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第3章 ホーチミンの友人Sさん宅に泊めてもらうのだ<br /><br /> 成田空港を飛び立った全日空機は、20時過ぎにはシートベルト着用サインも消え、フライトアテンダント(昔はスチュワーデスと呼んでいたけれど、性表現のない単語への言い換えがすすみ使わなくなったんですね。)が「お飲み物は何になさいますか」と回ってきたので、躊躇することなく「ビール!」と応えアサヒスーパードライをいただいた。21時過ぎには機内食が配られ、僕はシーフードのトマトソースを、Kさんは豚しゃぶとゆかり飯を選択した。最近の機内食は随分旨くなった。仕事の関係でクックチルを活用した給食センター事業について調査・研究・計画立案に昨年までの4年ほどを費やしたことがあり、その時に、某コンビニのお弁当を作っている給食センターや、病院の患者給食を作っているセンター、あるいはまた、600床規模の県立病院でクックチルを活用して調理過程の効率化に取り組んだところ、機内食を作っているセンターなど、多くの施設を見に行って、試食もさせていただき感じたことは、「旨い」の一言である。ホテルの総理長を務めた某氏が、「クックチルにあった食材の前処理を丁寧にしてやれば、クックサーブと同等の美味しい食事を作ることができるんですよ。」と説明してくれたことをよく覚えている。いずれにしても、それなりに美味しく食べられる水準になっており、Kさんはワインを追加していた。<br /> 食事を済ませるともう22時前であり、機内の灯りが落とされ、鼾や寝息が聞こえてくる。隣のKさんも夢の中だが、鼾はかいていない。明滅する窓の外の翼の灯りを見ていたら僕もいつの間にか眠っていた。どれほど眠ったろうか、機体の揺れで目が覚めた。まだ到着までには数時間あるので、半分バンパイアになったダレン・ジャンという若者が主人公の『ダレン・ジャン』という映画を見た。映画が終わるころにKさんが目を覚まし、着陸までの間、他愛もないおしゃべりをして過ごした。<br /><br /> ホーチミン空港に着いたのは現地時間で21日午前0時30分ころだった。18時20分出発予定が1時間以上遅れ、19時30分前後だったので、到着時間も予定時間を1時間余り遅れることになった。荷物を受け取り表に出ると、Sさんと奥方のMさんが待っていてくれて、タクシーを手配などMさんの采配で円滑に進み、深夜1時20分ころにはSさんのお宅に到着した。1時間以上も遅れたのに、にこやかに迎えてくれたSさん夫妻に感謝である。<br /> Sさんのお宅は3階建てで、1階は台所とリビング、応接コーナーがあり、2階が夫婦の寝室と一人娘Hちゃん、お手伝いの若い女性の部屋があり、3階がゲストルームになっている。<br /> リビングに通され、そこで荷物を解き、Sさんには、徳島の池田町商工会議所主催の四国酒祭りで買ってきた三芳菊の『大地の夢』という高校生の造った日本酒を持って行った。ホーチミンで日本酒を、特に、旨い日本酒を飲むことはおそらく不可能であろうと思ってのことだったが、まさにその通りで、Sさんは大いに喜んでくれた。MさんとHちゃんのお土産は同行のKさんが持って来ていた。Hちゃんは夜中にもかかわらず起きてきてごあいさつ。およそ2年ぶりの再会だけれど、今年小学校入学ということで、顔つきもしっかりして逞しささえ感じたのだ。<br /> Mさんが軽食を用意してくれていた。小ぶりのフランスパンに野菜とハム、唐辛子を挟んだサンドイッチで、ベトナムの朝食でよく見かけるものだ。フランスパンのやや固い歯ごたえ、ハムの旨味、香草に酸っぱい漬物というか野菜の酢漬けのようなもの、そして唐辛子。外はパリパリ、中はしっとりとしたフランスパンは噛んでいるうちに甘みが出てくる。唐辛子にあたると甘さの中から辛さが出てくる。それも、かなり辛くて口が痛いくらいだ。333というベトナムのビールを飲むのだけれど、辛さはビールではおさまらない。でも、痛いのを我慢して食べているうちに、香草の香りや酸っぱさや、ハムの旨味、パンの甘さ、唐辛子の辛さが混然一体となって、口中に幸福感が広がっていき、食べるのをやめられないから実に不思議である。<br /> 長旅の空腹感から解放され、シャワーをお借りして、エアコンの効いた部屋で眠ることができた。残念だったのは、Kさんと同室だったこと。僕も鼾をかくのだけれど、Kさんのそれは、常人の域を超えていると言われており、Kさんの鼾が始まると眠ることは不可能で逆に「絞殺したくなる」ほどの殺人的な鼾らしい。僕は、「身体が眠ることを欲していれば眠れるのさ。Kさんの鼾くらいで眠れなくなるということは、睡眠が足りている証拠だよ。」と人には言ってきた。しかし・・・。<br /> ベッドに入って時計を見ると現地時間で2時30分、日本時間では4時30分を指していた。朝6時には起床したから、飛行機の中で居眠りをしたとはいえ、22時間ぶりにベッドに入ったことになる。疲れているのだけれど、気持ちが高ぶっているせいかなかなか寝付けない。Kさんにはそんなことは関係ないらしく、すぐに夢の世界に入って行った。そのあたりがKさんの逞しさの由来なのだと実感したのだが、徐々に鼾が大きくなっていき、確かにKさんの同僚の言うとおり、殺人的な鼾の中で、寝返りばかり打っていたが、それでも明け方近くKさんの鼾がなんとなく少しトーンダウンしたころ、1時間ほど眠ることができた。<br /> 5時30分起床。6時過ぎにはSさんから「起きていますか。近くでフォーを食べてシンツーリストに行きましょう。」と声がかかる。そそくさと身支度を整え、余分な荷物はSさんの所に預け、30Lのリュックサックに荷物を詰め込んで、Mさんの運転で早朝からやっているフォーの店に。香草と唐辛子を少々のっけて夜食を入れると2回目のホーチミンの食事を楽しむ。<br /> フォーはベトナムを代表する米粉を使った平打ちの麺料理である。名古屋のきし麺を三分の一の幅にしたくらいだと思われるが製法は日本の麺類などとは全く違って、水に浸けた米を搗いてペースト状にしたものを金属板の上に薄く流し、多少固まったところを端の方から切って麺状にしたものである。<br /> ホーチミンを中心とするベトナム南部では牛などからとった出汁が甘めなので、ニョクマムやチリソース、スライスしたニンニクを漬け込んだ酢、ライムなどで好みの味に調味する。そこに、バジル、コリアンダー、モヤシ、青唐辛子などの具材を加えていただくのだ。これらの具材は、基本的に高級店でも屋台の店でも無料で提供される。<br /> ところでフォーの正しい食べ方は、日本のうどんや蕎麦のように啜ってはいけないとされている。レンゲに麺と具をのせて食べるのが正しいとされているのだ。もちろん、僕も、Kさんもうどんのように丼を持って啜って食べたのはいうまでもないが、それを咎め立てる人がいないのもベトナムらしいところなのかもしれない。<br /> シンカフェの近くまでMさんに送ってもらっていよいよツアーの始まりである。

悠久の大河メコン&アンコール遺跡群を辿る旅③ - 友人宅に泊まる編

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2010/03/20 - 2010/03/27

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山菜迷人

山菜迷人さん

第3章 ホーチミンの友人Sさん宅に泊めてもらうのだ

 成田空港を飛び立った全日空機は、20時過ぎにはシートベルト着用サインも消え、フライトアテンダント(昔はスチュワーデスと呼んでいたけれど、性表現のない単語への言い換えがすすみ使わなくなったんですね。)が「お飲み物は何になさいますか」と回ってきたので、躊躇することなく「ビール!」と応えアサヒスーパードライをいただいた。21時過ぎには機内食が配られ、僕はシーフードのトマトソースを、Kさんは豚しゃぶとゆかり飯を選択した。最近の機内食は随分旨くなった。仕事の関係でクックチルを活用した給食センター事業について調査・研究・計画立案に昨年までの4年ほどを費やしたことがあり、その時に、某コンビニのお弁当を作っている給食センターや、病院の患者給食を作っているセンター、あるいはまた、600床規模の県立病院でクックチルを活用して調理過程の効率化に取り組んだところ、機内食を作っているセンターなど、多くの施設を見に行って、試食もさせていただき感じたことは、「旨い」の一言である。ホテルの総理長を務めた某氏が、「クックチルにあった食材の前処理を丁寧にしてやれば、クックサーブと同等の美味しい食事を作ることができるんですよ。」と説明してくれたことをよく覚えている。いずれにしても、それなりに美味しく食べられる水準になっており、Kさんはワインを追加していた。
 食事を済ませるともう22時前であり、機内の灯りが落とされ、鼾や寝息が聞こえてくる。隣のKさんも夢の中だが、鼾はかいていない。明滅する窓の外の翼の灯りを見ていたら僕もいつの間にか眠っていた。どれほど眠ったろうか、機体の揺れで目が覚めた。まだ到着までには数時間あるので、半分バンパイアになったダレン・ジャンという若者が主人公の『ダレン・ジャン』という映画を見た。映画が終わるころにKさんが目を覚まし、着陸までの間、他愛もないおしゃべりをして過ごした。

 ホーチミン空港に着いたのは現地時間で21日午前0時30分ころだった。18時20分出発予定が1時間以上遅れ、19時30分前後だったので、到着時間も予定時間を1時間余り遅れることになった。荷物を受け取り表に出ると、Sさんと奥方のMさんが待っていてくれて、タクシーを手配などMさんの采配で円滑に進み、深夜1時20分ころにはSさんのお宅に到着した。1時間以上も遅れたのに、にこやかに迎えてくれたSさん夫妻に感謝である。
 Sさんのお宅は3階建てで、1階は台所とリビング、応接コーナーがあり、2階が夫婦の寝室と一人娘Hちゃん、お手伝いの若い女性の部屋があり、3階がゲストルームになっている。
 リビングに通され、そこで荷物を解き、Sさんには、徳島の池田町商工会議所主催の四国酒祭りで買ってきた三芳菊の『大地の夢』という高校生の造った日本酒を持って行った。ホーチミンで日本酒を、特に、旨い日本酒を飲むことはおそらく不可能であろうと思ってのことだったが、まさにその通りで、Sさんは大いに喜んでくれた。MさんとHちゃんのお土産は同行のKさんが持って来ていた。Hちゃんは夜中にもかかわらず起きてきてごあいさつ。およそ2年ぶりの再会だけれど、今年小学校入学ということで、顔つきもしっかりして逞しささえ感じたのだ。
 Mさんが軽食を用意してくれていた。小ぶりのフランスパンに野菜とハム、唐辛子を挟んだサンドイッチで、ベトナムの朝食でよく見かけるものだ。フランスパンのやや固い歯ごたえ、ハムの旨味、香草に酸っぱい漬物というか野菜の酢漬けのようなもの、そして唐辛子。外はパリパリ、中はしっとりとしたフランスパンは噛んでいるうちに甘みが出てくる。唐辛子にあたると甘さの中から辛さが出てくる。それも、かなり辛くて口が痛いくらいだ。333というベトナムのビールを飲むのだけれど、辛さはビールではおさまらない。でも、痛いのを我慢して食べているうちに、香草の香りや酸っぱさや、ハムの旨味、パンの甘さ、唐辛子の辛さが混然一体となって、口中に幸福感が広がっていき、食べるのをやめられないから実に不思議である。
 長旅の空腹感から解放され、シャワーをお借りして、エアコンの効いた部屋で眠ることができた。残念だったのは、Kさんと同室だったこと。僕も鼾をかくのだけれど、Kさんのそれは、常人の域を超えていると言われており、Kさんの鼾が始まると眠ることは不可能で逆に「絞殺したくなる」ほどの殺人的な鼾らしい。僕は、「身体が眠ることを欲していれば眠れるのさ。Kさんの鼾くらいで眠れなくなるということは、睡眠が足りている証拠だよ。」と人には言ってきた。しかし・・・。
ベッドに入って時計を見ると現地時間で2時30分、日本時間では4時30分を指していた。朝6時には起床したから、飛行機の中で居眠りをしたとはいえ、22時間ぶりにベッドに入ったことになる。疲れているのだけれど、気持ちが高ぶっているせいかなかなか寝付けない。Kさんにはそんなことは関係ないらしく、すぐに夢の世界に入って行った。そのあたりがKさんの逞しさの由来なのだと実感したのだが、徐々に鼾が大きくなっていき、確かにKさんの同僚の言うとおり、殺人的な鼾の中で、寝返りばかり打っていたが、それでも明け方近くKさんの鼾がなんとなく少しトーンダウンしたころ、1時間ほど眠ることができた。
5時30分起床。6時過ぎにはSさんから「起きていますか。近くでフォーを食べてシンツーリストに行きましょう。」と声がかかる。そそくさと身支度を整え、余分な荷物はSさんの所に預け、30Lのリュックサックに荷物を詰め込んで、Mさんの運転で早朝からやっているフォーの店に。香草と唐辛子を少々のっけて夜食を入れると2回目のホーチミンの食事を楽しむ。
フォーはベトナムを代表する米粉を使った平打ちの麺料理である。名古屋のきし麺を三分の一の幅にしたくらいだと思われるが製法は日本の麺類などとは全く違って、水に浸けた米を搗いてペースト状にしたものを金属板の上に薄く流し、多少固まったところを端の方から切って麺状にしたものである。
ホーチミンを中心とするベトナム南部では牛などからとった出汁が甘めなので、ニョクマムやチリソース、スライスしたニンニクを漬け込んだ酢、ライムなどで好みの味に調味する。そこに、バジル、コリアンダー、モヤシ、青唐辛子などの具材を加えていただくのだ。これらの具材は、基本的に高級店でも屋台の店でも無料で提供される。
ところでフォーの正しい食べ方は、日本のうどんや蕎麦のように啜ってはいけないとされている。レンゲに麺と具をのせて食べるのが正しいとされているのだ。もちろん、僕も、Kさんもうどんのように丼を持って啜って食べたのはいうまでもないが、それを咎め立てる人がいないのもベトナムらしいところなのかもしれない。
シンカフェの近くまでMさんに送ってもらっていよいよツアーの始まりである。

  • 機内で飲んだアサヒビール!!

    機内で飲んだアサヒビール!!

  • 機内食

    機内食

  • 「翼よあれがホーチミンの灯だ」

    「翼よあれがホーチミンの灯だ」

  • フォー

    フォー

  • パクチーや唐辛子をトッピングして

    パクチーや唐辛子をトッピングして

  • 濃くて甘いコーヒー<br />ガチガチとかき混ぜて氷を砕くようにして飲むのです

    濃くて甘いコーヒー
    ガチガチとかき混ぜて氷を砕くようにして飲むのです

  • シンツーリスト

    シンツーリスト

  • シンツーリストまで送っていただき出発までの間少しおしゃべり。

    シンツーリストまで送っていただき出発までの間少しおしゃべり。

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