2017/05/03 - 2017/05/06
249位(同エリア549件中)
れおんさん
ゴールデンウィークは娘がしばらく居ないため、妻と2人で旅行へ。家に居ても暇なので、いつもより長めの3泊4日。
今回は、妻と僕の両方の希望を組み入れたコースを計画。また宿泊料金が高いこの時期ですが、コスパが高く、でも充分に満足のいく宿を利用できたと思っています。
長い旅行記ですが、どうぞ最後までお付き合いください。
《総走行距離:601.1km》
[こちらは 8-6 です]
- 旅行の満足度
- 4.5
- 観光
- 5.0
- ホテル
- 4.5
- グルメ
- 4.0
- ショッピング
- 3.5
- 交通
- 3.0
- 同行者
- カップル・夫婦
- 一人あたり費用
- 3万円 - 5万円
- 交通手段
- 自家用車
- 旅行の手配内容
- 個別手配
- 利用旅行会社
- じゃらん
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-
[これより前は 8-5 をご覧ください]
今日は僕の希望で『SLみなかみ号』に乗車します。楽しみー! -
と言うことで、宿から車で30分、JR上越線の《沼田駅》に来ました。とりあえず車は駅前の駐車場に駐車。
沼田駅 駅
-
駅舎の中へ入ります。
-
ここから新前橋駅の往復乗車券を購入しました。新前橋駅からSLに乗車します。
ちなみにSLみなかみ号の始点は高崎駅、終点は水上駅です。
妻「終点の水上駅まで乗ればいいのに、なんで?」
僕「まあ、いろいろとね...」
本当にちゃんとした理由があります。 -
沼田市のガイドマップ。
-
僕たちは9時15分の列車に乗る予定ですが、まだ時間があるので、ちょっと駅前を散策してみます...が、特になにもありません。
仕方ないので、待合室で妻とぼけーっとして過ごしました。 -
駅待合所で少し時間をつぶした後、9時15分発の高崎行き732M列車に乗り込みます。車両は211系です(出来れば懐かしい115系が良かったなあ)。
この先ですが、最初は「興味が無い」と言っていたくせに、いざ乗ってみるとSL大好き女子に変貌した妻が色んなことを僕に聞いてきたので、それに答える様子を書いていたらかなりマニアックな内容になってしまいました。
なので、興味の無い方は[8-7]まで読み飛ばしてください。 -
40分近くかけ、9時52分には新前橋駅に到着。いったん改札を出て、再び改札内に入り、今度は上越線の下り線ホームへ。
ここから下り8731快速列車『SLみなかみ号』に乗車し、さっき車を駐車した沼田駅まで戻ります。アルファベットの付いていない列車番号を見るのは久しぶりです。
なお、SLみなかみ号は快速列車ですが、全席指定なのであらかじめ指定席券を購入しておく必要があります。僕は2週間ほど前にネットで購入しました。 -
新前橋駅の下りホームで待っていると、汽笛と共に漆黒のD51-498が入線。生まれて初めて走るテンダー車(炭水車を牽引する車体の長いSL)を見ることができ、感動です!
まあ、タンク車(炭水車を牽引しない車体の短いSL)も生では見たことありませんが。 -
黒煙を吐く煙突、漆黒の太いボイラー、シリンダーから押し出され力強く前後する主連棒とそれに連動する連結棒、そして回転する4つの動輪。その動きはまるで生き物のよう。
「おらーおらー、どけどけえぃ!」と言わんばかりに突き進む姿は、まさにオラオラ系です(意味わからん)。
僕たちは興奮しながら、列車に乗り込みました。新前橋駅 駅
-
みなかみ号は、定刻どおり10時14分に発車。思ったよりも滑らかに走り出し、住宅街を進みます。
妻「知らない間に動き出してたね」
僕「そうだね。僕は自動連結器のガシャガシャガッシャンって言う前後に引っ張られる揺れを体感したかったけど」
妻「普通となんか違うの?」
僕「自動連結器を手で例えると、5本の指を折り曲げたまま両手で互いの指を引っかけるようにして繋ぐ時に、わざと真ん中に隙間を作るの」
妻「なんで?」 -
僕「機関車が客車や貨物みたいな重いものを引っ張る時に、列車全体の重さが急激に機関車に伝わらず、徐々に伝わるようにするためだよ」
妻「壊れるから?」
僕「と言うより、その方が引っ張る力が小さくて済むからかな。動き出した瞬間は先頭1両目だけの重さが伝わり、1両目と2両目の連結部分の隙間が無くなったら2両目の重さが加わるけど、最初に動いた1両目が機関車にぶつかった反動で後ろに押し戻されて、それが2両目の重さと相殺される。その動きが後ろの車両にも伝播していくから、引っ張る力が小さくて済むんだよ」
妻「全然わかんない」
この原理を口で説明するのは難しい... -
妻「でもさっきは揺れなかったよ」
意外と食いついてきます。
僕「それが運転手の腕だよ。さっきの原理を活かしつつも、極力揺れを起こさない。まあ、せっかくだから僕はちょっとくらい乱暴な運転でもいいけどね」
妻「ふーん」
話も落ち着いたところで、ひとりで車内探索。先頭車両に行ってみたいと思います。 -
車内はほぼ満席、家族連れやカップル・夫婦、鉄分の濃そうな中坊やおっさんで賑わっていました。
-
先頭車輌に来ました。席に座っている時よりも、蒸気を吐き出す音と汽笛が大きく聞こえます
僕「(触ってみたい...)」
満員電車でムラってる変態ではありません。触りたいのはD51-498のプレートにです(それもある意味変態)。 -
久しぶりに見た蛇腹式の自動ドア。
-
席に戻ったら、妻が沼田駅で入手した「ぐんまSL紀行」と言うパンフレットを読んでいます(興味無いって言ってたくせに)
妻「この茶色い旧型客車って言うのがいいなあ。レトロで懐かしい」
僕「いいね。でも僕は乗ったことがないから、今乗ってる青い車両のほうが懐かしいかな。ママは茶色いのに乗ったことあるの?」
妻「...」
あ、まずい
※妻は僕よりかなり年上です
僕「そ、そういえば、ママはSL初めて?」
妻「...」
やばっ、どつぼ
僕「え、えーっと、今乗ってる列車は青いけど、ブルートレインじゃないんだよ」
妻「...だから?」
僕「ブ、ブルートイレ...じゃなくてトレインは基本的に寝台列車のことだから、寝られない列車はブルートレインって言わない」
妻「別に昼寝できるじゃん」
僕「いや、昼寝とかそう言う問題じゃなくて...」
その時、渋川駅到着のアナウンスが。
妻「停車時間長いんでしょ?ちょっと降りてみようよ」
僕「そうだね!(助かった...)」 -
新前橋駅から20分、10時34分に渋川駅に到着。ここの停車時間は26分あるので、ホームに降りてみます。
と言うことで先頭付近に来ましたが、たくさんの人でごった返していて、特にD51-498のプレート持っての記念撮影には行列が出来ています。また、D51を撮影しようとする人で機関車の回りには人だかり。ここでちょっと驚いたのが、意外に女性が多いこと。家族連れのママさんのようですが、みんな夢中になって写真を撮りながら旅を楽しんでいるようです。
僕が写真を撮ってる間に妻の姿を見ないなと思ったら、なんとママさんに混じって激写してるじゃないですか!しかも角度を変え、動画も撮り、運転席の中まで撮影しています。渋川駅 駅
-
僕を見つけた妻が駆け寄ってきて、
妻「見て見て!運転席すごい!メーターがいっぱい!なんか、もうワケわかんない!」
と興奮気味(落ち着きたまえ)。妻はメカニカルなものが好きで、機械的なものがあれば、構造は分からなくてもいつも興味津々に眺めています。
そう言えば、今日は5月5日のこどもの日。両サイドに鯉のぼりを装備した特別仕様のD51です。 -
鷹取工場なつかしい...兵庫県の須磨にあった工場ですが、今はもうありません。
妻「そう言えば、さっきパンフで見たけどSLって2種類あるの?」
僕「種類はもっとたくさんあるけど、みなかみ号で使われてるのは2種類みだいだね」
妻「この2つってどう違うの?」
僕「どっちも同じボイラーなので出力も同じなんだけど、動輪の数と用途が違うよ。今日のがD51って言って、少し小さめの動輪が4つ。もう片方はC61って言って、大きな動輪が3つ」
妻「それはパンフの絵を見れば分かるけど、何が違うの?」
僕「D51は...(ちょっと話が長かったのでここでは簡潔に記載) 」
D51→動輪は小さいけど数が多い→線路との接地面が大きくなるので滑りにくい→重いものが運べる→貨物用
C61→動輪の数は少ないけど大きい→円周が大きくなるので1回転で走る距離が長い→速く走れる→旅客用、特に特急とか
僕「...ということだよ」
妻「へえ、そんな風に使い分けるんだ。みんな同じかと思ってた。パパはどっちが好きなの?」
僕「僕が一番好きなのは、やっぱりC62かな」
妻「うわっ、また何か違うの出てきた」
その時、シューッ、ガチャコンガチャコンっと言うリズミカルな音が。 -
コンプレッサー、いわゆる空気圧縮機の音でした
妻「ガチャコンガチャコンって、なにしてんの?」
僕「これは空気圧縮機って言って、左右2つのピストンを蒸気の力で上下させて圧縮空気を作ってんの」
妻「へえ、これでSLって走るんだ」
僕「いやいや、この力だけでは弱すぎて走らないよ。ここで作ってる圧縮空気は、後でブレーキに使うんだよ」
妻「車輪に吹き付けるの?」
僕「言ってる意味が分からん。例えば車はブレーキペダルを踏むと止まるでしょ?なぜ止まるか分かる?」
妻「タイヤについてるディスクを挟むんじゃないの?」
僕「そうそう。SLも同じで、ブレーキをかけると車輪を押さえつけるようにして止まるんだけど、その時にもの凄い力が必要で人の力では止まらないから、代わりに圧縮空気の力を使って押さえつけるんだ」
妻「へー、うまく出来てるね」 -
車体下の剥き出しになった機構類は、まさにSLを特徴づける機能美です。興味を持ち始めた妻も、しゃがみこんでバシバシ写真を撮っています。
妻「なんか、すごいね。どうやって車輪を回すの?」
僕は指を指しながら、
僕「ここに大きな箱があるでしょ?これがシリンダーで、このすべり棒にぶら下がったクロスヘッドって言うこの黒い塊を蒸気の力で前後にピストンさせるの。んで、クロスヘッドはこの主連棒に繋がってて、さらに主連棒は前から3つ目の動輪に繋がってて、3つ目の動輪が回る」
妻「4つ全部が回るんじゃないの?」
僕「回るよ。3つ目の動輪には2つ目と4つ目の動輪を繋ぐ連結棒が付いていて、さらに2つ目の動輪には1つ目の動輪を繋ぐ連結棒が付いている。だから3つ目の動輪が回ると、つられて他も全部回るようになってる」
妻「これ考えた人すごいね」
いや、ほんとにすごい。 -
もうひとつ、SLを象徴するのがこのボイラーです。太くて逞しい...(他意はありません) 。
-
妻「この中で石炭を燃やしてるんでしょ?」
僕「そうそう」
妻「燃やしてどうするの?」
僕「水を沸騰させて蒸気にするの」
妻「それは分かるんだけど、なんで蒸気が車輪を回すの?」
僕「うーん...やかんと同じ原理かな。やかんで沸騰した蒸気は勢いよく噴き出すでしょ?あれと同じで、水を蒸気にすると体積が増えて膨張するから、容器から外へ逃げようとする圧力が生まれるの。その圧力を使ってピストンを動かす、って言えば分かる?」
妻「分かった!...気がする」
僕「説明ヘタでごめん...」
妻がSLにこんなに興味を持つとは驚きです。 -
妻「先頭にあるこの大きい板が付いてないSLを見たことあるんだけど、どう違うの?」
僕「速度が遅い路線とか、重い車両に耐えられない路線を走るSLによくあるね」
妻「全部のSLから取っちゃえばいいじゃん。付いてた方がかっこいいけど」
僕「いや、運転手や乗客からクレームが来ちゃう」
妻「はあ?全然意味わかんない」
僕「そうだよね。この板はデフレクターって言って、煙突の煙を上に逃す板なんだよ」
妻「???」
僕「走ることによって上昇気流を作ることができる板で、この板のおかげで運転手や乗客に煙が流れないようになってる」
妻「なんか、人間の知恵の塊だね、SLって」
良いこと言う。 -
向こうのホームに651系の特急「草津」が到着。本来なら花形列車だと思うのですが、SLにはかなわない。誰も振り向きもしない。写真を撮ってる人も、「とりあえず」って感じで撮ってます(僕もですが)。
-
炭水車です。
妻「これに積んでるのって石炭?」
僕「そう」
妻「SLは石炭じゃないとダメなの?」
僕「別に石炭じゃなくてもいいんだけど、石炭は安くて安全だから」
妻「でも石炭って熱効率悪くない?」
僕「石炭に関わらず、火力は全般的に悪いね。SLの熱効率は10%くらいしかないって聞いたこともあるし」
妻「げっ!火力発電より悪いじゃん」
妻は諸事情により電力関係に詳しいので、この辺の話は通じるようです。 -
SLをたっぷり堪能したので、次は客車の方も堪能します。D51の炭水車と客車を繋ぐ連結部分、自動連結器です。
妻「さっき教えてくれたやつね。指相撲してるみたい」
そうそう。例え上手いね。 -
僕たちが乗っている12系客車です。電車やディーゼル車が主流になった現在、観光列車以外では客車列車を見ることも乗ることもできないので、今となっては貴重な存在です。
-
妻「好きなんでしょ?この青い車両」
僕「うん。でも一番好きなのは10系と14系かな」
妻「...分かりません、素人には」
僕も素人ですが... -
妻「そうそう!電車の横にこう言う記号みたいのが書いてあるけど、これってなに?」
僕「車両形式で、これでその車両の用途とかが分かるの」
妻「この、オッハーは?」
僕「元気やね。オは車両の重さ、ハは3等車。12は12系という車両の種類。368は...まあ368番目に作られたってことかな」
妻「3等車って??」
僕「今で言う普通車、つまりグリーン車とかのお高い料金の車両じゃないってこと」
妻「なんでハ?普通のフでいいじゃん」
僕「昔はイロハで分けてたの。イは1等車、ロは2等車、ハは3等車。その名残り」
どうでもいいけど、ずいぶん食いついてくるなあ。 -
最後尾に来ました。スハフ12-161です。愛称幕の無い姿も、無骨な感じで良いなあ。
妻「なんか、ブンブンうるさくない?」
よくぞ気が付いた!この音を聞くために最後尾まで来たんだよ。 -
音の正体は、最後尾の車両に付いているディーゼル発電機で、エアコンとかで使用する電気を発電しています。
妻「最後尾の席になっちゃった人、うるさくてハズレだよね」
僕「そうかなあ、僕はこの音が好きだから、最後尾の方が良かったなあ」
妻「げっ」 -
ディーゼル発電のための給油口。
-
ホームでは、群馬名物の焼きまんじゅうや、炭の入った黒いケーキ類が売られています。
-
その中から、妻は炭の入った真っ黒なアイスクリームを購入。
出発時刻が近づいてきたので、そろそろ車内に戻ることにします。 -
妻が購入したアイスクリームです。D51-498のラベルがちょっと強引な感じもしますが...
妻「うん!美味しいけど普通!」
どっちやねん。僕もいただきましたが、炭の味がするかと思いきや、いたって普通のアイスクリームです。ただ、食べる時には少し口が黒くなるので注意してください。妻は「イカスミパスタ食ったのか?」と言う状態でした。
妻「ところでパパってさあ、やたら鉄道に詳しいよね。鉄オタなの?」
僕「うーん、自分では違うと思うけど...僕の生活から鉄道の匂いする?」
妻「全然しない」
鉄道は好きな方ですが、のめり込むほどではありません。 -
さて、D51が勇ましい汽笛を鳴らし、11時に渋川駅を出発。黒煙をモウモウと吐きながら、徐々にスピードを上げていきます。
妻「さっきまであまり煙なかったのに、すごい煙」
僕「加速する時は馬力がいるから石炭をたくさん燃やすけど、いったんスピードに乗っちゃえば慣性で走るから石炭をそんなにたくさんは燃やさないんだよ」
ちなみにSLみなかみ号は快速列車ですが、時速50ー60キロを上限にしてゆっくり走ります。なので、先を急ぐために快速だからと言ってこの列車に乗るとえらいことになるので、注意してください。 -
列車は利根川を渡ります。
ゆっくりと流れる車窓を眺めていると、沿線にいる人たちがみんなこの列車に手を振ってくれます。
それを見ていると、昔、九州新幹線が全線開通した時のCMを思い出して、ちょっとウルウルしました。 -
そのCMは、九州の人たちにとって悲願の新幹線全線開通を祝したもので、九州全土をあげて作られた壮大なものでした。また、九州の人たちは新幹線の全線開通とともに、そのCMの放送も心待ちにしていたそうです。
いよいよ開通日が近づきCM放送が始まった直後、そのCMは放送中止となり、幻のCMとなってしまいました。
東日本大震災です。 -
2011年3月11日、特に東北・関東に住む人たちにとっては絶対に忘れられない日。
そして九州新幹線の全線開通日は奇しくもその翌日、2011年3月12日でした。
と言うことでお蔵入りになったのですが、やはり九州の人にとっては待ち望んでいたCM。ネットに限定して放送が再開されました。 -
と言うエピソードを聞き、僕が初めてネットでそのCMを見たのは震災から5日後くらい。
大泣きました。自分でも驚くぐらいにボロボロと。いい歳したおっさんの涙は止まりませんでした。
僕の住んでいるところは死に関わるような被害はなかったものの、将来に対する不安と絶望感を抱えていました。そう言う心境の時に見たこのCM。 -
知らない人同士が「新幹線が全線開通したー!」この1点だけを共通に、無邪気に喜んでいる姿。
別に震災で被害に遭った人を応援している分けではありません。CMは震災前に作られたものだから。 -
でも見ていて、生きる気力が沸きました。分けてもらったじゃないです。中から沸いてきました。「あの笑顔を僕も取り戻したい」って。
旅行記とは関係ない話ですが、沿線で手を振る人たちを見て思い出していたので、思いのまま書いてしまいました。すいません。
そのCMはこちらです→「祝!九州新幹線全線開CM180秒」(https://www.youtube.com/watch?v=UNbJzCFgjnU) -
家の前にいる人、車を停めて道端に立つ人、踏切で待っている人、農作業をしている人、カヌーを楽しんでいるグループ、橋の上からバンジージャンプする人...ほんとにみんな手を振ってくれています。
妻もそれに応えようと、必死に手を振り返してます。
僕「手首もげるよ」
妻「だって、みんな手を振ってくれるだもん」 -
どうでもいいですが、テーブルの黒い点々は窓から舞い込んできた煤です。
-
車内では、無料のスクラッチゲーム大会が始まりました。僕たちも参加します。
-
はい、2人ともハズレ!やっぱし。
-
列車は利根川の雄大な流れに沿って、大きく右に回りながら走ります。
-
次の停車駅、沼田駅はもうすぐです。
-
と言うことで、11時28分に沼田駅に到着。列車は水上駅まで行きますが、僕たちは車を駐車しているので、残念ながらここで下車。
-
6分間だけ停車時間がありますので、もう一度先頭に行って写真を撮ります。
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勢いよく黒煙を吐くD51。電車と違って躍動感がすごい。
-
停車時間が短いためか、渋川駅よりも人が少ないので撮影しやすいです。ついでに奥さまも綺麗です。
11時34分、けたたましい汽笛を上げ、蒸気を噴き出し、耳鳴りのような蒸気タービン発電機の音を響かせながらD51はゆっくりと動き出します。 -
そして走り去って行きました。
妻「...行っちゃったね」
僕「違うよ!ここからが勝負!それ、ダッシュ!」
妻「え?え?なんで?」
混乱する妻の手を引き猛ダッシュで駐車場に戻り、車で出発。安全運転を心掛け急いで走りながら、妻に理由を説明しました。
僕「さっき乗ってた列車を、今度は沿線から撮影したい」
妻の口がぽかーんと開いてます。
妻「そんなの絶対無理に決まってるじゃんか!今もどんどん先に行ってるんだよ!間に合うわけないよ!」
だと思います。でも沼田駅からの速度や距離を計算し事前に調べた結果、撮影地が水上温泉入口付近の線路と並走する細い道なら間に合うかも知れない。
妻「だから沼田駅までしか乗らなかったの?」
僕「そう」
高速を降りたら窓を全開、耳をすませます。撮影地の近くまで来ると、カメラを抱えて高台から線路を眺める人たちがたくさん。まだ来てない、間に合う。でも聞こえる汽笛と蒸気音。姿は見えないけど、確実に近くにいる。そして... -
オーマイゴッド!ああっ、なんと言うことでしょう!ギリギリ間に合って撮影出来たのですが、鉄柱がフレームの中に入ってしまった。
撮影ポイントに着いた僕は、車を降り列車の来る方向を見てみると、なんともう目の前に来ていました。そこで慌てて線路沿いに駆け寄ったのですが、線路脇が坂になっていたため思わずスリップ。余計に気持ちが焦ってしまい... -
本当はこの鉄柱の向こう側で撮る予定が、誤って鉄柱の手前で撮ってしまいました...
でも、まさかさっきまで自分が乗っていた列車を、今度は沿線から撮影出来るなんて思ってもみませんでした。写真としては駄作の1枚ですが、僕にとっては思い出深い奇跡の体験となりました。 -
列車は僕たちの前を通り過ぎ、終点の水上駅のホームに滑り込んでいきます
妻「良かったね!まさか本当に撮れるとは思わなかったよ」
僕も同じ思いです。しかし、まだ終わりじゃありません。車に乗り込んで急いで次へ向かいます。
妻「まだなんかあるの!?」
あります。最後のデザートが。 -
両側に宿が立ち並ぶ水上温泉街を抜け、水上駅に到着。駅前には20台程が停められる「おいでちゃん通り商店街」の無料駐車場がありますが、既に満車です。
僕「やっぱだめか...」
GW真っ只中のこどもの日に、この駅に人が来ない分けがない。しかも20台分くらいしかないし。
ショボーンとしながら駅前を通り過ぎ、Uターンして立ち去ろうとしたその時、目の前から車が1台、スルスルッと出て行くじゃないですか!
僕「持ってる男は違うね!(自分で言うな)」
車を駐車し、歩いてすぐ到着したのは《水上駅 SL転車台広場》。転車台の前にはたくさんの人だかりが出来ています。
うーん、入り込めない...と思ったら、これまた目の前で空きスペースが。ベストポジションを確保出来ました。
僕「やっぱ持ってるわー」
妻「それはいいんだけど、なにこれ?」
当然の質問です。
僕「まあ、説明するより見た方が早いよ」SL転車台広場 (水上駅構内) 名所・史跡
-
水上駅で客車から切り離されたD51が走り去って行きます。
妻「どこ行くの?」
僕「とりあえずいったん待避」
妻「メシ?」
言ってることが意味不明ですが、休憩と言いたいようです。 -
引込み線に入ったD51が、バックのまま転車台に近づきます。
妻「ああ、分かった!この上に載るんだ!」
僕「そうそう!」
妻「で、載ってどうするの?」
分かってないじゃん。 -
ガタンガタン、という音を響かせ、大きな車体が転車台に載ります。
-
完全に載りました。
-
そして回り始めました。
妻「うわ!回る!回ってる!なにやってんの?」
僕「帰りの列車を引っ張るために、こうやって方向転換してるんだよ」
妻「へえー。なんか回転ベッドみたい」
おいおい、回りにチビッ子がいっぱいいるのに。例えを選べよ(僕も思ったけど) -
目の前に来た連結器。
-
半回転すれば方向転換は終わり。
-
のはずですが、転車台は止まらずにそのまま回り続けます。観客からは「おーっ!」という謎の歓声が(僕も思わずあげてしまいましたが)
-
転車台は1回転半し、おかげでD51を頭から尻までじっくりと舐め回すように眺めることが出来ました。
-
方向転換したD51はいったん退避した後、今度は隣りの引き込み線に入ってきます。
-
ゆっくりゆっくりと近づいてきます。
-
動輪のガチの回転をこんな間近で眺められるのは、ここだけかも知れません。
-
そして停車しました。
妻「ここで昼休憩?」
僕「そうだね。ここで石炭の積込みと給水をするんだよ」
妻「昼飯食ってコーヒー飲むみたいなもんだ」
まあ、そんな感じです。 -
広場では売店が出ていたり地元高校の吹奏楽部による生演奏もやっていて、ちょっとしたお祭りになっていました。
-
あと、ここには静態保存のD51も展示されています。左の現役SLとコラボ撮影。
-
昼夜、風雨にさらされているため塗装が剥げ車体はボロボロですが、それでも近くで見ると迫力があります。
-
掲げてあった案内板です。
妻「D51って、誰が作ったの?」
僕「作ったのは工場の人だけど、設計したのは島さんて言う人」
妻「課長の?」
僕「そっちは耕作。島秀雄さんて言って、後に新幹線も設計した人だよ」
妻「へえー、すごい人じゃん。よく知ってるね」
僕「昔、プロジェクトXで見た」
妻「ジャッキーチェンの?」
お前、わざとボケてるだろ。 -
水上駅前に戻って来ました。駐車スペースはご覧の通り、満車状態です。
-
駅前の商店街です。ちょうど人の波が途切れたのを狙って撮影したため、閑散としているように見えますが、実際はSLを楽しんだ人たちでそこそこ賑わっていました。
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