2016/11/03 - 2024/02/13
1529位(同エリア6057件中)
砂布巾さん
指揮者ブルーノ・ワルターの運命(音楽、ユダヤ人)
コンサートドロップアウトした超ユニークなピアニストのグレン・グールド、華麗な指揮振りと生気に溢れる音楽を聴かせてくれるカルロス・クライバー、
グレン・グールド、
*ハミングしながらの演奏、低い椅子、指揮、交差とあっという間の50分(最後がまた凄い) バッハのゴールドベルク変奏曲をどうぞ
https://www.youtube.com/watch?v=iho1yS2EPJI
カルロス・クライバー東京での「雷鳴と電光」
https://www.youtube.com/watch?v=FdneEtOv4Nc
(このページを訪問してくださった方へ)
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心からの感謝を込めて 砂布巾
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情熱的なレナード・バーンスタイン
*亡くなる年、札幌での演奏の一コマ シューマン交響曲第2番 圧巻は何と言っても2楽章 最後は第一ヴァイオリンが立って演奏 この後異例の拍手が 25:30頃から
https://www.youtube.com/watch?v=6zPTgM7OkwU
*1943年ワルターの代役でデビュー NYでお墓に行ったけど閉園日! -
と並んで好きな演奏家であるワルターは、ビスマルク外交時代の1876年にドイツに生まれる。両親はユダヤ人であった。彼自身はキリスト教に改宗したが、ナチス政権が成立するとドイツを去らざるを得なくなり、オーストリアのウィーンに拠点を移す。ところがドイツに併合されると、オランダで難民生活を経るなどして最終的にアメリカに移住する。
*左は同じく初演したマーラーの交響曲「大地の歌」(1952年 ウィーン)と永遠の名盤モーツァルト後期六大交響曲集(最晩年のステレオ録音) -
併合直前1月16日にウィーン・フィル(小澤征爾、故ニコラス・アーノンクールの指揮で広島での実演を聴いた)を指揮した同じくユダヤ人である友人マーラー交響曲第9番(初演者でもある)のライブが残されている。当時のコンサートマスターはマーラーの義弟。最前列にはマーラーのアルマ未亡人、シュシュニック首相も座っていた。ヒトラー政権によるオーストリア併合直前という不穏な情勢下、ドイツで排斥されていたマーラーを選曲するのは一大決心であったに違いないし、今後の世界や自身の運命を予感しながらの演奏だったと思うと涙を禁じ得ない。自身「妨害の咳払いや客席のバタバタという足音と一緒に演奏が開始された」と語っている。楽団員6人ばかりか、聴衆の多くも犠牲になったことだろう。「第九」自体も消え入るように終わるいわば告別の曲であり、2002年4月20日小澤征爾がボストンでの最後の演奏会に選んだのもこの曲だった。
なおワルターの告別演奏会に関するエピソードは、宇野功芳氏「ブルーノ・ワルター」、ノーマン・レブレヒト氏の「クラシックレコードの百年史」を参考にした。
*一番右のCDはフルトヴェングラーの有名な「ウラニアのエロイカ」(1944) -
見るからに優しい隣のおじいさん的雰囲気のワルターは、リハーサルでは悲しい顔をして「なぜあなた達は美しい音を出さないのですか? もっと歌ってください」。怒り狂うトスカニーニ(後述)のような指揮者などより堪えたという。
本当に幸いなことに引退後の最晩年には、録音用に特別編成されたコロンビア交響楽団と多くのステレオ録音が残され、1962年に亡くなった。
「クラシック不滅の名盤1000」(音楽之友社)には「フルトヴェングラーの演奏とは対照的に、ワルターのモーツァルトには常に安らぎがあり、柔和な心がその底流にある」の記述がある。「田園」も屈指の名盤として名高い。
*ウィーンフィル広島公演の際のアーノンクール氏
演奏会の旅行記 http://4travel.jp/travelogue/10212064
曲目はベト7とモーツァルトの39番
やはり独特の演奏だった -
20世紀最大のカリスマ指揮者フルトヴェングラー。彼はフランクの交響曲などを演奏した直後の1945年2月にスイスへ亡命するまでナチス支配下のドイツを去らず、活動再開が許されるのは「運命」などを振った1947年5月のことだった。2019年10月に2枚のCDを相次いで買い、両者を続けて聴いていた。彼は政治には興味がなく、ベルリン、ウィーン以外では自分の芸術がなし得ない、と考えていたのではないだろうか?
2人とともに20世紀前半の三大指揮者とも言われるトスカニーニ。彼はイタリア人でありながらムッソリーニに抵抗し、後にアメリカに拠点を移す。1937年にヒトラーの言いなりと見做すフルトヴェングラーとはザルツブルクの路上で口論したという。
1998年冬にはドイツ、ハイデルベルクにあるフルトヴェングラーのお墓(命日は1954年11月30日)を訪問した。
*1942年ヒトラー誕生日前日の第九の演奏を取り上げたニュース
https://www.youtube.com/watch?v=zAOKkUnpTac -
またウィーンでは小澤征爾氏(2024年2月6日死去)とバッタリ会い、国立オペラ座では立席ながらヴェルディの歌劇「エルナーニ」を鑑賞した。
*最初にお会いしたのがウィーン全日空ホテル入口で テニス帰りだったようだ
広島で聞いた実演はモーツァルトのリンツ、マーラーの4番
*2022年12月16日 アナザーストーリーズ「小澤征爾 悲願のタクト~北京に流れたブラームス」放映 感動的な番組だった -
*カーテンコール
ニューイヤーコンサート アンコール 美しき青きドナウ
https://www.youtube.com/watch?v=VJZaElpTC7M -
ホイリゲ(ワイン酒場)ではウィーン・フィルのコントラバス奏者の方などと一緒に飲むなど音楽的にも非常に充実した旅だった。
*ベートーヴェン遺書を書いたことで有名なハイリゲンシュタットのホイリゲにて もう1人の男性はニューヨークフィルの奏者
もくじへ http://4travel.jp/travelogue/10681693 -
*休憩時間中に オーケストラピット内のコントラバス奏者氏
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最初は恐怖を覚えたウィーンでの大晦日、ハマってこの時が2回目の訪問。 (2021年11月大幅改訂)。
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*妻布巾の大学の先輩佐渡裕氏とは尾道からの新幹線の車内でお会いし、気さくに写真撮影に応じてくださった
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無人島へ持って行くCDと世界一周(自分史)
その昔「無人島レコード」という本があった。ルールは組物でも1枚だけ。 -
クライバーなら最初の一音で衝撃を受けたベートーヴェン7番等(1975年ベームの来日公演が原体験)かニューイヤーコンサート。命日が誕生日だから生まれ変わりと勝手に思っているモーツァルトは、持って行きたい曲がありすぎる。グールドならバッハ(直訳すれば小川さん)「ゴールドベルク変奏曲」の新盤か。
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クラシック以外なら1985年8月の日航機事故で亡くなった坂本九ちゃん、廿日市に住んでいた頃ラジオで聞き、後にYoutubeで曲名が分かったPetshopboysの Always on my mindを含むアルバム、唯一聞くジャズキース・ジャレットのケルンコンサートも良い。
もし「一曲」なら断然前項目で触れたマーラー「第九」。ワルター以外でも第4楽章118小節のトロンボーンの欠落も含めて何かと話題になったバーンスタインとベルリンフィルの一期一会のライブも捨てがたい。
もし1ツールならパソコン。携帯の方が便利なのだろうが、2014年秋に不本意ながら父から譲り受けた身には未だに馴染めない。どちらにしても非現実的で荒唐無稽な話。
*取り敢えずチョイスした15枚 -
*2006年は世界遺産海印寺(ヘインサ)で九ちゃんを聞いた
https://4travel.jp/travelogue/10366552解脱門 海印寺 史跡・遺跡
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「CD2枚で世界一周」(キング)は100曲収録されている。夢物語だがモンゴル、チベット、バリ島、インド、アフリカなど現地で聞いてみたい。(2021 年10月大幅改訂)
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*2019.10.14 バーンスタインの命日に広島駅前で掘り出し物を発見
アイヴズ作品集 「ハロウィーン」「宵闇のセントラルパーク」「答えられない質問」など曲名もユニーク
*右は本文で述べたフルトヴェングラーがスイスに亡命する直前の1945年1月29日にウィーンで演奏したフランクの交響曲を収録
左はデュプレによるハイドンのチェロ協奏曲 癒しだ! -
*運命(右)2019.10.22(即位礼正殿の儀の日)にブックオフで買った
一般的には有名な1947年5月27日の演奏 宇野功芳氏は著書の中の窮極のベスト10で録音の良さも含めて25日の演奏の方を取り上げておられる 本当の意味で復帰演奏という意味においては後者の方が意義深いだろう
宇野氏が選ぶ究極の名盤 書いていない場合のオケはベルリンフィル
ウラニアのエロイカ(1944 ウィーンフィル)、エロイカ(1952 ウィーンフィル)、運命(前述)、田園(1952 ウィーンフィル)、第九(1951 バイロイト祝祭管、1953 ウィーンフィル)、シューベルト「ザグレイト」(1943)、ブラームス第4番(1948 正に今聴いている)
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この旅行記へのコメント (3)
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- P3さん 2017/11/30 01:02:03
- 涙が出そうになりました!
- 素晴らしい!クライバーは大好きな指揮者で、ウイーンフィルとのリハーサルのなんかは非常に興味深いものです。アーノンクールは2001年のニューイヤーコンサートの最初の曲が非常に思い出深いものです。ラデツキーのオリジナルバージョンです。
米国ピッツバーグ在住で、もともとクラシック音楽が好きなうえ娘が当地のYouth Orchestraでバイオリンを弾いていることもあり、益々クラシック音楽にのめりこんでいます。今年は五嶋みどりやデュダメルの客演聴く機会がありました。
今後も興味深い投稿を楽しみにしています。
- 砂布巾さん からの返信 2017/12/01 09:15:37
- RE: 涙が出そうになりました!
- コメントありがとうございます。
あの項目の主役はやはりブルーノ・ワルターなのですが、彼がヨーロッパを去る予感を抱きながら万感の思いで演奏したであろう第九は涙が出そうになってしまいます。
クライバーのあの華麗な指揮振り、そして生き生きとした音楽。本当に素晴らしいですね。リハーサルはYoutubeで見られますか? 何の曲だったのでしょうか。
私も音楽は大好きです。静かに、真剣に聞くのは苦手なので、もっぱら指揮したり、鼻歌歌ったり、ながら聞きですけど。
シリーズの中で一番好きなのは「リリー・マルレーン」です。よかったらこちらもご訪問ください!
- P3さん からの返信 2017/12/04 04:58:11
- Re: 涙が出そうになりました!
- こんにちは
クライバーのリハーサルですが、ウィーンフィルと雷鳴と稲妻です。https://www.youtube.com/watch?v=Auwj4I0RpAw
あと指揮ではないのですが、ムーティーのスピーチやインタビューはウィットに富んでいて面白いです。中でも以下のMusical Americaアワード受賞スピーチは娘も笑いながら感心していました。
https://www.youtube.com/watch?v=SZ-G3qNmI0U
お楽しみください。
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