北欧・中欧の旅2016　第12回　ウィーン、ハイリゲンシュタット　Wien, Beethovengang in Heiligenstadt

2016/05/23 - 2016/06/02

ベートーヴェンの散歩道沿いの小川（シュライバー川）2016.5.30
Schreiberbach along Beethovengang in Heiligenstadt

2016年8月11日に公開した「北欧・中欧の旅2016ハイライト」
http://4travel.jp/travelogue/11153875
に続く1日ごとの旅行記第12回です。
公開予定は定期的にではなく、およそ毎月3回程度になる見通しです。
写真と説明文はハイライトと重複する内容が少なからずあります。

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前回2014年秋はスコットランドとフランスの友人宅を訪ねる14日間の一人旅でしたが、今回は友人と二人でストックホルムからウィーンまでの12日間の列車の旅です。
フライトは往路が羽田発ミュンヘン経由ストックホルムまでのルフトハンザ航空、復路は
ウィーン発成田までのオーストリア航空直行便、航空券の手配はJTBオンラインでした。

日程はストックホルム（3泊）、コペンハーゲン（2泊）、ハンブルグ（乗換）、ベルリン（2泊）、プラハ（乗換）、ウィーン（3泊）です。
私にとってプラハとウィーン以外の都市は初めてで、訪問先の観光スケジュールは友人と手分けしてかなり詳細な計画を作って行きました。
この計画作りは大変ですが、添乗員ツアーと比べても充実した旅になることは何度も経験済みです。


5月30日（月）晴れ　気温23℃/16℃
ウィーン市の中心から北へ約5キロにあり、ベートーヴェンが小川のほとりを散歩しながら交響曲6番「田園」の曲想を得たといわれているハイリゲンシュタットを訪ねた。
2009年10月以来二度目の訪問であるが、小川のほとりの緑が豊かなこと以外は変らない静かな雰囲気が漂っていた。

カーレンベルグの丘が見渡せるエロイカ通り、小川に沿ったベートーヴェンの小道など散策し、ホイリゲで有名なグリンツィングから市電でウィーン市内へ戻った。
ベートーヴェンゆかりの夏の家、遺書の家など3箇所のベートーヴェンハウスを訪ねたが、内部が博物館となっている遺書の家は改修工事中で見学はできなかった。

今回の旅行の最後の都市にはフランス人の友人たちがいるパリを考えたが、計画のさ中にパリで連続テロが発生し、厳戒態勢が続いていたためやめて、
代わりに大学オーケストラ仲間でもある友人との二人旅に選んだのはベートーヴェンゆかりの地ウィーンとモーツァルトの街ザルツブルグでした。

撮影　CANON EOS40D EF-S18/135
PowerShotSX610 HS

2009年に初めてハイリゲンシュタットを訪れた旅行記
http://4travel.jp/travelogue/10466980
<本文抜粋>
（ザルツブルグから）ウィーンに着いたときには雨はすっかり上がり薄日が差していたので、一休みしてから本日の目的地のベートーヴェンゆかりの地ハイリゲンシュタットへ向けて出発した。
市の中心から５Kmほど北にありベートーヴェンハウスと小川に沿ったベートーヴェンの散歩道がある。
ガイドブックの地図を見ながらベートーヴェンハウスを探した。
地元の婦人にたずねると親切に教えてくれた。十字路にある教会が目印で、ベートーヴェンの夏の家（外観のみ）と難聴に苦しみ兄弟宛の遺書を書いた「ハイリゲンシュタットの遺書の家」を見学した。
こじんまりした家でザルツブルグやウィーンのモーツァルトハウスと比べると質素な感じだった。でもデスマスクや遺髪などを見ると真に迫るものがある。

そのあと枯葉を踏みしめながら英雄通りEroicagasseを通って「田園」の曲を構想したといわれるベートーヴェンの散歩道Beethovengangを歩いた。
水の流れは幅50cmぐらいでほんとうに小川だ。周辺は秋の落葉で彩られて、のどかだがちょっとうら寂しさが漂っている。新緑のころはまた異なっているのだろう。
交響曲第６番「田園」は多分春から初夏にかけて書かれたものだろうかと考えた。小鳥のさえずりや雷など生き生きした感じがするので。
西のほうへ更に行くと上り坂となり、小高くなった丘陵地帯にブドウ畑が広がっていた。このカーレンベルグの丘の南斜面ではワイン用の葡萄が栽培されている。　　
住宅街に戻るとさまざまな色合いの美しい家が並んでおり、ウィーンの住宅建築の展示場を見ているようで、しかも自然とよく調和している。
ヤリスYaris（トヨタヴィッツの欧州生産車）の手入れをしている女性がいたので、ヤリスですねと声をかけると、「この車５年前に買ったけれどすごく気に入っているのよ」と笑顔で答えてくれた。
ワイパーに積もった黄葉が季節感をかもし出していてよかった。
だいぶ歩いて疲れたので、車が通れない小道を通って市電の終点グリンツィングGrinzingまで歩き、駅前のカフェPUCCO’Sに入って紅茶とケーキで一休みした。
帰りは市電38番と地下鉄でKarlsplatzまで戻り夕暮れ時のオペラ座や周辺の景色を写した。

◆公開済み旅行記
北欧・中欧の旅2016ハイライト　
http://4travel.jp/travelogue/11153875
北欧・中欧の旅2016　第1回　東京からストックホルム　
http://4travel.jp/travelogue/11159614
北欧・中欧の旅2016　第2回　ストックホルム
http://4travel.jp/travelogue/11161296
北欧・中欧の旅2016　第3回　ストックホルム 2日目
http://4travel.jp/travelogue/11164085
北欧・中欧の旅2016　第4回　コペンハーゲン 1日目　チボリ公園、クリスチャンボー城
http://4travel.jp/travelogue/11166762
北欧・中欧の旅2016　第5回　コペンハーゲン　2日目午前 アメリエンボー宮殿
http://4travel.jp/travelogue/11169604
北欧・中欧の旅2016　第6回　コペンハーゲン　2日目午後　人魚の像、ローゼンボー宮殿
http://4travel.jp/travelogue/11170585
北欧・中欧の旅2016　第7回　コペンハーゲンからハンブルグ乗換えベルリンへ
http://4travel.jp/travelogue/11173882
北欧・中欧の旅2016　第8回　ベルリン1日目 ブランデンブルグ門・ベルリンの壁
http://4travel.jp/travelogue/11176808
北欧・中欧の旅2016　第9回ベルリン　2日目午前 旧帝国議会議事堂、テレビ塔、ベルリン大聖堂
http://4travel.jp/travelogue/11179309
北欧・中欧の旅2016　第10回　ベルリン2日目午後　博物館島
http://4travel.jp/travelogue/11182173
北欧・中欧の旅2016　第11回　ベルリンからプラハ経由ウィーンへ
http://4travel.jp/travelogue/11187183

エリア ウィーン(オーストリア)

• 旅行の満足度: 4.5
• 観光: 4.5
• 交通: 4.5

• 同行者: 友人
• 一人あたり費用: 30万円 - 50万円
• 交通手段: 鉄道 徒歩
• 航空会社: ルフトハンザドイツ航空
• 旅行の手配内容: 個別手配
• 利用旅行会社: JTB

2016年5月30日（月）6：33

ホテル前の大通り
翌日6：42発の列車でザルツブルグへ行くことになっていたので、その時刻のWESTBAHNの列車の下見に出かけました。

ウィーンはトラムが発達しており、この字国でも頻繁に行き交っていました。
6：34

翌日はこの列車に乗ります。

行き先はザルツブルグ中央駅　Salzburg Hbf

ウェスト・バーンの車両は2階建ての6両編成で、前後の車両は機関車＋客車の一体型です。

WESTBAHNは民営の鉄道会社で、国鉄の線路を使い専用の列車をウィーンからザルツブルグ間を運行しています。料金は国鉄の半額で、チケット販売は経費節減のため窓口ではなく車内及びタバコ屋だけです。

車内の様子は第14回に掲載します。

6：42定刻に出発した列車を見送ります。6：43

この通勤列車は電気機関車が客車を牽引するタイプです。

列車を降りた通勤客は足早に出口に向かいます。

乗客の服装はノースリーブ、Ｔシャツ、ジャケット、コート着用など様々です。

ホームの喫煙所

通勤列車

雪かきを取り付けた先頭車両

電気機関車

ウェストバーンの時刻表　　6：54

ウィーン西駅の売店

ベーカリー（パン屋）
翌日はここでパンとコーヒーを買って乗車しました。

駅構内は広々しています。

一時はドイツに向かう難民が多数集結したとのニュースもありました。

監視カメラも各所に配置されています。

チケットは券売機が基本で、大きな窓口は見当たりません。

TABACOでも売っています。

駅前広場（ヨーロッパ広場）のバス停には西駅から空港行きの乗り場もあります。

空港までの所要時間は35～40分程度かかります。
急ぎの場合はウィーン・ミッテ駅から直通列車CATがお奨めです。

所要時間16分　11ユーロ

空港バスの時刻表ですが、電光掲示板の文字は節電制御の関係で写真には正確に写りません。

EINGANG 入口

駅前広場に面したMOTEL ONEホテルと、大通りの向かい側にあるMercure HOTEL

今回はメルキュールMercureに泊まりました。
http://www.booking.com/hotel/at/mercure-wien-westbahnhof.ja.html

Booking.comでの評価はMOTEL ONEのほうが高い（料金も）ですが、旅行の最後で疲労も考慮し、バスタブを優先してMercureを選びました。
一昨年エジンバラのMOTEL ONEを利用しましたが、バスタブ付きの部屋はありません。http://4travel.jp/travelogue/10948376

駅前広場に面したMOTEL ONEは438室もある大型ホテルです。
http://www.booking.com/hotel/at/motel-one-wien-westbahnhof.ja.html

旧型のトラム（路面電車）

地下鉄やトラム、バスなどの公共交通機関の利用にはウィーンカードWien Carte(24時間券7.6ユーロ）が便利です。

Wien Carte(24時間券7.6ユーロ）

"24Stunden Wien"-Karte

券売機のほかにタバコ屋TABAKでも買えます。

新型のトラム

自転車レーン

QBBオーストリア国鉄　ウィーン西駅Bahnhof City(駅の街）

いわゆる駅ビル商店街です。

開店時間は21時までと目盛で示しています。

旅行カバンに腰掛けた少年の像

ドイツ語が読めないので意味がわかりませんが、1938～1939年にかけてのナチスによるユダヤ人の迫害から救うために、ロンドンなどへの千人規模の子供の移送に関係しているみたいです。

戦勝記念像？

記念像の周りの草花

記念碑裏側のライオン像

ウィーンのトラム

ホテルの朝食のジャム　7：30

左からイチゴ、アプリコット、赤すぐり

ウィーンのホテル　メルキュール・ウェストバーンホフの朝食

卵料理（左）、焼きベーコン、焼きソーセージ、ゆで玉子、煮豆
これらはイングリッシュ・ブレックファストの品揃えです。

サーモン、ハム、ソーセージ

これらはコンチネンタル・ブレックファストの品揃えです。

左端の透明な飲み物はVIENNESE MOUNTAIN SPRING WATER(ウィーンの山の湧き水）と書かれています。
飲んでみると冷たく、まろやかでとても美味しかったです。

ウィーンの水道水もアルプスの雪解け水を水源としているため、飲料水の品質としては世界最高レベルだそうです。

ウィーンの水：世界に誇る水質
https://www.wien.info/ja/sightseeing/green-vienna/viennese-water

ハイリゲンシュタット駅　9：37

ロト売り場　　LOTTERIEN

ウィーンの市バス

ハイリゲンシュタット駅前の、世界最初の労働者住宅カール・マルクス・ホ－フ　KARL MARXS-HOF
このような建物が約80ｍ間隔で2列に並び、総延長550ｍに渡って続く。
2列の間は中庭になっており、緑豊かな公園風にバラなどが植えられていました。

この日の午前中は、
ウィーン市の中心から北へ約5キロにあり、ベートーヴェンが小川のほとりを散歩しながら交響曲6番「田園」の曲想を得たといわれているハイリゲンシュタットを訪ねた。
カーレンベルグの丘が見渡せるエロイカ通り、小川に沿ったベートーヴェンの小道など散策し、ホイリゲで有名なグリンツィングから市電でウィーン市内へ戻った。
　
市内の地下鉄やトラムにはウィーンカードWien-Karte　1日7.6ユーロを買いました。

車道と歩道の間に駐車道路があるめずらしい道路構造です。

中庭入口の鉄格子

建物配置図

中庭に面した側にベランダがあります。

カール・マルクス・ホ－フの中庭　9：45

1階にはいろいろな店が入っています。9：48

グリンツィング通り

外壁に取り付けられた絵画

この時期はバラが満開でした。

ウィーンのフランス人中学校(リセ）Lycee Francais de Vienne

聖ミカエル教会

ベートーヴェン夏の家

ベートーヴェン夏の家の表札

ベートーヴェンハウス（遺書の家）の案内標識と一方通行標識ENINBAHN

遺書の家の赤白の旗はウィーン市が管理していることの目印です。

両側が赤で中央部が白の旗はオーストリアの国が管理しているものです。
ザルツブルグの旧市街のモーツァルト生誕の家は国の管理です。

ベートーヴェンの遺書の家の中庭
Heiligenstadter Testament Haus

ベートーベンが３1歳の時、聴力が失われつつあることに
絶望し、遺書を書いた家。

外観と中庭
階段の上のベートーヴェンの部屋（記念館）は建物全体の修理中のため休館でした。
以前の写真はここにあります。
http://4travel.jp/travelogue/10466980

内部は修復中で見学はできませんでした。

工事中

遺書の家の通りに面した外観　10：27

3番目のベートーヴェンハウス

ベートーヴェンハウスの扉

3箇所のベートーヴェンハウスの案内図

3番目のベートーヴェンハウスの裏の家でトイレを借りました。

鍵を開けて照明のスイッチを入れてくれました。

ありがとう！助かりました。

この家は緑豊かな庭園と、ツタがからまる建物など、個人の住宅のようには見えませんでした。10：37

エロイカ通りEROICAGASSEを通ってベートーヴェンの散歩道BEETHOVENGANGへ向かいます。

閑静な住宅地ですが、昔からこんな雰囲気だったのでしょう。

車が存在しない時代から続いている街並みのため、ガレージ（車庫）や駐車場はないものと思います。

エロイカ通り9番地

立派な住宅が並んだ閑静な住宅地です。

遠くにカーレンベルグの丘のブドウ畑が見え隠れします。

カーレンベルグの丘に通じるカーレンベルガー通りKahlenbergar strasseとエロイカ小路Eroicagasseの交差点に建つ家（レストラン）の前で記念撮影　10：49

エロイカはベートーヴェンの交響曲第3番「英雄（エロイカ）」に因んだ命名と思います。
19は番地ではなく郵便地域番号です。

通りの角（かど）のレストランと一言で書くのが適切ではなさそうな広い通りで、レストランも大きいです。

エロイカ小路の先にはカーレンベルグの丘の葡萄畑が広がっています。

2009年の秋に来たときには、黄葉の落ち葉をカサカサと踏みながらこの道を歩きました。

19区　エロイカガッセ（エロイカ小路）Eroicagasse

交響曲第6番「田園」の曲想を得たと伝えられるベートーヴェンの散歩道BeethovengangとEroicagasseの交差するところです。

19はこの地区の郵便番号だそうです。

ベートーヴェンが交響曲第6番「田園」の曲想を得たと伝えられる散歩道に沿った小川「シュライバーバッハ」

ベートーヴェンの散歩道　　Beethovenngang

左側に小川が流れています。

19　Beethovenngang　　19区　ベートーヴェン小道

小川は護岸工事が施されており、若干イメージと異なります。

小川のベートーヴェンの散歩道と反対側の小路　　11：09

小川との間に樹木があるため、小川は良くは見えませんが静かで散歩には向いていると感じました。

ベンチもあります。

上記の散歩道の終点近くに建つベートーヴェン像　11：12

1868年6月15日除幕と書かれていますが、真新しく見えるのはなぜか分かりません。

ハイリゲンシュタット墓地　11：30

墓地からグリンツォングの町の中心に向かう道Grinzinger Steigの石段

石段の脇のブドウ畑には有名人の名前を記した札がたくさんかかっています。

これはフランスの名優アランドロンです。

オバマ大統領、習近平なども見られます。

ブドウ畑ですが未だ木が成長していません。

犬を連れたマダム

この住宅街の坂道には、階段の歩道があります。11：46

住宅地の坂道としてはかなり急な勾配です。

ギリンツィンガー小道（坂道）

グリンツィングのホイリゲ　Grinzing Rudolfshof

GRINZING HEURIGER RUDOLSHOF
http://www.heurigenkaffee.at/

中庭の入口

中庭

トラムのグリンツィング駅

38番トラムでウィーン市内へ戻りました。

シュテファン広場周辺と、夜のシェーンブルン宮殿のディナーコンサートは次回に編集します。

トラムから乗換える地下鉄ショッテントーア・大学駅から見たヴォティーフ教会の塔　　　
テレビ画面？（笑）

地下鉄の優先席表示

高齢者　障害者　乳幼児連れ　妊婦