2004/01/17 - 2004/01/18
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旅遊de美食散歩さん
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2004年、ふと思い立って周荘へ。そして向かった上海行きの飛行機の中で上海の古い街並みの記事をのせた機内誌を偶然目にすることに!
そこに書かれていたアインシュタインも招かれたという上海喬家路の邸宅『梓園』をど?してもみたくなって、午前中周荘、午後喬家路という強行日程を決行。
まるで絵画のようにノスタルジックな周荘の風景を楽しみ、親切な方々に恵まれて思いがけず『梓園』の内部をみせていただけて、うっとりするほど素敵な洋館を堪能することができました♪
- 旅行の満足度
- 4.5
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1月17日
上海といっても、目的地は上海郊外の周荘。中国一の水の都で、600年の歴史のある建物がいまでも保存され、美しい景色の中にそのたたずまいを見せている・・・ということで前からいつかいきたいなーと思っていた所でした。
ちょうど春節の時期でしたが、17,18の土日は国の決まりで出勤なので人が少ないだろうとよんだのですが・・・。
やはり春節移動の時期には動いてはいけないという鉄則はやぶってはいけなかった。北京空港の国内線はも?もんのすごい人人人で、もみくちゃになるわ、荷物をぶつけられるわ、飛行機遅れるわで昨夜は遅くに上海到着。
今日は朝からなんだか寒い。早起きして、周荘行きのバスが出てるターミナルまでタクシーで。
実は、昨日の飛行機の中でみた機内誌に上海にある喬家路の記事がのってたんですが、これが最高に素晴らしい内容で!
なんと400年の歴史ある古い建物などが立ち並ぶ路地で、アインシュタインも訪れたことがある邸宅があるらしい。どうしても頭から離れなくて、行きたくてたまらない・・・。 -
でも、通りの名前がわかるだけで詳細がよくわからないし周荘行きのバスは、ツアーみたいになってるので行き帰りの時間がきまってる・・。しかしなんとも諦めきれなかったので、乗っていたタクシーの運ちゃんに、喬家路を知ってるか?ってきいたら、なんと昔その辺りに住んでたとかで、よく知ってるっていうじゃありませんか!
これもなにかの縁かも?!と思って、思いきってタクシーをチャーターすることに。のりながら、おじさんと交渉開始。朝から夕方5時くらいまで、一日チャーターして500元ってことで交渉成立!
上海から車で一時間半くらいで水の都 周荘に到着。ついてびっくり!
もうそこは完璧な観光地。ショッピングセンターが立ち並んでいて、ほんと一日ツアーにしなくてよかったかも。上海市の観光のメッカ豫園にそっくり。 -
水路のある古い町並みのところまであるいて2〜3分。
ついたそこは、確かに水の都にふさわしく美しい風景。水路が張り巡らされ、元、明、清時代の彫刻のある民家、石造りの橋などがそのまま残されていて風景すべてが絵になるといった感じ。 -
驚くのは、これだけ観光地化されていても路地裏を一歩はいったところでは、この何百年という歴史ある民家にいまも生活をし続けてる一般の人がいるということ。
奥まったところにある一般の人が住んでる民家は本当に古くて、厳かな雰囲気の石造りや木造建築がいたるところにありため息出るほど素敵。
しっくいの壁、黒い瓦、石造りの橋や門、そして柳に水路という美しい色合いの
コントラストの中、水路をはさんでの表通りは、ま〜きらびやかなお土産屋やら、原色のチャイナドレス、レストランやらがたちならんで、商売っ気たっぷりっ。いかにも中国ーって感じ。 -
水路を渡る船には船頭おばさんがいて、民謡を歌ってと頼もうものならお金を要求されるし、姿を写真に写そうとしてもお金をとられそうになるし。しっかりしてるわ!(笑)
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観光地とはいっても庶民の生活の場でもあるので、普通にお魚とかをうってるおばさんを目にしました
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今日は上海でもすごく寒い日だそうで、お客の数は極端に少ない!それはとてもよかったけれど、のんびり川べりでお茶でもして、なんて雰囲気じゃありません、寒くて!
北方は寒くても、この時期どこでも部屋には暖気やエアコンがはいってるもんだけど、南はなまじっか暖かいので暖房器具がほとんどない。だから今日みたいな日は恐ろしく寒く感じます。
しかしながら、水路周辺の景色は本当にどこをとっても美しく絵になる風景の連続。緑の美しい時期にきたらきっともっと素晴らしい写真がとれるに違いありません! -
それからこの周荘を開いたと言われる瀋万山の子孫が、清の時代に建てたといわれるこの地方の典型的なお屋敷”沈庁”へ。
それぞれの彫刻が息を呑むほど美しい!入口から奥へ奥へと屋敷が続いていく造りになってました。 -
中庭とかの”空間の配置”というのも素晴らしい!
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木造でとても質素な造りに見えるんだけれど、この真ん中の窓枠を見ても彫刻が本当に細かくて、驚きます。
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2階は寝室以外に、回廊のように広いスペースがはりめぐらせてあってまっすぐじゃなくて曲がりくねっててなんだかとても不思議な造り。
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屋敷のお嬢様の寝室。西洋の天蓋も素敵だけれどこういうのもいいなあ♪
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こちらは屋敷の奥様の寝室。天蓋ベッドがド派手できらびやか〜!
でも、南の地方の人ってあまり背が高くないからベッドもこんなに小さいのかしら・・ -
2階の回廊にあったのぞき窓。当時屋敷のお嬢さんは、人前にでてはいけなくてお見合いの時も、まずこののぞき窓から相手の顔をみたんだそうです。
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のぞき窓から見るとこうやって応接間である部屋がすべて見渡せる仕組み。
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沈庁を堪能した後、三毛茶楼というところに立ち寄りました。台湾の作家の三毛かなあ〜と思ってはいってみたら本当に彼女とゆかりのあるお店でした。
台湾の作家三毛をしのんでつくられた三毛茶楼。生前の彼女と交流のあったここ地元の作家の張さんがこの茶楼の持ち主なんだそう。 -
中国語を勉強してるとき、家庭教師の先生をつけてたのですがその先生が三毛の大ファンで、教材として私にもいろいろ小説をかしてくれました。
それがきっかけで三毛の本を私も読むようになったのだけれど、表現がそれまで教科書の中の小説とはまったく違って、おもしろくてどんどんはまったものでした・・。
三毛は最後自殺してなくなってしまったのだけれど、彼女をしのんで生前交流のあった張さんがこの三毛茶楼を開いたのだそうです。 -
中は三毛の写真(写真真ん中)や直筆の手紙、そして新聞の切抜きで一杯でした。
とてもわかりやすい文章だったけれど、必死になって勉強しながら読んだ彼女の小説は今でも大事にすべて手元においてあります。まさかここで彼女に会えるとは思わなかったのでうれしい再会でもありました。 -
2階席でお茶を飲んで、高菜入りの麺”雪菜麺”を食べました。日本の高菜に似た漬物ののった素朴な麺ですがおいしかった♪
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これは名物、阿婆茶(アーポーチャー)。昔、この辺のおばちゃんたちが、集まると井戸端会議のようにお茶を飲みながらお菓子をつまんでおしゃべりしていたことから、この名前がつけられたんだとか。
お茶請けはソラマメや、お豆腐を乾燥させて揚げたのとか、落雁みたいなお菓子とか・・・・。 -
帰りがけ、易者さんがいたので占ってもらうことに。一回5元(70円くらい)のおみくじ式。
で、一本ひいたら下に字が書いてあって、それをみるなりおじさん、”あ、こりゃ悪いからもう一回ひき直せ!”とかいいます。”え?そんなのしていいの?”っていったら”いいからいいから”って。
で、もう一回ひいたらそれはまあまあだったらしく占ってくれた。”初めのが私の本当の運なんじゃないの?”ってきいたら、”あーあれは、2003年分。これが2004年の”とかって。いいかげんだなー。笑
占いの結果は、婚姻美満、遇見貴人(いい出会い)、病は去って、一切順利
だそうです。
いい出会いがあるっていうのは今年別の占いでもいわれたので、これはあたるかもー?!(笑)けっこういいかげんな占い師のおっちゃん。でも一回5元(65円くらい)だしね(笑) -
帰り道みつけた名物豚足の煮込み。すごい〜そのまんまって感じ。
とてもじゃないけど食べきれないので今回は断念したけれどさて、お味のほうは?! -
ここのもう一つの名物料理に『青団子』という日本で言うところの草もちがあって、それを食べたかったのに今日は寒いのと人が少ないからとかでどこもつくっていませんでした。
せっかく食べにきたのにな〜とがっくりしてたんですが、最後の最後に執念でみつけたっ!
日本の草もちより、もっともち米の味がきついって感じがしたけどやわらかくておいしかったです♪ -
そして一路”喬家路”へ。上海市内の豫園という観光地のそばにありました。
喬家路は600年の歴史を持つ狭い路地で、通りの両側は古いながらも味のある建物が続きます。短い通りだけれど、通りのあちこちに歴史の古そうな建物が立ち並んで、ワクワク感がおさえきれません! -
住所はわかっていたので、運転手さんもすぐみつけられました。喬家路133号に今回の旅のメインでもある『梓園』があります。
こちらが梓園の入口の石門。元々清代に造られた美しい庭園で、その後上海の富豪 郁家のものとなり、後に画家であり経済界のトップでもあった王震の屋敷となったのだそう。
そして1922年アメリカの旅をおえたアインシュタインは中国に寄り、そしてこの屋敷に案内され、庭園を鑑賞して王震の設けた宴に招待されたのだそうです。 -
入口の美しいレリーフには、梓園という文字が!なんとも凝ったつくりです。
運転手さんはとっても優しく協力的で、住んでる人に話を聞くなら上海語のわかる俺がいったほうがいいからっていって、住人の人にいろいろ話しかけていってくれ、そしてRさんというおじさんと出会いました。 -
Rさんは、梓園のなかの素敵な洋館に住んでいました。”入れ入れ”と部屋の中にいれてくれましたが、これまた中は木造建築で窓枠とかすごく立派。
この屋敷は、中国の画家である王震の家なんだ!とRさんの説明がはじまりました。
王震といわれても私がわからなかったら
”あれだけ日本に貢献した、お前たちの命の恩人じゃないか”
と怒られましたよ。すみません・・・ -
木の階段が3階までずっと続いています。手すりの彫刻がものすごく素敵でした!
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今の普通の家を内装しても、ここまでしっかりとはつくれないかも。とRさん。部屋の中は天井がとても高くて、窓枠やドアも木製。
窓に隙間とかがなくピッタリでとても頑丈なんだそうです。 -
そしてカーテンレールとかもすべて木製で、これも当時のままなのだそうです。
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こちらは花瓶置きとかだったらしい室内装飾。細かい彫刻がしてあって当時も素敵な雰囲気を醸し出していた事でしょう♪
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そしてこちらが、入口すぐに聳え立つ和式洋館。ベランダの造りが美しく、当時そこでどんな語らいがあったのか想像してしまいます♪
日清汽船株式会社の買弁(貿易の仲介)をして財を成した王震は関東大震災の時、日本に多額の寄付をし、それに天皇が感謝して日本から建築材料と建築士を派遣してこの庭園にこちらの和式洋館をたてたのだそうです。
王震を先生と仰いで、慕った蒋介石もここにきたことがあるのだとか。
で、1922年、アメリカ航海のあとに中国に立ち寄ったアインシュタインは、上海でこの梓園に招かれて、王震と会食したんだそう。
当時は美しい庭園と、王震が熱心な仏教徒だったので、立派な仏堂もあって
とにかく豪華な邸宅だったらしいけれいど、今は壊されたり、切り売りされたりして、昔の面影はもうあまり残ってません・・。 -
こちらは、和式洋館の屋根。瓦も日本製で中国にはない屋根なんだそうです。
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王震が仏教徒だったため造られたとされる仏閣。しかし今は民家に・・。屋根だけがその名残をとどめています。
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その後、梓園の石構えの門の2階に住んでるZさんという人を紹介してくれました。
Zさんが話してくれたところによると、Rさんの母親が王震の子供の乳母で、王震の死後、香港へ移住した子孫にかわって乳母であるRさんの母親が家を守るという名目で住んでいるのだとかなんとか。
Rさんは上海市政府に、保存に協力していると表彰されたこともあるんだそう。
Zさんは、お父さんが王震の孫の家庭教師だったんだそう。それでこの住まいを王震からもらったらしい。子供の乳母に孫の家庭教師。なんだかすごいつながりですね。
歴史ある建物を遺産として国に保管させるため、上海政府にもいろいろ意見書をだしてるらしいけどきいてもらえないと嘆いていました。
写真は洋館の側面。レンガと彫刻と木の窓枠はどこをみてもため息が出るほど調和が取れていて素晴らしい! -
最後Rさんは、九間楼という明代の著名人 徐光啓の故居を案内してくれました。
梓園を更に先に進んだ喬家路236号に、上海市文物保護単位に指定された
徐光啓の故居があります。
ここは、一列に九室並んでいる2階建てのとても珍しい造りの為、”九間楼”とよばれているのだそうです。しかし、後に爆撃で2室燃え、現存してるのは7室だとRさんに教えてもらいました。
400年の歴史があるというこの建物、傾いていて今にも壊れてしまいそうなんだけれど、奇跡的に残っているのだとか。それでもまだ一般民家として使われていて、そこで普通に住んでる人がいました。 -
(徐光啓:明代の政治家で学者。マテオリッチと親しく自ら進んで洗礼を受けて入信したそう。
農政関係の総合書”農政全書”の著者。)こちらは、故居の前に立ててある石碑。 -
これは入口の様子。このドアは、建設された当時のままだそうです。
徐光啓は、非常に位の高い高官だったそうですが、とても清廉で私利私欲には興味をしめさず、この粗末な九間楼で暮らしたと言われています。
徐光啓は72歳でなくなり、上海市の今の光啓公園に埋葬されましたが、それ故その辺りが現在 ”徐家匯”と呼ばれているのだそうです。 -
付近には他にも”書隠楼”と書かれた碑が。当時のお屋敷跡で、”書隠楼”とよばれているそうですが、中は市政府の何かに使われているらしく参観禁止。
場所も、喬家路からちょっと細い路地裏にはいったところなのですが非常に入り組んでいて、つれていってもらったので場所の説明ができず・・・。住所は天灯弄77号でした。
大変お世話になった運転手さんに最後空港まで送ってもらってお別れ。こういう素晴らしい出会いがあるから、旅って本当に素敵でやめられないっ♪
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