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(3)トンレサップ湖の水上の村<br /> タロウから連絡が来ているようで、トンレサップ湖の水上生活者の村を回る船がチャーターされており、3人には広すぎる船に乗り込む。これから雨季を迎えようという時期であり、湖水はかなり後退している。船着き場から湖につながる水路は、カフェオレのような茶色い水が溜まっている。船が通るたびに底の茶色の泥が巻き上げられるので水が澄むことはないようだ。水路を進むと途中に村があり、船を建造中だった。10フィート程の木造で、村の男たちが5人ほどで作業にあたっていた。<br /> 日本の褌のようなものを身につけただけの二人の漁師が投網漁に励んでいる。船の行きかう茶色の流れに向かって網を投げる。残念ながら網を取り入れる様子を見届けることはできなかったので成果のほどはわからないが、この濁った川で魚がとれるような気がしない。<br /> 湖に出ると水の色が変わる。水路から流れ出る茶色の水が帯のように広がって行き、やがて湖の色と同化していく。水路からは見えなかったけれど、湖に船が浮かんでいるのが見えている。KAちゃんの話によると、トンレサップ湖の水上生活者はベトナム人だという。ベトナム戦争の時にカンボジアに避難してきて、戦争が終わった後、祖国に帰ることができなかった人たちだというのだ。本当かなと疑問に感じたが、湖の上に学校がり、その入り口に「VIET NAM」の文字が見えて納得した。戦争から逃れるためにメコン河を遡上し、その船の上で暮らし続けた人たちだ。カンボジア人ではないため、カンボジア政府の十分な保護を受けることもできず、かといって今更ベトナムにも帰れない、そんな流浪の民の暮らしは決して楽ではないはずだ。<br /> 湖上に何艘かの船をつないだ筏のような家があり、そこではワニが飼育され、ワニ肉料理が食べられるのだという。その筏ハウスに上陸すると確かに船倉(?)にワニがいる。KAちゃんに「食べてみますか」と声をかけられたが、ベンメリア遺跡の前の売店で炒飯を食べたあとなにも体を動かしていないので、食べてみたいという気持ちもよぎったけれど、お腹は空いていない。Kさんも食べないというのでやめておいた。<br /> 筏の家はかなり広くて、食堂と売店、トンレサップ湖の生態や水上生活の様子を伝える資料館のようなスペースもある。大型(と言ってもせいぜい20人乗りくらいだけれど)の船で水上生活の村を一回りして、この筏の家で休憩するようなシステムになっており、僕らの船のほかに5艘ほどの船が筏にロープをかけており、30人ほどが筏の家に上船(?)している。回りをせいぜい数人乗りの小舟がとり囲んでおり、母親が小さな子供にバナナを売らせ、写真を撮らせてチップを要求したり、小銭をせがんだりしている。<br /> 国籍もはっきりしない彼らが生きる場所として選んだのがトンレサップ湖の上なのだろうが、その暮らしにはどうしようもない貧しさが張り付いており、自らの貧しさを晒すことで小銭を稼ぐという生き方が受け継がれ、しみついてしまっているように見える。浅ましいとか汚いと蔑み、チップをやって「良いことをした。」と自己満足に浸る旅人を見ると、「そうしているあなた自身、品格のない人物に見えますよ。」と言いたくなる。僕らがポケットの中の小銭を彼らに与えることは容易いことだ。しかし、それでは問題の根本的な解決にはならない。まずは仕事をおこし、彼らに働くことの喜びを伝え、そして、家族が暮らしていくのに必要な対価を受け取ることができる社会的なシステムを作ることだ。彼らが、そして彼らにつながる子どもや孫たちが自立できるために何が必要なのかを社会が考えなければならない。そんな話をしながら筏の家でビールを飲み、KAちゃんの「ぼちぼち引き上げますか。」の声を合図に腰をあげ船に乗った。何だかモヤモヤ感を残しながら、トンレサップ湖を後にしたのだった。上陸する時、船の若い船長に1ドルのチップを手渡した。そしてまた、KAちゃんのトクトクで30分ほど揺られながらゲストハウスに戻ったのだった。<br /><br />(4)アプサラー・ダンスを見ながらブッフェ形式のディナーを楽しむ<br /> 5時半ころゲストハウスに戻るとKAちゃんが「何時に食事にしますか?ダンスは7時30分に始まりますが、少し早目に行って食事をした方がいいでしょう。」というので、6時30分に迎えに来てもらうことにして、部屋に入り、シャワーを浴びてパンツ一丁でベットに寝転ぶ。エアコンの効いた部屋は心地よく、ついウトウトしてしまう。ふと我に返るともう6時30分になろうとしている。慌てて飛び起きてズボンをはいて外に出るとKAちゃんはもう待っており、「Kさんを呼んできてください」と言われ、呼びに行こうとゲストハウスに入りかけたら階段からKさんが降りてきた。食事の会場はトクトクで10分少々の場所にあるKOULENⅡレストラン。料金はゲストハウスのタロウに予約を頼んだ時に10ドルを渡してあり、追加の飲み物代だけを支払えば、ブッフェ形式で自分の好きな料理を自由に食べることができる。レストランのビール代は2ドルだったと記憶している(もしかしたら、ゲストハウスと同じで1ドルだったかも・・・)。料理はクメール料理というよりは多国籍料理という感じで、中華風の饅頭や酢豚のようなもの、イタリアンなスパゲッティ、クメール風のスープのような野菜の入った煮物、ベトナム風のフォー、焼肉、色とりどりの果物などなどかなりの種類が並んでいる。僕は、野菜の煮物と、サラダ、果物などを大きめのお皿に取り、席に戻りアンコールビールを注文した。料理の味付けは日本の味噌や醤油とは異なり、何味というふうに表現しがたい。感動する程美味しいわけではないが、口に合わなくて食べられないということもない。<br /> アプサラー・ダンスは、指を反り返らせる形と足の運び、つま先立ちなどの所作が独特の比較的ゆっくりしたダンスと、農作業などを題材にした動きの激しいダンスが交互に踊られた。アプサラーとは”天女”のことで、アプサラー・ダンスは『天女の舞』ということになる。題材は、『男女の恋の行方』といったところか。<br /> このアプサラー・ダンスは、ポルポトの時代には粛清の対象にされ、絶滅の危機にひんしたようだが、ポルポトの時代が終わると生き残った踊り子たちがアプサラダンスを教える学校を開くなどして蘇らせ、今では広くあちらこちらで踊られるようになったのだ。<br /> 惜しむらくは、会場が広すぎること。僕らの席は後ろの方だったので、料理を取りに行くには便利なんだが、舞台はよく見えない。舞台のそで近くまで近づいて何枚か写真を撮った。最後には舞台に踊り子が全員出て、記念写真を撮らせてもらえるようだったけれど、観客でごった返しており諦めた。KAちゃんが迎えに来て「どうでした?」と聞く。「いやー、良かったわ!」と応えながら外に出る。「これからどうしますか?」と聞かれ、Kさんは「俺は疲れたから寝る。」という。僕は、「まだ時間が早いし、何か面白いところがあるかい?」と聞いた。KAちゃんは「そうですねぇ。カラオケか、マッサージはどうですか?エロいマッサージもありますよ!」と答えた。エロいマッサージがどんなふうにエロいのかということについて少し考察して見たい気もしたが、日本人がみなスケベだと思っているこいつ等の思惑通りになってなるものかと言い聞かせ、「じゃあ、普通のマッサージに連れて行ってもらおうか。」とお願いした。<br /><br />(5)マッサージを受ける<br /> Kさんをゲストハウスでおろして、これまた10分ほどの所にあるマッサージ屋さんに行く。大通りから少し入ったところに、地味だけれどカラフルなネオンサインのマッサージ屋さんで、店の外に丸いテーブルと椅子が置かれ、マッサージ師の女性たちがおしゃべりをしている。ドアを入ると広間になっており、右端には長椅子が置かれ、やや奥まったところに受付のカウンターが置かれている。ここで10ドルを支払い左手のドアを入る。中央が通路で左手は長椅子風のマッサージ台が10台(そんなになかったかな)ほど並び、その上に寝そべってマッサージを受けている人がいる。右手は畳のようなものの上に布団が川の字のように、こちらも10組ほど敷かれており、どちらも間はカーテンで仕切られている。専用の上下の服を渡され着替えるように促され、パンツ一丁になってパジャマのようなズボンをはき、VネックのTシャツ風の上着を着た。布団の上にうつ伏せになりマッサージが始まる。足の裏から始まって脹脛、太腿、腰、肩という具合に、下の方から上にもみほぐしてくれる。旅の疲れが癒される時間はあっという間に過ぎ、1時間ですっかり凝りがほぐれホカホカしながら部屋を出る。<br /> KAちゃんが、「どうします。まだ次に行きますか?」と聞く。僕は、「KAちゃんいつもはこの時間、何をしてるの?」と聞き返した。まだ、9時過ぎである。<br />「友だちと部屋でビール飲んだり、お姉さんのいる店で楽しく過ごしたりしています。だいたい12時過ぎまで遊んでいますね。」<br />「ふーん、そうなんだ。お姉さんのいる店ねぇ・・・ところで彼女はいるの?」<br />「いないんですよ。」<br />「意外だね。」<br />「トクトクのドライバーは朝から晩遅くまで仕事をしているので彼女できないです。」<br />「そんなもんかねぇ。ところでカンボジアの人はどのくらい稼ぐのよ。」<br />「1カ月ですか?そうですね。だいたい50ドルくらいです。」<br />「50ドル!?日本円だと4500円くらいやないか!KAちゃんもそんなもんなん?」<br />「私、150ドルくらい稼ぎます。お姉ちゃんのいる店に行きたいですか?」<br />「否、明日朝が早いし、せっかく旅の疲れをほぐしてもらったので、このまま寝ることにするよ。明日、みんなで飲みに行こうや。」<br />「わかりました。それでは明日3人で飲みに行きましょう。僕の知っているところに案内します。」<br /> トクトクでゲストハウスに送ってもらう間にこんなやりとりがあった。ゲストハウスに着くとKAちゃんは「では、明日5時には迎えに来ますから、起きてきてくださいね。」と言い、僕は「了解!じゃあお休み!」と声をかけた。そのまま部屋に戻りベットに倒れこみそのまま翌朝4時まで爆睡。凝りはほぐれても疲れていたんだなぁ。

悠久の大河とアンコール遺跡を辿る旅⑨ トンレサップ湖の水上の村編

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2010/03/20 - 2010/03/27

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山菜迷人

山菜迷人さん

(3)トンレサップ湖の水上の村
 タロウから連絡が来ているようで、トンレサップ湖の水上生活者の村を回る船がチャーターされており、3人には広すぎる船に乗り込む。これから雨季を迎えようという時期であり、湖水はかなり後退している。船着き場から湖につながる水路は、カフェオレのような茶色い水が溜まっている。船が通るたびに底の茶色の泥が巻き上げられるので水が澄むことはないようだ。水路を進むと途中に村があり、船を建造中だった。10フィート程の木造で、村の男たちが5人ほどで作業にあたっていた。
 日本の褌のようなものを身につけただけの二人の漁師が投網漁に励んでいる。船の行きかう茶色の流れに向かって網を投げる。残念ながら網を取り入れる様子を見届けることはできなかったので成果のほどはわからないが、この濁った川で魚がとれるような気がしない。
 湖に出ると水の色が変わる。水路から流れ出る茶色の水が帯のように広がって行き、やがて湖の色と同化していく。水路からは見えなかったけれど、湖に船が浮かんでいるのが見えている。KAちゃんの話によると、トンレサップ湖の水上生活者はベトナム人だという。ベトナム戦争の時にカンボジアに避難してきて、戦争が終わった後、祖国に帰ることができなかった人たちだというのだ。本当かなと疑問に感じたが、湖の上に学校がり、その入り口に「VIET NAM」の文字が見えて納得した。戦争から逃れるためにメコン河を遡上し、その船の上で暮らし続けた人たちだ。カンボジア人ではないため、カンボジア政府の十分な保護を受けることもできず、かといって今更ベトナムにも帰れない、そんな流浪の民の暮らしは決して楽ではないはずだ。
 湖上に何艘かの船をつないだ筏のような家があり、そこではワニが飼育され、ワニ肉料理が食べられるのだという。その筏ハウスに上陸すると確かに船倉(?)にワニがいる。KAちゃんに「食べてみますか」と声をかけられたが、ベンメリア遺跡の前の売店で炒飯を食べたあとなにも体を動かしていないので、食べてみたいという気持ちもよぎったけれど、お腹は空いていない。Kさんも食べないというのでやめておいた。
 筏の家はかなり広くて、食堂と売店、トンレサップ湖の生態や水上生活の様子を伝える資料館のようなスペースもある。大型(と言ってもせいぜい20人乗りくらいだけれど)の船で水上生活の村を一回りして、この筏の家で休憩するようなシステムになっており、僕らの船のほかに5艘ほどの船が筏にロープをかけており、30人ほどが筏の家に上船(?)している。回りをせいぜい数人乗りの小舟がとり囲んでおり、母親が小さな子供にバナナを売らせ、写真を撮らせてチップを要求したり、小銭をせがんだりしている。
 国籍もはっきりしない彼らが生きる場所として選んだのがトンレサップ湖の上なのだろうが、その暮らしにはどうしようもない貧しさが張り付いており、自らの貧しさを晒すことで小銭を稼ぐという生き方が受け継がれ、しみついてしまっているように見える。浅ましいとか汚いと蔑み、チップをやって「良いことをした。」と自己満足に浸る旅人を見ると、「そうしているあなた自身、品格のない人物に見えますよ。」と言いたくなる。僕らがポケットの中の小銭を彼らに与えることは容易いことだ。しかし、それでは問題の根本的な解決にはならない。まずは仕事をおこし、彼らに働くことの喜びを伝え、そして、家族が暮らしていくのに必要な対価を受け取ることができる社会的なシステムを作ることだ。彼らが、そして彼らにつながる子どもや孫たちが自立できるために何が必要なのかを社会が考えなければならない。そんな話をしながら筏の家でビールを飲み、KAちゃんの「ぼちぼち引き上げますか。」の声を合図に腰をあげ船に乗った。何だかモヤモヤ感を残しながら、トンレサップ湖を後にしたのだった。上陸する時、船の若い船長に1ドルのチップを手渡した。そしてまた、KAちゃんのトクトクで30分ほど揺られながらゲストハウスに戻ったのだった。

(4)アプサラー・ダンスを見ながらブッフェ形式のディナーを楽しむ
 5時半ころゲストハウスに戻るとKAちゃんが「何時に食事にしますか?ダンスは7時30分に始まりますが、少し早目に行って食事をした方がいいでしょう。」というので、6時30分に迎えに来てもらうことにして、部屋に入り、シャワーを浴びてパンツ一丁でベットに寝転ぶ。エアコンの効いた部屋は心地よく、ついウトウトしてしまう。ふと我に返るともう6時30分になろうとしている。慌てて飛び起きてズボンをはいて外に出るとKAちゃんはもう待っており、「Kさんを呼んできてください」と言われ、呼びに行こうとゲストハウスに入りかけたら階段からKさんが降りてきた。食事の会場はトクトクで10分少々の場所にあるKOULENⅡレストラン。料金はゲストハウスのタロウに予約を頼んだ時に10ドルを渡してあり、追加の飲み物代だけを支払えば、ブッフェ形式で自分の好きな料理を自由に食べることができる。レストランのビール代は2ドルだったと記憶している(もしかしたら、ゲストハウスと同じで1ドルだったかも・・・)。料理はクメール料理というよりは多国籍料理という感じで、中華風の饅頭や酢豚のようなもの、イタリアンなスパゲッティ、クメール風のスープのような野菜の入った煮物、ベトナム風のフォー、焼肉、色とりどりの果物などなどかなりの種類が並んでいる。僕は、野菜の煮物と、サラダ、果物などを大きめのお皿に取り、席に戻りアンコールビールを注文した。料理の味付けは日本の味噌や醤油とは異なり、何味というふうに表現しがたい。感動する程美味しいわけではないが、口に合わなくて食べられないということもない。
 アプサラー・ダンスは、指を反り返らせる形と足の運び、つま先立ちなどの所作が独特の比較的ゆっくりしたダンスと、農作業などを題材にした動きの激しいダンスが交互に踊られた。アプサラーとは”天女”のことで、アプサラー・ダンスは『天女の舞』ということになる。題材は、『男女の恋の行方』といったところか。
 このアプサラー・ダンスは、ポルポトの時代には粛清の対象にされ、絶滅の危機にひんしたようだが、ポルポトの時代が終わると生き残った踊り子たちがアプサラダンスを教える学校を開くなどして蘇らせ、今では広くあちらこちらで踊られるようになったのだ。
 惜しむらくは、会場が広すぎること。僕らの席は後ろの方だったので、料理を取りに行くには便利なんだが、舞台はよく見えない。舞台のそで近くまで近づいて何枚か写真を撮った。最後には舞台に踊り子が全員出て、記念写真を撮らせてもらえるようだったけれど、観客でごった返しており諦めた。KAちゃんが迎えに来て「どうでした?」と聞く。「いやー、良かったわ!」と応えながら外に出る。「これからどうしますか?」と聞かれ、Kさんは「俺は疲れたから寝る。」という。僕は、「まだ時間が早いし、何か面白いところがあるかい?」と聞いた。KAちゃんは「そうですねぇ。カラオケか、マッサージはどうですか?エロいマッサージもありますよ!」と答えた。エロいマッサージがどんなふうにエロいのかということについて少し考察して見たい気もしたが、日本人がみなスケベだと思っているこいつ等の思惑通りになってなるものかと言い聞かせ、「じゃあ、普通のマッサージに連れて行ってもらおうか。」とお願いした。

(5)マッサージを受ける
 Kさんをゲストハウスでおろして、これまた10分ほどの所にあるマッサージ屋さんに行く。大通りから少し入ったところに、地味だけれどカラフルなネオンサインのマッサージ屋さんで、店の外に丸いテーブルと椅子が置かれ、マッサージ師の女性たちがおしゃべりをしている。ドアを入ると広間になっており、右端には長椅子が置かれ、やや奥まったところに受付のカウンターが置かれている。ここで10ドルを支払い左手のドアを入る。中央が通路で左手は長椅子風のマッサージ台が10台(そんなになかったかな)ほど並び、その上に寝そべってマッサージを受けている人がいる。右手は畳のようなものの上に布団が川の字のように、こちらも10組ほど敷かれており、どちらも間はカーテンで仕切られている。専用の上下の服を渡され着替えるように促され、パンツ一丁になってパジャマのようなズボンをはき、VネックのTシャツ風の上着を着た。布団の上にうつ伏せになりマッサージが始まる。足の裏から始まって脹脛、太腿、腰、肩という具合に、下の方から上にもみほぐしてくれる。旅の疲れが癒される時間はあっという間に過ぎ、1時間ですっかり凝りがほぐれホカホカしながら部屋を出る。
 KAちゃんが、「どうします。まだ次に行きますか?」と聞く。僕は、「KAちゃんいつもはこの時間、何をしてるの?」と聞き返した。まだ、9時過ぎである。
「友だちと部屋でビール飲んだり、お姉さんのいる店で楽しく過ごしたりしています。だいたい12時過ぎまで遊んでいますね。」
「ふーん、そうなんだ。お姉さんのいる店ねぇ・・・ところで彼女はいるの?」
「いないんですよ。」
「意外だね。」
「トクトクのドライバーは朝から晩遅くまで仕事をしているので彼女できないです。」
「そんなもんかねぇ。ところでカンボジアの人はどのくらい稼ぐのよ。」
「1カ月ですか?そうですね。だいたい50ドルくらいです。」
「50ドル!?日本円だと4500円くらいやないか!KAちゃんもそんなもんなん?」
「私、150ドルくらい稼ぎます。お姉ちゃんのいる店に行きたいですか?」
「否、明日朝が早いし、せっかく旅の疲れをほぐしてもらったので、このまま寝ることにするよ。明日、みんなで飲みに行こうや。」
「わかりました。それでは明日3人で飲みに行きましょう。僕の知っているところに案内します。」
 トクトクでゲストハウスに送ってもらう間にこんなやりとりがあった。ゲストハウスに着くとKAちゃんは「では、明日5時には迎えに来ますから、起きてきてくださいね。」と言い、僕は「了解!じゃあお休み!」と声をかけた。そのまま部屋に戻りベットに倒れこみそのまま翌朝4時まで爆睡。凝りはほぐれても疲れていたんだなぁ。

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  • カフェオレ色の水路

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  • 僕らが乗った遊覧船の船長は20歳そこそこと思しき小柄な青年だった。

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  • 造船風景

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  • 水辺の村の暮らし

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  • 水につかって作業している青年と目があった

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  • 水辺の村の暮らしには船が不可欠

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  • 村のスーパーマーケット

    村のスーパーマーケット

  • 遊ぶ子どもたち

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  • 船と同時にオートバイも彼らの暮らしに入り込んでいる

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  • 投網を投げる漁師

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  • 親子

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  • こんな遊覧船で、水上の村を見学する

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  • トレンサップ湖の学校<br />ベトナムと書いているのがわかる

    トレンサップ湖の学校
    ベトナムと書いているのがわかる

  • 軒を連ねているのは親せき同士なのかな?

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  • 湖の濁った水で米をといでいる

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  • ドラえもん(?)のカーテン

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  • 湖上の畑

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  • 船倉のワニ

    船倉のワニ

  • 物乞いをする子ども

    物乞いをする子ども

  • 村の風景

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  • 遊覧船に群がる小舟

    遊覧船に群がる小舟

  • 堤防の外側には田園が広がる

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  • 船着き場の向こうでは開拓が進められているようで、大型のトラックが土煙を巻き上げて走っていた

    船着き場の向こうでは開拓が進められているようで、大型のトラックが土煙を巻き上げて走っていた

  • 夕闇が迫るゲストハウス<br />ストロボの光を反射する白い点がたくさん写っているけれど、乾季のため細かな土埃がまっており、それがストロボの光を反射しているのだ。

    夕闇が迫るゲストハウス
    ストロボの光を反射する白い点がたくさん写っているけれど、乾季のため細かな土埃がまっており、それがストロボの光を反射しているのだ。

  • ブッフェ形式のディナー会場に並ぶ料理

    ブッフェ形式のディナー会場に並ぶ料理

  • アプサラダンス<br />アプサラは天女の意味で、天女が踊っているのだ。<br />手をそらせた独特の円運動、つま先をそらせるような足の運び、特徴的な動きが面白い。

    アプサラダンス
    アプサラは天女の意味で、天女が踊っているのだ。
    手をそらせた独特の円運動、つま先をそらせるような足の運び、特徴的な動きが面白い。

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