2015早春の九州(2)筑後吉井おひなさまめぐり

2015/03/07 - 2015/03/08

友人Sと1泊2日の九州お雛様観光。
2日目午前中は「おきあげ」なるモノを見に筑後吉井へ向かい、ダッシュで見物。
２日目午前中：9時頃鳥栖発〜10時前筑後吉井着、筑後吉井おひなさまめぐり、12時過ぎ筑後吉井発〜柳川へ

エリア 朝倉・甘木・小郡(福岡)

• 旅行の満足度: 4.0
• 観光: 4.0

• 同行者: 友人
• 交通手段: JRローカル 私鉄
• 旅行の手配内容: 個別手配

★2日目
朝7時頃起床。7時半頃からホテル（ルートイン鳥栖）の朝食バイキング。
私は日頃は朝食の量が少ない人なのだけれど、旅先ではガツガツと朝食を食べてしまうのは何故なのだろう。

8時半過ぎにホテルをチェックアウト。
カウンターにいた巨大なポン太ぬいぐるみともお別れ。

ホテルからは5分足らずで鳥栖駅着。

ちなみに、佐賀駅のホームの本当に目の前にサガン鳥栖のホーム・スタジアムがある。
もしこれが野球場だったら、特大ホームランが線路内に飛んできそうなレベル。

実は前日にJ1が開幕していて、鳥栖は新潟相手に2:1で勝利したのでした。
昨晩も夕食の店を探して鳥栖の街を歩いてたら、ちらほらと鳥栖サポさんを見かけたのだ。

9時前に鳥栖駅発。
鳥栖駅はSuica等のICカードが使えるのだが、目的地の筑後吉井駅はICカード対象外の駅なので、この場合は切符を購入しなければいけない。
お久しぶりです、紙の切符。

鳥栖から15分ほどで久留米駅。
そこからワンマン運転の単線に乗り換えて

10時前に筑後吉井駅着。
小さな駅舎に駅員さんが一人。
駅に「筑後吉井おひなさまめぐり」のパンフレットがあったので、その地図を見てたら、駅員さんが「駅前のこの道をまっすぐ行って、突き当りを右に行くと、蔵しっくい通りのあたりに出ますよ」と教えてくれた。
あれ？そうするとこのパンフレットの地図ってちょっと変じゃない？まぁ、いいか。

駅から5分程度で、伝統的な街並みが顔をみせる。

突然ですが、吉井町のマンホールの蓋。

白壁土蔵の家並みは、伝統的建造物群保存地区として町並み保存されている。
実際生活するのは大変な面も多いだろうけれど、風景としてはやっぱり素敵だよね。

玄関先で咲き誇っていた梅

昔からのお雛様には、なんとも言い難い味わいがある。
繧繝縁（うんげんべり）が中村玉緒なのは気になるけどね。

紙のお雛様も、単純だけど可愛い。

こちらは日本最大級のお雛様。着物の張り出し具合がハンパない。
こんな大きなお雛様を飾れるってことは、部屋が広かったんだよなぁとしみじみ。

筑後吉井というマイナーな町にわざわざ足を運んだのは「おきあげ」が見たかったから。
私と友人Ｓが興味津々でおきあげを見ていたら、お菓子屋の奥さんが丁寧に説明してくれた。
曰く「筑後吉井は宿場町として栄えたけれど、大大名や豪族がいたわけではなく豊かな町！というほどでもなかった。明治〜昭和初期の筑後吉井の庶民はお雛様の段飾りを買うようなお金がなかったので、自分たちで羽子板の押絵のような人形を作って飾った」とのこと。

「おきあげ」の多くは歌舞伎を題材にとっている。
例えば、左は「義経千本桜」（ようするに源平合戦）の「碇知盛」、右は「国性爺合戦」の和藤内が元ネタ。
庶民が端切れで作ったとは思えない素晴らしいでき。

こちらは多分、源平合戦の巴御前。
庶民の手作りなので、作り手の上手下手は露骨に出るけれど、そこがまた味があって良い！
ちなみに、人形の顔は素人には描くのが難しいので、顔を描いてくれる職人がいたらしい。

お菓子屋の奥さん曰く「私はこういう物を大切にとっているけど、自分の子供たちは都会に出て働いているし、自分たちが死んだ後に「おきあげ」がどうなってしまうのかは分からない。近所でも後を継ぐ人がいなくて家を取り壊して「おきあげ」等も全部どうかなっちゃったところもある。」
う〜ん、難しい問題だよなぁ。

さて、また、他のお雛様を見て歩きますよ。

鏝絵の素敵な白壁があったよ。

確かこちらは衣類店の奥に飾られていたお雛様。
店のおばあちゃま曰く「息子に飾ってもらったのだけれど、なんかちょっとおかしいのよね」
あはは、そうだね。

小鼓の構えがおかしいとか、言っちゃダメ。

数は多くないけれど、さげもん（つるし雛）のあるお雛様飾りも。

なんとこちらは水引で作ったお雛様。

絵だけでもね、飾ってあると雰囲気が出るよね。

銀行の窓辺にもお雛様がぞろぞろ。

この「おきあげ」は確かお醤油屋さんに飾ってあったのだと思う。
手前のお姫様の人形のベレー帽のような髪飾りがとても気になる。

左の大きなお姫様の「おきあげ」は、たぶん「義経千本桜」の静御前、その手前の格子柄の着物の男性が「勧進帳」の弁慶だと思う。

天気も良くてそぞろ歩くだけでも楽しいのだけれど、白壁通りの中程まで来たところで既に11時半前で、我らに残された時間は約1時間。

3月の毎週日曜日は「着物でおひなさまめぐり」をやっていて、着物一式貸してくれて着付けもしてくれるということで、着物姿の観光客もちらほら。

白壁通りのお菓子やさんに飾られていた「おきあげ」。
お雛様の前で「起き上がって」いる様子が写真でもわかるかな。

綺麗に作ったものが今に残っているのだろうけれど、それにしても上手に作っているなぁと感心することしきり。

さげもんがあると、ひな壇がさらに立体的になる気がする。

駆け足ながらもお雛様を見まくり、

鏝絵にも目をやる。

組み木のお雛様ってのもシンプルで素敵。

せめて3時間半くらいは滞在したかったなぁと思いながら駅の方へ戻る途中

観光客「このへんで昼食はどこが美味しいですか？」
店の人「この先に麻婆豆腐の店がありますよ」
という会話をどこかの店で友人Ｓが耳にしていたのだが、その店がこれ。
筑後吉井という白壁の町にあっては異質な麻婆豆腐専門店。
実は食べ◎グでも評判の良い店なんだよね、ここ。
ま、私達は時間がないので素通りですけど。

ステンドグラスのお雛様をちらっと見て

丸っこいお雛様は可愛いねぇなんて言いつつ

筑後吉井駅に戻ってきたのは、12時。
あと10分は観光できたかな。

さてこれから柳川に向かいます。
乗り継ぎ検索をしたところ、筑後吉井〜久留米〜大牟田〜西鉄柳川というのが最速ルートだったので、まずはJR大牟田までの切符を購入。

12時19分筑後吉井発（だったかな？）の単線ワンマン列車に乗って、久留米へ向かいます。