鎌倉三河屋本店

2010/01 - 2010/03

　段葛がある若宮大路沿道の中程に三河屋本店がある。切妻造り瓦葺の木造2階建の重厚な佇まいの酒屋さんだ。明治33年（1900年）の創業というから100年を越える老舗であり、今の建物は昭和2年（1927年）に建てられた。伝統的な出桁（だしげた）造りの店構えで、古い「屋河三」の看板が懸かる妻梁は太く、看板よりも幅が広い。
　三河屋本店店舗兼住宅と蔵が国の登録有形文化財に登録（平成18年（2006年））され、鎌倉の景観重要建築物（指定第22号）（平成14年（2002年））にもなっている。
　鎌倉市内には国の登録有形文化財が10棟あるが、蔵はここ三河屋本店と寸松堂しか登録されていない。では国の登録有形文化財以外では蔵（土蔵）は？と調べても幾棟もない。こうした大棚の店で蔵（土蔵）があるのは鎌倉市内では三河屋本店と寸松堂だけしか思い浮かばない。三河屋本店の奥さんは三河屋本店の家付き娘で婿取り娘であったが、こうした店で蔵（土蔵）がある家は思い浮かばないといっていた。空襲を受けなかった鎌倉の町でも蔵（土蔵）がある家は極端に少ないのである。古都・鎌倉の知られざる一面であろうか。
(表紙写真は三河屋本店)

エリア 鎌倉(神奈川)

鎌倉の景観重要建築物（指定第22号）三河屋本店プレート。

三河屋本店（国指定登録文化遺産）。

三河屋本店。

三河屋本店。

三河屋本店。今日はお休みだ。

妻梁は太く、看板よりも幅が広い。

山十か山十一の紋が入った丸瓦。

三河屋本店の屋根。2階建だが2階部分は低い。

三河屋本店の軒と軒の間。

蔵と店とはトロッコのレールが延び、蔵から店への荷物の運搬が簡単に出来るようになっている。

三河屋本店蔵（国指定登録文化遺産）。
三河屋本店蔵は国指定登録文化遺産になっているが、その理由としては、「鎌倉市内に現存する蔵の中では比較的規模が大きく，近代の鎌倉が発展した時期の商家における遺構として重要。」とある。しかし、鎌倉市内に現存する蔵」の数が気になるところだ。
主屋後方に建つために若宮大路側からは見えない。

三河屋本店蔵。

三河屋本店蔵。

三河屋本店蔵。

夕暮れ時の三河屋本店。

夕暮れ時の三河屋本店。