イスラエル(1)嘆く前に潜る／エルサレム旧市街

2016/04/14 - 2016/04/24

ここでイエス様が跪き、そっちの壁の傍らはマリア様が立ってた所で、あ、ヨセフ様のお墓も…って、クリスチャンでなくても世界の誰もが知る、聖書の中のスーパースターたちの息遣いを感じる旅。イスラム諸国を巡り続け、気分はすっかりムスリム寄りの僕ですが、ここはイスラム教の聖地でもあります、古都エルサレム。

いつか叶えたかったイスラエルへの旅、悪名高い出入国への「傾向と対策」もしっかり準備したのに結局いろんな目に遭ちゃって、ことごとく計画通りに行かなかった分だけ、深く心に刻まれました。毎日があまりに盛りだくさんで、少しずつ綴ります。

エルサレムと言えば、まずユダヤ人が集う「嘆きの壁」。しかし壁その物を見る前になんやかんやで地下に潜って歴史をおさらいする事に。イスラエル旅行記第一弾は、壁を巡る想い出から。

エリア エルサレム(イスラエル)

• 旅行の満足度: 4.5
• 観光: 5.0
• ホテル: 4.5
• グルメ: 4.5
• ショッピング: 3.5
• 交通: 3.5

• 同行者: 一人旅
• 交通手段: 徒歩
• 航空会社: エールフランス
• 旅行の手配内容: 個別手配

パリから東へ引き返すこと４時間半

世界で最も出入国が（特に出国）厳しいとされるベングリオン空港到着

早朝５時にも関わらずイミグレーションはこの混雑！

時に質問攻めされる人もいて外国人レーンは遅々として進みません

しかしお決まりの「どこ行くの」「宿は？」「誰かに会うの？」の類を予め英語で諳んじておけば案外スルっと

ちょうどパスポートの白紙頁がなくなったのを機にイラン査証の貼られた古いのから新調したもんだから「なんでピカピカなのよ」と不審がられた程度

空港を出てすぐ右手にあるシェルート（定額制の乗合いミニバス）乗り場へ

本当は鉄道とバスを乗継ぎエルサレムを目指したかったけれども入国でくたびれたので（※出国はこの百倍ひどい目に遭うとはつゆ知らず）旧市街の門まで行ってくれるシェルートをチョイス

旧市街の中までシェルートは入れないため宿最寄りのダマスカス門へ

頭上の覗き窓の向こうにはいつもスナイパーがいます

ほぼ丸腰のパレスチナ人が重装備のイスラエル兵士に攻撃をしかける度に返り討ちにされる場所＝ダマスカス門

この朝もどう見ても無防備なスウェット姿のアラブ人が羽交い絞めで尋問されてる脇を緊張しながら門をくぐりましたがスーツケース持参のアジア人には目もくれず

他の日は女子と和やかに談笑してたりして早速複雑な気分に

初日の宿はエッケホモ教会の上階にあるホスピスです

日本で言う所のホスピスではなく教会の運営する宿泊施設のこと

旧市街のど真ん中にあり宿代もリーズナブル

何より屋上からの眺望！

憧れの「岩のドーム」もすぐそこですが金曜にエルサレム入りしてしまったので見学可能な週明けまでお預け

エッケホモ教会はヴィアドロローサ（イエスキリストが十字架を背負って歩んだルート）上にあり朝から晩まで追体験をしようという信者が絶えません

毎週金曜夕方は修道僧たちと全ての道程を巡る行進が

間に合うよう朝の内に一路「嘆きの壁」へ

嘆きの壁の手前に空港の保安検査場みたいな金属探知機あり

事前に人気の「嘆きの壁」の歴史を学べるガイドツアーに申し込んでいました

正午の回だったのでチケットの確認にブースを訪ねると「今すいてるから参加しなさいよ」と半ば無理やり１０時の回に

現在地表に見える「嘆きの壁」はほんの一部で大半は地下に埋もれています

超ハイテンションなツアーガイド女子のこってりレクチャーを受けてからウォーキングツアー開始

地下へ地下へ…参加者は観光客よりイスラエル人が多い

解説コーナーの度にユダヤ礼讃が始まるので若干疲れる

ずいぶん潜ってもまだ壁が続いています

紀元前にヘロデ王が作ったのよ〜なんて軽く説明されますが…紀元前！

随所で敬虔なユダヤ教徒が黙々と祈りを

小さい子も含め皆が壁に触れながら歩く

凡そ一時間のウォーキングツアーはどんどん道幅が狭くなり

閉塞感が増して頭をぶつけそうなほど低くなったり

最後はやや異臭のする貯水池に辿り着いて同じ道を引き返す

そして予定が逆になっちゃったけどようやく「嘆きの壁」へ

半袖ＯＫな熱射でも涼しい表情の正統派ジューイッシュ

邪魔にならないようそっと近くに

入口で貸してもらえるキッパ（頭に乗せる小さな帽子）をお忘れなく

日参していると思しき地元の皆さんに加えて「やっと来れた！」的なユダヤ教の人から「祈ってるところ撮ってよ！」と相次いでiPhone渡され記念撮影

「ユダヤ教徒は帰り際も壁に背を向けず後ずさりする」なんて聞いていたので自分も倣いましたが人によってはスマホで話しながら祈ってたり

用心していた程ここはピリピリしておらず比較的ピースフル

昼食はやたら繁盛していた食堂に

アラブ人経営でみんなフレンドリーです

この後いやというほど食べる事になるファラーフェル（ひよこ豆コロッケ）

うっかりファラーフェルを数個とファラーフェルのサンドイッチを注文してしまい超満腹に

エルサレムに着いてすぐユダヤ教にどっぷり浸かったら午後からキリスト教の世界へ…同じ旧市街の中でこの変わり身！