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(2)船で国境を越える<br /> 「ツアー二日目は6時に起床し、7時には出発できるように朝食を済ませておいてください。」前日のガイドから指示通りに行動しているのは僕とKさんだけ。6時にロビーの朝食会場に降りたとき、他のツアー客は誰もおらず、若い連中は7時前に降りてきて飯を食い始める。それでもバスは船の都合もあって、予定時間を少し回ったところで出発することになった。ちなみに、朝食はパンと野菜やハムが入った玉子焼き。<br />船着き場まで10分ほどバスに乗る。ここで手漕ぎボートに乗り換える。この手漕ぎボートは日本のそれとは大きく異なり、客や荷物を舟の真ん中にのせ、漕ぎ手は船尾に立ち、二本の櫂を前に押し出し水をかき、漕ぎ手の向いている方向に進んでいく。確かに、このほうが漕ぎ手の背中方向に進むより操船しやすい。狭いところでも器用に舟を操り進んでいく。<br />川ではすでに朝の漁が始まっており、網を引き揚げている漁船があった。しばらく進むと、川の上に家が建っている。もしかしたら浮いているのかもしれないが、大きな川の中の家にあげられた。そこは、魚の養殖場になっており、どんな魚を養殖しているのか、魚は日本にも輸出されていること、1日の売り上げがどれくらいあるのかなどを説明してくれたのだが、早口の訛りの強い英語で細かいところまでは聞き取れなかった。魚たちに餌を投げてやると、激しい争奪戦がおこり魚が水面以上に盛り上がる。そのたびに見物客から歓声が上がる。<br /> 養魚場を見学した後、村に上陸した。今は乾季で水が少ないのだけれど、雨季には村の近くまで水に覆われ、大雨が降ったら村の家の1階が水没するくらいに増水することもよくあると言っていた。村の入り口で、焼きバナナを売っていた。食べてみたかったけれど、朝食を食べてからあまり時間もたっていないので腹が減っていない。美味しく食べられないと思い、買うのをやめた。いったん小舟に戻り、メコン河を遡上する大きな、といっても20人乗り程度の細長い舟だけれど、それに乗り移る。ここでツアーの参加者が10人に減った。ホーチミンから着いてきたガイドが女性のガイドに交替した。すぐにビザの申請書類を書くように促され、パスポート、申請書、ビザの発行手数料25ドルが徴収された。<br /> まずは、ここから国境の街ヴィンスオン(Vinh Xuong)までの船旅である。チャウドックから5マイル程北上したところで右手の細い流れに変針し、東北東に舟は進む。どうやら人工的に作られた水路のようで、ひたすら真っすぐ数時間かけて進んでいく。舟の椅子はクッションがついているとはいえ、折りたたみの会議椅子のようなものであり、けして座り心地が良いわけではない。その椅子に3時間ほど座り続けなければならない。舟は、陽射しが強いので屋根がついており、立ち上がっても腰を伸ばすこともできない。1時間、2時間と経つうちにだんだん苦行の様相を呈してくる。<br /> 川幅が狭いので両側の村の様子を見上げるようにして進んでいく。細い水路に入ってから水の色は明らかにカフェオレのような色に変わった。細い水路を延々と進み、一瞬海に出たのかと思ったらそこがメコン河の本流であった。舟は左手に向きを変える。左手に浮き桟橋が見えてきた。どうやらここがヴィンスォンでビザを発行してもらうようだ。ガイドのCさんが、「待っている間に昼食をとっておいてください。」という。僕は焼きそばを、Kさんは春巻きを注文し、もちろんビールも一緒にたのんだ。昼時だったせいか、ビザの発行にはかなりの時間がかかり、1時間半ほど待つことになった。<br /> 上流からメコン河を下ってベトナムに入る人、ベトナムからメコン河を遡上してカンボジア入りする人、旅人たちが交錯する街なのに、見ている限りここで上陸する人はいない。通過点でしかない街なのか。ぼんやり川の上から陸を眺めて時間をつぶす。ガイドのCさんがパスポートにビザを貼って返してくれた。費用の明細を見るとビザの発行費用は20ドルとなっていた。ということは、5ドルが旅行会社の手数料なんだな。<br /> ここから先はカンボジアである。船もカンボジアの船になる。船の形状は同じようなものだけれど、中央が通路になっており、両側の単に板がはってあるだけの腰掛に向かいあって座るようになる。レクルアング(Lek Luang)までの4時間近くをこの船で過ごすことになる。ビザが発行され、入国手続きも済んだと思っていたら、船を出してすぐに上流の船着き場に船をつける。「ここでスタンプを押してもらってこい。」とガイドが言ったのだけれど、その意味が良くわからずにいたら、ロシア人の若者が入国審査であることを教えてくれた。<br /> 入国審査といっても実に簡単で、ビザを貼ったパスポートを開いて渡し、にっこりほほ笑むだけでドンとスタンプを押してくれた。ヴィンスオンからレクルアングまでは広い広いメコン河を遡上するので、大きな変化のない船旅となる。ある者は船尾で昼寝をきめこみ、ある者は本を読み、ある者は座ったままで船をこいでいる。Kさんもこっくりこっくりやっている。僕はといえば飽きもせずに川岸のささやかな変化やすれ違う船や、釣りをしている小舟に手を振ったりして過ごした。船長とガイドの女性は夫婦者らしく、一つの弁当を変わり番こに食べ、交互に操船し、互いに昼寝をしたりしている。長いような短いような4時間が過ぎレクルアングに到着。<br /> ここからバスでプノンペンに移動するとツアーの手引には書かれていたが、実際は12人乗りの乗用車だった。船で遡上してきた10人が乗り込む。それぞれ大きな荷物を抱えているので、車はかなり窮屈だった。しかし、驚くことに、途中でさらに3人が乗り込んできた。見ていると別料金をとっているようにも見えなかったので、タクシーの運転手君が近所の人にたのまれて乗せてあげたということなのか、英語が全く通じないのでその辺りの事情はわからない。僕は荷物を抱えた状態で約1時間の車での移動を耐えるしかなかったのだ。予定時間を少し回ってシンツーリストの直営ホテルに到着したとき、荷物を抱えていた僕の腕は強張っており、伸ばそうとしたらミシミシ音がするような気がした。<br /> そのままホテルにチェックイン。ここでは英語がほとんど通じない。すでに料金も支払っているので、予約の控えを見せて何とかチェックインできた。

悠久の大河&アンコール遺跡群を辿る旅⑤  船で国境を越える編

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2010/03/20 - 2010/03/27

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39

山菜迷人

山菜迷人さん

(2)船で国境を越える
 「ツアー二日目は6時に起床し、7時には出発できるように朝食を済ませておいてください。」前日のガイドから指示通りに行動しているのは僕とKさんだけ。6時にロビーの朝食会場に降りたとき、他のツアー客は誰もおらず、若い連中は7時前に降りてきて飯を食い始める。それでもバスは船の都合もあって、予定時間を少し回ったところで出発することになった。ちなみに、朝食はパンと野菜やハムが入った玉子焼き。
船着き場まで10分ほどバスに乗る。ここで手漕ぎボートに乗り換える。この手漕ぎボートは日本のそれとは大きく異なり、客や荷物を舟の真ん中にのせ、漕ぎ手は船尾に立ち、二本の櫂を前に押し出し水をかき、漕ぎ手の向いている方向に進んでいく。確かに、このほうが漕ぎ手の背中方向に進むより操船しやすい。狭いところでも器用に舟を操り進んでいく。
川ではすでに朝の漁が始まっており、網を引き揚げている漁船があった。しばらく進むと、川の上に家が建っている。もしかしたら浮いているのかもしれないが、大きな川の中の家にあげられた。そこは、魚の養殖場になっており、どんな魚を養殖しているのか、魚は日本にも輸出されていること、1日の売り上げがどれくらいあるのかなどを説明してくれたのだが、早口の訛りの強い英語で細かいところまでは聞き取れなかった。魚たちに餌を投げてやると、激しい争奪戦がおこり魚が水面以上に盛り上がる。そのたびに見物客から歓声が上がる。
 養魚場を見学した後、村に上陸した。今は乾季で水が少ないのだけれど、雨季には村の近くまで水に覆われ、大雨が降ったら村の家の1階が水没するくらいに増水することもよくあると言っていた。村の入り口で、焼きバナナを売っていた。食べてみたかったけれど、朝食を食べてからあまり時間もたっていないので腹が減っていない。美味しく食べられないと思い、買うのをやめた。いったん小舟に戻り、メコン河を遡上する大きな、といっても20人乗り程度の細長い舟だけれど、それに乗り移る。ここでツアーの参加者が10人に減った。ホーチミンから着いてきたガイドが女性のガイドに交替した。すぐにビザの申請書類を書くように促され、パスポート、申請書、ビザの発行手数料25ドルが徴収された。
 まずは、ここから国境の街ヴィンスオン(Vinh Xuong)までの船旅である。チャウドックから5マイル程北上したところで右手の細い流れに変針し、東北東に舟は進む。どうやら人工的に作られた水路のようで、ひたすら真っすぐ数時間かけて進んでいく。舟の椅子はクッションがついているとはいえ、折りたたみの会議椅子のようなものであり、けして座り心地が良いわけではない。その椅子に3時間ほど座り続けなければならない。舟は、陽射しが強いので屋根がついており、立ち上がっても腰を伸ばすこともできない。1時間、2時間と経つうちにだんだん苦行の様相を呈してくる。
 川幅が狭いので両側の村の様子を見上げるようにして進んでいく。細い水路に入ってから水の色は明らかにカフェオレのような色に変わった。細い水路を延々と進み、一瞬海に出たのかと思ったらそこがメコン河の本流であった。舟は左手に向きを変える。左手に浮き桟橋が見えてきた。どうやらここがヴィンスォンでビザを発行してもらうようだ。ガイドのCさんが、「待っている間に昼食をとっておいてください。」という。僕は焼きそばを、Kさんは春巻きを注文し、もちろんビールも一緒にたのんだ。昼時だったせいか、ビザの発行にはかなりの時間がかかり、1時間半ほど待つことになった。
 上流からメコン河を下ってベトナムに入る人、ベトナムからメコン河を遡上してカンボジア入りする人、旅人たちが交錯する街なのに、見ている限りここで上陸する人はいない。通過点でしかない街なのか。ぼんやり川の上から陸を眺めて時間をつぶす。ガイドのCさんがパスポートにビザを貼って返してくれた。費用の明細を見るとビザの発行費用は20ドルとなっていた。ということは、5ドルが旅行会社の手数料なんだな。
 ここから先はカンボジアである。船もカンボジアの船になる。船の形状は同じようなものだけれど、中央が通路になっており、両側の単に板がはってあるだけの腰掛に向かいあって座るようになる。レクルアング(Lek Luang)までの4時間近くをこの船で過ごすことになる。ビザが発行され、入国手続きも済んだと思っていたら、船を出してすぐに上流の船着き場に船をつける。「ここでスタンプを押してもらってこい。」とガイドが言ったのだけれど、その意味が良くわからずにいたら、ロシア人の若者が入国審査であることを教えてくれた。
 入国審査といっても実に簡単で、ビザを貼ったパスポートを開いて渡し、にっこりほほ笑むだけでドンとスタンプを押してくれた。ヴィンスオンからレクルアングまでは広い広いメコン河を遡上するので、大きな変化のない船旅となる。ある者は船尾で昼寝をきめこみ、ある者は本を読み、ある者は座ったままで船をこいでいる。Kさんもこっくりこっくりやっている。僕はといえば飽きもせずに川岸のささやかな変化やすれ違う船や、釣りをしている小舟に手を振ったりして過ごした。船長とガイドの女性は夫婦者らしく、一つの弁当を変わり番こに食べ、交互に操船し、互いに昼寝をしたりしている。長いような短いような4時間が過ぎレクルアングに到着。
 ここからバスでプノンペンに移動するとツアーの手引には書かれていたが、実際は12人乗りの乗用車だった。船で遡上してきた10人が乗り込む。それぞれ大きな荷物を抱えているので、車はかなり窮屈だった。しかし、驚くことに、途中でさらに3人が乗り込んできた。見ていると別料金をとっているようにも見えなかったので、タクシーの運転手君が近所の人にたのまれて乗せてあげたということなのか、英語が全く通じないのでその辺りの事情はわからない。僕は荷物を抱えた状態で約1時間の車での移動を耐えるしかなかったのだ。予定時間を少し回ってシンツーリストの直営ホテルに到着したとき、荷物を抱えていた僕の腕は強張っており、伸ばそうとしたらミシミシ音がするような気がした。
 そのままホテルにチェックイン。ここでは英語がほとんど通じない。すでに料金も支払っているので、予約の控えを見せて何とかチェックインできた。

  • 宿泊したホテル<br />ホテルの前に一晩中バスは停められていた

    宿泊したホテル
    ホテルの前に一晩中バスは停められていた

  • ホテルの右手は朝から進入禁止となり市がたつ

    ホテルの右手は朝から進入禁止となり市がたつ

  • 市場に向かう女性が行く

    市場に向かう女性が行く

  • ホテルから船着き場までバスで移動

    ホテルから船着き場までバスで移動

  • 小舟でメコン河の上での暮らしを見に行く

    小舟でメコン河の上での暮らしを見に行く

  • 船で漁をする人たち

    船で漁をする人たち

  • でかいホテイアオイが浮いている

    でかいホテイアオイが浮いている

  • 大きな客船と小舟

    大きな客船と小舟

  • 船のようにメコン河に浮かぶ家(?)の中<br />日本の神棚若しくはお仏壇のようなものかな?<br />

    船のようにメコン河に浮かぶ家(?)の中
    日本の神棚若しくはお仏壇のようなものかな?

  • 魚の養殖について説明する人<br />日本にも輸出しているらしい

    魚の養殖について説明する人
    日本にも輸出しているらしい

  • 餌を投げ入れるとバシャバシャと水しぶきをあげて餌を奪い合う魚の群れ

    餌を投げ入れるとバシャバシャと水しぶきをあげて餌を奪い合う魚の群れ

  • 独特の船をこぐスタイル

    独特の船をこぐスタイル

  • 小舟が係留される村の入り口

    小舟が係留される村の入り口

  • 地元の人たちが暮らす家

    地元の人たちが暮らす家

  • 家の前側は壁がなくオープン状態<br />寝るときは蚊帳のようなものを吊るすことができるようになっている。

    家の前側は壁がなくオープン状態
    寝るときは蚊帳のようなものを吊るすことができるようになっている。

  • メコン川に架かる橋の上をオートバイが走る

    メコン川に架かる橋の上をオートバイが走る

  • 鋼製のロープが張られ、そこに籠が吊るしてあり、そこに人が乗りロープを引っ張って対岸に移動する

    鋼製のロープが張られ、そこに籠が吊るしてあり、そこに人が乗りロープを引っ張って対岸に移動する

  • 川で洗濯をしていた

    川で洗濯をしていた

  • 木橋を下から写す

    木橋を下から写す

  • 橋の上を女性が歩いている

    橋の上を女性が歩いている

  • 淡々と進む船の中では、ついつい眠たくなるのだ

    淡々と進む船の中では、ついつい眠たくなるのだ

  • 一本の丸太が渡されているだけのシンプルな橋

    一本の丸太が渡されているだけのシンプルな橋

  • 水牛の発達したお尻は美しい

    水牛の発達したお尻は美しい

  • 飼われているのだろうけれど、水牛には自由がある

    飼われているのだろうけれど、水牛には自由がある

  • 川で鍋を洗う女性

    川で鍋を洗う女性

  • 貯木場

    貯木場

  • 貯木場の木の上からバック転で川に飛び込む子ども

    貯木場の木の上からバック転で川に飛び込む子ども

  • 水浴

    水浴

  • 同じような家が並ぶ

    同じような家が並ぶ

  • 川に生きる人たちの暮らしを垣間見ることができる

    川に生きる人たちの暮らしを垣間見ることができる

  • 支流から本流に出る

    支流から本流に出る

  • 国境の町でビザの発給を待つ

    国境の町でビザの発給を待つ

  • ビザの発行を待つ間に食事<br />汁のないカップヌードルという感じで、味は日本のインスタントラーメンそのものだった。

    ビザの発行を待つ間に食事
    汁のないカップヌードルという感じで、味は日本のインスタントラーメンそのものだった。

  • この味は嫌いじゃない。

    この味は嫌いじゃない。

  • 船の座席は板張りで、ケツが痛いのだ。

    船の座席は板張りで、ケツが痛いのだ。

  • 水牛に水浴びをさせている

    水牛に水浴びをさせている

  • おばちゃんが運転している向うで、旦那の方は陽を浴びながら昼寝している

    おばちゃんが運転している向うで、旦那の方は陽を浴びながら昼寝している

  • カンボジアの村

    カンボジアの村

  • 国境の町から3時間。これで船をおりることができる。

    国境の町から3時間。これで船をおりることができる。

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