上海のクラシックホテル

2009/01/14 - 2009/01/14

上海エクスプローラー　　真田　晃（元上海総領事館領事）より、現在上海で由緒あるホテルとされているものには、租界時代ホテルとして建てられ、一流ホテルとして名を馳せていたものと外国人用の高級マンション、クラブとして建てられその後転用されたものが有ることが判りました。これらは、いずれも20世紀初頭の30年程の短期間に集中して建てられたものです。

エリア 上海(中国)

• 旅行の満足度: 5.0
• 観光: 5.0
• ホテル: 5.0
• グルメ: 5.0
• ショッピング: 5.0
• 交通: 5.0

• 同行者: 一人旅
• 交通手段: 高速・路線バス
• 旅行の手配内容: 個別手配

福州路と江西路の交差点の北東に位置する建物です。1930年頃竣工のこの建物は、メトロポール・ホテル（都城飯店）と呼ばれ、上海の一流ホテルの一つとされていました。和平飯店の北楼と同じく、設計はパーマー＆ターナー事務所、所有はキャセイ・ランド株式会社でした。

１９６５年に建てられたもので、他の物ほど古くない。他にショッピング街になっている西楼、１９８９年オープンの新錦江賓館からなっている。グループホテルも多い。

現在の錦江飯店の中で、鷲が羽を広げたような偉容を誇っている建物で、ニクソン元米大統領や田中元首相が宿泊し、また、米中両国の上海コミュニケ調印の場として上海一の格式を誇るホテルとされています。元々は、外国人の長期滞在用のマンションとして建てられました。1931年竣工のこの建物は、グローヴナー・ハウス（格林文納公寓）と呼ばれた。

様式的には当時イギリス本国で好まれたヴィクトリア・ルネサンス様式（更に細分すれば、クイーン・アン・リヴァイヴァル様式）に属するものです。建設当時は、建物の屋上の四隅に塔が設けられていましたが、今は無くなっています。南京路に面した入口の車寄せの上に、竣工の年である1906の数字が刻まれています。また、1927年に蒋介石と宋美齢との結婚披露宴の場としても知られています。

南京西路に面し、国際飯店の東側に建ち中央に塔を持つ建物です。1926年の竣工で、当時は、チャイナ・ユナイテッド・アパートメント・ビルと呼ばれた高級マンションでした。中国名は、「金門飯店」とする本がありますが、ビルそのものの中国名であるかは疑問です。設計者等については、調べがつきませんでした。

人民公園（旧競馬場）の北側で南京西路に面して立っている24階建ての建物で、1、2階の壁面には黒大理石が貼られ、これより上は化粧タイルが施されています。1933年の竣工で、当時は通称パーク・ホテルと呼ばれていましたが、正式名称は、このビルが４つの民族系銀行（金城、塩業、大陸、中南）の出資で建設されたことから四行儲畜會大楼（ザ・ジョイント・ソサエティ・ビルディング）とされていました。

花園飯店のエントランス、ロビー等がある庭園に面した２階建ての部分と、以前舞踏場として使われ、今もグランド・ボール・ルームとその名を残している東側の部分が旧フランス・クラブであつたことは皆様ご承知の通りです。この建物は、1926年の竣工で正式には、セルクル・スポルティフ・フランセと呼ばれたそうです。設計は、レオナール＆ヴィセール（頼安工程師）によるものです。　　　　　　　この中で唯一宿泊した事のあるホテルです。

1935年頃の竣工の旧フランス租界内の高級マンションで、当時はピカルディー・アパート（華卞第公寓）と呼ばれ、淮海公寓と同じく万国儲蓄會の所有でした。様式的には、アール・デコとされています。設計はスイス出身の建築家で、外灘に臨む高層建築のうち唯一フランス租界にある旧フランス郵船会社ビルの設計者でもあるルネ・ミニュティでした。

現在の東湖賓館は、東湖路の両側に分かれていますが、このうち東湖路の東側の部分の中心である３階建ての英国式の別荘建築は、新中国建国前の上海の暗黒街を取り仕切った青幇（チンバン）のボス、杜月笙の邸宅でした。竣工は1936年頃とされています。

現在の正面玄関

西側の東湖賓館は全６棟に別れ、全３００室、三つ星クラス。

７号棟は１９２５年建造、広い芝生の庭園の中に建つプール、テニスコート付きの別荘建築。

１９３６年完成した百六室の部屋を持つ巨大なミューラー邸です。内部は複雑な造りで、まるで迷宮のようになっている。現在そのうちの十一室がホテルとして使われている。ッ全室がスイートで独特のムードの中で宿泊できる。残り部分にオフィスやレストランが入った複合施設となっている。

１９２８年にフランス人弁護士が建てた。太原路にありマーシャル公館と呼ばれ今でもそのサインが入口に残っている。気品溢れるフランス風洋館で１９４５年にアメリカトルーマン大統領特使としてやってきたジョージマーシャル将軍の住宅として使われた。中には入れて貰えませんでした。

１９１７年築の競馬王モリス邸、２号館は戦争中日本軍の憲兵司令部の施設となる。１９５６年瑞金賓館となり国賓や政府の要人を宿泊させる施設であった。現存の建物は１９９５年頃ホテルに建替えられた。

１９７９年以降は一般に開放されている。現存の建物は１９９５年頃ホテルに建替えられた。

中庭から見た２号館。ベランダは上海タイフーンで撮影に使われた。現存の建物は１９９５年頃ホテルに建替えられた。

海格大楼と呼ばれ、1925年にドイツ人が建てたスペイン風、９階建てのマンションであった。新中国成立後は共産党上海委などが使用。

延安西路と江蘇路の西南角に立っている10階建ての建物で、1932年頃の竣工です。建設当時はフベルトゥス・コート（達華公寓、原名をメゾースト・マンションとしている本もあります）と呼ばれた高級マンションでした。設計は、国際飯店で紹介したＬ．ヒューデックで、曲線を用いた外観など前衛的な様式には相通ずるものがあります。

１９３３年竣工の中型ホテル、新中国成立後は長江飯店、１９７８年申江飯店と改称、最近旧名に復す。９階建、１９４室の二つ星クラス。

庭園別荘式ホテル。東湖ホテルグループ所属、約１５ｈaの広大な庭園の中に点在する１３棟のさまざまな様式の洋館建築からなる。かつては太古洋行の経営者の別荘などであった。１９３５年に建てられた一号楼は上海優秀近代建築。

興国賓館には入れて貰えなかったが別館は参観させて貰えました。本館の雰囲気が掴めそうな感覚でした。

興国賓館には入れて貰えなかったが別館は参観させて貰えました。本館の雰囲気が掴めそうな感覚でした。

１９１１年建　３階建煉瓦造　旧日本総領事館　曲線のマンサード屋根。現在１階上海銀行、２階黄浦大楼、手前の灰楼が黄浦大楼、後の赤レンガ造りの紅楼が旧日本総領事館です。

1924年、モリスは自宅の北面にある4号楼などいくつかの建物を日本の三井洋行に売り払う。イタリア・ルネッサンス建築の風格を持つこの4号楼付近は、「三井花園」とよばれた。その後、太平洋戦争が勃発し、「三井花園」はアヘン取引のアジトとして暗躍する。現在でもこの4号楼はインド料理のレストランとして残っている。周りは再開発工事が始まっている。

現在、ガーデンブリッジは取り外し、他に保管して基礎工事中。完成は０９年２月末頃と言われている。

外灘の歴史的建物が並ぶ中山東一路は現在地下道路の工事中、クレーンが立ち並び建物の景観がしばらく悪い。

外灘から外白渡橋を渡って右側に位置し、上海証券交易所が入っていた建物として有名です。1912 年の竣工で、アスター・ハウス・ホテル（礼査飯店）と呼ばれ、和平飯店南楼のパレス・ホテルとライバルのホテルだったとされています。設計は、イギリス系のデーヴィス＆トーマス事務所で様式的にはパレス・ホテルと同
じクイーン・アン・リヴァイヴァルに属するものです。　

百年続く老舗ホテルが閉店　営業再開の見通しは立たず　上海ジャピオン
上海市虹口区黄浦路にあるホテル「上海浦江飯店」が2017年12月31日（日）、営業を終了したことがわかった。同ホテルは１９０７年に開業し、１００年の歴史を持つ老舗店。市で初めて電話やガスの外灯、公共の水道を導入するなど、当時の最先端技術を次々と用いた豪華な造りで、政府の要人や重要人物が泊まる高級ホテルであった。同ホテルの関係者は営業終了の理由として、建物の修繕作業を行うためと説明するが、営業再開については明らかにしていない。一部の専門家は、今後はホテルではなく証券博物館や展示館として、一般に公開されると予測している。