2014/08/26 - 2014/08/26
127位(同エリア266件中)
滝山氏照さん
JR奥羽本線「かみのやま温泉駅」下車徒歩約10分、小高い丘にある月岡公園内に模擬天守を擁した上山城(かみのやまじょう、山形県上山市元城内)があります。
上山城沿革について郷土資料館史料によれば天文4年(1535)に武衛(永)義忠が月岡・天神森に築いたと伝えられています。
戦国時代には山形城を本拠とする最上氏(もがみし)の最南端の支城であり、当城の争奪をめぐり米沢の伊達氏や上杉氏との攻防の舞台となっています。
山形最上義光(もがみ・よしあき、1546~1614)の死から僅か9年後の元和8年(1622)、その後継を巡って藩内で争いが起り(最上騒動)最上氏は改易、改易後入封する大名は目まぐるしく交替します。
即ち元和8年(1622)から能見松平氏が2代、寛永3年(1626)から蒲生氏が1代、寛永5年(1628)から土岐氏が2代、元禄5年(1692)から金森氏が1代そして元禄10年(1697)から藤井松平氏が10代の長きに亘って勤めています。
いずれの大名も上山城を藩主の居城としますが、歴代藩主の中で特に城下町までを含めた整備をしたのが土岐氏治政期(寛永5年~延宝6年の50年間)で当時の壮麗な城郭は「羽州の名城」として知られています。
元禄5年(1692)土岐氏が3万5千石を以て越前国野岡へ移封と共に幕命により上山城は破却されますが藤井松平氏が備中国庭瀬より3万石で入封した際には上山城は再興されるものの天守はなく二の丸に居館を設けた程度の城構えで10代信安(のぶやす、1864~1918)まで居城として続き、明治時代になると廃城令により廃城となります。
現在の上山城は昭和57年(1982)に外観が城郭風建築の郷土歴史資料館として290年ぶりに再建されています。
2023年9月15日追記
現地に建てられた案内板には下記の通り説明されています。
『 上山市指定文化財 (昭和32年4月20日指定)
上 山 城 跡
天文4年(1535)伊達氏の手から高遁城を奪取した武衛義忠がここ天神森に新たに築城して上山城(別名月岡城)と称したと伝えられる。戦国時代の上山はは最上氏の被領下にあったと見られ、置賜地方を領する伊達氏や、下っては上杉氏との境界にある境目の城として防御の最前線の基地となっていた。
元和8年(1622)最上氏改易後は松平(龍見)、土岐、金森、松平(藤井)各氏の居城となった。この内最も城郭・城下が整備されたのが土岐時代で、内外に二重の堀を巡らし本丸には居館、三層櫓、角櫓が聳え、その下段に二の丸北の丸を備え東には枡形を伴った大手門を構えた。その壮麗な姿が堀の水面に映えたと言う。
しかし元禄5年(1692)土岐氏の転封と同時に幕命により破却され、以後は入部した領主による部分的修復に止まり旧に復することなく幕末を迎えた。今の上山城は昭和57年二の丸に再建されたものである。
上 山 市 教 育 委 員 会 』
- 旅行の満足度
- 4.0
- 交通手段
- JRローカル 徒歩
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観光案内地図
駅前に設置の案内図にはコース毎に訪問先が設定されています。 -
上山駅由来
現在の山形市と上山市を含む荘園を大山荘と言い、当地を上大山(かみおおやま)と呼称しているうちに上山(かみのやま)と転じたと言われています。
明治34年(1901)奥羽本線が開通した時上山停車場(後に駅)が開業、平成4年(1992)山形新幹線開業に伴い「かみのやま温泉駅」と改称します。 -
市街地図
上山城跡は駅から北西方向に月岡公園の一部としてあります。 -
上山城途中
常夜燈が橋の片隅に配置されています。 -
上山城入口
羽州街道に面した登城口にも常夜燈が設置されています。 -
イチオシ
上山城
二の丸跡に建設された郷土資料館を兼ねた疑似天守に入ります。 -
土岐家由来の七層搭
江戸時代初期に上山を治めた土岐氏の江戸上屋敷にあった石燈籠6基と七層塔1基が移転されその内七層搭1基が配置されています。 -
七層搭説明
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上山城
今の上山城は昭和57年に二の丸跡に再建されたものです。 -
上山城
城郭・城下町が整備されたのは土岐氏治世下で、城郭については内外に二重の堀を巡らし、本丸には居館、三階櫓、角櫓が造られ、更に下段には二の丸、北の丸を備え東には枡形を伴った大手門を構えた壮麗な姿でした。 -
上山城
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市街展望
天守から駅方向を見ますが当日は雨天の為視界が不良です。 -
月岡神社(つきおかじんじゃ)
明治11年(1878)上山城本丸跡に社殿が建てられ、御祭神は藤井松平家始祖である松平利長(まつだいら・としなが)及び松平信一(まつだいら・のぶかず)で、元禄10年(1697)藤井松平家七代信通(のぶみち)が上山転封となり東照宮を本丸に建立した際合わせて上述の両公を祀っています。 -
上山城
月岡神社方向から上山城の背後を捉えます。作業台が造られており屋根瓦の修繕工事中とのことです。 -
月岡神社正面
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神社境内風景
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上山城説明
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上山城
神社境内から上山城を背後から捉えます。 -
月岡神社参道
参道途中に松の植込みがあり、通路が左右に分かれます。 -
イチオシ
月岡神社拝殿
上山城本丸跡に月岡神社が建立されています。 -
土岐桜
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土岐桜説明
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月岡神社本殿
拝殿に続く小振りながらの本殿が在ります。 -
土岐石灯籠
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「土岐灯籠と庭園」説明
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境内風景
拝殿から境内を見渡します。 -
鐘楼
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沢庵桜
幕府に反したとして当地に流された沢庵和尚ゆかりの桜があります。 -
「沢庵桜」説明
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物見台跡
本丸跡から更に数段高くなっている四方形の丘が認められます。 -
月岡神社外観
道路側から神社社域を捉えます。当該神社はかつては上山城の一部であったことを考えればこのような土塁が聳え立つのも当然かと思います。 -
武家屋敷案内板
城郭の西・北一帯には武家屋敷があり、特にこの仲庁通りには藩の要職にあった家臣が居住していました。建築時期は17世紀中頃で茅葺屋根、鈎型の曲屋で玄関と通用口を別にする武家中門造りで周辺には土塁又は土塀が築かれていました。 -
武家屋敷前通り
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武家屋敷森本家
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森本家説明板
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武家屋敷森本家屋敷
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森本家説明板
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武家屋敷三輪家
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三輪家説明
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三輪家屋敷
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武家屋敷山田家
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山田家説明
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山田家屋敷
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旧曽我家
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旧曽我家説明
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