2017年7月3連休　京都祇園祭の旅(6)

2017/07/17 - 2017/07/17

最近年1回以上は行っている京都．
しかし祇園祭は見たことがなかったので，早い段階から計画を立てた．
7月3連休の月曜が前祭の山鉾巡行とタイミングもよい．
祭以外は時期的に行われていた京の夏の旅，そして直前にニュースで知った旧奈良監獄の1日限定公開にも行ってみた．
3日目，朝一番地下鉄烏丸線で北大路へ．旅のメイン祇園祭の山鉾巡航を見学する御池通まで順次南下．同志社のキャンパス，京都御所，護王神社などを巡った．

エリア 今出川・北大路・北野(京都)

• 旅行の満足度: 5.0
• 観光: 5.0
• 交通: 4.0

• 同行者: 一人旅
• 交通手段: 私鉄 徒歩
• 旅行の手配内容: 個別手配

北大路駅で下車して南へ200mほど大谷大学のキャンパスへ．
写真は尋源館(旧本館)．
1913(T2)年建造，煉瓦造2階建，瓦葺，国登録有形文化財．
所在地京都市北区小山上総町．
裏側が広場で見渡せる．

大谷大学尋源館(旧本館)．
こちらが正面．

大谷大から南へ200mほど，紫明通．
駅伝の際に出てくる京都では珍しい曲がりくねった通り．

紫明通を西へ300ｍほどで紫明会館に着く．
1932(S7)年建造，鉄筋コンクリート造3階建，外壁スタッコ塗，スペイン瓦葺，国登録有形文化財．
所在地京都市北区小山南大野町．
元々は京都府師範学校の同窓会館だったもの．

紫明会館全景．
入口前で外構工事が行われていた．

紫明会館から南東に400mほどの鞍馬口駅から再度地下鉄に．
1駅，今出川で下車．この日は地下鉄1日券を購入，2度目の乗車．
下車後は同志社大の今出川キャンパスへ．
前年の京の冬の旅の際に相国寺を参拝して寄って以来．
写真は彰栄館．
1884(M17)年建造，煉瓦造2階建，桟瓦葺，東面塔屋南面玄関ポーチ付，国重要文化財．
京都市内最古の煉瓦建造物．塔屋は鐘塔と時計塔を兼ねている．
所在地京都市上京区玄武町．

同志社大学 今出川校地 名所・史跡

同志社礼拝堂．
1886(M19)年建造，煉瓦造平屋建(一部中二階及び地下室付)，鉄板葺，国重要文化財．

同志社大学 今出川校地 名所・史跡

同志社明徳館．1954(S29)年建造．
建って半世紀以上になるため十分歴史があるといえるが，100年超えの重文がごろごろしているのでやや見劣り．

同志社大学 今出川校地 名所・史跡

同志社ハリス理化学館．
1890(M23)年建造，煉瓦造，東北隅実験室付，桟瓦葺，国重要文化財．
ギャラリーとして使われている．

同志社大学 今出川校地 名所・史跡

同志社クラーク記念館．
1894(M27)年建造，煉瓦造，桟瓦葺，西南隅塔屋付，銅板葺，国重要文化財．

同志社大学 今出川校地 名所・史跡

同志社有終館．元々は図書館だったもの．
1887(M20)年建造，煉瓦造2階地下1階建，桟瓦葺，国重要文化財．

同志社大学 今出川校地 名所・史跡

同志社啓明館本館．こちらも元図書館．
1920(T9)年建造，煉瓦及び鉄筋コンクリート造5階建，切妻造，スレート葺，塔屋付，国登録有形文化財．

同志社大学 今出川校地 名所・史跡

同志社アーモスト館．
1932(S7)年建造，鉄筋コンクリート造地上3階地下1階建，スレート葺，外壁煉瓦張，国登録有形文化財．(建造物)
この前を北に行くと相国寺に着く．

同志社大学 今出川校地 名所・史跡

相国寺と反対方向の今出川通の信号の箇所に京都御苑の今出川御門が建つ．

京都御苑 公園・植物園

今出川御門から御苑内に入ると右側が旧近衛邸，左側は旧桂宮邸．
江戸時代の四世襲親王家のひとつで明治に入り断絶している．
邸宅は二条城に移築され本丸御殿となっている．
写真の勅使門と表門を残すのみ．

京都御苑 公園・植物園

突き当たり京都御所に．
北側に位置する朔平門．
門の先には皇后宮常御殿がある．

京都御所 名所・史跡

京都御所清所門．切妻造，本瓦葺の棟門．
一般参観の入口となる．門の先で荷物チェックを受ける．
以前は春秋の特別公開のほかは予約参観のみだったが，常時予約の要らない通年公開となっている．
参観時間9:00～16:20(時期により異なる)，月曜及び年末年始休止．
参観するのは2012年秋の特別公開以来となる．

京都御所 名所・史跡

京都御所内参観者休所．
朝早いのと入口付近なので誰も休んでいなかった．

京都御所 名所・史跡

京都御所宜秋門．内側より．
切妻造，檜皮葺の四脚門．
前回の参観の際はここが入口だった．

京都御所 名所・史跡

京都御所御車寄．参内した公卿等の玄関．
唐破風造，檜皮葺．

京都御所 名所・史跡

京都御所諸大夫の間．
参内した公卿，将軍の使者の控所である．

京都御所 名所・史跡

京都御所新車寄．
大正天皇の即位の礼に際して建造．

京都御所 名所・史跡

京都御所建礼門．御所南側に位置する正門．
天皇行幸及び国賓来訪時に開門するとか．
当然見たことは無い．
切妻造，檜皮葺の四脚門．

京都御所 名所・史跡

京都御所承明門．
建礼門と紫宸殿の間に建つ丹塗りの門．
奥に紫宸殿が見える．

京都御所 名所・史跡

見学ルートから見える京都御所南東に建つ建春門．
唐破風が付いている．

京都御所 名所・史跡

紫宸殿の建つ南庭に入る．
西側の回廊が工事中だった．

京都御所 名所・史跡

京都御所紫宸殿．正殿にあたる．
建造は1855年．
明治時代はここで始まったことになる．
明治・大正・昭和の三代の天皇の即位の礼が行われた場所である．

京都御所 名所・史跡

京都御所宜陽殿．紫宸殿東側に建つ．
古くは天皇家累代の御物・宝物の保管庫だったとのこと．
京都に都が移ったのは平安京造営時だが，現在の位置に御所が移ったのは鎌倉時代だそうだ．

京都御所 名所・史跡

京都御所清涼殿．
紫宸殿北西側に建つ天皇の日常の御座所である．
建造は紫宸殿同様の1855年．

京都御所 名所・史跡

京都御所清涼殿の内部．
天皇が座っていた場所だろうか．

京都御所 名所・史跡

京都御所紫宸殿と清涼殿を繋ぐ廊下．
手前には滝口と書いてある．
御溝水の落ち口のことで，北側(清涼殿側)から流入した水を一時堰き止めて下流に流している．堰を越えた水が滝のようで水音が涼感を誘うそうだ．

京都御所 名所・史跡

京都御所紫宸殿．北側背面より．

京都御所 名所・史跡

京都御所小御所．紫宸殿北東側に建つ．
江戸時代には武家との対面に使われた．
1958(S33)年に4年前の焼失より再建されている．

京都御所 名所・史跡

小御所前には池泉回遊式庭園の御池庭がある．
写真は庭園内の石橋，欅橋．

京都御所 名所・史跡

京都御所御池庭全景．
奥に欅橋．

京都御所 名所・史跡

御池庭のほかの橋に降り立った鷺？

京都御所 名所・史跡

京都御所御学問所．小御所北側に建つ．
明治天皇により王政復古の大号令が発せられた場所である．

京都御所 名所・史跡

振り返って小御所．
右側のスペースは御学問所との間にある蹴鞠の庭．

京都御所 名所・史跡

進んで振り返って御学問所．

京都御所 名所・史跡

進んで御内庭．御常御殿の庭となる．
より茂みが増す．

京都御所 名所・史跡

京都御所御涼所．
天皇が夏季に涼をとった場所．
見学ルートから僅かに見える．

京都御所 名所・史跡

京都御所迎春．「こうしゅん」と読むそうだ．

京都御所 名所・史跡

京都御所御常御殿．
天皇の住まいにあたる．
対面の間や神器を納める剣璽の間，天皇の寝所である御寝の間など15間からなる．

京都御所 名所・史跡

京都御所御常御殿の杉戸「蹴鞠」(岡本亮彦画)．

京都御所 名所・史跡

京都御所御常御殿の杉戸「陵王納曽利」(原在照画)．

京都御所 名所・史跡

京都御所御常御殿の杉戸「曲水(宴)」(岡本亮彦画)．

京都御所 名所・史跡

京都御所御三間．
下段の間・中段の間・上段の間からなる．
各間には見事な襖絵があるとか．

京都御所 名所・史跡

京都御所御三間の杉戸．水牛だろうか．

京都御所 名所・史跡

京都御所の参観もここまで．
特別公開時より人が少なくゆったりと見て回ることができた．

京都御所 名所・史跡

最期に京都御所宜秋門を外側より．

京都御所 名所・史跡

蛤御門より御苑を出る．
金門の辺の際の弾痕が残る．

京都御苑 公園・植物園

蛤御門から烏丸通を南に約100m，護王神社に．
創建時期は不詳，起源は高尾神護寺の和気清麻呂を祀った護王善神堂．
和気清麻呂が宇佐八幡宮神託事件において皇統を守った等功績により，1874(M19)年明治天皇の勅命で現在地に遷座している．
主祭神は和気清麻呂とその姉和気広虫．
境内拝観自由，京都市上京区桜鶴円町．

護王神社 寺・神社・教会

護王神社表門．
護王神社は和気清麻呂が配流される際に歩けなかったのが，猪の守護により歩けるようになったという故事に因んで足腰の守護神とされている．
旅の安全を願い参拝する．

護王神社 寺・神社・教会

護王神社拝殿．
拝殿前には神社お馴染みの狛犬ではなく狛猪がある．
前述の故事や300頭の猪が配流先の清麻呂を刺客から護った伝説などから猪を崇敬している．

護王神社 寺・神社・教会

護王神社巨大絵馬．
2017年は酉年だった．
次の亥年は2019年，多くの参拝者で賑わうのだろう．

護王神社 寺・神社・教会

護王神社和気清麻呂像．
1998(H10)年建立，和気清麻呂公千二百年祭を記念し．

護王神社 寺・神社・教会

護王神社から南へ約400m，室町通下立売の交差点にある旧二条城跡の碑．
この二条城は織田信長が足利義明のために建造した二条城である．

旧二条城跡 名所・史跡

同じく室町通下立売の交差点東南隅に建つのは平安女学院昭和館．
1929(S4)年建造，鉄骨鉄筋コンクリート造2階一部3階建，半地階付，外壁モルタル塗及び煉瓦タイル貼，国登録有形文化財．
所在地京都市上京区武衛陣町．

平安女学院明治館．下立売通に面した校舎の通路から垣間見えた．
1894(M27)年建造，煉瓦造2階建、切妻造，桟瓦葺，国登録有形文化財．
所在地京都市上京区五町目町．
文化遺産オンラインの写真を見ると現認したくなる煉瓦建造物だ．

烏丸下立売の交差点に建つ日本聖公会聖アグネス教会．
ここも平安女学院の敷地になる．
1898(M31)年建造，煉瓦造，洗礼室・鐘塔・司祭室からなる，京都市指定文化財．

日本聖公会 聖アグネス教会 寺・神社・教会

再度京都御苑に入る．
京都御苑事務所がある旧閑院宮邸敷地内に建つ煉瓦造りの建物．
棟の部分が高くなっている．煙抜き？何だろう．

閑院宮邸跡長屋門．京都御苑事務所の入口になっている．

閑院宮邸跡 美術館・博物館

閑院宮邸に建つ旧宮内省京都支庁舎．
閑院宮家が東京へ移った後の1883(M16)年に建てられたもの．
内部公開されている(9時～16時)，入場無料，月曜休館．

閑院宮邸跡 美術館・博物館

閑院宮邸跡を出て京都御苑を後にする．
丸太町通を渡り300mほど，高倉通の藤野家住宅．
手前の門及び塀は1926(T15)年頃の建造，木造，瓦葺，門の間口1.1m，塀延長28m，供待・中門及び雪隠付．
奥の主屋は1926(T15)年建造，木造2階建，瓦葺．
主屋裏の土蔵と合わせて3件が国登録有形文化財．
所在地京都市中京区坂本町．

藤野家から南西へ約300m歩き，車屋町通の西島家住宅．
1880(M17)年建造，木造2階建，瓦葺．
敷地奥の土蔵ともども国登録有形文化財．
所在地京都市中京区少将井御旅町．

車屋町通の町家．
こちらも虫籠窓を見ることができる．

夷川通を東進，こちらでも虫籠窓のある町家．
奥のマンションと電線が無ければさらに良い．

西島家から南東へ約450m，堺町通のキンシ正宗堀野記念館(旧堀野家本宅)．
手前主屋．明治期の建造，木造2階建，切妻造，桟瓦葺，外壁黒漆喰仕上げ．
奥の白壁が見えるのが文庫蔵．
1820年建造，土蔵造2階建、切妻造平入，本瓦葺，東面庇付．
敷地西端の天明蔵とあわせて3件が国登録有形文化財．

キンシ正宗堀野記念館 名所・史跡

キンシ正宗堀野記念館(旧堀野家本宅)主屋．正面より．
ここは，伏見の酒造会社キンシ政宗の創業の地．
酒造の歴史や町家文化の展示を行う記念館となっている．
開館時間11時～16時半，入館無料，休館日要確認．
所在地京都市中京区亀屋町．

キンシ正宗堀野記念館 名所・史跡

キンシ正宗堀野記念館から200mほど歩き高倉通の久田家半床庵に．
表千家の茶家久田家の茶室である．
茶室と腰掛の2件の国登録有形文化財があるも塀越しには見えない．
所在地京都市中京区瓦町．

久田家半床庵から350mほど，東洞院通から御池通に出る．
そこに建つ嶋臺酒店．
1883(M16)年建造，木造2階建，瓦葺．
奥の御池通に面する白壁は巽蔵．
同じく1883(M16)年建造，土蔵造2階建，本瓦葺，外壁腰縦板張及び上部漆喰塗．
ともに国登録有形文化財．
所在地京都市中京区仲保利町．

嶋臺絲店．巽蔵の西側に建つ．
1883(M16)年建造，木造2階建，切妻造平入，桟瓦葺．
背後に建つ書院(古硯堂)ともども国登録有形文化財．
嶋臺は生糸業や酒造業を営んだ大店．

さて祇園祭前祭の山鉾巡行の時間が近づいてきた．