鈍行列車の北日本旅・その2.JR最後の急行列車‥はまなす (青森→札幌)乗車記

2015/09/01 - 2015/09/02

第20部-95冊目

皆様、こんにちは。
オーヤシクタンでございます。
今回は鈍行旅なんですが、北海道&東日本パスは急行券を買えば、急行列車にも乗れるんです。
これから乗る急行「はまなす」は1988年3月に青函トンネル開通と共に、廃止された青函連絡船の夜行便の代替として運行を始めました。
しかし、来年春の北海道新幹線開業と共に廃止される事になりそうです。
JR唯一の急行列車であり、定期運行の夜行客車列車として、急行「はまなす」は最後の列車になります。

※表紙写真‥青森駅で発車を待つ急行「はまなす」。

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旅行期日‥2015年(H27)9月1日(火) ～7日(月) 6泊7日

9月1日(火)第1日目:雨
9月2日(水)第2日目:晴のち雨

⑬急行はまなす201ﾚ.札幌行
青森.22:18→(車中泊)→札幌.6:07

☆急行はまなすB寝台【車中泊】

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JR東日本(B寝台急行券)‥7780円

エリア 函館(北海道)

• 交通手段: JRローカル
• 旅行の手配内容: 個別手配

21:45
横浜から鈍行列車を乗り継いで青森までやって来ましたが、まだまだ乗り続けなくてはなりません。

北海道&東日本パスは急行券を買えば急行列車に乗る事ができます。
これを利用しない訳にはいきませんね。
てな訳で、急行「はまなす」で、青森から札幌まで移動します。

青森駅に戻って来ました。
青い客車がもうスタンバイ済みですね。
行ってみましょう。

青森駅 駅

第13走者。
急行はまなす201ﾚ.札幌行
青森.22:18→(車中泊)→札幌.6:07

急行「はまなす」札幌行きです。
JRに現存する唯一の定期急行列車です。
LED表示が主流となった今、このような方向幕も珍しくなりました。
思わずパシャリです。

テールマークです。
これをつけた列車も見られなくなりました。
北海道に咲く花‥「はまなす」がデザインされています。

昭和50年代に他客臨時特急用に製造された14系座席車です。
定期列車で運用しているのは、急行「はまなす」だけになってしまいました。

では、車内視察を始めましょう。

一番後ろの7号車から見てみましょう。
急行「はまなす」には車内販売がありません。
その代役として自販機が設けられています。

3・7号車。
普通車自由席です。

14系新製当時から設置されている簡易リクライニングシートが並んでいます。
この座席はあまり倒れません。

5・6号車
普通車指定席(ドリームカー)です。

自由席より少しグレードが高い感じがしますね。
キハ183系と言う特急用気動車から転用したグリーン車用の座席が並んでいます。

年期の入った座席ですね。
特急列車に使用されたグリーン座席に普通車指定席料金で乗れます。
私にとって特急のグリーン車に乗るなんて、夢また夢の話しでした。
懐かしい憧れの座席です。

5・6号車にはミニラウンジがあります。
椅子の色が一昔前のスナックバーを想像させます。

見て下さい。
この気合いの入った姿を…
塗装の艶が消えて、ボロボロです。
30年以上、厳しい環境下を走り続けて来た証しです。
なんだか自分の人生と重なって見え、妙な親近感を感じました。

なんかヘンテコリンな窓が並ぶ車両ですね。
中を覗いて見ましょう。

4号車。
普通車指定席(のびのびカーペットカー)です。

フェリーの2等船室みたいですね。
なんと、この車両‥指定席料金(510円)だけで乗れるんです。
安く、横になって寝る事ができるので人気があります。
実は私もこの車両を希望したのですが、時すでに遅し…
残念ながら満席でした。

1・2号車。
B寝台車です。

先日、廃止された寝台特急「北斗星」などのブルートレインと呼ばれた花形列車に連結されていた同型の車両です。
今、日本国内で乗れるのは急行「はまなす」だけになってしまいました。

先頭のED78型電気機関車です。
この機関車が青函トンネルをくぐり、函館まで急行「はまなす」を牽引します。

ここで残念なお知らせが‥
来年3月の北海道新幹線が青函トンネルを通る事になる事から路線電圧が変更となり、この機関車では青函トンネルを通過する事ができなくなるそうです。
この理由にプラスして機関車.客車の老朽化もあり、急行「はまなす」は北海道新幹線開業と引き換えに廃止となるようです。

ジャーン！
急行「はまなす」が廃止になるのと、のびのびカーペットカーの予約が出来なかったので、奮発して寝台券(6480円)を購入しました。
憧れの寝台車に今夜は泊まります。
では、乗りましょう。

2号車は…
あっ、ココですね。
オハネ24-502と言う車両です。

雑学ですが、オハネの意味です。
オ→車両整備重量32.5tから37.5tの客車。
ハ→普通車。
ネ→寝台車。
この3文字から車両の種類がわかるようになっているようです。

列車に乗りました。
2段式の寝台が並んでいます。
なんだかワクワクして来ました。

2段式B寝台の客席です。

先日乗った、中国の寝台車の軟臥(2段式寝台)に似ていますね。
中国の寝台より少し狭いです。

本当は下段が良かったのですが、廃止が予想される事もあるのか、人気があり、上段になってしまいました。

寝台にセットされている毛布と浴衣です。

こりゃ、マニアにとってはレア物になる事、間違いなさそうです。

女性専用のパウダールームがあります。

洗面室です。
ちゃんとお湯が出ました。

トイレです。
昔ながらの和式です。

タレ流しではなく、タンク式なので青函トンネルの中でも使用可能です。

くずもの入れです。

もう、なくなるとなると、こんな物までカメラにおさめてしまいます。

これで、車内視察を終了します。

ミニラウンジに移動して、一杯やる事にしました。

菊水一番しぼり‥286円
→青森の酒がなかったので新潟の酒です。

いか明太‥108円
→津軽海峡のイカで製造されました。

からしマヨたらば‥108円
→これでカニを食べてる気持ちになりましょう。

夜汽車にはワンカップです。
ちびちび呑みながら発車を待ちます。

22:20
発車しました。
…が、窓に映るのは自分の顔だけです。
カーテンを被って夜行列車の景色を眺めます。

23:00
そろそろ青函トンネルに入る頃なので最後部に行ってみると…
先客がいらっしゃいました。
手前の方は、この列車を担当する車掌長様です。
この日は2名の車掌が乗務していました。

23:05
車掌長様がマニアの為に、青函トンネルに入ったか確認してくれています。
親切な車掌長様です。

青函トンネルを走行中です。

全長・53.85キロ・海面下240m。
1988年3月13日に営業を開始しました。
来年、ここに新幹線が走ります。

カメラが貧弱で撮影技術がないのでこんな写真しか撮れませんでしたが、レールの繋ぎ目がないので走行音が静かです。
新幹線になったら、このような写真は撮れなくなってしまうんですね。。

0:44
函館に到着です。
深夜にもかかわらず、乗客がカメラ片手に降りて行きます。
つられて降りて行くと…

函館駅 駅

ここまで牽引して来たED78電気機関車が務めを終えて切り離されました。
お疲れ様でした。

函館から進行方向が変わり、今度はこちらの1号車が最後部になります。

さて、最前部になる7号車側に来てみると…

来ましたよ〜。
ポッと汽笛を鳴らして近づいて来たのはDD51ディーゼル機関車です。

保安員さんの合図で、ゆっくりと近づいてゆきます。

はい、そこです！‥と合図されているのでしょうか？
連結の瞬間です。

ガッチャン！
只今、連結されました。
拍手～ パチパチパチ。

連結作業が完了し、発車時間を待ちます。
寝台特急「北斗星」を牽引していたブルーのDD51ディーゼル機関車です。
札幌までよろしくお願いいたします。

函館では39分の停車時間がありますが、夜景を見に行く事はできません。
この看板で我慢しましょう。

1:23
深夜の函館駅を急行「はまなす」は定刻に発車いたしました。
さすがに皆さんもカーテンを閉めて寝に入ったようです。
私も寝る事にします。

寝台に寝ると、こんな感じです。
寝台幅が70センチなので少し狭いですね。
早朝から列車に乗りっぱなしなので、すぐに爆睡です。

5:15
目が覚めると、夜が明けていて苫小牧に着いていました。
10分ほど遅れているようです。

苫小牧駅 駅

逢いたくて～♪
夜汽車乗る～♪
デッキの窓に‥♪

洗面室に充電中のスマホが…

私は過去にタイの寝台列車でスマホを充電していたら一瞬の隙に盗まれてしまった苦い経験があります。

5:30
ピンポンパンポン♪ピンポンパン♪ピンポンパンポンピッポン♪‥とオルゴールのメロディ(ハイケンスのセレナーデ)が流れ「皆様、おはようございます…」とアナウンスが流れました。
先行する貨物列車のトラブルで遅れが生じていると、案内がありました。
間もなく南千歳に到着です。

北海道の大地を急行「はまなす」は快走します。
今日はいい天気になりそうです。

6:15
我々を乗せた急行「はまなす」は定刻より7分遅れて、札幌に到着しました。
別れを惜しみながら下車します。

札幌駅 駅

老体にムチをうって走って来た列車は、降車確認終了後、苗穂の車庫に回送してゆきました。
お疲れ様‥急行「はまなす」。

つづく。