時刻表検索くらいなら簡単です。「Orari」が時刻表の意味。
Ponte Mammolo から Villa Adriana 経由 Tivoli 行きは8:45発。ポンテ マンモーロ駅 駅
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8:45ティヴォリ Tivoli 行きの表示を見つけました。経由地に VILLA ADORIANA とあるのを確かめます。
ティヴォリ行きは頻繁にあるのですが、ハドリアヌスの別荘の近くを通る便は数少なく、この時も少し前にハドリアヌスの別荘に寄らないティヴォリ行きが隣の乗り場から出て行きました。ポンテ マンモーロ駅 駅
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バスがやって来ました。
私が2番目に並んでいたのですが、ここに写っている若い女性二人組、バスが来たら割り込んで先に乗り込み、一番前の特等席に座ってしまいました。ポンテ マンモーロ駅 駅
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仕方ないので後ろの席に座ります。
運転手は女性でした。乗るときに「VILLA ADORIANA」と書いた紙を運転手に見せて確かめました。こうしておけば降りるときもたぶん教えてもらえます。
定刻8:45に出発。
乗客は私を含めて9人ほど。ポンテ マンモーロ駅 駅
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地図を見るとティヴォリまではSR5という道路を行くのが最短コースなのですが、このバスはずっと南の道を走ります。
高速道路を少し走ったあと途中でこれを降り、田舎道をあちこち寄りながら走ります。
本当にこのバスでよかったのか不安になってしまいます。
そのうちすれ違いも難しいようなところもある細い道に入り、小さな集落の広場に入って乗降客のいないのにバス停に停車しました。すぐに再び動き出すと元来た道をしばらく戻り、ようやく南の方からハドリアヌスの別荘の近くの街に入っていきました。
改めてバス乗り場で見た行き先表示の経由地と地図を見比べてみたら、引き返したところは S. VITTORINO という集落だったようです。きれいな教会があるようなのでここを訪れる人がいるのでしょうか。
それにしても相当な大回りです。 -
真っすぐ行けばティヴォリなのですが、この遺跡のようなもののあるところを右折してハドリアヌスの別荘の近くを迂回していきます。
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9:28、VILLA ADORIANAに到着。運転手さんがちゃんと教えてくれました。
私と他に旅行者風の2人が降りました。
ただの田舎町の街角で降ろされた感じです。帰りに備えて反対側のバス乗り場を探したのですがわからないので、諦めて帰りに探すことにしました。
「VILLA ADRIANA」と書いてある看板は一応あるので、これに従って細い道に入ります。 -
100mほどゆるい坂道を下るとハドリアヌスの別荘の駐車場があり、その向こう側に入口がありました。
歩いている途中できれいなバス何台かと行き合いました。ティヴォリとの間を結ぶバスで、これだと入口脇まで行けるのです。こちらには乗客がたくさん乗っていました。明らかにこれがメインルートです。 -
窓口でチケットを買って入場。
緑の中の坂道を登ります。
左には背の低い灰色がかった葉を持つ木が並んでいます。オリーブですね。 -
オリーブの木の向こう、丘の上に広がる街がティヴォリの中心部です。
ここはティヴォリという自治体(コムーネ)に属していますが、鉄道やバスが発着するティヴォリの街の中心部からはかなり遠いのです。高低差もかなりありますから、間違っても歩こうなんて計画を立ててはいけません。 -
【遺跡No.4】ハドリアヌスの別荘 Villa Adriana
坂を登りきると高い壁が聳えています。
壁に開けられた入り口から中に入ります。 -
すると目の前に長方形の池が横たわっています。
ポイキレ 建造物
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池を中心としたここはポイキレ Pecile と呼ばれるところで、元は回廊に囲まれた庭園でした。
池の長辺は100m以上あり、ポイキレ全体では232×97メートルもの広さがあります。いきなり「別荘」という言葉からイメージするものとはかけ離れたものが現れました。
ギリシアのアテネにあった彩色柱廊、ストア・ポイキレを模したものですが、建物は何も残っていません。
ギリシャのストア・ポイキレには戦いの場面を描いた絵画が飾られていたそうですが、ここにもそういった絵があったのでしょうか。ポイキレ 建造物
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ポイキレの下はこんな風になっていて、完全に人工的な建築物だということがわかります。
百の小部屋 Cento Camerelle と呼ばれていて倉庫か宿舎だったと考えられています。ポイキレ 建造物
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百の小部屋の南に続く細長い空間は車回しで、向こう側が入口、手前が正面玄関でした。
そして西に接する部分にはアンティノウスの墓苑が作られていたことが発掘でわかりました。アンティノウスはハドリアヌスが寵愛した美少年で、ナイル川で溺死しました。ハドリアヌスが殺したとか自殺だとか当時からいろいろ言われていたようですが、真相は不明です。
かつてそこにはオベリスクが建てられていて、これが今ではローマのピンチョの丘に立っています(これも明日見ます)。 -
正面玄関から道を挟んだ反対側に小浴場 Piccole Terme があります。
皇帝ハドリアヌス個人のための浴場です。
個人用としてはとてつもなくでかいものですが、天下のローマ皇帝ですから凄まじい財力で作ったのだと納得はします。小浴場と大浴場 建造物
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小浴場の隣には大浴場 Grandi Termeがあります。
長辺が約80m、短辺が約50mというとんでもない大きさの浴場です。小浴場と大浴場 建造物
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皇帝ハドリアヌス自身が入る浴場は小浴場なのですから、大浴場はそれ以外の人のためということになりまます。
皇帝の身の回りの世話をする人や別荘の管理をする人は当然住んでいたでしょうが、そこからイメージするような小人数ではなさそうです。この風呂を運営するだけでもかなりの人数が必要になりそうです。小浴場と大浴場 建造物
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大浴場の隣にあるのはプレトリオ Pretorio と呼ばれる3階建ての建物です。兵舎とも倉庫とも言われています。
プレトリオ前には赤い花が咲いていました。
「兵どもが夢の跡」という言葉がぴったりです。プレトリオ 建造物
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イチオシ
その奥にハドリアヌスの別荘を代表する場所と言っていいカノープス Canopo があります。
ハドリアヌスの別荘というとガイドブックや雑誌で、こんな感じの写真をよく見かけますよね?
こういう写真から私は、別荘の建物の前の庭に丸い池があってその周りにを彫刻が囲んでいる、というような別荘の風景を思い描いていました。カノプス 建造物
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あれ?でも想像していたのと違う。
建物の前の庭に池がある、なんていうこじんまりしたものではなくて、先程見たポイキレよりも奥行きがある広大な空間です。
カノープスはエジプトのアレキサンドリア近くの海岸線にあった街で、その風景を模したものと言われています。カノプス 建造物
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池を時計回りに一周してみます。
運河の縁にあるのは石造りのワニ。エジプトですからね。
これはもともとあったものなのでしょうか?カノプス 建造物
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池の淵には美しい女性像が並んでいます。
カノプス 建造物
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池の奥の突き当りには建物が残っています。階段があるので登ってみます。
カノプス 建造物
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イチオシ
建物の上からはカノープス全体を見渡せます。
カノープスの池は全長約120mという巨大なものです。カノプス 建造物
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この池の南端にある建物はスティバディウムという宴会場です。
カノプス 建造物
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こんな光景を眺めながら宴会を開いていたのでしょうか。
でも広すぎて北端の彫像はここからではよく見えませんね。カノプス 建造物
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イチオシ
池の反対側を戻ります。
女性像を間近に見ると頭に四角い板のようなものが載っています。
これは建物の柱なのです。元々は池全体が柱廊に囲まれていました。
人の形をした柱というのは趣味が悪く感じますが、「カリアティード caryatid」と言って古代ギリシャの建築物によく見られますし、ルネサンス時代の建物にもこれを真似たものが数多くあります。カノプス 建造物
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池の真ん中には亀が。亀は本物ですね。
カノプス 建造物
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池の北端まで戻ってきました。
カノプス 建造物
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カノープスの脇に無造作に横たわった男性像が置かれています。
もともとこの辺りにあったということなのが、単にここに置いてみただけなのか、説明書きもないのでわかりません。
2体ありますが、柵も何もなく、本当にただそこに置かれています。カノプス 建造物
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カノープス脇の博物館の建物の横を登ると西の方角に細い道があり、そちらから人が歩いてきます。矢印で何か書いてあるので行ってみます。
オリーブ畑の中を200mほど歩くとロッカ・ブルーナ Rocca Bruna という神殿がぽつんと建っていました。 -
ロッカ・ブルーナの上に登り来た方を見るとオリーブ畑の向こうに大浴場、小浴場があり、遠くにティヴォリの街が見えます。
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反対側は畑と森が広がっています。こちらは西側、ローマの方角です。
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神殿の柱のかけらが転がっています。
今見られるのはロッカ・ブルーナだけですが、別荘は元々ここから南側一体にも広がっていました。 -
イチオシ
カノープスまで戻り、小浴場の裏手から東側の一段高くなったエリアに登ります。
登ったところにある四角いプールのようなものは養魚場 Peschiera です。
この巨大な水槽で養殖した魚が宴会に出されていたのでしょうか。
水槽の中に水はなく、黄色い花が埋め尽くしていました。わずかに混じる赤い花がアクセントになっていて、本来の姿とは全く違いますがとても美しい眺めです。 -
柱が残っていて、ここも元は大きな建物だったことがわかります。
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水槽の周囲には天窓が開いた地下通路が巡っています。
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養魚場の北西に広い空間がありますが、そこは元々宮殿だった一度で、数多くの建物が建っていました。
ここはドーリス式角柱の広間 Sala dei pilastri doriei。皇帝の宮殿 建造物
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その隣は夏のトリクリニウム Triclinio estivo。
トリクリニウムは食堂で、古代ローマ人は長椅子に寝そべって食事をしました。皇帝の宮殿 建造物
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宮殿の東の少し離れたところに黄金広場 Piazza d'Oro という名の広い空間があります。
中央に水路があり周りを建物が取り囲んでいました。黄金広場 建造物
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宮殿の北側から階段で下に降ります。
その北側は谷になっていて、これにハドリアヌスはテンペー谷というギリシャのテッサリアにある地名をつけました。テンペー谷はアリスタイオスという神様の所縁の地らしいのですが初めて聞く名です。
谷の向こうにティヴォリの街が見えます。テムペーのテラス 建造物
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下には皇帝のトリクリニウム Triclinio Imperiale があります。
宮殿跡の夏のトリクリニウムとここと、2つの食堂があったわけです。
この整然としたモザイク床に上で長椅子に横になって食事をしたのですね。 -
柱が倒れたままになっています。
-
これは柱の上の飾りでしょう。
元の姿がどんなだったかちょっと想像できないのが残念です。 -
その隣の一段高くなったところにはホスピタリア Hospitalia があります。
客間という意味で、これは小部屋が並んでいることからそう呼ばれています。
でも客間にしては小さすぎるので役人の宿所とも言われています。確かに広さから考えると宿所の方がありそうな気がします。
大浴場からもわかるように相当大勢の人が住んでいたと思われますが、こういうところで暮らしていたのですね。 -
ホスピタリアの南側は図書館の中庭 Cortile delle Biblioteche です。
宮殿から一段低くなっているところにあり、今は木が生い茂っています。図書館 建造物
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中庭の北西端にはギリシャ語の図書館とラテン語の図書館があります。
本当に図書館だったかどうかはわからないようですが、カラカラ浴場にもギリシャ語とラテン語の図書館があったので、ここにあっても不思議ではありません。図書館 建造物
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図書館の裏手には赤い花が咲いていました。
図書館 建造物
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これは池でしょうか。
図書館 建造物
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そしてその隣がカノープスと並ぶハドリアヌスの別荘のハイライトの一つ、島のヴィラ Villa dell' Isola、またの名は海の劇場 Teatro Marittimo です。
島のヴィッラ 建造物
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イチオシ
池の中に円形の島があります。
島のヴィッラ 建造物
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美しい場所です。
ここは唯一「別荘」という言葉がしっくり来ました。
この島に籠もっていたらゆっくりできそうだ。島のヴィッラ 建造物
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傍らには復元模型がありました。
島には木製の橋が架けられていたそうです。島のヴィッラ 建造物
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中を一通り巡ってポイキレまで戻ってきました。
広さといい規模といい、そして大勢の人が住んでいた痕跡といい、もはや「別荘」という言葉からイメージするものとはかけ離れています。
これはもう「都市」と呼んだ方がいいでしょう。ポイキレ 建造物
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ポイキレ横の壁の外側にある小屋に復元模型が置いてあります。
これはポイキレ。今いるのは左手の壁の外です。
だいぶ前に作られたもののようで、本当は手前にあるはずのアンティノウスの墓苑など、新しく見つかったものは反映されていませんね。 -
そしてこれはカノープス。
-
売店で水を買い喉を潤します。
かなりの距離を歩いた気がします。今日は天気がよく気温も高いので汗もかいています。 -
北に離れたところに劇場と神殿があるので最後に見ていきます。
そちらに下る坂道の入口にはどこかの柱の一部だったと思われるものが置いてありました。 -
坂を下ったところにあるウェヌス神殿 Tempio di Venere。柱の一部と首のない彫像が残っています。
すぐ奥では修復工事が行われていました。ヴィーナスの小神殿 建造物
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神殿の傍らにあるこれは何?
ヴィーナスの小神殿 建造物
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一番端にある劇場 Teatro。
フェンスがあって中には入れません。
この北端の劇場から南端のカノープスの端まで900m、当時の別荘はもっと南まで続いていたので全長は1kmを越えます。
散策する庭くらいに思っていましたが、そういう次元のものではありませんでした。
ハドリアヌスの別荘ではいろいろなものを見ましたが、今回見たローマ遺跡のカウントとしては「1」とします。 -
別荘を出たときには既に14時を過ぎていました。
来るときに乗ったこの近くを迂回するルートのバスは14:39発ですが、先ほど乗り場を見つけられていません。こちらに迂回しないバスはもっと多くありますが、その停留所まではかなり距離があり、疲れたので歩く気になれません。
目の前からティヴォリの街に行くバスが数多く出ているので、それでティヴォリに行って乗り継ぐことにします。こちらのバスを待つ人は大勢いて、こちらがメインルートであることは確実です。
バスのチケットは入場券売り場で売っています。行列ができていて買うのに15分位かかりました。 -
ティヴォリまでは1.3ユーロ。
バスが来るまでの間にお土産屋を覗いて見ました。絵葉書やガイドブックなども売っていますが、あまり面白いお土産はありません。ヴィッラ アドリアーナ (ハドリアヌスの別荘) 史跡・遺跡
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バスはハドリアヌスの別荘のある街を出はずれると坂をぐんぐん登っていきます。
やがてティヴォリの市街地に入り、右折してバスターミナルのようなところで大勢降りたので、私もそこで降りました。
次に乗る COTRAL のバスもそこで乗客を降ろして行くのですが、COTRAL の看板が見当たらないので、バスが去っていった方向に歩いてみると、左折した先に COTRAL のバス停を見つけました。
バスは街中の一方通行の道をぐるっと回って元の道に戻るだけなので、どこで乗り降りしても大丈夫です。 -
こんなところにも寿司屋があります。
ところでこれは広告ですが、前の写真に写っている公共バスのバス停も同じ形をしています。バス停の裏側も下は広告になっていて、バス停であることが非常にわかりにくい代物です。更にバス停には何故か停留場名が書かれていないので余計にわくりくくなっています。 -
15:43、ポンテ・マンモーロ行きに乗車。乗ったのは私を含めて数人だけでした。
バスは街中の一方通行の道をぐるっと回って元の道をそのまま戻ります。先ほど降りたターミナル近くの公園の前にも停まり、こちらから観光客が乗ってきました。 -
先程登ってきた道を今度は下っていきます。ハドリアヌスの別荘らしきものもかすかに見えます。
今度のバスはハドリアヌスの別荘近くを迂回せず、その後も最短距離の道路SR5を行きます。
小まめにバス停に停まり、乗り降りが結構あります。
次の停留所を知らせる放送などもなく、降りる人は外を見て自分の降りる停留所が次になったらボタンを押しているようです。たまに「フェルマータ」と叫んで停めてもらったりもしています。「停留所」って叫んでいるのです。
初めて来て目的の場所で降りるのは相当難易度が高い、というか無理ですね。
バスは途中からかなり混んできました。 -
16:38,ポンテ・マンモーロに到着。地下鉄に乗り継いでローマに戻ります。
ガイドブックなどでは行きに乗ったハドリアヌスの別荘経由のルートしか書いていないものが多いようです。
しかし帰りに使ったティヴォリ=ハドリアヌスの別荘間のC.A.Tバスを使ったほうが、ハドリアヌスの別荘の入り口前に発着するので絶対にお勧めです。ティボリまではCTRALバスも本数が多く、イタリア鉄道 FS(旧国鉄)でも行くことができます。ただしFSはテルミニ駅からの直通列車はないので、FSの列車か地下鉄B線でティブルティーナ駅に行って乗り換えます。
※「ティヴォリからテルミニ駅まではイタリア鉄道(旧国鉄)で1本」と書いていましたが、2019年現在直通列車はなかったため訂正しました。(2019/8/20)ポンテ マンモーロ駅 駅
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ローマ再訪~古代ローマ遺跡三昧の旅(2018年4~5月)
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