スペイン周遊の旅（12）旅の最終地はマドリッド。予定変更のあおりでプラド美術館と王宮ぐらいで時間切れになる。

1998/09/11 - 1998/09/28

バルセロナから始まった旅もマドリッドで終わりです。今回は約３週間の日程でしたがあと１週間あればもう少しゆっくり旅が出来たのかと思いました。イタリアと比べるのが適切か分かりませんが、どこかの都市をベースに周辺の町を日帰りでも充分に楽しめるイタリアと違って、スペインはひとつひとつの町が離れているので一筆書きのように移動して宿泊していくのが良いように思えました。後年ポルトガルを縦断した後にサンティアゴからマドリー～アヴィラ～セゴビア～と旅しましたがその町々に宿泊して移動した方が印象に残りました。
さて最後のマドリッドですが、３日ほどの滞在の割にはあまり観光しませんでした。まる１日はプラド美術館にいましたし、王宮と市内を歩いていただけの記憶しか残っていません。
旅の途中からスペインのオリーブオイルが体に合わなくなっていたのもあるかもしれません。イタリアでは１ヶ月以上旅しても全然問題なかったのですが、微妙に違いがあるようです。

エリア マドリード(スペイン)

• 旅行の満足度: 5.0
• 観光: 5.0
• ホテル: 4.0
• グルメ: 5.0
• ショッピング: 5.0
• 交通: 5.0

• 同行者: 一人旅
• 一人あたり費用: 25万円 - 30万円
• 交通手段: タクシー
• 航空会社: アエロフロート・ロシア航空
• 旅行の手配内容: 個別手配

マドリッドで一番時間を費やしたのはプラド美術館でした。残念だったのはカラヴァッジオの絵が展示室の改修に伴って展示されていなかったことでした。翌日に行ったゴヤのパンテオンも工事中、こちらは後年に行った時も閉鎖されていて未だにみられていません。

フラ・アンジェリコ。大航海時代に莫大な富を手に入れた頃に集められたのでしょうか？

今回の旅ではそれまで興味の持てなかったスペイン絵画に数多く触れることで好きになれました。その国の料理や飲み物はその場所で食べて飲むのが一番美味しいようにその国の美術品もそこの空気や日差しを感じながら鑑賞するのが一番なのかもしれません。

今回一番良いなと思ったのはムリーリョの絵でした。

海外の美術館はこうして写真を撮っても問題ありませんが日本は何でダメなんでしょう。

ボッシュの絵の部分です。

こういう部分って本でも紹介されないことが多いので、こうやって写真に撮っておきたいと思います。

小学生の時にＮＨＫの日曜美術館でボッシュやブリューゲルを知ったときの衝撃は凄いものがありました。こうして再会するとその時の感情が蘇ります。

ウィーンの美術史美術館でブリューゲルの「雪中の狩人」を見たときは涙が出ました。

デユーラーの「アダムとイヴ」の部分です。ヂューラーの版画は大好きなのですが、油彩も良いですね。

でもフィエンツェのどこかの教会でデューラーの同じ題材の絵を見た様な気がするのですが思い出せません。

グレコ。後年アテネのヴァージンレコードで発売されたばかりのヴァンゲリスのＣＤ、「ＥＬ　ＧＲＥＣＯ」のジャケットを見たときは驚きました。正にこの絵です。

思わず買い求めましたが最高に良いです。
数年経ってからＴＢＳの「THE 世界遺産」の番組の中で使われるようになりました。

グレコのディティールです。

グレコの本物を初めて見たのは倉敷の大原美術館でした。セガンティーニの絵と共に印象深く心に残った絵です。

ゴヤではこの一連の黒い絵のシリーズが一番好きです。展示室も一段と暗くなって尚良いです。

おどろおどろしさが最高です。

マドリーではプラド以外ほとんど写真を撮っていません。街としてはバルセロナの方が合っていたのかもしれません。写真の枚数からもそう思えます。

王宮も２カット。

ちゃんと見学したはずですが。

旅の終わりはドン・キホーテとサンチョ・パンサの像です。こちらは一人でしたがスペインを旅したという共通点を感じたのかもしれません。ラ。マンチャ地方には行けなかったし、スペインの主だった所を見て廻るにはどれだけ時間がかかるのだろうと思いました。サンチアゴの巡礼路もいつかはと思っています。