2018/09/13 - 2018/09/13
664位(同エリア4207件中)
さっくんさん
やりなおしの旅もあっという間に最終日です。
最終日はサンタ・マリア・グロリオーサ・ディ・フラーリ教会とそのすぐ側に建つサン・ロッコ同信会館を中心に散策しました。
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遂に帰国の朝を迎えてしまいました。
部屋の前の郵便局の由緒ありそうな建築を見上げ、いざ出陣です。 -
ホテルからのこの眺めもこれで見納めです。
ホテル・カネヴァさん、お世話になりました。
ありがとう! -
宿から程近いリアルト界隈をお散歩します。
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リアルト橋を渡る度、両側をチラ見するのはお約束になりました。
共和国時代、ヴェネチアの経済の中心だったこの場所から、様々な荷を詰め込んだ船が旅立った事でしょう。
それらの船はこれまで私が旅してきたイストラ半島の街を経由して、前回の旅で訪れたダルマチア地方の街で補給を済ませ、コンスタンティノープルやアレクサンドリアを目指したのでしょう。 -
交易に生きた国を旅し、彼等の交易のルートに想いを巡らせれば、更なる旅のインスピレーションが沸いてきます。
ウズベキスタンを旅してシルクロード風情に浸りながら、西安からウイグルへの旅程を考え、モロッコのメルズーカ砂丘を眺めながら、マリのトンブクトゥへ行かねば、この旅は完結しないと悟りました。
ヴェネツィアの交易ルート上ではキプロスが非常に気になります。 -
カナル・グランデ沿いに建つヴェネチア様式の美しい建築の数々。
どれも窓が多くて開放的だなぁと思っていました。
で、陣内秀信先生の著書『ヴェネチア~水上の迷宮都市』を読んでいてハッとしました。
ヴェネチアは地盤がユルユルのラグーナの上に建った街。
だから地盤沈下が最大の敵、どれだけ建物の重さを軽くするかが課題となります。
特に水面に接した正面は開口部を大きく取って軽く仕上げたのだそうです。
ヴェネチア様式の美しさは、この土地、この環境だからこそ生まれたものだったのですね! -
お土産屋さんの出店も出陣の準備中です。
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共和国時代、リアルト界隈が交易の中心だった名残を残す魚市場を訪れました。
おやおやこのお店、以前来た時もこの場所にカジキ置いていましたが、まさか剥製? -
此方のお店はいつも賑やか、活気に満ちています。
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リアルト界隈はヴェネチアでも一番陸地が高い部分であり、ヴェネチアの街の発祥地でもあります。
また、S字にカーブするカナル・グランデのど真ん中に位置し、そうした意味でも象徴的な場所と言えます。 -
リアルト橋は、お気に入りになった北岸ばかりから写真を撮していたので、南側からの眺めがちょっと新鮮に感じます。
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リアルト橋を眺めながら朝食を!
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リアルト橋を遠望します。
橋とは人が川を渡る為に築かれるものですが、ヨーロッパの中世の橋はそれに芸術性が加わります。
リアルト橋は最初は船を通す為の跳ね橋機能を備えた木造の橋でした。
しかし火災や崩落により再建が必要となり、1591年に復活しました。
様々な案が挙がった中(あのミケランジェロも参加)、船を通す事も踏まえ、当時の技術的には難しかった石橋によるシングル・アーチで建てられました。
橋の上には店舗も建てられ、単なる橋としての機能だけでは無く、ヴェネチアの中心を示すモニュメントとしてその存在感を示しています。 -
道の向こうにサンマルコ寺院のドームのてっぺんが見えました。
さぁ仮面を買いに行きましょう! -
そう言えば、素直にメルチェリエ通りを辿ってサンマルコ広場を訪れるのは初めてかも知れません。
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サンマルコ寺院の中央のてっぺんです。
金色に輝くサンマルコちゃんの上に、本来の人物である聖マルコ様がおわします。
新約聖書の『マルコの福音書』を書いた聖人です。 -
サンマルコちゃんとサン・ジョルジョ・マッジョーレ教会。
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サンマルコ広場にて無事仮面をゲット出来ました。
終りに、紹介したいと思います。 -
無事仮面を手に入れて、残された時間でサンタ・マリア・グロリオーサ・ディ・フラーリ教会とスクオーラ・グランデ・ディ・サン・ロッコを見学しようと思います。
ちょっと待った!
その二つは絵画で有名な場所ではないですか!
昨日アカデミア美術館に感動してしまったので、豚に真珠と解っていながら、豚も煽てりゃ木に登らせて貰います! -
路地裏の素敵なレストランを抜けて…。
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一本向こうの橋に沢山観光客がいます。
彼処からは運河の向こうに鐘楼を眺められるからです。
私もヴェネチアに到着した日にその光景を写真に納めました。 -
リアルト橋を渡って、暫しカナル・グランデに沿って歩きます。
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サン・ポーロ教会の脇を抜けます。
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サンタ・マリア・グロリオーサ・ディ・フラーリ教会に到着しました。
大き過ぎて中々構図に困ります。 -
とっても広く、明るく、開放的な教会内部です。
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入り口を振り向けば凄い彫刻が!
ヴェネチア共和国の元首だったジョバンニ・ペーザロの記念碑だそうです。 -
十字架です。
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礼拝堂の主祭壇の奥にこの教会の至宝と言える絵が掲げられています。
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ティッツィアーノの代表作 聖母被昇天です。
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教会内には他にも絵画や彫刻、著名人の記念碑(墓)が沢山あり、見応え有り過ぎな教会でした。
ジュゼッペ・サルビアーティ作 聖燭祭 -
Francesco Cabianca作 Deposizione
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中庭にも幾つか美しい彫刻がありました。
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此方の天使様、とってもチャーミングで素敵です。
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Controfacciata
中央・Girolamo Garzoniの記念碑
右・ピエトロ・ベルナルドの記念碑 -
彫刻家アントニオ・カノーヴァの記念碑。
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ティッツィアーノの記念碑です。
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元首フランチェスコ・ダンドロの記念碑。
私は彫刻部分を切り取ってしまいましたが、実はその上にある絵画も必見の名画だったそうです。
その他見落とし、写し落とし多数。
絵画観賞はやっぱり赤点レベルな私です(泣) -
サンタ・マリア・グロリオーサ・ディ・フラーリ教会のすぐ後ろに、次に訪れるべくスクオーラ・グランデ・ディ・サン・ロッコがあります。
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スクオーラ・グランデ・ディ・サン・ロッコの正面です。
スクオーラとはヴェネチアでは同信会を指し、出身地や職業別の組合で、特定の守護聖人を祀った建物を集会所とし、ヴェネチア共和国時代は地域社会を纏める為に大きな役割を果たしました。
スクオーラ・グランデ・ディ・サン・ロッコは聖ロッコを守護聖人として建てられたヴェネチアを代表するスクオーラで、ティントレットの絵がこてでもか!と言う程納められています。 -
正直同信会に入って絵を眺めた時、ちょっと後悔しました。
何故なら苦手なダークトーンのおどろおどろしい作品ばかりだったからです。
でもこの同信会の発足した理由を知った時、俄然向き合ってみようと決意を固めました。
この同信会は1477年のペスト流行時にペストの守護聖人ロッコの名を冠して、病人の看護を目的に設立されたのだそうです。 -
ティントレット作 東方三博士の礼拝
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ティントレット作 罪のない人の大虐殺
聖書が題材の様です。 -
二階へと続く階段の壁を埋め尽くすペストを扱った作品群。
右側アントニオ・ザンキ作ペスト退散を聖母に祈る聖ロッコ
左側ピエトロ・ネグリ作ペスト終結をヴェネチアにもたらす聖母 -
部屋中に絵が飾られており圧倒されます。
サンタ・マリア・デッラ・サルーテ教会も、対岸のジューデッカ島のレデントーレ教会も、ペストの終焉を祝い建てられました。
ペストは時にヴェネチアの人口の3分の1を奪いました。
ルネッサンスと聞くと華やかなイメージを抱いてしまいますが、当時の人々はペストと言う死の恐怖と常に隣り合わせにいたのかもしれません。
そしてその恐怖を和らげてくれるのが信仰の力だったのでしょう。 -
ティントレット作 ヴィジョン・オブ・聖ロッコ
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2階大広間の天井には写真手前から「岩から水を沸き出させるモーゼ」「青銅の蛇」「マナの収集」と言うティントレットの重要な三つの絵が配されています。
これらはそれぞれ、「渇きを癒す」「病者を看護する」「貧者に食物を与える」と言う同信会の通常の慈善活動を表していると言われます。 -
ティントレット作 ロッコの栄光
この絵はコンペがあって画家達に構想の素描の提出が求められていましたが、ティントレットはいきなり完成作を天井に設置し、同信会に絵を寄贈してしまいました。
こうした事から同信会の絵の殆どをティントレットが手掛ける事となったと言われます。
絵の才能も逸品でしたが、自分を売り込む才能も持ち合わせていた画家さんだったのかもしれません。
因みにその後ティントレットはこの同信会の会員になっています。 -
ティントレットの最高傑作のひとつと言われるキリストの磔刑
何も得るものの無い潟(ラグーナ)に産まれ、海洋交易に命運を託し、海洋交易で繁栄を築いたヴェネチア。
交易によりオリエントから様々な富がもたらされた一方、それらに紛れペストと言う招かれざる悪夢も忍びこみました。
当時為す術の無い、目に見えず忍び寄る恐怖に対し、ヴェネチアの人々は同信会を発足し、祈るばかりでは無く、慈善事業を施し、一致団結して闘っていたのです。
絵の価値なんて、さっぱり未熟な私ですが、見えない敵に毅然と立ち向かったヴェネチアッ子の心意気を存分に感じ取る事が出来ました。 -
街の一角でとても可愛らしいお店を発見しました。
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この調子で歩けば、ファンダメンテ・ヌォーヴォの船着き場へ行く前に、サンタ・マリア・グロリオーサ・ディ・フラーリ教会と双璧を為すと言われる、サンティ・ジョバンニ・エ・パオロ教会に立ち寄れるでしょう。
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サンティ・ジョバンニ・エ・パオロ教会。
左横は昨日アカデミア美術館で見た絵にあった、スクオーラ・グランデ・ディ・サンマルコです。 -
サンティ・ジョバンニ・エ・パオロ教会の内部です。
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さて、この橋を渡れば、後は船着き場を目指すのみです。
今回やりなおすにあたって三つの本を読みました。
『海の都の物語』塩野七生先生
『ヴェネチア~美の都の一先年』宮下規久朗先生
『ヴェネチア~水上の迷宮都市』陣内秀信先生
その三冊に共通していた事は、筆者のヴェネチアLoveが痛いほど伝わってきた事でした。
普段冷静な学者さんをも、時に読んでいて微笑ましいくらいに熱くさせてしまう街、ヴェネチア、訪れてみて正に!と頷く事ばかりでした。
訪れてみて、改めて感じた事、やっぱりヴェネチアはヴェネチア!
世界でひとつしか無い街だと言う事。
私にとってヴェネチアはイタリアの一都市では無く、ヴェネチア共和国だと言う事。
稀有なる街、ヴェネチアにありがとう! -
ファンダメンテ・ヌォーヴォに到着しました。
到着してしまいました。
引き返すなら今のうちです。
旅の最後はいつだって後ろ髪が引かれます。 -
空港へと向かうヴァポレットに乗れば、今回の旅が走馬灯の様に頭を巡ります。
前回の旅にやり残した想いに悶々としていた私を名作アニメ「あの日見た花の名を僕達はまだ知らない」のヒロイン、メンマの
「やりなおしだよ!」
の一言が、私の背中を押してくれました。
最後に頭中に流れる歌は、勿論アニメの主題歌となった、シークレット・ベースです。
君と夏の終わり、将来の夢、大きな希望、忘れない♪
10年後の8月、また逢えるの信じて♪
最高の思い出を!♪
涙腺崩壊しました。 -
こんな顔じゃ空港に入れないとか思っていると、水上タクシーが乱暴に水を跳ね上げ通り過ぎて行きました。
船内に悲鳴が響きます。
と同時に一斉にみんなが振り返りました。
私が最後尾の窓側、一番被害を被った席にいたからです。
決して綺麗とは言えないヴェネチアの海水をザンブと浴びて、涙は綺麗に洗い流されました。
唇をニッと上げて親指を立てながら返します。
「 No problem!」 -
離陸してしまいました。
一年に数を重ねられる程の身分に無い私、でも他にもいっぱい未だ訪れたい国がある私。
次にヴェネツィアに訪れる機会はいつになる事やら…。
10年後の8月にまた逢えるの信じて…。
さようなら、ヴェネチア!
また逢おうね! -
カ・マカーナで購入したハーフマスクとザンジバルで購入した戦士の仮面のコラボ。
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サンマルコちゃんとヴェネチアの置物。
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バルカン半島の旅の時購入した女性の仮面、その御主人を見つけ今回購入した仮面。
夫婦揃って幸せそうになりました。
最初は戸惑いもありましたが、無事、いや期待以上にやりなおしが叶った旅となりました。
バルカン半島の旅から数えて40回超、長い旅行記となってしまいましたが、皆様最後までご覧になってくださり誠にありがとうございます。
目録へ
https://4travel.jp/travelogue/11414554
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この旅行記へのコメント (4)
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- ベリーニさん 2018/11/20 20:48:28
- ガイドブックだけじゃ足りないですねー…
- さっくんさん、こんばんは。
やり直しの旅、最終回になってしまったんですね。
さっくんさんはいつも、本を読んで旅に出ているんですね‥ 色々な物に深い価値を感じられるのはそういうことですね。
ガイドブックだけで旅に出ているのとは見える世界が違いますねー…交易路とかディープな事を教えて貰えました。
ダルマチアがどこを指しているのか分からず‥ちょっと調べてしまいました。テヘヘ(^^)
- さっくんさん からの返信 2018/11/21 18:56:55
- Re: ガイドブックだけじゃ足りないですねー…
- ベリーニさん、暖かいコメントありがとうございます!
なるべく旅する国の本を読み尽くして旅する様にしています。
また旅で出逢った?も持ち帰って解ける部分は調べています。
折角なので思いっきり浸りきって、色々調べているうちに、あらぬところから、あらぬ国のエッセンスを発見して、それを追っかけていると、次に行きたい国が自ずと出てきたり、どんどん旅の深みにはまってしまいます(笑)
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- ももであさん 2018/11/17 21:18:55
- 他人の空似!?
あらら、十数年前のどなたかのブログでも
そっくりなカジキ様をお見かけしましたよ!?
- さっくんさん からの返信 2018/11/19 07:04:52
- Re: 他人の空似!?
- マジですか?!
次回訪れる時が楽しみです。
あのカジキはほんものなのか?
やりなおさないと?
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