2024/10/16 - 2025/09/04
1717位(同エリア6434件中)
砂布巾さん
指揮者ブルーノ・ワルターらの運命(音楽、ユダヤ人など)
ハミングしながら演奏するなどユニークなピアニストのグレン・グールド、華麗な指揮振りと生気に溢れる音楽を聴かせてくれるカルロス・クライバー、
*ハミングしながらの演奏、低い椅子、指揮、交差とあっという間の50分(最後がまた凄い) バッハのゴールドベルク変奏曲をどうぞ
https://www.youtube.com/watch?v=iho1yS2EPJI
*カルロス・クライバー東京での「雷鳴と電光」
https://www.youtube.com/watch?v=FdneEtOv4Nc
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心からの感謝を込めて 砂布巾
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情熱的なレナード・バーンスタイン(1943年ワルターの代役でデビュー NYでお墓に行ったけど閉園日!)
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と並んで好きな演奏家である彼は、ビスマルク時代の1876年にベルリンで生まれる。両親はユダヤ人であった。キリスト教に改宗したが、改宗してもユダヤ人と見做すナチス政権成立後は危険が迫り、1938年3月20日にベルリンで予定されていた演奏会は「当日出演すると劇場を破壊する」と脅迫され、最終的に難民生活を経るなどしてアメリカに移住する。
*奥左からブラームス交響曲4番、今なお名演の誉れ高い「田園交響曲」ほか、同じく初演したマーラーの交響曲「大地の歌」(1952年 ウィーン)
手前左から永遠の名盤モーツァルト後期六大交響曲集(最晩年のステレオ録音 リンツ交響曲は後述)、マーラー第一交響曲「巨人」 -
併合直前1月16日には金ぴかのホールMusikvereinsaalでウィーン・フィル(故小澤征爾、故アーノンクールの指揮で広島での実演を聴いた)を指揮した同じくユダヤ人の友人マーラー交響曲第9番(初演者でもある)のライブが残されている。コンサートマスターはマーラーの義弟。当時の不穏な情勢下、後の世界や自身の運命を予感しながらの演奏だった心情を思うと涙なしには聴けない。自身が「妨害の咳払いや客席のバタバタという足音と一緒に演奏が開始された」と語っている。楽団員6人ほか、聴衆の多くも犠牲になったことだろう。演奏には必ずしも満足しておらず、レコード化に不満を示したという。演奏会に関するエピソードは、宇野功芳氏「ブルーノ・ワルター」などを参考にした。
「第九」自体も消え入るように終わる告別の曲であり、
https://www.youtube.com/watch?v=3WsZCLlsLqI&t=46s
*会場となったMusikvereinsaal(ムジークフェラインザール)の外観 ニューイヤーコンサートでおなじみ -
2002年4月20日小澤が音楽監督としてボストンでの最後の演奏会に選んだのもこの曲だった。
*1時間半に及ぶ動画 「告別」意識させる四楽章だけでも 59:30あたりから
https://www.youtube.com/watch?v=StF5xlXqhjs -
荒唐無稽な話だが、無人島に1枚だけCDを持って行けるなら、これだ。
*真ん中の本は、CDのほか本、映画も選んでいる クラシックを選んでいる人は意外に少なく、ムッシュかまやつ氏がマーラー第五(映画「ベニスに死す」で使われる)、浅井慎平氏がカザルスの無伴奏チェロ組曲(第3章で触れている) -
次点はグールドによるバッハ(Bach=小川)のゴールドベルク変奏曲(新盤)。バーンスタインとグールドによるブラームスの協奏曲1番のライブも捨てがたい。演奏前にバーンスタインが‘Who is the Boss Pianist or Conductor?’と両者の間に解釈(特にテンポ)の相違があったことを吐露する。後にグールドがレコーディングに専念するきっかけの1つと言われる。クライバーはGGが「史上初のディスコ音楽」と評したベト7・運命も捨てがたいが1989年のニューイヤーコンサートか? 「頭がよくなる」モーツァルト(命日が誕生日だから砂布巾は生まれ変わり)も交響曲39番、クラリネット協奏曲、アヴェ・ヴェルム・コルプス(3曲は自分が死んだら音楽葬で流して欲しい)等々から1枚選ぶのは難しい。
*GB変奏曲は冒頭のYouTubeがほぼ同じ音源と思われる -
ワルターは、悲しい顔で「なぜあなた達は美しい音を出さないのですか?もっと歌ってください」と言ったという。怒り狂うトスカニーニなどより堪えたようだ。
幸い引退後の最晩年には、録音用に特別編成されたコロンビア交響楽団と多くのステレオ録音(後述の3人の中で唯一)が残され、1962年2月17日に亡くなり、オーストリア併合後逃れたスイスのルガーノで永遠の眠りについている。
諸石幸生氏は特にリンツ交響曲について「カンタービレの美しさと輝かしさ、情緒表現の奥深さ、そして演奏全体が人間賛歌として響き渡った絶品である。演奏という行為が、これほど人間的であり得たことそれ自体が驚異的である」と書いておられる。
*広島公演の際のアーノンクール氏
演奏会の旅行記 http://4travel.jp/travelogue/10212064
曲目はベートーヴェンの交響曲7番とモーツァルトの39番 やはり独特の演奏だった -
20世紀最大のカリスマ指揮者フルトヴェングラー。ナチスとは距離を取り、公式行事での演奏を断り続けていた。そんな彼が1942年のヒトラー誕生日前日にベートーヴェンの第九を指揮させられたのは不本意だったろう。予想外にも終演後ゲッペルスが握手を求め、対外的な印象を悪化させた。結局ウィーンでフランクの交響曲などを演奏した直後の1945年2月にスイスへ亡命する。長いことドイツを離れなかったのは、楽団員たちの命を守る意味合いとドイツ「国民」を裏切ることが出来なかったからではないか? ユダヤ人を救ったこともあって戦後非ナチ化裁判で無罪判決を受け、活動を再開したのは「運命」などを振った1947年5月のことだった。2019年10月に2枚のCDを相次いで購入した。
https://www.youtube.com/watch?v=zAOKkUnpTac
*運命(右)2019.10.22(即位礼正殿の儀の日)にブックオフで買った
一般的には有名な1947年5月27日の演奏 宇野功芳氏は著書の中の窮極のベスト10で録音の良さも含めて25日の演奏の方を取り上げておられる 本当の意味で復帰演奏という意味においては後者の方が意義深いだろう
*左が亡命直前のフランクの交響曲を含む1枚
宇野氏が選ぶ究極の名盤 書いていない場合のオケはベルリンフィル
ウラニアのエロイカ(1944 ウィーンフィル)、エロイカ(1952 ウィーンフィル)、運命(前述)、田園(1952 ウィーンフィル)、第九(1951 バイロイト祝祭管、1953 ウィーンフィル)、シューベルト「ザグレイト」(1943)、ブラームス第4番(1948 正に今聴いている) -
*上側右が上記で紹介したウラニアのエロイカ、左が同じくブラームスの第4番 中央は同じく後述もする1951年の「第九」 手前側は名盤の誉れ高いシューマンの第4交響曲 リハーサルほぼ無しの一発録音と言われる
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2人とともに20世紀前半の三大指揮者とも言われたトスカニーニはイタリア人ながらムッソリーニに反対しアメリカに拠点を移す。1937年にザルツブルクで両者は口論した。
*左 義息ホロヴィッツをソリストに迎えたチャイコフスキーほかピアノ協奏曲(確かに怖そう)
右 ローマ三部作の魅力を最初に伝えた名盤
「ローマの松」 https://www.youtube.com/watch?v=TGT95J-jWrU -
「日本の皇紀二千六百年によせる祝典曲」の作者でもある大作曲家リヒャルト・シュトラウス(「美しく青きドナウ」のヨハンではない)は、帝国音楽局の総裁(副総裁は同じく非党員のフルトヴェングラー)でありながら、ユダヤ人作家シュテファン・ツヴァイク台本のオペラ「無口な女」を作曲し、ナチスがそれを止められなかったばかりか、驚くべきことに初演にはヒトラーとゲッペルスも来る予定だったという。1935年の初演直後にその頑強振りに手を焼いたナチスは総裁職を強制解任した。詳細は山田由美子氏著の「第三帝国のR.シュトラウス」にて。同じリヒャルトの名を持つワーグナーをヒトラーが心酔していた。なお戦前から続き、ヒトラーも出向いていたというバイロイト音楽祭は1951年フルトヴェングラーの第九(現在でも屈指の名盤とされる)で再開された。
*誰一人知らない人は居ないシュトラウスの曲 https://www.youtube.com/watch?v=lNLsLwflVuQ -
同じリヒャルトの名を持つワーグナーをヒトラーが心酔していた。なお戦前から続き、ヒトラーも出向いていたというバイロイト音楽祭は1951年フルトヴェングラーの第九(現在でも屈指の名盤とされる)で再開された。
*バイロイト祝祭劇場バイロイト祝祭劇場 劇場・ホール・ショー
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2点付け加える。「振ると面食らう」とも揶揄されたベルリンフィルの後任には後に帝王と呼ばれるカラヤンが就任する。彼はナチ党員であった。
*ザルツブルクにあるカラヤンの生家カラヤンの生家 史跡・遺跡
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カラヤンと人気を二分していたバーンスタインが生涯ただ一度ベルリンフィルを振ったのがマーラー第九であり、2番目の愛聴盤である。まだ書きたいが、「第九」論になってしまうので割愛する。
*一番右がベルリンフィルと共演した際のライブ 「列伝」から引用する。「演奏終了後、もはや指揮者も演奏者も聴衆も、死ぬ以外にないのではないか、と思えるほど極限の精神状態を示すような奇跡的大名演となっている」 バーンスタインの唸り声が入っていることや第4楽章の118小節目のトロンボーンが欠落していることでも有名だ 直後にカラヤンとしては極めて異例のライブを残していることも興味深い 中央は一期一会のライブよりも完成度は高いかもしれない3つのオーケストラ振り分けた全集 マーラー自体得意ではないが、レコ芸評論の「第九最後の5分間に凝縮されている」旨の記述につい買ってしまった 第九はアムステルダムコンセルトヘボウ管弦楽団の演奏 ついでと言っては何だが、左はベルリンの壁崩壊1か月後にソ連、東西ドイツ、イギリスなど各国のソリストがベルリンに集まって演奏された記念碑的「ベートーヴェンの」第九 -
1998年冬には1954年に死去したフルトヴェングラーのお墓を訪問した。
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ウィーンでは小澤氏(2024年2月6日死去)とバッタリ会い、国立オペラ座では立席ながらヴェルディの歌劇を鑑賞した。
*最初にお会いしたのがウィーン全日空ホテル入口で テニス帰りだったようだ
広島で聞いた実演はモーツァルトのリンツ、マーラーの4番
*2022年12月16日 アナザーストーリーズ「小澤征爾 悲願のタクト~北京に流れたブラームス」放映 感動的な番組だった -
*カーテンコール
ウィーン国立歌劇場 劇場・ホール・ショー
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筒井様のご厚意によりホイリゲ(ワイン酒場)ではウィーン・フィルのコントラバス奏者の方と一緒に食事させていただくなど非常に充実した旅だった。最初は恐怖を覚えたウィーンでの大晦日、ハマってこの時が2回目の訪問。(2025年8月改訂)
*ベートーヴェン遺書を書いたことで有名なハイリゲンシュタットのホイリゲ もう1人の男性はニューヨークフィルの奏者 -
*休憩時間中に オーケストラピット内のコントラバス奏者氏
ウィーン国立歌劇場 劇場・ホール・ショー
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*妻布巾の大学の先輩佐渡裕氏とは尾道からの新幹線の車内でお会いし、気さくに写真撮影に応じてくださった
もくじへ http://4travel.jp/travelogue/10681693
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この旅行記へのコメント (3)
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- P3さん 2017/11/30 01:02:03
- 涙が出そうになりました!
- 素晴らしい!クライバーは大好きな指揮者で、ウイーンフィルとのリハーサルのなんかは非常に興味深いものです。アーノンクールは2001年のニューイヤーコンサートの最初の曲が非常に思い出深いものです。ラデツキーのオリジナルバージョンです。
米国ピッツバーグ在住で、もともとクラシック音楽が好きなうえ娘が当地のYouth Orchestraでバイオリンを弾いていることもあり、益々クラシック音楽にのめりこんでいます。今年は五嶋みどりやデュダメルの客演聴く機会がありました。
今後も興味深い投稿を楽しみにしています。
- 砂布巾さん からの返信 2017/12/01 09:15:37
- RE: 涙が出そうになりました!
- コメントありがとうございます。
あの項目の主役はやはりブルーノ・ワルターなのですが、彼がヨーロッパを去る予感を抱きながら万感の思いで演奏したであろう第九は涙が出そうになってしまいます。
クライバーのあの華麗な指揮振り、そして生き生きとした音楽。本当に素晴らしいですね。リハーサルはYoutubeで見られますか? 何の曲だったのでしょうか。
私も音楽は大好きです。静かに、真剣に聞くのは苦手なので、もっぱら指揮したり、鼻歌歌ったり、ながら聞きですけど。
シリーズの中で一番好きなのは「リリー・マルレーン」です。よかったらこちらもご訪問ください!
- P3さん からの返信 2017/12/04 04:58:11
- Re: 涙が出そうになりました!
- こんにちは
クライバーのリハーサルですが、ウィーンフィルと雷鳴と稲妻です。https://www.youtube.com/watch?v=Auwj4I0RpAw
あと指揮ではないのですが、ムーティーのスピーチやインタビューはウィットに富んでいて面白いです。中でも以下のMusical Americaアワード受賞スピーチは娘も笑いながら感心していました。
https://www.youtube.com/watch?v=SZ-G3qNmI0U
お楽しみください。
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