黄金のポーランドと東スロバキアを巡る　１０　９日目　グルジョンツ～グダンスク

2017/10/09 - 2017/10/09

１０日目（１０月９日（月））
今日は旅の中日。朝グルジョンツを出て昼前にグダンスクに到着しました。
グダンスクはハンザ同盟以来の美しい港街でしたが第２次世界大戦のきっかけになったナチスドイツの侵攻によって徹底的に破壊されました。しかし戦後市民の手で復興され往時の美しさを見事に取り戻しています。街はバロック、ルネサンス、ゴシックの建築で溢れており、その美しさはこれまで訪れたヨーロッパの街でも三指に入ります。
またグダンスクは東欧民主化の口火を切った街でもあります。運動の拠点になった旧レーニン造船所を訪れ、テレビや新聞で民主化の動きをハラハラドキドキしながら見ていた３０年前を思い出しました。
今日は雨模様の寒い一日でした。

エリア グダンスク(ポーランド)

• 旅行の満足度: 5.0
• 観光: 5.0
• ホテル: 5.0
• グルメ: 5.0

• 同行者: 一人旅
• 旅行の手配内容: 個別手配

９日目。ぐっすり眠って爽快な目覚めです。たっぷりの朝食を頂きました。朝食込みで５０００円以下。いつもながら財布に優しい国です。

出発まで昨日行けなかった場所に行ってみました。
旧市街広場に行く途中に小さな運河を渡ります。水不足に悩むグルジョンツのためにコペルニクスが設計したトリンカ運河です。

地区教会。

旧市街広場から北に向かいました。

目指したのはティタデラと呼ばれるプロイセン時代の要塞です。ところがＴＶで見た姿はなく壊れた石垣の一部と新しいシンボルタワーのみででした。
帰国後に調べたらティタデラはここから更に２ｋｍ先の丘の上だったのを知りました。ただ現在はポーランド軍の施設になっているので行ったとしても入れなかったかもしれません。

塔の裏に回ると朝日で光るヴィスワ河が見えました。

帰り道、聖ニコラス教会に入ると丁度朝のミサの始まりで聖歌が歌われていました。

チェックアウトしてグルジョンツ駅に来ました。駅舎はシンプルです。
ここでグダンスクまでの切符を買う時に売り場の女性が何かポーランド語で説明してくれますがわかりません。怪訝な顔をしていたらメモを書いて渡されました。

意味が分からす駅にいた若い女性に聞いたらここからバスに乗って途中の駅で列車に乗り換えねばならない、とのことでした。
グダンスクの大学で物理学を学ぶ聡明そうな女子学生でついていく事にしました。

この駅で列車に乗り換えました。ヨーロッパ人のアルファベットや数字の書き方は独特でメモとプラットホームの標識を見比べて納得しました。

「欧州鉄道の旅」で見た風景の中を走りグダンスクに向かいます。

１１：５５　グダンスク本駅到着です。駅舎は赤レンガを使ったネオゴシック様式の重厚な建物でした。雨が降って寒いです。６～７℃と思われます。

グダンスク本駅 駅

ホテルは旧市街に入ってすぐの大武器庫に隣接したヴォルネ・ミアスト・グダンスクオールドタウン（Wolne Miasto）です。ピンク色の部分がエントランスです。

Hotel Wolne Miasto Old Town Gdansk ホテル

三ツ星ホテルですが高級感ある雰囲気です。荷物を置いて街歩きに出ました。

ホテルは大武器庫の華麗な建物とつながっていました。旧市庁舎のあるドゥーギ広場も徒歩１０分程度と立地抜群です。

大武器庫 史跡・遺跡

小雨の中を市庁舎のあるドゥーギ広場を目指しドゥーガ通りを歩きました。通りの両側にはゴシック、ルネサンス、バロックといった各時代の美しい建物が並んでいました。

ドゥーガ通り 散歩・街歩き

市庁舎の塔です。その向こう側が観光の中心ドゥーギ広場です。

市庁舎 建造物

ドゥーギ広場です。ここも各時代の美しい建物に囲まれています。

ドゥーギ広場 広場・公園

振り返って市庁舎を見ます。尖塔は高さ８３ｍだそうです。
現在は歴史博物館になっていて、赤の広間と呼ばれる部屋はヨーロッパで最も美しい部屋の一つと言われているそうですが今日は月曜日で閉館でした。

市庁舎前に港街らしくネプチューンの噴水がありました。

ネプチューンの噴水 建造物

この美しい広場の建物は戦争で徹底的に破壊されたのを戦後修復したのです。
終戦直後にがれきの山になった街の写真パネルが随所に立っていました。

広場の突き当りにある緑の門です。この先はグダンスク港に続くモトワヴァ運河です。

緑の門 建造物

もう一度広場を振り返りました。
青空に輝く広場も美しいでしょうが、冬空の下のしっとりした風景も悪くありません。

緑の門を出てモトワヴァ運河沿いを歩きました。

旧モトワヴァ運河 散歩・街歩き

通りには琥珀を売る店が並んでいます。バルト海は琥珀の一大産地です。

黒い建物は昔のクレーンで今は海洋博物館でした。下のクレーンは船の積荷用、上のクレーンは船のマストを立てるのに使われたそうです。

ポーランド海洋博物館 博物館・美術館・ギャラリー

運河沿いの道を折れてドゥーギ広場の裏に来ました。。ここでも修復工事が行われています。

更に曲がると雰囲気のある古い通りに出ました。

道の両側に古い建物が並び、正面に聖母マリア様教会の塔が見えました。

マリアツカ通り 散歩・街歩き

各建物からいろんな動物の長く伸ばした首が出ています。水が流れ出ているのを見ると雨樋の排水口のようです。

ここでも街並みの調和を壊さないような丁寧な修理が行われていました。

行ったり来たりしています。

運河沿いの街並みを撮りたくて対岸にやってきました。

運河に架かる橋の上で冷たい雨の中でアコーディオン弾いている女性がいました。お金を入れて写真を撮らせてもらいました。

聖母マリア教会に来ました。レンガ造りの教会としては世界最大級だそうです。

聖母マリア教会 (グダンスク) 寺院・教会

正面のステンドグラスだけが戦争による破壊を免れたそうです。

駅に向かって歩いていくと市場がありました。

グダンスク中央市場 市場

その先に旧市庁舎

旧市庁舎 史跡・遺跡

大製粉所跡

大製粉所 建造物

この水路の水で水車を回して粉を挽いていたのでしょう。

こちらは小製粉所。

随分歩きました。疲れたのと寒いので駅近くのショッピングモールに入りました。フードコートの「NINJYA」と書いた寿司とラーメン屋がありました。

マディソン センター ショッピングセンター

ラーメンを試してみました。さっぱりした塩味の上に量が少ない。大食のポーランド人に受けるとは思えません。

駅を過ぎて「連帯」記念碑のある旧レーニン造船所にやってきました。

連帯記念碑 モニュメント・記念碑

１９８０年、造船所の一労働者だったレフ・ワレサ（後の大統領）が労組を結成し自由を求めて立ち上がった場所です。これがきっかけで１９８９年に東欧の民主化が実現したのをよく覚えています。

記念碑の横の壁には各国から贈られた鎮魂のプレートが多数ありました。

日本からのもありました。

記念碑の足元には抵抗して命を落とした労働者を悼む花が絶えません。

小雨の中を４時間歩き通しでさすがに疲れました。ホテルの戻り一休みしました。

一休みして夕食に出ました。「歩き方」に出てるタルグ・リブニィ・フィッシュマルクト（Tag Rybny Fishmarkt）で魚料理を食べます。

タルグ リブニィ フィッシュマルクト 地元の料理

先ずは魚介スープとビール。

メインはバルト海の鱈のバターソテーにしました。淡白な魚に濃厚なバター風味が美味しかったです。

すっかり暗くなったドゥーギ広場を通りホテルに戻りました。雨で寒い一日でした。２．３万歩。