2012/06/09 - 2012/06/10
1329位(同エリア4385件中)
鯨の味噌汁さん
- 鯨の味噌汁さんTOP
- 旅行記124冊
- クチコミ94件
- Q&A回答2件
- 249,223アクセス
- フォロワー77人
トルコの個人旅行は、難易度が高い。
そもそも、国土が広い。その広い国土に、面白そうな街が、パラパラとまけてある。
わが日本が、北海道から沖縄までトカゲの頭からシッポみたいにほそぼそ長々続いているのに比べ、トルコというのはナマコみたいにずんぐりのむっちり、お肉たっぷりの厚切りチャーシューみたいな国土であり、町から町への移動も、悪夢のように時間が掛かる。
で、ワシらのばやい、夫婦で地を這うが如きの個人旅行組である。
しかも今回は六泊八日。
うーん。どうしようか。
とりあえず、イスタンブールに一泊。
それからマルマラ海を渡って、古都・ブルサに一泊。
あとの四泊五日は、現地で判断。
遠くに足を延ばしてもいい。小さな町をいくつか訪ねて、イスタンブールに早めに帰ってきてもいい。
…これを旅程いうのかどうかは、若干の議論を要するかもしれない。
が、本人はそれなりに悩んだ末の結論であるから、ここはひとつ暖かく見守ってやろうじゃないですか。
よってもって、
「この出たとこ勝負の雲古野郎」
なんてゆってはいけない。
- 同行者
- カップル・夫婦(シニア)
- 一人あたり費用
- 10万円 - 15万円
- 交通手段
- 鉄道 徒歩
- 航空会社
- ターキッシュ エアラインズ
- 旅行の手配内容
- 個別手配
- 利用旅行会社
- エアトリ
PR
-
初日。イスタンブール・アタルチュク空港、午後5時40分到着。
初日の宿は、地下鉄とトラムを乗り継いだ旧市街の路地の奥にある。
ちなみに鯨の場合、初めての海外の街で、公共交通機関を乗り継いで、ホテルに無事にたどり着く確率は、25%である。
つまり過去八回で二回しか成功していない。たいてい、バスは逆に乗り、地下鉄は乗り換えに失敗し、トラムは見当違いの駅で降りることになっている。
よって配偶者に
「今回はホテルまでタクシーにしようか」
なんてことを気弱につぶやく。
暗くなったらさらに迷う確率は上昇が見込まれます、荷物をかかえての行き倒れに注意してください、なんて天気予報ふうの一人ツッコミに余念がない鯨の味噌汁52歳。
が、わが配偶者は
「トラムのこの駅でいけるでしょ」
と、地図を睨みながらゆうのであった。
どうやらメタクソ個人旅行を繰り返すうちに
「迷うのもよき哉」
なーんて心境に達したらしい。
進化かまたは感染か。
解脱かまたはアキラメか。 -
配偶者の言に従い、トラムを降りてホテルを探すが、お約束でたちまちのうちに迷ってしまう。
日は暮れかけ、あたりは暗い。
ああやっぱりタクシーにするんだった、と反省しつつ坂を下っていると、カフェの若い兄ちゃんが声をかけてきた。
「ホテルの名は」
「なまこホテル」
兄ちゃんはにっこりして
「すぐそこだ。ついて来な」
配偶者のスーツケースを持つと、勝手にどんどん坂町をくだりだす。 -
何かこんなこと、ガイドブックに書いてあったよな。
勝手に荷物を持たれて、気がつくと予約をしてないホテルに押し込まれるっての。
ひょっとしてそれかナ。
でもってワシはガレー船のドレイに、彼女は絹織物の豪商に第四婦人、それぞれ売られて新しい人生を歩み出すんだナ。
とっぷり暮れたイスタンブールの坂道を下りつつ、妄想爆走していると、兄ちゃんは小さなホテルのエントランスでワシらを振り向き
「ここだよん」
とにっこり言うのだった。
10分ほど前に通り過ぎていた場所だった。看板が小さくて見落としていたのだ。
兄ちゃんは握手をして、サワヤカに去って行った。
自分の商売を放って、ワシらを案内してくれたのか。
…とカンドーする鯨なのではあるが。
実は、トルコ人の「ついてきな」は、こんなもんではなく。
行く先々で、「ついてきなオヤジ」がワラワラと出現するお国なのであった。
利用規約に違反している投稿は、報告する事ができます。
この旅行記へのコメント (2)
-
- がおちんさん 2012/06/23 17:20:15
- 旅の初日
- 鯨の味噌汁さん、こんにちは。
トルコ人の「ついてきな」、嬉しいですね。
旅の初日は期待と緊張感が混ざってテンションが高くなりがちですが、こういう親切な人に出会うと、その国の印象がグッと良くなりますね。
入国スタンプを押され、見知らぬ町へ出て、やっと宿にたどり着いた時の安堵感は、初日ならではと思います。
私は方向音痴で、旅先でもよく迷うのですが、「ついてきな」に出会うと、目的地よりも、その人に会えたことが旅の記憶に残ります。
がおちん
- 鯨の味噌汁さん からの返信 2012/06/23 23:43:55
- RE: 旅の初日
- がおちんさん、
> 旅の初日は期待と緊張感が混ざってテンションが高くなりがちですが、こういう親切な人に出会うと、その国の印象がグッと良くなりますね。
> 入国スタンプを押され、見知らぬ町へ出て、やっと宿にたどり着いた時の安堵感は、初日ならではと思います。
そうなんです。
見知らぬ町に放り出されて、周りがガイジンばかりになって(⇒アタリマエ)。
あのヒリヒリした感じ、実はワシ、好きなんです。
あれを味わいたくて、旅に出るといってもいいかもしれません。
> 私は方向音痴で、旅先でもよく迷うのですが、「ついてきな」に出会うと、目的地よりも、その人に会えたことが旅の記憶に残ります。
えー。
がおちんさん方向音痴なの。
あんなディープ・オブ・チャイナを制覇されているのに。
うっかりヒマラヤまで行っちゃうのでしょうか。
コメントを投稿する前に
十分に確認の上、ご投稿ください。 コメントの内容は攻撃的ではなく、相手の気持ちに寄り添ったものになっていますか?
サイト共通ガイドライン(利用上のお願い)報道機関・マスメディアの方へ 画像提供などに関するお問い合わせは、専用のお問い合わせフォームからお願いいたします。
イスタンブール(トルコ) の旅行記
旅の計画・記録
マイルに交換できるフォートラベルポイントが貯まる
フォートラベルポイントって?
旅行記グループ トルコふたり旅
2
3