美しき村とロマネスク教会をたずねて（ｳﾝﾌﾞﾘｱ･ﾄｽｶｰﾅ･ﾏﾙｹ)　[9]サントゥアリオ・マドンナ・ディ・フラサッシ、サッソフェラート

2018/04/25 - 2018/05/06

ＧＷ、今年もイタリア在住の友人に会いに出かけた。
4/25　羽田発0:30　ドバイ着6:45 ドバイ発9:10　ローマ着13:25　ローマ発16:30　ペルージャ着20:15　Suluga　bus
4/26　ペルージャ近郊
4/27　ヴォルテッラ、ヴィコピサーノ、サン・ジュリアーノテルメ
4/28　カステルヌーヴォ・ディ・ガルファニャーナ、バルガ
4/29　カルチ、チェルタルド
4/30 ローロ・チュッフェンナ、グロピナ、ロメーナ　
5/1　 べヴァーニャ
5/2　 コルチャーノ、ラポラノテルメ
5/3　 サントゥアリオ・マドンナ・ディ・フラサッシ、サッソフェラート
5/4　 ペルージャ発9:05　ローマ着11:45　Flixbus　ローマ
5/5　 ローマ ローマ発22:05
5/6 ドバイ着5:55　ドバイ発8:00　羽田着22:45

エリア イタリア

• 旅行の満足度: 5.0

今日はマルケ州へお出かけ、天気が悪い。
本当はジェンガにある別の教会に寄ろうとしていたが、通り過ぎてしまった。
フラサッシ峡谷沿いを走ると、フラサッシのマドンナ聖堂（Santuario Madonna di Frasassi）の看板発見。

緑のトンネルを約700メートルほど上って行った。
途中、聖書の場面絵が飾られていた。

なんかすごく急峻な山々。

霧も出て秘境みたい。
フゥー結構上ったよ。

自然に作られた洞窟は、古くから地域の人々が襲撃、攻撃、略奪からの避難場所としていたようだ。
聖域は天然の洞窟グロッタ・ディ・フラサッシ（Grotta di Frasassi）にあり、火山噴火口のようにも見える。中には2つの教会があるが、もともとは別々の教会だったそう。

ヴァルディエール寺院（Tempietto del Valadier）に到着。
聖所は毎日開かれ、6月には日曜日に巡礼が行われるそう。

1029年にすでに修道院は存在したようだが、様々な変遷があったようだ。
そして1828年にジェンガ生まれの教皇Leope 12世Iが1828年に建てた白い八角形の建物で、有名な建築家Giuseppe Valadierが設計した。

内部には洞窟から得たアラバスターの祭壇、白いカラーラの大理石の彫像が飾られている。

今日は人気がなくて静まり返っていたせいか霊験あらたかな雰囲気だった。
後ろ側もぐるっと回ってみたが、ちょうど建物が入るくらい大きな洞窟となっていた。

マドンナ・ディ・フラサッシ（Madonna di Frasassi）
クリスマスには、美しいプレゼーペが飾られるそう。
手前にも洞窟が続いている。

中に入ると…

無名の手による小さな木製の彫像。

聖母子の彫像。おごぞかな雰囲気。

戻り道の途中、脇道を入ると独特な縞模様の岩盤。
付近では、先史時代の痕跡も見つかってるそう。

さてと…車を停めて、ここがサッソフェラートかしら？と歩き出す。

広場にいたオジサマに尋ねたら「そうさ、ここはサッソフェラートの街さ。そこの教会を案内しようか？」と。

Church of Saint Teresa of Avila

バロックかな。

いろいろ説明して下さったのだけどイタリア語堪能ではないので、残念ながら。

後ろにはオルガン。

ふたつのパートに分かれているサッソフェッラートの街。 ひとつは海抜291mに広がる近代的な地区で、もうひとつは中世の雰囲気が残る アルボルノツ Albornoz 要塞と城のある古い地区。
オジサマが少し高台にある古い地区へ車でついて来てと案内してくれた。

この素敵な感じの建物はB&B　Vicolo Santa Chiara Appartamenti Turisticiらしい。

オジサマが「ヴェローナのジュリエットのバルコニーより素敵だろう」って。

このアーチの壁には…フレスコ画が残っていた。

小雨降る中をそぞろ歩き。

有名な法律家バルトロ・ダ・サッソフェッラートや、1600年代の画家ジャン・バッティスタ・サルヴィはこの街の出身。 毎年この画家を偲んで、絵画、彫刻、グラフィックアートなどの展覧イベントが催されるそう。

中世を思わせる古い地区。

途中でオジサマが２階に向って「Maria chiave!」と言うと鍵が降って来て…
何だか映画のワンシーンのようだった。
彼はサッソフェラートの旧市街生まれでボランティアで案内をしてるそう。
偶然、いい方に出会ったね。

昔の貴族の館。

いろんな装飾が付いてる。あれ、木も生えてる（笑）

見晴らし台から。緑豊かだな。

後ほど訪れたミステリアスなAbbazia di Santa Croce。

小雨の中、人気のないメインストリート。

聖フランチェスコ教会（chiesa S. Francesco)
13世紀～14世紀に建立。 14世紀、15世紀のファブリアーノ派の画家達が描いたフレスコ画が残っています。

オジサマが先程マリアさんから受け取った鍵で扉を開けて灯りをつけてくれた。
そしてひとつひとつ丁寧に説明してくれた。

ジュリアーノ・ダ・リミニ作。

珍しいキリストの割礼場面の絵。

リアルな描写のため白布がかけられていた時期があったそう。
貝は女性器の隠喩とも…

天井にもキリスト。

ところどころにフレスコ画が残る。

パスクワ（イースター）の時、掲げられ練り歩くそう。

パスクアの行列の時に使うそう。

パイプオルガン。

この装飾が印象的だった。

釉薬塗ったテラコッタ。立体的な感じだね。

洗礼盤にはキリスト印のお魚ちゃんと下側にはアンジェロ。

チェントロへ戻って行く。

Chiesa di Santa Chiara （Santuario della Madonna delle Grazie）

シンプルな単身廊。

キリスト生誕のフレスコ画が残ってた。

キリストに牛が跪いているね。

マリア様きれいね。なんか嬉しそうじゃないジュゼッペ？

マリア様の頭の上や足元、えっ足元の天使の首って不気味じゃない？

脇に礼拝堂。祭壇には、聖遺物的な…数人の女性が祈りを捧げていた。

Monastero delle Clarisse di Santa Chiara
お隣に修道院。

マッテオッティ広場沿いのコムーネのロッジア。

少し上ると公園が広がっていた。

アルボルノツ 要塞。

天気が悪くて残念だが、ホントは山々も見えるそう。

Chiesa di San Michele Arcangelo
中には入れなった。古そうだったのに残念。

お勧めのお店へ。La Rocca Ristorante

もう１つの教会へ案内を電話で予約して下さり、後ほど待ち合わせをすることに。
ジェンガ他予定を変更して、今日はサッソフラート三昧といこう！

見晴らしのいい席をチョイス。

すると突然嵐のような暴風雨、えーっ私たち帰れる？
と思ったら食事を終えた頃には静まった。
晴れ女の最低限の威力か？（笑）

アンティパスト。これ全部で１人前。美味しかった！

プラス5ユーロでフレッシュな黒トリュフのトッピング。
たっぷりの量で２人でわけても十分だった。buonissimo♪

サンタ・フェリーノ川ほか全部で３つの川が合流している。

緑に囲まれた丘をのぼり…

サンタ・クローチェ修道院（Abbazia di Santa Croce）
電話予約して頂いたので管理人の方が鍵を開けて待っていてくれた。

紀元前600年に建てられた都市Sentinumの古代都市（ローマ、サムニウム、ガリア人との戦場となった）の石を使って１２Cサッソフェッラートの貴族によって建てられ、何度か修復されているそう。

Sentinumの住民によって建てられたキリスト教以前の神ミトラ（Mithras）に捧げた寺院の上に構築されたそうで、この鷲と獅子などの動物はその象徴だったそう。

テンプル騎士団の十字架。
修道院の特質は、おそらくテンプル騎士団の時代に建てられた既存の教会の周囲の壁の中に建てられたということだそう。

そして詳細は謎だが、神聖ローマ皇帝、ナポレオン、ムッソリーニ、何らかの形でフリーメーソンなどの人々が、訪れたという事実があるとか。

この教会は特殊性は、外からは真の建築が絶対に現れず別の建築によって不可解に組み込まれていること、その後の教会の趣味によって修正されたり修復されたりしていないことだそう。

シレーネは女性、出産、豊穣のイメージもあるとか。
これは、テンプル騎士団時のオリジナルだそう。

聖トンマーゾ・アポストロの生涯。
下部にはマドンナ、キリスト、ベアート・アルベルト。

そしてこの修道院で驚いたのは、パワースポットとでもいうのか…
霊感が強いわけではない私だけど３ヶ所の地点で目を閉じてじっとすると体が少し揺れた。何だか神秘的気分に浸った。

テンプル騎士団騎士だそうな。横に動物？が逆さになってるみたい。
植物模様もきれい。

ロマネスクな柱頭、大好物♪

珍しいキリスト磔刑図。

「聖ベネディクト」ピエトロ・パオロ・アガビティ作1524年

両端には受胎告知。

車輪を持った聖カタリナの部分が残ったフレスコ画。

階段をあがるとテンプル騎士団時代の教会の後陣を見ることができた。

古代都市センチニムに属する土地に聖ミトラの神殿が建てられたのたそう。

上から祭壇を見るとこんな感じ。

不思議な気分を感じながら修道院を後にした。案内下さったオジサマに感謝。
明日はローマ。トスカーナ旅行やウンブリア、マルケに連れて行ってくれたY子さん　Grazzie mille♪

この旅行記へのコメント （8）

• milkさん 2018/06/25 23:23:54

  教会三昧

  マリアンヌさん、こんばんは☆
  先日はありがとうございました～♪
  とっても楽しかったです(*^。^*)
  
  さすがはイタリア、古くて素敵な教会が沢山！！
  まるで秘境のような景色に包まれた洞窟の中に小さな教会があるなんて、すごいですね...。
  
  Church of Saint Teresa of Avilaの漆喰の装飾も素敵ですが、聖フランチェスコ教会のパイプオルガンの装飾が好きです♪
  
  体が揺れたのはこのサンタ・クローチェ修道院だったのですね！
  たまたま知り合ったボランティアガイドさんのお蔭で入れたのはラッキーでしたね。
  テンプル騎士団の騎士もキリストも、こんなにかわいいとなんだか癒される♪
  古いフレスコ画がたくさん残っていますね。
  
  サッソフェッラートの町も可愛くて素敵☆
  雨は残念ですが、しっとりした雰囲気を味わえたのは良かったのではないですか？
  中世の町には雨も似合う気がします。
  
  milk
  

  マリアンヌさん からの返信 2018/06/28 05:52:46

  RE: 教会三昧

  milkさん、こんにちわ。
  
  こちらこそ、たくさんお土産を頂き、恐縮してます。
  旅トーク三昧、楽しかったですね♪
  
  地味な旅行記にコメント頂き、ありがとうございます。
  最近は、山奥専門なので(笑)
  
  確かに体は揺れたんですよ。（目を閉じて片脚立ちしてもふらつかない私が）
  まあフリーメーソン云々は眉唾ものですが、地磁気かなんかの関係でしょうかね？
  
  ボランティアのオジサマに偶然、出会ったのはラッキーでしたね。
  予定変更しちゃいました。もともとアバウトなんでけどね。
  
  milkさんのようなお洒落な旅は、なかなかできない私ですが、旅行記で追体験させていただきますね。
  では、また☆
  
  マリアンヌ

• るなさん 2018/06/23 23:45:02

  今日はありがとう～

  マリアンヌさん、CiaoCiaoCiao♪
  
  お天気悪い、って始まりだけど緑が濃くて明るい印象。
  と思ったら幻想的な濃霧かいな！！
  
  しかしまぁすごいところに寺院があるもんだわねぇ～イタリアっぽくないね。
  
  Church of Saint Teresa of Avilaのオルガンの回り漆喰彫刻？何かパレルモを思い出したわ。
  サッソフェッラートの素敵な佇まいのB&B、すごいいい感じだね♪こういうところ泊まりたいなぁ～
  そうね、ジュリエットのバルコニーより素敵かもね（笑）
  おじさまの案内、ラッキーだったね～
  
  今日はありがとう～盛り上がったね（爆）またね。
  るなトラベルの予約もいつかね(*^-^*)
  
  るな

  マリアンヌさん からの返信 2018/06/24 10:39:50

  RE: 今日はありがとう?

  るなさん、いつもありがとう♪
  
  晴れ女の私だけどこの日は結構、荒れ模様。
  でもね、傘さして坂道を上りだしたら雨は止んだの。最低限の晴れ女効果？
  霧に浮かぶマリアの祠、なかなかだった。
  
  正直、予習なしのサッソフェッラート、こういう感じも旅にはいいもんよね。
  
  サッソフェッラートの素敵な佇まいのB&B、旅の途中でたまに見かけるよね。
  問題は２度その田舎町に来るかどうかなんだけど…
  
  おじさまの案内、何と言っても鍵を開けたり、午後の予約をしてくれたりはラッキーだったと思う。（でもこっそりナンパしてきたんだけどね）
  
  こちらこそ、美味しい料理＆ケーキ、ありがとう♪
  また飲めない女子会しましょうね。
  るなトラベル先行予約よろしくね(#^.^#)
  
  マリアンヌ
  

• クリスさん 2018/06/22 10:37:14

  サンタ・クローチェ修道院

  サッソフェラート、町の光景が懐かしいです。サンタ・クローチェ修道院は中に入れなかったので、良い写真を拝見させていただきました。昔の事だったので、電話予約とか解らなかったんですね。外観だけでも良い教会だと思いましたが、中はやっぱり素晴らしいです。

  マリアンヌさん からの返信 2018/06/24 10:19:01

  RE: サンタ・クローチェ修道院

  クリスさんへ
  
  サッソフェラートも行かれていらっしゃったんですね。
  ジェンガを通り過ぎてしまって、後で寄ろうと思っていたのですが、偶然、声をかけた方が親切に案内して下さったのでラッキーでした。
  サンタ・クローチェ修道院の内部、素晴らしかったのですが、私には猫に小判で理解度が浅いのが残念でしたが…
  マルケ州は、ロマネスク教会も美しき村も宝庫、少しずつ訪れていきたいです。
  
  マリアンヌ
  

• ももであさん 2018/06/21 18:52:49

  惜しい!

  まりさま
  
  ふむふむふむ。ありうるありうると読み進めて行くと...
  きたぁ～ サンタ・クローチェ修道院!　ありえない!!
  
  テンプル騎士団、神聖ローマ皇帝、ナポレオン、
  ムッソリーニ、フリーメーソン、マリアンヌ。
  めっちゃすごいメンツの揃い踏み!!
  『インディ・ジョーンズ シリーズ』はたまた
  『ダ・ヴィンチ・コード』を思い出しました。
  
  この修道院、地下はヴァチカンにつながってますよ。
  どこかに聖杯があり、手に入れた者は世界を征服する。
  
  それとも、どこでもドア?
  >目を閉じてじっとすると体が少し揺れた。
  あと、もうちょっとで日本へ瞬間移動できたのかも!?

  マリアンヌさん からの返信 2018/06/24 09:46:07

  RE: 惜しい!

  ももちゃん
  
  たまたま訪れた修道院。オジサマがmiracoloとは言ってたんだけど…
  そういうの安易に信じるタイプじゃないんだけどね、オジサマに指定された３ヶ所のうち、特に礼拝堂の前はふわっと感じたのは確か。
  もう少しでワープできた？
  （地磁気力かなんかの関係かねぇ？感覚の鋭い方は、修道院に入った途端、震えたり感じるそうだけど…）
  
  テンプル騎士団とか好物のキーワード♪
  フリーメーソン云々は、Luoghi Misteriosi（神秘的な場所）というサイトに書いてあったんで眉唾ものですけど、楽しいよね。
  
  キリスト教に消されたミトラ教も好物なんだけどね。
  では、また☆
  
  マリアンヌ