済州島 チェジュ旅行記(ブログ) 一覧に戻る
<1997年4月28日><br /><br /><済州島沖到着><br /> 5時頃に目が覚めたら、まだ外は真っ暗でした。それでも、目を凝らして見ますと、フェリーはエンジンを止めて、済州市の港外に停泊していました。港は未だ開いていないようです。早めに到着して、時間調整しているようでした。<br /> 1時間ほど、またベッドでまどろんだ後、着替えてデッキに出ました。昨夜降ったと思われる雨も上がって、素晴らしい晴天に変わっていました。日の出の瞬間は見ることは出来なかったものの、水平線ぎりぎりにたなびいた細い雲が幾層かありました。その間に太陽が見え隠れしていました。<br /> まだ、昇り始めたばかりであり、十分に日の出の神々しさを味わうことが出来ました。早くも海鳥が飛び始めていました。若い頃、槍ヶ岳や穂高連峰登山で見たご来光に感激しましたが、海で見る日の出も、言い難い厳かさがあります。<br /> <br /><上陸><br /> 上陸できたのは、予定より30分程早い6時半頃でした。済州島では2泊して、島巡りをする予定です。例によって、最初に始めるのは、手荷物の預かり場所を探し出すことです。<br /> ところが、待合室で金春子さんという旅館のご年配の女将が、泊まり客を探していました。日本人が主な客なのでしょう。あまり流暢ではなかったですが、十分に理解できる日本語で、熱心に宿泊を勧められました。<br /> 年の頃は60代の半ばと言ったところのようです。この後、この小文では金春子さんのことを『春子おばさん』と呼ばせて戴きます。その理由は、金春子さんが<br /><br /> 「私の宿のことが『春子おばさんの宿』として紹介されています。日本で有名です」<br /><br /> と言って、その日本の旅行雑誌のページを開いて、見せてくれました。春子さんの日本名は本名ではなく、日本統治時代のお名前でしょうが、今は日本人向けの宿のPRにお役に立っているようです。このお名前もそのまま記させて戴きました。<br /> <br /><春子おばさんの宿><br /> 2人2泊で3万ウォン(日本円で約4千5百円)という安い値段につられました。1人1泊あたりに換算すれば、千円少しです。歩いても行ける距離の春子おばさんの旅館に車で送って貰いました。<br /> 運転手さんは、どうやら春子おばさんの娘さんです。実の娘さんと言うより、嫁と舅との関係なのかも知れません。娘さんと言っても、年は大分とられていました。誠に控え目な方でした。<br /> 先客の部屋が空くまで、入り口横の春子おばさんの部屋に荷物を預かって貰いました。春子おばさんが言うには、<br /> <br /> 「タクシーは高いので、私が連絡をとってあげるから、バスでの観光旅行をしなさい」<br /><br /> とのことでした。その勧めに従って、2人2日間で8千6百ウォンを支払って、仲介を頼みました。タクシーを借り切って2日間の観光旅行をすれば、多分10万ウォンは必要ですから、10分の1くらいの値段でしょう。おまけに昼食も付くといいます。<br /> 観光バスへのアクセスは、彼女の旅館の南向にある個人旅行会社の人がやってくれました。春子おばさんのいとこさんのようでした。<br /> その運転手さんが、観光バスの経路で待ち構えて、バスガイドさんと交渉し、引き合わせてくれました。サービスはこれだけであり、その日どこで降ろされるか、どこを観光するかも全く分かりませんでした。値段どおりの親切さというか、韓国の人の得意とする『ケンチャナヨ』の世界です。<br /> <br /><バスガイドさん><br /> バスガイドさんはなかなかの美人でした。しかし、日本語は全く理解できませんでした。地元である済州島出身の方のようです。その観光バスは、済州島に観光に来た韓国の人達ばかりが乗り合わせていました。韓国本土からやってきた方達でした。<br /> 美人のガイドさんの話し振りは、観光案内というより、一種の演説にも聞こえました。とにかく早口ですが、流暢でもありました。私はハングルが理解出来ませんから、余計早口に聞こえました。<br /> ただし、日本語と違い、母音が豊富なので、リズムで聞いていても、結構楽しめます。ゆっくりと、丁寧に話す日本のバスガイドさんと対照的で、型にとらわれないと思える、自由な表現が印象的でした。<br /> それでも、ガイドさんはお客を完全に掌握していました。ひと通り説明が終わりますと、一斉に『アラスカ!』という合唱が沸き上がり、『演説』の一区切りになりました。<br /> 「分かりました!」か「納得!」といったようなニュアンスの、済州島の方言なのでしょうか。もう一つの単語『ビバリ』と聞こえた単語も、繰り返し出てきました。後で調べましたら、海女さんを指すチェジュの方言でした。<br /> その言葉の意味が分からないながらも、皆さんと一緒に拍手をしたり歓声を上げました。ガイドさんは、私の方を向いて<br /><br /> 「今の話の意味は分からないでしょう?」<br /><br /> と言ったように感じました。しかし、こちらはその言葉の意味もほとんど分からないので、トント平気でした。<br /> <br /><西回り観光><br /> この観光バス、最初の日は済州島の西側半分を遊覧することが次第に分かってきました。各地の観光名所では、小1時間ほど休憩をとったり、別料金を払っての遊覧船で小島巡りもする事が出来ました。<br /> ここで、済州島のことを観光ガイドブックなどを引用しながら少し紹介しておきます。<br /> 島の形は、台湾を小型にして横にしたようなイモの形をしています。今は火山活動をしていませんが、その起源には噴火活動が関わったことが明らかです。噴火活動の名残である大規模な洞窟を見学したことで、その根拠を実見できました。<br /> その島の中央に聳え立つのが標高1950mの韓拏山(ハルナサン)です。残念ながら環境破壊が進んだことから、2001年からは全面登山禁止措置がとられています。<br /> 釜山からフェリーで到着した済州市は、島の北側の中央に位置しています。日本からの定期便も飛んでいる済州国際空港もすぐ近くにあります。済州市の反対側である南部の中央にある都市が西帰浦(ソッキボ)市です。この間はまっすぐ幹線道路が通っています。西回り観光はこの幹線道路の西側一帯の名所、旧跡を巡りました。<br /> <br /><瀛州(ヨンジュ)12景><br /> ヨンジュとは済州島の旧名です。『瀛』は『海』を意味する文字のようです。その12景を紹介しておきます。多くの景勝地が、かつての火山活動が作り出した造作のようです。<br /><br />?城山日出:城山日出峰から望む日出。<br />?沙峰落勝:済州市東部沙羅峰から眺める落陽。<br />?瀛丘春花:竜潭洞に注ぐ川の上流に咲く春躑躅の群生。<br />?橘林秋色:済州城から眺めた晩秋の蜜柑畑。<br />?正房夏瀑:海上から眺めた夏の正房瀑布。<br />?鹿瀑晩雪:晩春の白鹿潭に残る雪景色。<br />?山浦釣魚:山地浦(済州港)楽しむ釣り。<br />?古薮牧場:韓拏山を背景にして放牧された馬の姿。<br />?霊室奇岩:韓拏山頂上、南西側に奇岩絶壁。<br />?山房窟寺:山房山の山房窟寺。<br />?竜淵夜帆:竜潭洞の竜淵の月夜に船を浮かべて楽しむ酒と詩作。<br />?西鎮路城:かつての西帰浦の城から眺めた会場の奇岩と島々。 <br /><br /> 今回の旅行でいくつか眺めることが出来ましたが、厳密に季節や場所を限定した場合は、少し外れているかも知れません。ただし、付録に収めた絵葉書集では、この12景を意識したアングルがいくつか窺えました。<br /> <br /><正房瀑布(チョンバンポッポ)><br /> 正房瀑布(チョンバンポッポ)は、済州島で一番有名な滝だと言われています。崖からまっ逆様に海へ落ちる様は、迫力満点で圧巻でした。<br /> 大小2つの滝があり、崖の高さは23mあると言います。その滝は西帰浦(ソッキボ)の市内に程近く、市の中心部からは東南の方角に当たります。<br /> ところで、西帰浦の地名は、秦の始皇帝時代、善男善女500人を率い不老長寿の薬を求めてこの地にやって来た徐市伝説に因むとされています。この滝の脇に『徐市過此(徐市が過ぎて行った)』と刻み、西の方に帰って行ったのが由来とされます。<br /> 12景の4文字熟語風の表現や、『釣魚』や『夜帆』といい、中国文化の影響が残っているのでしょう? あるいは、近年になって、観光目的につけられた表現なのでしょうか?<br /> 日本の各地にも『徐福伝説』が残っています。この『徐福』と『徐市』が同じ人なのか、別人なのかは調べていません。徐福伝説が秦の始皇帝の命を受けて不老長寿の薬を探し求めたとされることから、同一人物なのでしょう。済州島までやってきたのなら、ついでに日本の各地を訪れたのも当然のことかも知れません。徐福伝説に関する資料を調べれば、すぐに分かることかも知れません。<br /> <br /><天地淵瀑布(チョンジョンポッポ)><br /> 西帰浦市内から程近い位置にもう一つの滝があります。その名を天地淵瀑布(チョンジョンポッポ)と言います。こちらの滝は市中心部から更に近く、やや西側の南に位置しています。<br /> 日本でもよく見られる自然の中、緑の中の滝と言った雰囲気です。広い駐車場が整備されていて、観光シーズンには大勢の見学客で賑わっているようです。周りには飲食店や土産物店が軒を連ねていました。<br /> <br /><済州島での晩酌><br /> 1日目の観光が終わったのが、午後の8時近くでした。観光バスは、出発時にホテルを回ってお客を乗せてきたようでした。帰りも順番にホテルを巡ってくれました。<br /> 春子おばさんの宿近くに着いたのは、9時近くでした。韓国本土から見えた皆さんは、すべて豪華ホテルでしったが、我々2人だけは民宿(ミンパク)でした。<br /> 夜は、宿近くの鮮魚店で平目とイカとホヤの刺し身を作って貰いました。屋外のテーブル席を頼んで酒を飲みました。酒とは、焼酎のことであり、真露(チンロ)のことです。ホヤに焼酎はよく合います。残念なことに、Muさんはホヤを食さないと言う。とにかく、春子おばさんの宿は、海岸に近いので都合がよかった。<br />  <br /><br />  済州市の港外で<br /> 沖合に暫しまどろむ春の朝<br /><br /> 春雨の上りて海鳥五羽三羽<br /><br /> 半月は空に残りし春日出<br /><br /> 春陽の薄く紅差す細雲<br /><br /> 春の夜を沖に過せる漁船<br /><br /> 春霞遠景消て陸一重<br /><br /> 打水をデッキに残す春の雨<br /><br /> 春の海航跡暫し留めたり<br /><br />  済州島の島巡り観光で<br /> トルハルバン春陽を受て店の先<br /><br /> 済州島の奇岩の入し春の海<br /><br /> 溶岩が囲む花壇や金盞花<br /><br /> 春の海光琳波頭繰返し<br /><br /> 浜風に菜花そよぐ岡の上<br /><br /> ハングルのカラオケ続く春の午後<br /><br /> 春の海白き波頭の僅か立ち<br /><br /> 新緑の蔭濃し瀧は海に落ち<br /><br /> 落日に新緑やがて深緑

1997春、韓国紀行2(3):4月28日:済州島到着、春子おばさんの宿、西回り観光

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1997/04/27 - 1997/05/02

656位(同エリア1290件中)

旅行記グループ 1996春、韓国旅行記2

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旅人のくまさん

旅人のくまさんさん

<1997年4月28日>

<済州島沖到着>
 5時頃に目が覚めたら、まだ外は真っ暗でした。それでも、目を凝らして見ますと、フェリーはエンジンを止めて、済州市の港外に停泊していました。港は未だ開いていないようです。早めに到着して、時間調整しているようでした。
 1時間ほど、またベッドでまどろんだ後、着替えてデッキに出ました。昨夜降ったと思われる雨も上がって、素晴らしい晴天に変わっていました。日の出の瞬間は見ることは出来なかったものの、水平線ぎりぎりにたなびいた細い雲が幾層かありました。その間に太陽が見え隠れしていました。
 まだ、昇り始めたばかりであり、十分に日の出の神々しさを味わうことが出来ました。早くも海鳥が飛び始めていました。若い頃、槍ヶ岳や穂高連峰登山で見たご来光に感激しましたが、海で見る日の出も、言い難い厳かさがあります。

<上陸>
 上陸できたのは、予定より30分程早い6時半頃でした。済州島では2泊して、島巡りをする予定です。例によって、最初に始めるのは、手荷物の預かり場所を探し出すことです。
 ところが、待合室で金春子さんという旅館のご年配の女将が、泊まり客を探していました。日本人が主な客なのでしょう。あまり流暢ではなかったですが、十分に理解できる日本語で、熱心に宿泊を勧められました。
 年の頃は60代の半ばと言ったところのようです。この後、この小文では金春子さんのことを『春子おばさん』と呼ばせて戴きます。その理由は、金春子さんが

 「私の宿のことが『春子おばさんの宿』として紹介されています。日本で有名です」

 と言って、その日本の旅行雑誌のページを開いて、見せてくれました。春子さんの日本名は本名ではなく、日本統治時代のお名前でしょうが、今は日本人向けの宿のPRにお役に立っているようです。このお名前もそのまま記させて戴きました。

<春子おばさんの宿>
 2人2泊で3万ウォン(日本円で約4千5百円)という安い値段につられました。1人1泊あたりに換算すれば、千円少しです。歩いても行ける距離の春子おばさんの旅館に車で送って貰いました。
 運転手さんは、どうやら春子おばさんの娘さんです。実の娘さんと言うより、嫁と舅との関係なのかも知れません。娘さんと言っても、年は大分とられていました。誠に控え目な方でした。
 先客の部屋が空くまで、入り口横の春子おばさんの部屋に荷物を預かって貰いました。春子おばさんが言うには、
 
 「タクシーは高いので、私が連絡をとってあげるから、バスでの観光旅行をしなさい」

 とのことでした。その勧めに従って、2人2日間で8千6百ウォンを支払って、仲介を頼みました。タクシーを借り切って2日間の観光旅行をすれば、多分10万ウォンは必要ですから、10分の1くらいの値段でしょう。おまけに昼食も付くといいます。
 観光バスへのアクセスは、彼女の旅館の南向にある個人旅行会社の人がやってくれました。春子おばさんのいとこさんのようでした。
 その運転手さんが、観光バスの経路で待ち構えて、バスガイドさんと交渉し、引き合わせてくれました。サービスはこれだけであり、その日どこで降ろされるか、どこを観光するかも全く分かりませんでした。値段どおりの親切さというか、韓国の人の得意とする『ケンチャナヨ』の世界です。

<バスガイドさん>
 バスガイドさんはなかなかの美人でした。しかし、日本語は全く理解できませんでした。地元である済州島出身の方のようです。その観光バスは、済州島に観光に来た韓国の人達ばかりが乗り合わせていました。韓国本土からやってきた方達でした。
 美人のガイドさんの話し振りは、観光案内というより、一種の演説にも聞こえました。とにかく早口ですが、流暢でもありました。私はハングルが理解出来ませんから、余計早口に聞こえました。
 ただし、日本語と違い、母音が豊富なので、リズムで聞いていても、結構楽しめます。ゆっくりと、丁寧に話す日本のバスガイドさんと対照的で、型にとらわれないと思える、自由な表現が印象的でした。
 それでも、ガイドさんはお客を完全に掌握していました。ひと通り説明が終わりますと、一斉に『アラスカ!』という合唱が沸き上がり、『演説』の一区切りになりました。
 「分かりました!」か「納得!」といったようなニュアンスの、済州島の方言なのでしょうか。もう一つの単語『ビバリ』と聞こえた単語も、繰り返し出てきました。後で調べましたら、海女さんを指すチェジュの方言でした。
 その言葉の意味が分からないながらも、皆さんと一緒に拍手をしたり歓声を上げました。ガイドさんは、私の方を向いて

 「今の話の意味は分からないでしょう?」

 と言ったように感じました。しかし、こちらはその言葉の意味もほとんど分からないので、トント平気でした。

<西回り観光>
 この観光バス、最初の日は済州島の西側半分を遊覧することが次第に分かってきました。各地の観光名所では、小1時間ほど休憩をとったり、別料金を払っての遊覧船で小島巡りもする事が出来ました。
 ここで、済州島のことを観光ガイドブックなどを引用しながら少し紹介しておきます。
 島の形は、台湾を小型にして横にしたようなイモの形をしています。今は火山活動をしていませんが、その起源には噴火活動が関わったことが明らかです。噴火活動の名残である大規模な洞窟を見学したことで、その根拠を実見できました。
 その島の中央に聳え立つのが標高1950mの韓拏山(ハルナサン)です。残念ながら環境破壊が進んだことから、2001年からは全面登山禁止措置がとられています。
 釜山からフェリーで到着した済州市は、島の北側の中央に位置しています。日本からの定期便も飛んでいる済州国際空港もすぐ近くにあります。済州市の反対側である南部の中央にある都市が西帰浦(ソッキボ)市です。この間はまっすぐ幹線道路が通っています。西回り観光はこの幹線道路の西側一帯の名所、旧跡を巡りました。

<瀛州(ヨンジュ)12景>
 ヨンジュとは済州島の旧名です。『瀛』は『海』を意味する文字のようです。その12景を紹介しておきます。多くの景勝地が、かつての火山活動が作り出した造作のようです。

?城山日出:城山日出峰から望む日出。
?沙峰落勝:済州市東部沙羅峰から眺める落陽。
?瀛丘春花:竜潭洞に注ぐ川の上流に咲く春躑躅の群生。
?橘林秋色:済州城から眺めた晩秋の蜜柑畑。
?正房夏瀑:海上から眺めた夏の正房瀑布。
?鹿瀑晩雪:晩春の白鹿潭に残る雪景色。
?山浦釣魚:山地浦(済州港)楽しむ釣り。
?古薮牧場:韓拏山を背景にして放牧された馬の姿。
?霊室奇岩:韓拏山頂上、南西側に奇岩絶壁。
?山房窟寺:山房山の山房窟寺。
?竜淵夜帆:竜潭洞の竜淵の月夜に船を浮かべて楽しむ酒と詩作。
?西鎮路城:かつての西帰浦の城から眺めた会場の奇岩と島々。

 今回の旅行でいくつか眺めることが出来ましたが、厳密に季節や場所を限定した場合は、少し外れているかも知れません。ただし、付録に収めた絵葉書集では、この12景を意識したアングルがいくつか窺えました。

<正房瀑布(チョンバンポッポ)>
 正房瀑布(チョンバンポッポ)は、済州島で一番有名な滝だと言われています。崖からまっ逆様に海へ落ちる様は、迫力満点で圧巻でした。
 大小2つの滝があり、崖の高さは23mあると言います。その滝は西帰浦(ソッキボ)の市内に程近く、市の中心部からは東南の方角に当たります。
 ところで、西帰浦の地名は、秦の始皇帝時代、善男善女500人を率い不老長寿の薬を求めてこの地にやって来た徐市伝説に因むとされています。この滝の脇に『徐市過此(徐市が過ぎて行った)』と刻み、西の方に帰って行ったのが由来とされます。
 12景の4文字熟語風の表現や、『釣魚』や『夜帆』といい、中国文化の影響が残っているのでしょう? あるいは、近年になって、観光目的につけられた表現なのでしょうか?
 日本の各地にも『徐福伝説』が残っています。この『徐福』と『徐市』が同じ人なのか、別人なのかは調べていません。徐福伝説が秦の始皇帝の命を受けて不老長寿の薬を探し求めたとされることから、同一人物なのでしょう。済州島までやってきたのなら、ついでに日本の各地を訪れたのも当然のことかも知れません。徐福伝説に関する資料を調べれば、すぐに分かることかも知れません。

<天地淵瀑布(チョンジョンポッポ)>
 西帰浦市内から程近い位置にもう一つの滝があります。その名を天地淵瀑布(チョンジョンポッポ)と言います。こちらの滝は市中心部から更に近く、やや西側の南に位置しています。
 日本でもよく見られる自然の中、緑の中の滝と言った雰囲気です。広い駐車場が整備されていて、観光シーズンには大勢の見学客で賑わっているようです。周りには飲食店や土産物店が軒を連ねていました。

<済州島での晩酌>
 1日目の観光が終わったのが、午後の8時近くでした。観光バスは、出発時にホテルを回ってお客を乗せてきたようでした。帰りも順番にホテルを巡ってくれました。
 春子おばさんの宿近くに着いたのは、9時近くでした。韓国本土から見えた皆さんは、すべて豪華ホテルでしったが、我々2人だけは民宿(ミンパク)でした。
 夜は、宿近くの鮮魚店で平目とイカとホヤの刺し身を作って貰いました。屋外のテーブル席を頼んで酒を飲みました。酒とは、焼酎のことであり、真露(チンロ)のことです。ホヤに焼酎はよく合います。残念なことに、Muさんはホヤを食さないと言う。とにかく、春子おばさんの宿は、海岸に近いので都合がよかった。


  済州市の港外で
 沖合に暫しまどろむ春の朝

 春雨の上りて海鳥五羽三羽

 半月は空に残りし春日出

 春陽の薄く紅差す細雲

 春の夜を沖に過せる漁船

 春霞遠景消て陸一重

 打水をデッキに残す春の雨

 春の海航跡暫し留めたり

  済州島の島巡り観光で
 トルハルバン春陽を受て店の先

 済州島の奇岩の入し春の海

 溶岩が囲む花壇や金盞花

 春の海光琳波頭繰返し

 浜風に菜花そよぐ岡の上

 ハングルのカラオケ続く春の午後

 春の海白き波頭の僅か立ち

 新緑の蔭濃し瀧は海に落ち

 落日に新緑やがて深緑

同行者
友人
交通手段
高速・路線バス

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  • 済州島で買求めた絵葉書からの紹介です。ミニチュア模型による伝統文化の紹介です。最初は王様の即位式です。韓国本土の慶福宮が舞台かも知れません。

    済州島で買求めた絵葉書からの紹介です。ミニチュア模型による伝統文化の紹介です。最初は王様の即位式です。韓国本土の慶福宮が舞台かも知れません。

  • 郷校文廟での釈尊祭の模様です。

    郷校文廟での釈尊祭の模様です。

  • 村祭りの光景です。

    村祭りの光景です。

  • 朝鮮時代の伝統的な婚礼儀式の様子です。

    朝鮮時代の伝統的な婚礼儀式の様子です。

  • 村中で祝う、還暦宴の光景です。

    村中で祝う、還暦宴の光景です。

  • 秋から冬にかけての風物詩、キムチ漬け作業の様子です。

    秋から冬にかけての風物詩、キムチ漬け作業の様子です。

  • 干し柿作業の様子です。

    干し柿作業の様子です。

  • 秋の採り入れ作業の様子です。手を振上げた中央の人形は、脱穀作業です。

    秋の採り入れ作業の様子です。手を振上げた中央の人形は、脱穀作業です。

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