スペイン周遊の旅（3）バルセロナから郊外のヴィックとリポールとジローナのロマネスク教会を訪ねる。

1998/09/11 - 1998/09/28

バルセロナから周辺の旅は続きます。
一日は早朝の列車で朝霧の中をピレネー山脈の麓のヴィックとリポールへ。もう一日はジローナへ。岩波書店の田沼武能氏の「カタルニア・ロマネスク」と言う写真集を買ってから訪れたいと思い続けていた所です。イタリア半島を１ヶ月縦断してシチリアの南のアグリジェントで北を向いて、次の旅はイベリア半島へ進むかバルカン半島かと考えた末に選んだ西への旅でした。その推進力になったのはこのカタルニアのロマネスク教会と素朴なフレスコと周辺の風景だったのだと思います。

エリア ジローナ(スペイン)

• 旅行の満足度: 4.5
• 観光: 4.5
• グルメ: 4.5
• ショッピング: 4.5
• 交通: 4.5

• 同行者: 一人旅
• 一人あたり費用: 25万円 - 30万円
• 交通手段: 鉄道 高速・路線バス タクシー ヒッチハイク
• 航空会社: アエロフロート・ロシア航空
• 旅行の手配内容: 個別手配

バルセロナから列車で1時間半ほど北上したフランスとの国境に近くにジローナの街はあります。
オニャール川など川に囲まれた美しい街です。特にこのオニャール川沿いの風景は川面に映る色取り取りの建物が有名です。

旧市街は坂の街なので登り下りが多いのが難点ですが、半日もあれば主だった観光拠点は見られるのでバルセロナからの日帰りトリップにはもってこいです。

美術館の天地創造のタペストリーです。素朴なデザインですが素晴らしいものです。特に色使いのくすんだ赤と緑の組み合わせが素敵です。数年前に一週間かけて値段交渉した末に購入したアナトリアのジジムに色合いが似ていたせいかもしれません。

他に見学者も無く静かな時間を過ごせました。

ピレネーの向こうはフランスでしょうか？

ユダヤ人地区の遺構です。

ジローナは美しい城壁に囲まれた街です。延々と城壁の上を歩きました。

観光が終わって川沿いのレストランで遅い（スペインでは普通の時間）昼食をとりました。前のテーブルに若い家族連れ４人が食事をしていました。４歳くらいの女の子と赤ん坊を連れていました。食事をしている最中に赤ん坊がぐずり始めました。するとまだ２０代のお母さんはタンクトップをめくり上げてオッパイを出して赤ん坊に授乳しました。見るとは無く見てしまったのですが呆気にとられました。ジローナと言うとその時の事を思い出します。

バルセロナを早朝に出てリポール（リポイ）とヴィックの二つの町を廻ります。７時１５分の列車は朝霧の中を凄いスピードで走っていきます。陽が昇り始めると幻想的な雰囲気でした。サンタマリア修道院、これだけを見にリポールに来た訳です。

「石の聖書」と言われるロマネスク教会のファサードです。見事なレリーフです。保護のため温室のようなガラス張りの覆い造られています。

バロックやゴシックのかっちりした意匠も好きですが、素朴なロマネスクの彫刻やフレスコ画にも惹かれます。

バルセロナのカタルーニャ美術館の聖堂のフレスコは心に残りました。

この部分は暦を現しています。これは７月。

教会の中庭の列柱のレリーフはいつまで眺めていても飽きません。

ユーモラスなレリーフも多いです。思わず笑ってしまいます。

ガウディの弟子であったジョアン・ルビオーの建築です。バルセロナの周辺の街でもモデルニスモ建築を目にすることは多いです。午後はもう一つの街ヴィックに向かいます。

お昼までは広場を埋め尽くす程の市場でした。お昼を食べて戻ってみると全て無くなっていました。まるでイリュージョンのようでした。

リポールとヴィックを一日で廻るのは少々もったいないように思いました。出来ればどちらかで１泊しても良かったのではと思いました。