2017年7月3連休　京都祇園祭の旅(5)　ちょっと奈良へ旧奈良監獄

2017/07/16 - 2017/07/16

最近年1回以上は行っている京都．
しかし祇園祭は見たことがなかったので，早い段階から計画を立てた．
7月3連休の月曜が前祭の山鉾巡行とタイミングもよい．
祭以外は時期的に行われていた京の夏の旅，そして直前にニュースで知った旧奈良監獄の1日限定公開にも行ってみた．
2日目，東山七条の養源院から旧奈良監獄を目指して近鉄奈良駅へ移動．

エリア 奈良市(奈良)

• 旅行の満足度: 5.0
• 観光: 5.0
• グルメ: 3.5
• 交通: 3.5

• 同行者: 一人旅
• 交通手段: 高速・路線バス 私鉄 徒歩
• 旅行の手配内容: 個別手配

奈良へは近鉄の奈良世界遺産フリーきっぷ(奈良･斑鳩1日コース)を利用．
京都駅から\1,500‐．
奈良中心部，西大寺，尼ヶ辻，法隆寺などを巡る近鉄線と奈良交通バスが乗り放題．
京都‐近鉄奈良が往復\1,240，近鉄奈良から目的地の旧奈良監獄最寄りの般若寺前までのバスが往復\420なので十分得をする．
春日大社国宝殿，元興寺などの割引特典もあるため帰りに寄ろうかとも考えていた．

近鉄奈良駅 駅

近鉄奈良駅に到着．
京都より特急で38分．結構近い．
2014年7月以来の奈良．近鉄奈良駅には2012年9月以来．

近鉄奈良駅 駅

地下ホームの近鉄奈良駅より地上に出る．
東側に若草山が見える．

近鉄奈良駅 駅

近鉄奈良駅からは奈良交通バスに乗る．
世界遺産フリー切符にバスのフリーパスも着く．
旧奈良監獄の公開開始の13時に間に合うように乗車する予定も思いのほか同じの目的の人が多くバスに乗るのに40分程かかった．

近鉄奈良駅 駅

旧奈良監獄に着いたのは近鉄奈良到着後1時間以上経っていた．
さらにすぐには入れず，ここでも長蛇の列．
普段は行列嫌いで並ぶことなどないが，この日はしょうがなく炎天下の下，列の最後尾に付くことに．

列で少しずつ進む際には煉瓦塀越しに建造物が見える．
旧奈良監獄は明治政府が設置した五大監獄で唯一現存するもの．
戦後は少年刑務所として使われていたが2017年3月閉庁し，リノベーションされるためこの日の公開となったものである．

いつになったら入れるのか？
旧奈良監獄は1908(M41)年の建造，設計は山下啓次郎．
他の五大監獄(千葉・長崎・金沢・鹿児島)の設計も山下．
いずれも正門は残っている．

列が塀に差し掛かる．
敷地北塀になるので日陰かと思いきや，7月で太陽の位置が高く日陰が無い．
熱中症になりそうだった．
家族連れの人は誰かが買い出しに行けるが，1人はそうも行かない．
早く入りたい．

列に並び始めて1時間半，ようやく入場．
じっくり見る間もなく表門は通り過ぎたため後出とする．
まずは中央看守所及び事務所．
1908(M41)年建造，煉瓦造2階地下1階建，桟瓦葺一部銅板葺，国重要文化財．
ここより中へ入る．

旧奈良監獄南倉庫．
中央看守所及び事務所向かって右側に建つ．
1908(M41)年建造，煉瓦造，桟瓦葺，国重要文化財．

旧奈良監獄北倉庫．
中央看守所及び事務所向かって左側に建つ．
1908(M41)年建造，煉瓦造一部木造，桟瓦葺，国重要文化財．

中へ入ると5棟の舎房が放射状に建つ．
写真は右手の第一寮．
奥へは進めず，中央看守所より望むだけ．
旧奈良監獄第一分房監(第一寮)．
1908(M41)年建造，煉瓦造2階建，南面渡廊下附属，桟瓦葺，国重要文化財．

旧奈良監獄第二分房監(第二寮)．
ここも奥には進めず．
1908(M41)年建造，煉瓦造2階建，南東面渡廊下附属，桟瓦葺，北西面検身場(木造，鉄板葺)附属，国重要文化財．
天井の中央は鉄柵が設置され，1,2階の見通しが効くようになっていた．

旧奈良監獄中央看守室内部の様子．
2階中央に看守が監視する場所がある．
前述のとおり各舎房の1,２階の見通しが効くため，全てが見渡せるようだ．

続いて第三分房監(第三寮)．
こちらは奥へ進め，独居房等の様子を見ることができた．
写真は独居房の扉．

旧奈良監獄独居房の様子．
窓はあり日が入る．洗面台と便器が付く．

旧奈良監獄第三分房監(第三寮)．
1908(M41)年建造，煉瓦造2階建，東面渡廊下附属，桟瓦葺，国重要文化財．
鉄柵が付く1階の天井部分．
両脇の2階廊下部分も下から見るとかなり心もとない造りな気がした．

第三寮の渡廊下付近の階段．
見学は順路が決まっていて，ここから2階へ行くことはできなかった．

旧奈良監獄夜間寝坊(第四寮)．
1908(M41)年建造，煉瓦造2階建，北東面渡廊下附属，桟瓦葺，国重要文化財．
奥へは行けず．

旧奈良監獄雑居監(第五寮)．
1908(M41)年建造，煉瓦造2階建，北面渡廊下附属，桟瓦葺，国重要文化財．
ここも入れず．

中央看守所の2階へ上がってきた．
左に看守の監視場所．その前方は鉄柵．
各舎房の廊下中央も鉄柵で1階が見える．
また各舎房の入口上には第一寮～第五寮の銘板も付く．

中央看守所の天井ドーム部分．
壁上部には明り取りの窓も付いている．

中央看守所の後方は講堂となっている．
入口となっていた事務所の2階部分にあたる．
立入禁止だった．

第何寮かは忘れた(第五以外)が，舎房２階廊下の様子．
真ん中は鉄柵で下の様子がわかる．

第五寮の廊下を奥に進む．
結構狭いので追い抜いたりするのは危険だった．
多くの見学者いたので，ここで少し進みが停滞した．

第五寮の天井の明り取り．
廊下の両側が雑居房になっているので，これがないと廊下は真っ暗だろう．

第五寮を抜けると北側に接続する雑居監附属工房に．
2階の第2実習場に入る．
写真は天井の小屋組みの様子．

雑居監附属工房の窓より煉瓦造の雑居監(第五寮)．
先程見た天井の明り取りも確認できる．

雑居監附属工房の窓より手前炊場と奥煉瓦造の拘置監．
炊場は後年の建築のようで文化財ではない．
拘置監は1908(M41)年建造，煉瓦造，中央塔屋付，桟瓦葺，国重要文化財．
この後第五寮の廊下を戻り見学の予定だ．

雑居監附属工房の窓より．
左第五寮と右炊場の間に中央看守所及び事務所．

雑居監附属工房の窓より，反対側に回ると周囲煉化塀(南塀)．
1908(M41)年建造，煉瓦造，総延長321.2ｍ，国重要文化財．

雑居監附属工房の窓より，再度第五寮側に．
右第五寮と左第四寮，明り取り含め同じような外観だ．

雑居監附属工房の窓より，第五寮奥に中央看守所．
ドーム部分の中央に塔屋が見える．

雑居監附属工房の1階に下り外へ出た．
第五寮2階の廊下を戻らずに．
あまりの見学者の多さに，あの廊下を対面通行にすると危険と判断したのだろう．
ということで拘置監には行くことができず．
写真は雑居監附属工房外観．
1908(M41)年建造，木造2階建，北面検身場附属，桟瓦葺，国重要文化財．

続いて夜間寝坊附属工房．
1908(M41)年建造，木造2階建，北面検身場附属，桟瓦葺，国重要文化財．

夜間寝坊附属工房の1階内部の様子．

夜間寝坊附属工房より検身場を挟み第四寮．
奥が中央看守所となる．だいぶ遠い．

夜間寝坊附属工房の後，体操場や実習場の間を抜けて第三寮の妻部分に．
先程見学した廊下部分にさらに多くの人がいた．
閉め切るとさすがに暑いので戸は開けられていた．

旧奈良監獄第二分房監(第二寮)外観．
敷地内は建物が密集しており，これだけ距離をとって見れる場所は少ない．

第一寮と第二寮の間に建っていた第13実習場．

こちらは検身場を挟んで第一寮の1階廊下部分．
奥は中央看守所．
どの舎坊も同じように見える．

旧奈良監獄構内仕切兼病監浴場接見所．
配られた配置図には廊下及び倉庫と記載してあった．
1908(M41)年建造，煉瓦造，桟瓦葺，国重要文化財．

構内仕切兼病監浴場接見所の南側を望む．
奥で中央看守所及び事務所に繋がる．

構内仕切兼病監浴場接見所は通り抜けるだけですぐ外へ．
正面に病監．
1908(M41)年建造，煉瓦造，南面及び西面渡廊下附属，桟瓦葺，国重要文化財．

構内仕切兼病監浴場接見所の仕切の外側(娑婆側)．
屋根付きの廊下になっていた．

構内仕切兼病監浴場接見所から醫務所へ向かう．
醫務所(いむしょ)の中央の塔屋が見える．

醫務所へ入る．入口には表札が掛かる．
1908(M41)年建造，煉瓦造，中央塔屋付，西面渡廊下及び厠附属，桟瓦葺，国重要文化財．

醫務所内部の様子．

醫務所中央塔屋の天井部．

こちらは病監の内部だったか．

病監の北側より外に出る．

旧奈良監獄精神病躁狂監．病監の北西側に建つ．
錯乱した人の独房か．
1941(M41)年建造，煉瓦造，桟瓦葺，国重要文化財．

旧奈良監獄精神病躁狂監内部の様子．

構内仕切兼病監浴場接見所の北側妻面．
両側にフェンスが付く．
敷地内には仕切壁やフェンスが多く存在する．

こちらは牢舎2棟．重文の附指定になっている．
江戸時代の奉行所にあったものとか．

うち1棟の牢舎の様子．
時代劇に出てくる牢屋そのものであった．

煉瓦壁に沿って入口方面に戻る．
最初入場待ちしていた時，脇に建っていた塀の内側になる．
旧奈良監獄周囲煉化塀(北塀)．
1908(M41)年建造，煉瓦造，総延長306.1ｍ，国重要文化財．

戻る際に見えた醫務所．
これだと全容がわかりやすい．

入口付近まで戻ってきた．
見学所要約45分．
再度中央看守所及び事務所．
まだまだ入場する人の列が絶えない．

旧奈良監獄南倉庫．この裏(南)側に建つ拘置監も入りたかった．

旧奈良監獄構内仕切兼男拘置監浴場接見所．
南倉庫西側に建ち，構内仕切兼病監浴場接見所共々中央看守所及び事務所の両脇で仕切りの役割となっている．
1908(M41)年建造，煉瓦造，桟瓦葺，国重要文化財．

見学もここまで．
写真表門(内側より)より退出する．
1908(M41)年建造，煉瓦造2階建，桟瓦葺，国重要文化財．

表門の両側には煉瓦塀が連なる．

旧奈良監獄表門．
最期に正面より，時間的に逆光．

旧奈良監獄から西へ200mも歩くと般若寺に着く．
2014年7月に来て以来だ．
創建629年とされる古刹，山号法性山．
本尊文殊菩薩の真言律宗寺院，所在地奈良市般若寺町．
開門時間9時～16時半，拝観料\500．
写真は敷地外から見ることができる楼門．
鎌倉前期の建造，一間一戸楼門，入母屋造，本瓦葺，国宝．

般若寺 寺・神社・教会

般若寺楼門前にはソフトクリームやさん．
とても濃厚なミルクソフトだった．
炎天下で長時間並んだこともあり，とにかくおいしかった．

植村牧場 直販コーナー グルメ・レストラン

バスで市街地まで戻り，日本聖公会奈良基督教会に．
1887(M10)年創建の協会．
写真は会堂．
1930(S5)年建造，木造三廊式教会堂，桟瓦葺一部銅板葺，西面渡廊下附属，国重要文化財．

日本聖公会奈良基督教会敷地内には幼稚園もある．
写真が園舎となる．
日本聖公会奈良基督教会親愛幼稚園舎．
1929(S4)年建造，木造，桟瓦葺一部銅板葺，国重要文化財．

この後近鉄特急で京都に戻る．
日に当たって疲れたのでホテルの近くの八条口で夕食にして，早々に寝た．
歩行距離は10㎞にも届いていないだろうが．

御肴ずっころばし グルメ・レストラン