2012/06/11 - 2012/06/11
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鯨の味噌汁さん
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今回、なぜにトルコかとゆうと。
配偶者には
「モスクが見たい」
ワシには
「メルレヴィ教団の旋舞(セマー)が見たい」
それぞれの目的があった。
多分、鯨の味噌汁が高校生の頃。
おそらくは日本テレビの「素晴らしい世界旅行」のなかで、その「ひたすらクルクル踊り」を目撃し、その不可思議さに惹かれたのである。
配偶者の「モスクを見たい」なんてのは、そもそも神社みたいなもんであるから、トルコにきた瞬間に満願だ。
なにしろ街という街、村という村にモスクの尖塔がぼこぼこと屹立している。
が、セマーのほうは、案外難易度が高い。
もともとはコンヤが本場なのだが、情報がもう一つアイマイなのだ。
曜日によっては見られないこともある、なんてことも書いてある。
遠くまで出かけて行って、「本日休演」なんてのはイヤである。
もっとも、「イスタンブールで、ベリーダンスショーとセット鑑賞できる」とガイドブックにはある。
が、チチだのケツだのヘソだのを出したねーちゃんとセットで見るのはいかがなものか。
チチもケツもヘソも喜ばしいが、食い合わせが悪そうだ。
ぜひ別の機会で、しかも配偶者がいないときにお願いしたい。
せっかくの個人旅行だ。苦しい中、オカネと時間を削って出かけるのだ。何とかホンモノを見たい。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 同行者
- カップル・夫婦(シニア)
- 交通手段
- 高速・路線バス 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
PR
-
ゴソゴソ調べているうちに、4T、鹿野健太郎さんのブログに行き着く。
なんとこの方の記事によると、ブルサの旧市街の一画に、メルレヴィ教団の道場があり、毎晩そこでセマーが舞われているという。
観光用ではないが、一般に公開されているらしい。行き方の説明も書いてある。
http://4travel.jp/traveler/kentarojapan/album/10560541/
他もサイトも調べてみたが「毎日やっている」とあるのは、このブログだけだ。
記事の内容もしっかりしている。
文章もまた、鯨と違い格調高い。シモネタなんぞは出てこない。
日本でチェックしたワシは、「これは、行ってみる価値はある」と判断したのである。 -
午後4時、イスタンブールからバスで、ブルサに到着。
ホテルに荷物を置き、地図を睨みつつ、メルレヴィ教団の道場を探す。
鹿野さんのブログよると、中心街から500メートルほど南下すればいいはずなのだが、最早お約束で、道に迷ってしまう。
しかもけっこうキツイ登りであって、ブルサの街が絶え、背後の森がみえてくるではないか。
森の中で踊っていいのは熊さんだけだ。
無念の思いで、配偶者にゆう。
「どうやら迷った」
彼女はセマーなんてのはどうでもいいヒトであるから、
「とっとと戻りましょう」
なんてことをゆう。
うむむ。ここまで来たのに。
冷たい。冷たいですがな奥さん。
焼きトンモロコシ、食ってる場合じゃこざいませんがな。 -
が、ワシらが進退極まっておると、路上でぼうっとしていたオヤジが、完全なトルコ語で
「おめーら、どこに行きたいんだ?」
なーんて話しかけてくる。
「メルレヴィ、ダンス」
言えるのはこの単語だけだが、見事に通じてしまう。
おじさんは「ついて来い」とドンドン歩き出す。
路地を2回曲がり、こんもりとした木陰に、ベンチがいくつかおいてある、分教場みたいな建物の前に出た。 -
そこで善男善女、みんな集まって、ノンビリおしゃべりをしている。
建物の中を覗くと、小さな子供が二人、楽曲に合わせてくるくる回っているではないか。どうやら「白帯」が練習中であるらしい。
確かにここだ。
「午後九時からだ」
おじさんはそれだけゆうと、坂道を戻って行った。
うーむ。「ついてきな」の国、恐るべし。 -
で、午後九時。
夕暮れの中、建物に人が集まり出した。
中はじゅうたん敷き。
周りにぐるりと桟敷席がある。
男は一階、女は二階で見学するらしい。
最初に合唱団と楽隊がしずしずと入場してくる。
ここから先は祈りの現場だ。異教徒たる鯨は、邪魔になってはいけない。
ワシがカメラをしまいかけると、隣にいたジモピーオヤジが、深く頷きつつ
「カメラは使いなさい、フラッシュも使いなさい」
なんてことをキレイな英語でゆう。
何だろこのオヤジ。セマー宣伝委員会とかかしら。
と、隣に座っていた東アジア人のおっさんが、
「カメラOKか、ラッキーだ」
なんて返答している。ちょっと日本人の遣う英語に聞こえる。
およよ。もしかして日本人かな?
話しかけると、千葉からの個人旅行者だった。
やはり奥さんと旅に出ているらしい。 -
セマーは、歌と楽器、それに踊りが一体となった「祈りの時間」であるらしい。
演舞者は五人。みなおなじ白の装束で、時計回りと反対方向に回り続ける。右手をあげ、目を閉じ、歌に合わせて舞う。
その間、集まった信者たちは、一心に信仰の告白を行う。
30分はあっとゆう間に過ぎた。
階段を降りてきた配偶者の顔が上気している。
「すごく良かった」
一緒に、日本人の奥さんも降りてきた。ワシの隣に座っていた方のパートナーであろう。
こんなところで日本人に…と驚くが、よく考えてみればワシもなんとかたどりつけたのだ。
「ホテルを出たところで、教えてくれる方がいたんです」
最初にカメラOKだと言っていたジモピーオヤジが誘ってくれたらしい。
「あの方は地元の高校の先生で、日本人にブルサの良さを知ってもらいたくて、ボランティアをやってるんですって」
そりゃ〜すごいな。
「でもね、もう一組の日本人(ワシらのこと)は、どうやってここを知ったのか、不思議がってましたよ」
「ブログの情報だけですの実は…」
と答えると、ちょっとだけ呆れられた。
「よくここがわかりましたね〜」
ずっとこの路線でやっとりまして、と頭をかく鯨の味噌汁であった。 -
で、道場への行き方ですが。
ウル・ジャーミーの南側にある銀行のヨコの道を南に入っていきます。
最初の路地を左折します。
道なりに進んで、写真の白い壁の家を左に曲がります。 -
そのまままっつぐ歩くと、突き当りが黄色い壁のお菓子屋さん。
トルコ国旗が出てます。
店の前のイスには、おじさんが座って、チャイなどすすってます(たまたまですがな)。
ここを右折して、坂道を登ります。 -
そのまま200メートルほど坂道をあがると、左にそれる道の電柱に、看板が出ています。
食料品店の横に入る道です。
あったあった。これが目印。 -
門の中は庭園になっています。
善男善女がつどい、静かにセマーが始まるのを待ってます。
チャイが無料でふるまわれていました。
あつかましく、異教徒であるわれわれもいただきました。
かたじけない。
情報をいただいた、鹿野健太郎さんに改めて感謝いたします。
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この旅行記へのコメント (4)
-
- willyさん 2019/11/21 12:26:54
- 次回はなんとしても
- 鯨の味噌汁さま
しつこく書き込みましてすみません。
2016年3月に初訪問した折敗退したので今回はと思い、わたしも4トラで一つだけ出会ったイスタンブールでも本格的なセマ―がみられる情報を頼りに、先々週再挑戦したのですが、またも見事に敗れ去りました。どうにもこうにも。イスタンブールではだめっぽいので、次回は確実な情報を仕入れて何としても、と思っておりました。
鯨の味噌汁さんのこの記事までたどりついて、思わず手を打ちましたが、これがこのまま今後もこうであってくれればいいがとすがるような思いです。
なぜなら。
今回の旅はすべてにおいてダメダメのがっかり尽くしでしたので記事にする気はありませんが、学んだことは、情報は刻一刻変わるということだったからでした。過去の経験は経験であって現在の助けにはあまりならないということを痛感してきました。
それにしても各記事、本当にひさしぶりに詩を感じてひそかに惚れております。ご迷惑でしょうが・・。
willy
- 鯨の味噌汁さん からの返信 2019/11/22 08:08:16
- RE: 次回はなんとしても
- willyさん、
ご迷惑なんてとんでもない。
こんな書き散らしをていねいに読んでいただき感謝しています。だってあんまりお客さんの来ない、流行ってない店みたいなもんですからねぇ。こうやっておしゃべりできるのはネットならではですよね。
この時はあちこちで検索しまくって、複数のブログで「毎日やっている」「見学可能」を確認してトツゲキしたんでした。ひとつの記事だけで追いかけると危険ですが、「ブルサ セマー」でググるとあちこちで同じ内容の記事がヒットしたので、信憑性は高いと判断しました。
たしかに時間がたつと情報は劣化しちゃいますが、ここは最近の記事でも継続しているようなので、多分大丈夫じゃないかなと。そういえばこの日記を頼りに、実際に訪ねていかれた方もおられましたよ。ワシの日記が実際の旅で役に立ったという大変珍しい例です(笑)。
-
- ももであさん 2012/06/22 19:45:38
- なまこ帝国
- 鯨の味噌汁さん
こんばんは、久々に出ましたね〜
ちょっと冷えた味噌汁を、温め直した気分です。
う〜ん、でも旨い♪
トルコの人たちは、何が何でも日本人に親切にしてやるって感じですね。
2割5分のホテル到達打率が、2割2分2厘になるのを阻止されちゃいましたね。
未だに“エルトゥールル号”の呪いが解けないのでしょうか。
こうなったら、諦めて親切に甘んじるしかないですね。
ぼくはトルコへ行ったことがありません。
でも、いつか必ず行くであろう気はします。
「巨大なまこ」 車で走るにも、距離で苦労しそうですが、チチ/ケツ/ヘソを
止めてでも、鯨さんが見た“セマー” 見てみたくなりました。
ももであ
- 鯨の味噌汁さん からの返信 2012/06/22 23:58:16
- RE: なまこ帝国
- ももであさん、
今晩は、鯨の味噌汁でございます。
早速ありがとうございます。
トルコ人が日本人好きとゆうのはウワサで聞いていましたが、まさしく老若男女、全員野球でワシらを
『なんとかしてやろう』
てな感じでございました。
田舎では特にすごくて、なんもゆってないのに『オレがオレが』『あたしがあたしが』とわらわら集まってきました。
『東郷』『将軍』なんて単語も確かに聞きました。
同じアジアの端っこ同士の親近感なのかしら。
掃除機、じゃなくて正直、ようわからんかたっです。
感じとしては、もてないまま転校したら、新しい学校でクラスの女の子全員にコクられた気分。
うーん、なんてステキな!
> 鯨の味噌汁さん
>
> こんばんは、久々に出ましたね〜
> ちょっと冷えた味噌汁を、温め直した気分です。
> う〜ん、でも旨い♪
>
> トルコの人たちは、何が何でも日本人に親切にしてやるって感じですね。
> 2割5分のホテル到達打率が、2割2分2厘になるのを阻止されちゃいましたね。
>
> 未だに“エルトゥールル号”の呪いが解けないのでしょうか。
> こうなったら、諦めて親切に甘んじるしかないですね。
>
> ぼくはトルコへ行ったことがありません。
> でも、いつか必ず行くであろう気はします。
>
> 「巨大なまこ」 車で走るにも、距離で苦労しそうですが、チチ/ケツ/ヘソを
> 止めてでも、鯨さんが見た“セマー” 見てみたくなりました。
>
> ももであ
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