公共交通機関だけで行く!　長崎キリシタンを知る一人旅　その2（島原半島編）

2018/08/23 - 2018/08/29

昨年に続くキリシタンを知る旅、
今年はしまてつバスを乗り継いで世界遺産をめぐります。

「その1」では、長崎、浦上、外海地区の「潜伏とかくれ」を知り、
いよいよ後半戦「その2」島原半島です。

島原半島は、潜伏前「大繁栄時代」の舞台です。
そして島原天草の乱と続き、潜伏への長い時代へと移っていきます。

エリア 長崎

• 旅行の満足度: 5.0
• 観光: 5.0
• ホテル: 4.0
• グルメ: 4.0
• 交通: 4.5

• 同行者: 一人旅
• 一人あたり費用: 5万円 - 10万円
• 交通手段: 高速・路線バス 船 ANAグループ JRローカル 私鉄 徒歩
• 旅行の手配内容: 個別手配

正面がリニューアルした諫早駅です。
事前調査では何もない場所だと警戒していましたが、
工事が終わり、駅はぴっかぴか。
JR改札外にはコンビニもあり便利です。
駅前には全国チェーン居酒屋がいくつかあります。

駅に向かって右側の、「諫早ターミナルホテル」に昨晩は宿泊。
シングルでも広々とした清潔な部屋で、何も不自由はありませんでした。

駅に向かって左側はかなり大きな「バスターミナル」です。
島原鉄道駅と、ここバスターミナルで、
「しまてつフリーパス」が購入できます。

諫早ターミナルホテル 宿・ホテル

諫早のバスターミナルから、雲仙行きのしまてつバスに乗り、
「小浜バスターミナル」に到着しました。
ホテルに荷物を預けて、近くを散策です。

島原天草の乱では、小浜の領民も多く参加したそうです。
キリシタンに対して、
雲仙地獄での厳しい拷問をおこなった島原藩主は、
小浜の温泉の入浴を楽しんでいる最中に、
長崎奉行の刺客に暗殺されたといわれています。

キリシタンの歴史を知る上では、
島原半島全域が何らかの形で島原天草の乱と大きく関わり、
歴史の舞台となっているのだと実感します。

小浜歴史資料館 美術館・博物館

「小浜歴史資料館」です。
開館時間すぐに入ったため、ガラガラでした。

湯太夫として小浜温泉を守り続けてきた本多家の蔵や家が、
そのまま資料館として活用されています。
この本多家が、小浜鉄道の創設者　本多親宗さん　ということです。

小浜歴史資料館 美術館・博物館

昭和2年から昭和13年までの短い期間に、
ここ小浜では鉄道が走っていたそうです。
肥前小浜－愛野間に開通した「温泉小浜鉄道」は、
雲仙への観光客誘致にも一役買ったようです。

館内には当時の「木津駅の駅長室」が再現されています。

小浜歴史資料館 美術館・博物館

なんとニューヨーク堂の「カステラアイス」発見！
長崎で食べ損ねたので、なんとなくうれしい。。。

小浜マリンパークに、数軒固まってある土産物屋さんで購入。

小浜から、予約していた「かづさイルカウォッチング」に向かいます。
小浜バスターミナル10：30→水月橋11：01　口之津行きに乗車します。
バス停からすぐわかる場所にあります。

バスを下車した人はわたしだけでしたが、
ここに到着して、いきなりものすごい観光客密集地に入りました。
大混雑、大人気です。

南島原イルカウォッチング 名所・史跡

すっごいです。船がうようよいます。
漁師船のようです。
こんなに船がいたらイルカが逃げてしまうのではないかと思うくらいです。

酔い止め必須です。

南島原イルカウォッチング 名所・史跡

イルカの群れの動きに合わせて、すべての船が同じ方向に突撃していきます。
船の巧みな操縦ができないとできない商売ですね。

船は、加津佐や口之津、そして天草から集まってきています。
ざっと見ても船数は、20　はあるでしょう。

船の混雑心配はよそに、ばっちりイルカの群れをまじかに見ました。
こんなに近くで見れるとは！
口先がピンクでものすごくかわいかったです。

南島原イルカウォッチング 名所・史跡

イルカウォッチングを終えて、歩いてすぐの「加津佐海水浴場」へ。
のびのびとした解放感あふれるビーチに、ほっとします。

遠浅の海岸。のんびりと歩いて海の家がある方まで歩きます。

ここからお次は「有馬キリシタン記念館」と「原城跡」へ、、
と言いたいところですが苦戦します。

当初の予定では、「加津佐海水浴場」からダイレクトに、
目的地に向かうバスに乗る予定でしたが、
自分の確認不足によるイージーミスにより、
目的地が近いのにひどく遠い場所になってゆくのでした。。。。

「加津佐バス停」と「加津佐海水浴場バス停」は別物でした。。。。ショック。
正解はひとつ先にある「加津佐海水浴場」で乗車が正解でした。

加津佐海水浴場13：20→南有馬小学校前13：40　島原駅前行に乗れず、　
時刻表を照らし合わせて真っ青です。
もうバスはしばらくありません。
あきらめて「加津佐」から「口之津」へ向かうしか選択肢がありません。

加津佐町花火大会 花火

「口之津」到着です。
遠藤周作の「女の一生（下）」であこがれていた場所です。

しかし。因縁の場所となってしまいました。
最終的に2時間　この口之津で足止めを食らうことに。
天草行きのフェリーをいくつ見送ったことか。。。

口之津で「原城跡」方面へ行くバス表示が分からず、
該当バス（14：01発多比良港行き）を見送ってしまったことから、
更に自体は悪化。
この日は日曜日。次の15：01発は平日のみ運行。
15：51発島原行きにようやく乗車できましたが、
「有馬キリシタン記念館」は断念せざるを得ませんでした。

ここ口之津でも、多くの領民たちが、
島原天草の乱に参加しました。

口之津港フェリーターミナル (島鉄フェリー) 乗り物

ようやくたどり着いた「原城前バス停」16：00に下車。
なんと遠い「原城」だろう。
口之津から車ですぐなのに！！

原城跡 名所・史跡

一国一城令で「原城」は廃城されましたが、
のちに島原天草の乱の舞台となります。

島原・天草両地区での圧政で、
農民やキリシタンらの怒りが発端となった一揆は、
やがて天草勢も加わり3万人余となりました。
対する幕府軍は12万人でしたが、守りが堅固で何度も攻撃に失敗し、
鎮圧に成功したのは4ヵ月後だったそうです。

原城跡 名所・史跡

幕府軍鎮圧後、城は破壊され、
3万人近い遺体が埋められたままだそうです。

原城跡 名所・史跡

その後、誰もいない空っぽになったこの土地に、
小豆島などから多くの移住者が移り住み、
そうめん製造技術を島原に持ち込んだとされるそうです。

原城跡 名所・史跡

真夏でまだまだ日が高いことが幸いしました。
まだまだ観光客を乗せた大型バスがやってきます。

しまてつバス利用の観光客の方に遭遇することなく、
因縁の口之津経由で小浜へ戻ります。
「原城前」17：16→口之津17：32
口之津17：40→小浜18：20

この日はあまりにも疲労が蓄積し、
浜観ホテルから10分ほどのスーパー大門で食料を調達し沈没しました。
疲れたーーーー

原城跡 名所・史跡

小浜から雲仙へは、バスで30分くらい。すぐです。
バスターミナルは冷暖房完備、トイレもあり、飲食店もあります。
小一時間くらいなら時間がつぶせます。
道路向かいには、「日曜休館の観光案内所」があります。
観光地なのに日曜休館って。。。。

本日は月曜日。
小浜から日帰りで雲仙を楽しみます。

スタートは「雲仙お山の情報館」向かいにある、
「国立公園雲仙指定５０周年広場」です。

雲仙地獄 自然・景勝地

10時前の雲仙はガラガラで爽やかです。
独り占めです。

雲仙地獄 自然・景勝地

雲仙バスターミナルを中心に、観光地をくまなく楽しめるスケール感です。

雲仙地獄 自然・景勝地

ここ雲仙地獄は幕府の禁教令に背き、
捕らわれたキリシタンたちが拷問された場所で慰霊碑があります。

幕府の禁教令により長崎の牢屋に捕らえられたキリシタンたちを、
雲仙地獄の拷問に送ることを「山入り」と言ったそうです。
その道のりは、長崎から茂木まで歩き、
船で海を渡って小浜に上陸し雲仙岳を登ったそうです。

道中には現在、「耳採」という地名があります。
「山入り」するキリシタンたちが、
脱走しても判別できるように、
彼らの片耳をそぎ落とした場所だということです。

雲仙地獄 自然・景勝地

公営？駐車場からすぐの「雲仙新湯温泉館」です。

人の出入りが多く、落ち着かないような印象だったので、スルーします。
車で観光する人にはうってつけの場所ですから非常に便利です。

雲仙温泉 温泉

誰もいない雲仙地獄など広範囲に散策し、
憧れの「雲仙観光ホテル」でケーキを食べることにしました。

雲仙観光ホテル 宿・ホテル

小浜の下界は灼熱の暑さですが、
バスで30分ものぼると、まさに高原リゾートが。
エアコンなしで、まどからは涼しい風が入り、
レースのカーテンを揺らしています。

雲仙観光ホテル 宿・ホテル

チーズケーキと赤ワインのセットです。
優雅だーーーー。

雲仙観光ホテル 宿・ホテル

ワインでよい気分になったところで、
小地獄まで勢いつけて歩きます。
結構あります。。。徒歩で歩く人などいません。。。
バスの本数が少ないので仕方がありません。

国民宿舎があり、また有名な公共浴場もあることから、
車で来る人のための大型駐車場がたくさんあります。
雲仙バスターミナルからは、徒歩で30分はかかる距離ですから、
普通の人は車で来る場所です。
昼を過ぎているので、真夏の暑さがこたえます。

やっとたどり着いたーーーーー。
「小地獄温泉館」です。

はるばる歩いた甲斐がありました。
最高の湯質です。外国人はいません。最高です。

雲仙温泉 温泉

どうやら星野リゾートが「雲仙富貴屋」の営業権を取得し、
乗り出したようです。只今工事中です。

どんなサービスを提供してくれるのでしょうか。
ものすごい楽しみです。

外国人向けに、温泉マナー浸透に向けた取り組みを期待します。
観光立国日本に一役買ってくれそうな星野リゾート。
楽しくマナーを受け入れてもらえるような企画が欲しいです。
土足のまま温泉に入ってきますからね。彼らは。。。。

雲仙温泉 富貴屋 宿・ホテル

雲仙バスターミナル目の前の立地。
雲仙地獄の入口、
という最高のロケーションの老舗旅館「雲仙富貴屋」です。

雲仙地獄 自然・景勝地

雲仙温泉商店街裏通りに位置し、
雲仙温泉で最も古い歴史を持つ共同浴場
「湯の里温泉共同浴場」です。

ここのお湯も素晴らしかったです。
ご主人や地元の方との会話に花が咲きます。

近くの民宿に宿泊して、ここのお湯を朝晩楽しむのもよいと思います。
備え付けの備品はありませんので、各自一式持参してください。

雲仙温泉 温泉

小浜へ戻り、今晩の夕食は「蒸し釜や」さんです。
常に観光客で賑わっているようです。
この日は月曜日で、開店すぐであったため、
静かに夕食を楽しむことができました。

蒸し釜や グルメ・レストラン

皿に盛られた調理前の品を選び、この蒸し釜で蒸してもらいます。

蒸し釜や グルメ・レストラン

刺身の盛り合わせ。
観光レストランでも、おいしい刺身でした。

蒸し釜や グルメ・レストラン

こちらは蒸した料理です。
鶏肉と白菜などの野菜盛り合わせ。
セルフで用意されたポン酢などを選び、
好みの味付けで食べます。

蒸し釜や グルメ・レストラン

日本一長い足湯「ほっとふっと105」で、
夕食後の夕暮れを楽しみます。
昨日の夕方は人が多く、座る場所がないくらいでしたが、
平日夕方はのんびりできてオススメです。

ほっとふっと105 温泉

美しい小浜温泉の夕暮れは、
浜観ホテルの部屋のベランダからも楽しめます。

ロケーションがよい大型ホテルですが、
外国人団体客が多いので、
当然ながら大浴場の温泉マナーは最悪でした。

ここ数年、北海道、九州、中国四国地方を訪れ、
各地の手ごろな価格の　温泉ホテル　に宿泊することが多かったですが、
どこへ行っても必ず温泉マナーの悪い外国人旅行者に遭遇し青ざめます。
手ごろな価格の温泉ホテルではなく、
小さな温泉宿を選んだ方が正解かもしれないなと痛感します。
（例えば雲仙の民宿に宿泊し、公共浴場で温泉三昧するとか）

奥入瀬の星野リゾートや函館プリンスホテルでは、
そういった不愉快な思いをしたことはなかったため、
外国人旅行者の意識の違いや、
添乗するツアーガイドや旅行会社の質の違いが影響していると思いました。
彼らは「温泉マナー」の重要さを知らないだけなのではないかと思います。

星野リゾートよ。
九州に進出したならば、改革の先頭に立てるのはあなたしかいない。
託したい気持ちで一杯です。

浜観ホテル 宿・ホテル

翌朝早々に小浜温泉を後に、島原へ向かいます。

小浜バスターミナル→島鉄バスターミナル

ホテルに荷物を預け、午前から島原散策です。

島鉄本社前駅 駅

島原鉄道「島鉄本社前」と、
しまてつバス「島原バスターミナル」は、
徒歩5分かかりませんが、
分かりにくいためか案内版が駅に設置されていました。

島鉄本社前駅 駅

島鉄本社前近くにある「イオン」を目指していけば、
「島原バスターミナル」が見つかります。
バスターミナルは、道路から少し奥まった場所にあり、
イオンに隠れてしまって、道路を歩いてみても見当たりません。

「島原バスターミナル」から歩き、商店街の一角にある「江東寺」です。

島原天草の乱の際、原城総攻撃で戦死した幕府軍の総帥追善を目的として
この地に　昭和32年説法ねはん像が建立された、とあります。

江東寺 寺・神社・教会

「江東寺」を過ぎて、「白土湖」湖畔をぐるっと歩き、
事前調査ナシに無意識にたどり着いた「島原カトリック教会」。

ミサなどの儀式が行われていなかったため、
ふらりとお邪魔することにしました。

島原カトリック教会 寺・神社・教会

なんと。
この教会は、1612年～1658年の間に、
島原半島で殉教した数万人のキリシタンのために、
日本26聖人殉教400周年と島原天草の乱から360年の節目にあたる、
1997年に祈りの家として建てられたそうです。

何か不思議な縁で、無意識に導かれた感覚を覚えます。

島原カトリック教会 寺・神社・教会

堂内には殉教地雲仙地獄で始まった踏み絵のマリア像、
島原の乱の陣中聖旗の図案にもなった御聖体組のシンボルの油絵、
1620年島原半島地域の代表者がローマへ送った署名入りの信仰告白書の複製、
殉教者名簿をつらねた掲示板など、数多くのものがあります。

この堂内にあるものすべてが、
島原半島でのキリシタン殉教の歴史を教えてくれます。
内部のステンドグラスは、島原半島で起きた苦難の歴史が表現され、
心が締め付けられるような思いがします。

島原カトリック教会 寺・神社・教会

真夏の暑さと疲れで、
よく確認せず、吸い込まれるように入っていったので、
気が付きませんでしたが、
「島原半島殉教者記念聖堂」の表示がありますね。

この教会のことは、
観光案内などのサイトでは、事前に情報を得られませんでしたが、
帰宅後、よくよく調べてみると、
キリシタンの歴史を知る旅　最後の締めくくりにふさわしい場だと言えます。

「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」を旅する方々には、
旅の終盤にこの教会を訪れることを強くお勧めします。

島原カトリック教会 寺・神社・教会

小腹もすいてきたので、名物料理を食べることにしました。
郷土料理の「具雑煮」です。
真夏でどうかと思いましたが、夏の疲れを大いに癒してくれました。
暑い時は暑い食べ物で(笑)。
出汁汁の塩分が，体に吸収され元気になりました。

「鯉の泳ぐまち」エリアには、
数軒「具雑煮」が食べられるお店を見かけました。

ほうじゅう グルメ・レストラン

「鯉の泳ぐまち」そばの庭園「四明荘」です。
庭園は昭和初期に禅僧を招いて造られたと言われ、
鯉がうようよ泳いでいる庭園の池へは、
一日に約3000トンもの清水が流れているそうです。

水が豊富な町なんですね。

湧水庭園「四明荘」 名所・史跡

現在は、登録有形文化財　ということです。

湧水庭園「四明荘」 名所・史跡

真夏の歩きは厳しいものがあります。
クタクタになりながらようやく「島原城」に到着しました。

規模の小さな城だと思い込んでいましたが、
かなり大きな立派な城です。
かつての大繁栄を思い起こさせます。

島原城 名所・史跡

明治維新により明治７年に解体され、復元されたものです。

天守閣内部は、博物館となっており、
かなり充実したキリシタン資料があります。
島原半島のキリシタンの歴史を、大きく年代順に知ることができ、
分かりやすい貴重な博物館だと思います。

先ほど訪れた「島原カトリック教会」内部にある
ステンドグラスの解説もあります。

もちろん藩政時代の郷土資料・民俗資料などもあります。

島原城キリシタン史料館 西望記念館 観光復興記念館 美術館・博物館

博物館で一時間以上沈没し、疲労はピーク。
島原城売店で「かんざらし」をいただきます。
この甘さ。。。真夏の疲労を癒してくれました。

島原城売店 グルメ・レストラン

「武家屋敷」エリアです。
向かい合わせに建ち並ぶ武家屋敷。
通路中央には水路があり、今も豊富な水が流れています。

城下町の規模といい、水路設備の充実といい、
島原の権力の大きさに触れることができます。
いたるところに水路があり、
浜の川洗い場など湧き水のある場がたくさんあります。

武家屋敷 名所・史跡

「武家屋敷」エリアの外れにある「さかきばら郷土史料館」です。

さかきばら郷土史料館 美術館・博物館

な。な。なんと、個人が収集したそうです！
館主ご夫婦が、戦後50年かけて収集した貴重なコレクションは、
とても個人レベルのものではありません。

島原の地にスポットを当てた昭和の時代までのコレクションが、
きちんと分類分けされて、見やすく分かりやすく陳列されています。

個人でこんな偉業を成し遂げることができるとは脱帽です。
島原市は、この史料館の維持管理に関わる協力を、
一切してくれていないそうで驚きでした。

さかきばら郷土史料館 美術館・博物館

青い理髪舘「工房モモ」です。
史料館で二時間近く沈没してしまい、
もう閉店時間です。
外観だけ見てスルーします。

青い理髪舘 工房モモ グルメ・レストラン

あっという間に夜になってしまいました。

今晩は、2018年　キリシタンの歴史を知る旅　のラストナイトです。
大いに気兼ねなく酒と刺身を楽しみます。

網元 グルメ・レストラン

刺身、危険です。うますぎます。
昨年の五島の味にはかないませんが、やはり期待を裏切りませんでした。
ビールだけでなく、冷酒もガンガンいきます。止まらない。。。。

網元 グルメ・レストラン

昨晩は飲みすぎました。。。
「島原東洋パークサイドホテル」に昨晩は宿泊しました。

シングルルームは格安です。
部屋は長崎のワシントンホテルより広くて快適でした。
非常にコストパフォーマンスのよい清潔なホテルです。

島原東洋パークサイドホテル 宿・ホテル

ホテルからすぐの「島鉄本社前駅」から、「諫早駅」を経由し、
バスに乗り換えて長崎空港へ向けて出発です。
名残惜しいです。

島鉄本社前駅 駅

旅の最後のお楽しみ。しまてつ乗車です。

憧れの「大三東駅（おおみさき）」に途中下車します。
下車のたびに運賃を支払うため、
途中下車でも改札出なければ大丈夫、という訳にはいかず、

島鉄本社前→大三東
大三東→諫早

という具合に、毎回運賃を支払う必要があり、割高になってしまいますが、
是非とも途中下車して駅からの眺めを満喫しておきたいです。

大三東駅 駅

「日本一海に近い駅」とも言われています。
有明海はホームのすぐ下です。

大三東駅 駅

海沿いの静かな無人駅ですが、
しまてつフリーパス発売日は、
恐らくこんなに閑散とはしていないでしょう。
週末も車で訪れる人が多いようです。

わたしはあえて、フリーパス発売日は、バス旅を楽しみ、
晴れた平日朝の「大三東駅」を訪れて正解でした。
だーーーーーーーーれもいません。独り占めです。

大三東駅 駅

待合所には、しあわせの「駅ノート」が置いてありました。
次の「諫早駅行き」が到着するまでの時間、
わたしも一筆書き残しておきました。

大三東駅 駅

島原鉄道の「幸せの黄色い列車王国プロジェクト」で、
大三東駅を「幸せ祈願スポット」として、
メッセージを記入した「黄色いハンカチ」を掲げるイベントを、
何回か開催しているそうです。

大三東駅 駅

静かな朝の有明海と、島原鉄道。
晩夏に訪れた島原半島に思いを巡らせます。

だんだんと真昼の暑さになってきました。

有名な「大三東駅」だけでなく、
ひとつひとつの駅に個性があって愛おしい路線です。

島原鉄道は、かつて博多駅までの国鉄直通や、
長崎駅・佐世保駅への直通列車も運行していたようですが廃止され、
島原半島と福岡県・長崎県を広域に結ぶ連絡機能はもうありません。

今は「島原外港駅」が終点ですが、
2008年までは、「加津佐駅」が終点でだったそうです。
わたしが数日前に苦しんだ(苦笑)バス旅で訪れた「加津佐バス停」です。

路線がどんどん廃止され、
公共交通機関が不便になっていく時代なのですね。さみしいものです。

さあ、「諫早駅」に到着しました。
諫早駅前のバスターミナルから、長崎空港へ向かいます。

諫早駅 駅

長崎空港内で五島うどんを味わいます。
酒を飲みたいところでしたが、非常に店内が混雑していたため断念。
ああ。旅が終わってしまった。。。

長崎空港 空港

長崎空港で購入した空弁です。
自宅で旅の思い出に浸りながら、しんみり味わいます。

旅を振り返り　最後に自分への覚書として。

「キリスト教禁教令」発令当初は、幕府の姿勢は寛容でしたが、
しだいに規制が強化され、
1626年に着任した長崎奉行が「棄教命令」を出した時から一転。

島原藩の松倉重政が考案した
温泉の熱湯攻めという雲仙地獄の拷問を採用し、
棄教しない場合は火あぶりなどで殺したため、
キリスト教殉教者の数が一気に増えました。
こうしたキリシタンへの迫害のせいで、町から逃亡する者が相次いだため、
拷問の方法を改め、
殺す「処刑」から、棄教させる「拷問」へと変化していきました。

拷問は、約1ヶ月ほど肉体的な苦痛を与え、
踏み絵で更に精神的な苦痛を与え、
心身ともに苦しめて棄教させるという過酷なやり方でした。
それは明治維新後も続きます。
浦上村の潜伏キリシタンたちが浦上天主堂を訪れ信仰の告白。
結果的に「信徒発見」が「浦上四番崩れ」につながりました。

「浦上四番崩れ」での迫害は、
西欧諸国から明治政府への抗議や批判につながります。
西欧諸国の仲間入りをしたいがために、
明治政府は表向きの体裁を整えるべく、
ようやく　キリシタン迫害の歴史　は終焉を迎えます。

個人ではおとなしい日本人は、組織で動くと残忍な面を見せます。
大多数を正とし、少数派やマイノリティを差別する性質は顕著です。
のちの大戦でも、占領地において、極端で残忍な面をむき出しにしてゆきます。

今回の旅を通して思うに、
「潜伏キリシタン」と「かくれキリシタン」の子孫たち、
「アイヌ」などを、静かに差別する国民的性質は、
現代の今も残っていると感じます。
自分は差別的な意識はないだろうと安心していても、
組織で集団となると、この自分も豹変するのではないかと恐れます。

歴史をたどりながら進むわたしの旅は、
日本人の性質自体を深く見つめる旅となり今後も続くことでしょう。