安芸の宮島・萩・津和野(6)広島平和公園

2012/07/21 - 2012/07/23

クラブツーリズムの安芸の宮島・萩・津和野の旅も二日目の夜には広島に戻りました。広島は８年前に仕事で長期に出張した思い出の地です。また高校の修学旅行で訪れた場所でもあります。社会科見学で丸木美術館を訪れたり、原爆についての事前の勉強をしていたにもかかわらず、たまたま訪れた日が広島カープとシンシナティ・レッズの対戦が広島市民球場で開催されていました。平和公園の自由時間には球場に行ってしまった連中もいたほどです。平和記念館は現在のような入り口は無く、パネルやジオラマの展示などはソフトな展示から始まらないでいきなり遺品が並び、非常に強烈な印象を受けた記憶があります。その記憶は薄れることは無く２か月の出張で原爆ドーム近くの事務所にいたにもかかわらず平和記念館へは行けませんでした。今回は妻も一緒ですし、再び広島へ来ることもあるか分かりませんのでしっかり見学して来ました。印象深かったのは外国人の方が非常に多い事でした。そしてとても丁寧に時間を掛けて見学されていることに。展示されている遺品は撮影することも出来ましたが、時間の止まった腕時計以外はシャッターを押せませんでした。見学するのが苦しくなるところですが日本人としてちゃんと見ておかなければならない所だと改めて感じました。

エリア 広島市(広島)

• 同行者: カップル・夫婦（シニア）
• 一人あたり費用: 3万円 - 5万円
• 交通手段: 観光バス 船 ANAグループ 徒歩
• 旅行の手配内容: ツアー（添乗員同行あり）
• 利用旅行会社: クラブツーリズム

岩国を５時に出て６時頃には広島市内に到着です。車窓から原爆ドームや広島城を眺めて駅前のビルに到着です。この日の夕食は「広島風お好み焼き」と案内されていますが、どうやって４０人近い人数がいっぺんに食事できるのだろうと思っていました。事前にネットで調べていた通り、お好み焼き店が集まった「駅前ひろば」での食事でした。

ここには十数件のお店が並び昭和の雰囲気を出した街のようになっています。1,000円の食事券が配られて時間内にバスまで戻る訳です。でも事前に旅行会社から説明が無いと面喰いますよね。どこに入って良いか分からないし。

ネットの口コミでは電光石火かHOPEが良さそうだったのですが、入り口近くのHOPEはお休みだったので電光石火に入りました。

お好みで注文してお食事券の料金以上を実費精算です。まずは生ビール、お好み焼きを二つ注文しましたが、ホルモンとかでも良かったかなと思いました。

これは電光石火と店の名前が付いたもの。表に面した広い鉄板で焼いて目の前の鉄板に置いてくれます。

注文してから具材を見たら似たようなものを注文していました。こちらにはスナックのイカフライみたいなものが入っていて美味しかったです。

こんな感じで写真を撮っていたら。

店の方が「シャッター押しましょうか。」と声を掛けてくれました。いろいろな旅行会社が提携しているので観光客が多いようです。

これ一つで大人でも満腹になります。が、焼きそばとキャベツとモヤシがメインですのですぐにお腹が空きそうです。

ここでは５０分ほどの時間がありましたが３０分くらいでご馳走様です。

ここで満腹にしなかったのには訳があります。
この日の宿泊は宇品の広島プリンスです。ホテル周辺には何も無いのとホテルのコンビニは料金が高いらしく、駅前のコンビニで夜食などを買っておいた方が良いと添乗員さんから事前説明もありました。
ちなみにお好み焼きをキャンセルして追加料金はかかりますがホテルで食事することも出来るようでした。

懐かしいプリンスホテルです。ここにも出張の時に何度か泊まりました。ネット予約で朝食無しのプランでも8,000円以上した記憶があります。
入口でカギをもらって部屋に入ります。このホテルは全室オーシャンビューというホテルです。残念ながら低層の階でしたが。

部屋で一休みしてバスに乗って市内に向かいます。２０分くらい２１０円で八丁堀で降ります。懐かしい広島の市電が見えます。

ヤマダ電機を曲がって流川筋に入りますが日曜の夜なので閑散としています。平日の夜だとタクシーがずらっと並んでいるのですが。以前通っていた「とと屋」という店に行きたかったのですが、着いてみるともう店は閉まっていました。前は日曜日の遅い時間までやっていたのですが。

と言う事で近くの「お花」という居酒屋へ。カワハギの活き造りとアナゴの薄造りを注文します。お通しも茄子の煮びたしにウニが乗っていたり美味しかったです。

カワハギは刺身を食べた後に空揚げにしてもらいました。

アナゴの薄造り。８年前に食べてあまりの美味しさに週に何度か食べに行きました。

２月３月と寒い頃に食べた物より脂が乗っているようでした。じっと見つめて口をパクパクするので骨せんべいにしてもらいます。

美味しい広島の日本酒を何種類かいただいて満足満足。
この後に「九州魂」という焼酎の美味しい店に移ろうとしたのですが、毎晩通ったにもかかわらず８年経ったら場所を勘違いしてたどり着けませんでした。残念。

帰りはタクシーで戻ります。美味しい食事でお腹もいっぱいです。

朝の部屋からの眺め。夏の瀬戸内海。

８時前だと言うのに日差しは強く窓際は暑いくらいです。

朝食のバイキングはプリンスでこんなものかなという感じでした。可も無く不可も無く。コーヒーが持って出られるのが良いかな。

宇品からも宮島へ船で渡れます。このルートも良いのですが。

食事の後に表に出てみます。朝日を浴びてホテルが輝いています。三角形の建物は未来少年コナンの太陽塔に似ています。

リゾートホテルの雰囲気がありますが。

悲しいかな団体ツアーでは９時前に出発です。

平和の時計塔の近くでバスを降りて平和公園は自由行動で見学です。集合場所は平和記念館の南側の駐車場でした。

相生橋を渡る市電。

相生橋から原爆ドームを望みます。ここからは週末に宮島行の船が出ていました。
http://4travel.jp/traveler/koji0714/album/10339241/

原爆投下はこの橋を目標にしたといわれています。原爆は目標をそれて300ｍ離れた島病院上空でさく裂したそうです。衝撃波で橋桁は変形して北側の欄干は川に落ち、歩道の一部が持ち上がったそうです。変形した橋桁が平和祈念館に展示してありました。

広島県産業奨励館の正面が川に面した側だと初めて知りました。
ずっと公園側だと思い込んでいましたが、公園は戦後に造られたものですからそのほうが自然ですね。

何度来ても胸が痛くなります。

仕事出来ていた時は冬だったのであまり感じませんでしたが、８月６日に近い７月下旬の暑い日だと原爆の閃光や熱を多少感じられるような気がします。

この青い空のほんの上空で原子爆弾が爆発したのですね。

動員学徒慰霊碑
広島市内でも被爆当日に建物疎開作業を行っていた国民学校高等科以上の8,000人以上の生徒のうち、約6,300人が犠牲となったそうです。
その他に市内の各事業所に出ていた多くの学徒も犠牲者となりました。

元安橋を渡って公園内に戻ります。

平和の鐘。
高校の修学旅行ではクラスの代表が鐘をつきました。
中学生くらいの制服を着た子供たちがいましたが、帽子を被ったまま
鐘をついていました。引率の先生もいませんでしたが、今では当たり前
なのかなと思いました。

白い蓮が一輪だけ咲いていました。この暑さと言い５月のベトナムとカンボジアの灼熱の暑さが蘇って来ました。

原爆の子の像。

佐々木禎子さんの話は子供の頃に本を読みました。修学旅行では千羽鶴を納めました。

碑文には「これはぼくらの叫びです　これは私たちの祈りです　世界に平和をきずくための」とあります。

平和の灯（ともしび）から平和記念館を望みます。両手を広げた形をイメージしています。

記念館から平和の池と平和の灯を一直線に結ぶと原爆ドームに至ります。丹下健三の設計です。

原爆死没者慰霊碑（広島平和都市記念碑）も丹下健三の設計です。覆いは埴輪の家の形で犠牲者の霊を雨から守る事を意図しているそうです。

「安らかに眠って下さい　過ちは繰返しませぬから」
本当にそうなる事を望みます。

昔は記念館の右手（西側）から入った記憶があります。現在は左手（東側）に建物があり、渡り廊下でつながっています。添乗員さんがチケットを持って入り口近くで待っていてくれます。この炎天下に大変な仕事です。

鉄や銅の回収を呼び掛けるポスター。アルミは必要ですがアルマイトは除くとあります。

中国の長春の東北倫陥史陳列館ではﾌﾟﾛﾊﾟｶﾞﾝﾀﾞのポスターを数多く見ましたが、国内ではいろいろな物が逼迫していたのですね。
http://4travel.jp/traveler/koji0714/album/10505997/

沢山の遺品が展示してありましたが、どれも胸が詰まる様なものです。とても写真には撮れませんでしたが、原爆投下時に止まったままの時計だけ撮らせていただきました。（写真撮影はフラッシュを使わなければ可能です。）

京都に住んでいて空襲を知らない祖母や母は大阪方面から飛んできたB２９が京都上空でカーブして行くのを見て、銀色に光って綺麗だったと言っていました。アメリカに旅行したいとは思わないのですが、スミソニアン博物館にだけ行ってみたいと思っています。

被爆直後の相生橋。８月６日の数日後には市電が運行されていたと言うのが信じられません。元々橋の上に構造物が無いのでがれきも無かったのでしょうが、橋の上が片ついているのが印象に残りました。

北東側から広島県産業奨励館。革を挟んだ後ろ側が現在の平和公園です。

原子爆弾投下前のジオラマです。産業奨励館が川に面して建っていたと言う事が分かります。

投下後に残った建物はほとんど無かったのですね。

昔はこんなジオラマは無かったと思います。

窓ガラスの破片が突き刺さったままの壁。言葉よりも現物の方が雄弁に物語ります。

ドームの模型。見学されている方の半分くらいが外国人の方でした。非常に真剣に丁寧に見学されているのが印象に残りました。時間が無くて一つ一つを見て行けない事が申し訳無く感じます。

原爆投下の少し前の写真。アメリカ軍が投下に当たって撮影した資料です。

投下後の写真。爆心地の北側にある広島城は堀を残して建物は倒壊しています。Ｔ字に見える相生橋を目標にしたそうですが、南東にずれた事が分かります。

もっと分かりやすい模型です。空中で爆発した原爆の１秒後です。直径３４０ｍの火の玉です。ぞっとします。

リトル・ボーイ。原爆の原寸模型です。全長3.12ｍ最大直径0.75ｍ総重量約５t。

熱線で溶けた仏像やガラス瓶や陶器が陳列してあります。磁器の焼成が1,000℃前後と考えるとそれ以上の温度に曝されないと溶ける事は無いでしょう。

黒い雨の跡。井伏鱒二の小説は修学旅行前に読みました。

原爆記念館の２階の廊下から一直線に並んだ記念公園の風景です。慰霊祭の時の映像はここから撮影したものだそうです。

フランス語で「杭」を意味するピロティ。
ル・コルビュジェとピエール・ジャンヌレが提唱した近代建築の五原則「ピロティ・屋上庭園・自由な平面・自由な立面・連続水平窓」の一つ。
日本におけるモダニズム建築の傑作だと思いました。

昨年パリで見学したラ・ロッシュ邸を思い出しました。
http://4travel.jp/traveler/koji0714/album/10623037/

被爆したアオギリ。
爆心地方向に遮蔽物が無かったため、熱線と爆風をまともに受け、枝葉はすべてなくなり、幹は爆心側の半分が焼けたそうです。 枯木同然だったこの木は、翌年の春になって芽吹いたそうです。現在は二世の樹が元気に育っています。

原爆記念館。昭和３０年に竣工して５７年。改修はされていますがコンクリートの美しさが映える建物です。そろそろ集合時間です。驚いたのは資料館の近くまでバスが入ってくる事です。バスが数珠繋ぎになった姿はあまり美しくありません。

最後の訪問地宮島に向かいます。