2015.8 蘭州・敦煌・西安～河西回廊を行く【8】～楡林窟

2015/08/11 - 2015/08/11

嘉峪関からいよいよ敦煌に向かいます。このエリアの唐代の石窟・壁画としては「莫高窟」がずば抜けて有名ですが、それに次ぐのが「楡林窟」です。
楡林河という川の両岸の崖の洞窟に、唐代以降の各時期の壁画と塑像が残る仏教石窟です。東壁に約30窟、西壁に11窟が現存し、うち29窟に壁画があります。
石窟内の見学は専属のガイド（学芸員）に案内して貰うことになりますが、見学できる窟は、普通窟と特別窟に区分されており見学出来るのは6～8窟程度で見学出来る窟の指定もできないそうです。
今回見学できたのは【普通窟】（）内はメモと記憶より　12窟（五代）13窟（宋）14窟（北宋）15窟（中唐）19窟（五代、輪廻六道の壁画・元の仏像）26‐27窟【特別窟】25窟（中唐）でした。
また石窟内の撮影は一切禁止で入口でカメラを預けることになります。
・・・とネガティブな情報が続きましたが1000年以上前のものとは思えない素晴らしい仏教美術を見ることができました。

エリア 敦煌(中国)

• 旅行の満足度: 4.5
• 観光: 5.0
• ホテル: 4.5
• グルメ: 4.5
• ショッピング: 3.5
• 交通: 4.0

• 同行者: 一人旅
• 交通手段: 観光バス
• 旅行の手配内容: ツアー（添乗員同行あり）

瓜州のレストランで昼食を食べた後、再び荒涼としたゴビ灘の道を走り続けいよいよ楡林窟に到着です。駐車場に着いたとのことですが・・・楡林窟どこ？
楡林窟の標識が立っており、近づくと突然深く切り込んだ楡林河の渓谷が目の前に現れました。

楡林窟 山・渓谷

流れる河の水量は少ないが、深い峡谷が続いています。
楡林窟へは、標識横の階段から断崖沿いに谷底まで降りていきます。

楡林窟 山・渓谷

谷底まで降りると楡林窟の名前の由来となっている楡（にれ）の木の林が河添いに続いています。

楡林窟 山・渓谷

管理事務所。ここから先は残念ながら撮影禁止でカメラを預けます。

楡林窟 山・渓谷

階段を上がって壁づたいに石窟を回ります。１窟5〜１０分程度男性学芸員の説明（日本語）を聞きながら見学しました。
石窟内では、天井や側の一部に剥落した箇所もありますが修復はされておらず基本制作当時のまま（後の代に改修、壁画を描き直している窟もありますが）の壁画や塑像が見られます。

写真撮影が禁止されている上に、日本では（中国国内でもですが）石窟内の様子はほとんど紹介されておりませんので現地（莫高窟）で購入した書籍『敦煌　シルクロード明珠　佛教文化宝蔵』から一部を紹介していきます。
第２５窟の北壁「老人入墓」・・・老人入墓とは、寿命が近づいたら自ら墓に入り、そこで臨終を迎えることを指す弥勒経で説かれている風習で起原はインドですが中国では唐代に広まり、中唐期にもっとも盛んになっています（その後は廃れていきます）。

同じく北壁の畑を耕している図（書籍の壁画紹介の漢字変換不能）です。

南壁には見事な「観無量寿経変壁画』が残りますがその一部の楽器奏者たちです。

第２５窟の西壁門南の「普賢変」

第２５窟の西壁門北の「文殊変」

第２５窟の天井に描かれた「笛吹飛天」
法隆寺金堂内陣の「飛天」にも似ますがこちらの方が芸術性は高いかも・・・

敦煌に到着、毛家飯店というレストランでディナーです。

時間は確か21時頃、敦煌では22時過ぎにならなければ真っ暗にはなりません。

本日から鳴沙山近くのホテル、香港の富豪が建てたという『敦煌山荘』に3連泊です。写真は屋上から見えたイベントの様子です。

シルクロード ホテル ホテル

ツイン部屋のゆったりしたベッドでぐっすり休みました。

シルクロード ホテル ホテル

この旅行記へのコメント （1）

• tadさん 2016/06/14 11:36:02

  貴重な資料です

  写真が不可能で、購入された本からの紹介、ありがたいです。