1997/04/27 - 1997/05/02
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旅人のくまさんさん
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<1997年4月30日>
28日の月曜日に済州市内のKALの営業所に出向き、帰国便のリコンファームを済ませました。その時、今日の国内便の予約も取っていました。当初予定していた、済州島と木浦(モッポ)の間の飛行便は廃止されていて、いささかとまどいました。仕方ないので、木浦より北に位置する光州(クァンジュウ)まで、飛ぶことに予定変更しました。
<光州へ>
済州国際空港から飛び立った飛行機は小さな機体でした。客室にはニンニクの匂いが染み込んでいて、いかにもローカル線といった感じでした。
しかし、韓国に来て、暫く時が経つと、この匂いもあまり気にならなくなっていました。『郷に入りては、郷に従え』と言ったところです。
済州島からは北西方向に向かって、ほんのわずかの飛行で光州の飛行場に降り立ちました。木浦は光州より南で、半島の南端です。これだけの距離であれば、飛行機よりフェリーです。済州島と木浦間の飛行便が廃止されたのも納得がいきました。
<木浦(モッポ)へ>
去年、日程の都合で木浦行きをあきらめた経緯があり、何としても今回の旅行で辿り着きたかった。それで、光州市の観光はせずに、すぐに木浦行きのバスに乗りました。
今回の旅のテーマが『韓半島南端の港町巡り』であったことが一番大きな理由でした。1時間半ほどで木浦に着きましたが、予想していたより大きい街でした。
当初は、幹線部分から外れた田舎の港町をイメージしていましたが、ここでもビルの建設ラッシュを迎えていました。この日のうちに麗水(ヨス)まで移動し、宿泊する予定だったため、木浦を早々に立ち去ることにしました。
港で麗水までの船便の時刻表を探しましたが、適当な時間のものがなく、結局、市外高速バスを利用することにしました。こちらは便数が多かった。
<麗水(ヨス)へ>
市外高速バスは、一般道路を時には100kmほどのスピードで走りましたが、麗水までは3時間半以上かかりました。南端の港町巡りは思ったより時間がかかるものです。
それでも、着いたのは夕方の5時頃であり、麗水での行動には十分な時間を残していました。最初に港のフェリーターミナルまで行き、エンジェル号の情報を得ようとしましたが、残念ながら事務所は閉まっていました。
今日は平日の水曜日なので、営業時間を過ぎたためのようです。それで、次は観光案内所の様な所で尋ねました。すると、
「エンジェル号はだめだから、汽車(キチャ)にしなさい」
と勧められました。釜山までの交通手段です。エンジェル号がなぜ駄目なのかは、その理由が分かりませんでした。
そこで、次に駅舎へ向かった。構内に掲示された時刻表や、Muさんが持参した時刻表で確認しましたが、途中で乗り継いでも,適当な時間の便がないことが分かりました。結局は市外バスで釜山に向かうことで落ち着きました。
<麗水の宿、屋台>
今度は宿探しです。そのため、もう一度バスターミナルまで引き返しました。駅の近くで、2人で5万ウォンの料金で、なかなかいい宿が見つかりました。2部屋を使って、1人当たり、1泊約2800円でした。
夜にもう一度港近くまで出て、屋台(ポジャマチャ)で魚料理を食べました。屋台と言っても、港のすぐ近くなので、新鮮な刺身を食べることができました。勘定の時、多少日本人向けの値段になっていたような気がしました。それでも1人当たり2千円と少しでした。
食べた料理の中に小振りのうなぎがありました。皮を剥いでありましたので、最初はうなぎであることが分かりませんでした。しかし、食べてみますと確かにうなぎでした。
剥いだ皮はどうしたのでしょう?ひょっとしたら財布などに化けてしまったのかも知れません。
<結局乗れなかったエンジェル号>
今回の旅行目的の1つが,麗水から釜山までの多島海国立公園を、フェリーの船旅を楽しむことでした。昨年はエンジェル号がエンジントラブルで、この目的を果たせなかったので、なおさらのことでした。旅行の最初の日に、釜山でエンジェル号の時刻を確認してあった。
それで、今年は大丈夫と思っていましたが、結果は残念ながら陸路で釜山に向かうことになりました。それも麗水のフェリー乗り場で『5月1日の朝9時に、第1便が麗水を出発』と言った主旨の、手書きの看板を読み解いた後でのことでした。そんないきさつから、正直言って、二人でがっかりしました。
読み解いて喜んだのも束の間、係りの人がぶつぶつ言いながら、その看板を引っ込め、『5月2日から就航で、2階の事務所で予約受け付けます』の看板に替えてしまいました。またしても、ケンチャナヨの世界に負けてしまいました。日本のような正確な時刻表が世界に通用すると考えるのが、そもそもの間違いなのかも知れません。
こんなハプニングも旅の楽しみの1つと思えば、大したことではありません。もともと、宿も、行き先も臨機応変に替えられるのが、この貧乏旅行の何よりの強みです。むしろ、ちょっとしたハプニングがあった位が、後で思い返すと、いい思い出になっていると割り切っています。
エンジェル号ミステリーは未だもって解決できていません。しかし、多分乗客不足による路線廃止だったのでしょう。
済州島にて
飛びし空見上る今日の春霞
道の端枝を気儘に咲ける桐
新緑と競える斜面の山の藤
紅躑躅地肌も紅き光州路
懸けし巣を隠し果(おお)せぬ若緑
陸青み海と嵌め絵の多島海
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