オーロラを求めて　沿岸急行船の旅（６）～乗船４日目　北極圏通過の儀式＋ボードーに寄港

2008/12/23 - 2008/12/23

クルーズ４日目、ついに北極圏に到達！
船から見る沿岸の町や雪景色、海や空の色が美しい～～～。


《旅程》
□12/19　フランクフルト ～（オスロ経由）～ ベルゲン　〔ベルゲン泊〕
□12/20　ベルゲン散策 ～（夜）沿岸急行船に乗船 ～（22:30）ベルゲン出航 ～〔船中泊〕
□12/21　～オーレスン（市内観光のエクスカーション）～〔船中泊〕
□12/22　～ トロンハイム（市内観光のエクスカーション）～〔船中泊〕
■12/23　～ ボードー（市内散策）～〔船中泊〕
□12/24　～ トロムソ（市内散策）　〔船中泊（トロムソ停泊）〕
□12/25　トロムソにて犬ぞりのエクスカーション ～〔船中泊〕
□12/26　～ ホニングスヴォーグ（ノールカップ観光のエクスカーション）～〔船中泊〕
□12/27　～（10:00）ヒルケネス到着　〔ヒルケネス泊〕
□12/28　ヒルケネス ～（オスロ経由）～ フランクフルト

エリア ボードー(ノルウェー)

• 同行者: カップル・夫婦
• 交通手段: 船

この日の早朝、ついに北極圏に到達〜！

←北極圏に入って最初の寄港地オルネス（Ornes）の街並み。

家々からもれる灯りと雪景色がいい感じです。気温はマイナス３〜４度くらいで、そんなに寒くはありません。

赤い家がかわいい♪

屋根もまっ白です。

オルネスを出航し、次の寄港地ボードーへ向かいます。

北へ行くにつれ、雪景色もだんだんワイルドになってきました。

空がほんのり明るくなってきましたが、太陽は見えません。ついに太陽の昇らないところまでやってきました。でもけっこう明るいです。

桜色の空が綺麗だ〜♪　海まで淡く色づいていて、水彩画を見ているみたい。

この日の午前中、船の屋上でイベントがありました。その名も《北極圏通過の儀式》。

儀式の時間になり、ぞろぞろと乗客たちが集まってきました。

中央の三叉を持ったお方が儀式を司るようです。

その風貌からして、トロルの王か？？

その儀式というのが荒っぽいことこの上なし！　なんと氷水を背中に流して北極圏通過を祝うというのです（ひぇ〜っ！）。

船のスタッフが儀式への参加代表者をランダムに選び、キャビン・ナンバーを読み上げます。心なしか乗客たちが後ずさりしたような気が……(^^;)

該当キャビンの乗客がためらいがちに前へ出ると――

みんなが一斉に前へ寄って、代表者を取り囲みました（笑）。

ぎゃ〜、ほんとに氷が入ってる・・・。

氷水を流された本人も見ていた人たちも、みんな「わーわー、きゃーきゃー」と大騒ぎ。氷水の洗礼に志願するノリのいい人たちも現われ、船上はお祭り騒ぎになりました。夫とわたしはというと、見るのはおもしろいけど志願する勇気はさすがになし(^^;)。

洗礼を受けた人たちには祝杯がふるまわれました。

儀式の最後には船のスタッフが選ばれて――

この通り。これはもう儀式というより拷問だ……(^^;)。

儀式が終わって上を見上げると、空の色は夜明け前の薄い桜色からそのまま夕暮れの茜色へと変わっていました。

太陽が昇らない場所は一日中暗いのかと思っていたけれど、そんなことはありませんでした。とても神秘的で美しい空。

キャビンにもどってひと休み。

でも、景色が気になって、また服を着込んでバルコニーへ出ました。

絵筆で刷いたような空。

一隻の船がそばを通り過ぎ、

だんだん遠ざかっていきました。

ランチを食べている間にボードーに到着しました。

ボードーではエクスカーションはなく、町の散策は個人でします。ここでの停泊時間は２時間半。それでランチを手早くすませ、しっかり防寒をして（ポケットにカイロも入れて）船を降りました。

雪がたくさん積もってます〜。10cm以上あったかも。写真を見るとすごく寒そうですが、気温はマイナス６〜７度くらいだったので、凍えるような寒さではありません。

ターミナルから町の中心地までは歩いて10分ちょっと。ふかふかの雪の中を歩くのは楽しかったけれど、足が疲れた……。

このとき午後１時半。時計を見ないと、昼なのか夜なのかわからなくなってきた(^^;)。

ボードーの町は第２次世界大戦のときにドイツ軍に徹底的に破壊されたそうで、現在ある建物はどれも近代的で、街並みも整然とした感じです。

ショッピング･モールがあったので、中に入ってみました。

クリスマス前の最後の買い物をする人たちでしょうか、人通りは多いです。

雑貨屋さんの看板。

「God Jul」はノルウェー語やスウェーデン語で「メリークリスマス」の意味みたいです。

雑貨屋さんのディスプレイ。

このおばあちゃん、かわいい〜。これも売り物みたいです。

ちょっと厚着しすぎたみたいで（というか、すでにわたしはフル装備。おまけにカイロも入れてたし）、町を歩いているうちに汗ばんできた……。この先もっと寒くなっていくんだろうし、今からこんなに着込んでちゃダメだよな。

これはボディ･ビルディングのジムの看板かな？
力こぶがかわいい♪

町の中をぶらぶら歩いたあと、港のほうへも行ってみました。

北欧らしい赤い木造家屋が建ち並んでいます。

赤い家に白い雪がよく似合ってる♪

沿岸急行船の会社?Hurtigruten?のマークのついた船が停泊しています。大型のクルーズ船だけでなく、こういう船もあるのか。

そろそろ船へもどります。

ここで船全体の写真を撮影。

なかなかカッコイイ。

写真を撮ってる人たちが、あっちにもこっちにも。
考えることはみんな同じ（笑）。

ボードーから乗り込んでくる車もけっこうありました。

←リフトで船底へ降りていく車。

６階の避難デッキに行ってなかったので、ちょっと寄ってみました。

キャビンにもどり、バルコニーに出てみると――

外は〈青の世界〉――空も山も海も、みんな青。青いガラスを通して見ているみたい。こんな風景、見たことない……。とても美しい青の世界。。。

青い色は瞬く間に濃さを増し、５分後には濃紺になりました。

明日のクリスマス･イブを前に、船内のツリーにデコレーションをする催しがありました。子どもたちが飾りつけのお手伝いをしています。

子どもたちは真剣そのもの(^.^)

乗客たちには香辛料入りホットワイン〈グロッグ〉やジンジャークッキーがふるまわれました。このふたつは、ノルウェーのクリスマスには欠かせないものだそう。ドイツではグリューワインとシュトレンというみたいに、それぞれの国にクリスマスの定番ってあるんですね。

グロッグの味はというと……うーん、甘すぎ(^^;)。グリューワインのほうが好みだな。

グロッグの入っている魔法瓶をよく見ると――日本製でした〜（日本語の大きなステッカーが貼ってあった）。

これがグロッグ。

こんな風に紙コップに入っているとコーヒーみたいに見えます。

このあとバンドの生演奏があり、ダンスフロアーは踊る人たちでいっぱいになっていました。欧米人って踊るのが好きですね(^^)。

キャビンにもどると、〈北極圏到達証明書〉なるものが届いていました！

乗客名と船名と日付けが入っています。これはいい記念。

沿岸急行船オリジナルのニット帽のプレゼントも付いていました。

"Hunting the light" と文字が入っています。これは「オーロラを求めて」ってことかしらん？

この日の夜、待ちに待った「オーロラ出現」の船内放送が！

なのに、なんと間の悪いことに、わたしは入浴中。すでにお風呂をすませていた夫が大急ぎで防寒服を着て、先に屋上デッキへ向かいました。わたしもお風呂を飛び出して服を着替え、あとを追いました。

ああ、なのに、屋上から人がぞろぞろ降りてきます。
「えっ？　もうオーロラ、終わっちゃったの？？」

デッキに駆け上がると、浮かない顔をした夫がいました。どうやら夫も間に合わなかったらしい。それでも一応、空の写真は撮ったとのこと。

近くで撮影していた人がデジカメのビュアーを見ていたので、ちらっとのぞくと、綺麗なオーロラが写ってる！　あぁ、なんてバカなんだろ、わたしたち。北極圏に入ったからには、夜はお風呂になんて入っている場合じゃなかった……。

さて、夫が撮った写真ですが、あとでパソコンで見てみたら、何やら写ってる……もしかしてオーロラ？　それで画像編集ソフトでレベル補正をしてみたら――

オーロラ、写ってた〜〜！！　

これ、肉眼で見たかった〜〜。


〔撮影メモ〕
ISO：400
シャッタースピード：40秒
絞り：3.5
※三脚使用


船が動いているので、大きなオーロラが出現しても綺麗な写真を撮るのはなかなか難しいかもしれない。なので、明日丸一日停泊するトロムソが撮影の一番のチャンスかも。
どうか晴れてくれ〜。

この旅行記へのコメント （12）

• エムさん 2009/12/01 13:36:40

  オーロラを求めて　沿岸急行船の旅

  ショコラさん、はじめまして！
  
  ナルシス満開のアラン谷を経由して沿岸急行船の旅にお邪魔しました。
  満開のナルシスの咲く風景が素晴らしですね。
  
  素敵なお写真の連続なのでプロフを覘くと、オーロラの文字発見！！
  
  沿岸急行船の旅・・・素敵ですね。
  船で行く北極圏・・・憧れます。
  
  これから外出ですので、またゆっくりお邪魔させて下さい。
  
  先ずは一票投じて失礼しま〜す。
  
  エム
  
  
  

  ショコラさん からの返信 2009/12/01 15:26:14

  RE: オーロラを求めて　沿岸急行船の旅

  エムさん、初めまして。
  
  コメントありがとうございます！　投票までしてくださって感謝です。
  ナルシスの旅行記からこちらまで来てくださったのですね（うれしいな〜）。
  
  船好きとはいえ、「船で行く北極圏」は寒がりのわたしには清水の舞台から飛び降りるほどの勇気がいりましたが、今は行ってほんとによかったと思ってます。冬の北極圏はとても幻想的で、今まで見たことがない世界でした。しかもそれが暖かい船のキャビンから見られたので、わたしにとってまさにこれ以上ないシチュエーションでありました（笑）。
  
  ショコラ

• hirootaniさん 2009/02/20 00:51:10

  オーロラ惜しかったですね！

  ショコラさん、こんにちは。
  
  長文の旅行記お疲れ様でした。
  オーロラのストーリーをやっと理解しました。
  
  本当にほんの一瞬を見逃して後悔するものですね。私も、一番オーロラが輝いていたところを見逃したので、その気持ちがよくわかります。
  
  でも、カメラに写っていたのはよかったですね。さすがＤ８０とご主人の腕前ですね。
  
  
  hirootani

  ショコラさん からの返信 2009/02/20 02:05:04

  RE: オーロラ惜しかったですね！

  hirootaniさん、こんにちは。
  
  日本の生活リズムにはもう慣れられましたか？
  
  長い旅行記におつきあいくださってありがとうございました〜。
  
  オーロラに出遭うのも、一番美しいときに居合わせるのも、なかなか難しいものだとつくづく思いました。北極圏に数日いれば、オーロラは見られるものだと思っていましたが、自然相手だとなかなか思うようにはいきませんね（は〜ぁ）。まあ、今回はクルーズやアクティビティなどの付加価値があったので、旅そのものはおもしろくて満足しました。オーロラはいつかリベンジするぞぉ〜！
  
  > でも、カメラに写っていたのはよかったですね。さすがＤ８０とご主人の腕前ですね。
  
  ほんと、写っていたのはせめてものなぐさめです(^^;)。
  
  ショコラ

  hirootaniさん からの返信 2009/02/20 23:22:26

  RE: RE: オーロラ惜しかったですね！

  ショコラさん
  
  
  日本の生活のリズムにはなかなか慣れることができずに困っています。
  会社では、息もつけないほど会議の連続。
  
  家では、自分の居場所をみつけないといけません。（いなかったうちに、随分自分のスペースがなくなったような気がしています）
  
  なんだか判らない内に２ヶ月が過ぎようとしています。
  
  日本を再発見するための旅行にいきたいのですが、なかなか出かける機会をみつけられずにいます。
  
  それでもやっと、夜家に帰ってから４Travelに寄稿できるような余裕ができてきました。今週は、昨年来のやり残した、夏にでかけた英国湖水地方の記事を完結させ、現在は次のアイルランドの記事に取り組んでいます。
  
  この分でいけば、今年中には整理し残したヨーロッパの記事を完成させられそうです。
  
  その合間に、時々日本の旅行記が書ければと思っています。
  
  また、時々お付き合いください。
  
  
  hirootani
  
  
  

  ショコラさん からの返信 2009/02/21 00:22:37

  RE: RE: RE: オーロラ惜しかったですね！

  hirootaniさん、こんにちは。
  
  日本の生活リズムに慣れるには、やはり時間がかかるんですね。夫も日本に帰任したら社会復帰できるだろうかと心配しています。今は朝８時に家を出て、午後７時には帰ってくる生活で、有休も使い切るのが前提という環境なので……。
  
  hirootaniさんの旅行記へもまたお邪魔させていただきますね〜。
  
  ショコラ

• jiuさん 2009/02/11 11:53:25

  北極圏通過の儀式

  またまた、お邪魔します。
  
  真冬にこの北極圏通過の儀式は、まさに「冷え〜っ！」ですね。「拷問」の写真には床に散ちらばった大量の氷が〜〜。
  
  沿岸急行船には乗りたいけど、この儀式の餌食にはなりたくないです。くじ運が悪いので、冬は避けて夏にしようかな〜という考えがちらっと頭をよぎりましたが、夏は夏で別バージョンの怖ろしい儀式が行われているかもしれないし、、、。
  
  船長のサイン入りの北極圏到達証明書をもらえるなんて良いですね。うらやましい。そういえば、船名のMidnatsolは英語では"midnight sun"でしょうか？
  
  jiu

  ショコラさん からの返信 2009/02/12 00:02:16

  RE: 北極圏通過の儀式

  jiuさん、こんにちは。
  
  コメントをありがとうございます。
  
  >まさに「冷え〜っ！」ですね。
  
  ↑に、思わずウケてしまいました（笑）
  ほんと、この儀式にはたまげました。夏ならまだわかるけど、真冬にやるか〜って思いましたよ。にもかかわらず、志願者が何人もいてさらにびっくりでした。
  
  
  > 船名のMidnatsolは英語では"midnight sun"でしょうか？
  
  ご推察の通りです。夏にこの船に乗って、真夜中の太陽が見られたら素敵でしょうね〜。
  
  ショコラ
  

• maki5963さん 2009/02/08 17:53:26

  空も海も美しい！

  ショコラさん、こんにちわ。
  
  たくさんの素晴らしい写真や興味深い船内の様子を見せていただきありがとうございます♪
  せっかくのオーロラを見逃してしまって本当に残念でしたね。でも緑の空が美しい！空がこんな緑に見えるなんてとっても不思議な感じでしょうね。自然現象は瞬間的な出会いもので会えればそれは幸運な巡り合わせ、私もぜひ一度は経験したいと願っています。
  
  しっとりとしたブルーの風景写真がとても素敵です。こんな景色を毎日見られるなんてなんて素晴らしい贅沢！
  それにしても北極圏なのに案外気温が高くて、雪も少ないのにびっくりです。これなら上陸しても十分楽しめそうですね。
  
  maki
  
  

  ショコラさん からの返信 2009/02/08 20:20:38

  RE: 空も海も美しい！

  makiさん、こんにちは。
  
  いつも見てくださってありがとうございます〜。投票もしていただいて感謝です。
  
  ほんと自然現象が相手だと、なかなか思うようにはいかないものですね。オーロラは出現すると、だいたい10〜30分くらい継続するらしいのですが、この日は10分もなかったかも。観測するにはつねに待機しておかなくちゃダメだと思いました。
  
  船から見た冬の風景はすごく綺麗で、これまで見たことがないような幻想的な世界でした。気温も意外に高くて驚きでした。ボードーのあとのトロムソでは、１日目こそマイナス気温でしたが、２日目は４度になり、ターミナルや街中の雪がいっきに溶けてしまいました。旅行を終えてドイツに帰ってきたら、大寒波でドイツのほうが寒かったです(^^;)。
  
  ショコラ

• クレージーイワンさん 2009/02/06 23:53:15

  こんばんは

  こんばんはショコラさん
  おやこの写真Nikonですか？
  デジイチデビュー？
  それとも旦那さんのカメラ？
  
  オーロラ撮るって夢ですよね〜いいなあ
  嫁さん寒がりだからむりだろうなあ
  

  ショコラさん からの返信 2009/02/07 04:57:53

  RE: こんばんは

  クレージーイワンさん、こんにちは！
  
  書き込みありがとうございます。
  
  デジイチデビューと言いたいところですが、ご推察の通り、ニコンのデジイチはダンナのなんです〜。わたしのはニコンのコンデジ。最近、わたしもデジイチがほしくなってきて、買おうかどうしようかと悩んでいるところです。
  
  オーロラってロマンがありますよね〜。ノルウェー沿岸はオーロラ観測場所の中では寒さがそれほど厳しくないので、奥さまを説得できるかも？　寒がりのわたしでも行ったくらいですから。クレージーイワンさんだったら、きっと素晴らしい写真を撮られることでしょう。
  
  ショコラ