2015/03/16 - 2015/03/17
169位(同エリア374件中)
まりも母さん
やっと行かれた富岡製糸場 混雑をさけて、平日訪問
http://4travel.jp/travelogue/10994616
の続きです。
富岡を出て、碓氷峠へ向かいます。
目当ては、碓氷峠「アプトの道」にある、めがね橋、旧丸山変電所などの煉瓦造の重要文化財を見る事です。
車をどこに停めて、どう歩くか・・・がポイントの感じでしたね。
めがね橋に観光バスのお客さんがいた他は、ほとんど誰もいない、静かな中 線路跡とトンネルを歩き、歴史を感じる煉瓦建造物をじっくり見る事ができました。
- 旅行の満足度
- 4.5
- 観光
- 4.0
- 同行者
- カップル・夫婦
- 交通手段
- 自家用車 徒歩
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-
群馬・長野の県境 碓氷峠にある旧国鉄の信越線・横川駅〜熊ノ平信号場間の廃線跡を使った遊歩道が「アプトの道」です。
急勾配の峠道は登坂が困難である事から、レールの真ん中に歯車のあるラックレールを足した構造で、そのラックが、アプトという形式だった為、現在も「アプトの道」と名前が残っています。
昭和38年(1963)横川〜軽井沢間のアプト式は廃線になりました。
ここに、碓氷峠鉄道施設の重要文化財が多数あります。
一番の見どころは、煉瓦でできた碓氷第3橋梁通称 「めがね橋」
他にも「旧丸山変電所」の建物や橋梁、トンネルがあります。
現在は、廃線跡が遊歩道に整備され、全長約6キロを歩く事ができます。
でも〜車を始点か終点の駐車場に置いて往復歩くのは辛いし・・・とまずは、
「旧丸山変電所」が見えるかも?な場所を車で探しました。
で、たどり着いたのは、「峠の湯」という温泉施設。
ここから見るアプトの道はこんな様子です。
手前には今も使っている線路。その向こうに軌道を埋めた遊歩道の「アプトの道」。 -
変電所跡は、外観しか見られないと調べてきたので、最初は道路からでも見られればいいや〜と思い、変電所への取り付け道路か 線路沿いに道でもあるかと思ったのですが、
旧国道18号は線路から離れているし、近くの坂本宿には観光施設も皆無で、車を停める場所もありません。結局、道路から建物が見られるような場所は無さそうだと判りました。
で、比較的近くで、唯一車が停められそうな場所は、「峠の湯」と貸しコテージ 「くつろぎの郷」がある場所だけでした。
「峠の湯」は火災にあい、現在休館中だったので、ひっそりしていました。
幸い、ゲートは開いていたので、車を停め、線路下をくぐってアプトの道に入ることができました。 -
線路を埋めて、平らになったアプトの道。
家で調べてきた あんなか観光ガイドのwebサイトにあったダウンロードできる絵地図が頼りでしたが、車でのアクセスにはあまり親切な地図じゃなかったですね・・・。
あんなか観光ガイドwebサイト
http://www.annaka-city.com/index.shtml -
プリントアウトした地図とスマホでグーグルマップを開き、「峠の湯」の駐車所を見つけて建物近くまで歩く事が出来てよかったです。
車で近づいて、簡単に見ることはできませんでしたが、
まぁ、「峠の湯」から「旧丸山変電所」までは1キロ位の距離だから往復位は歩くしかないな〜。 -
線路には保線の車両が止まって、ジャリを撒いていました。
JR横川駅隣には「碓氷峠鉄道文化むら」という施設があり、その敷地内の「ぶんかむら駅」から峠の湯のある「とうげのゆ駅」まで、碓氷峠トロッコ列車が運行しています。
それに乗る手もあったのですが、運行は土日祝だけだし、変電所前の駅は止まらなくなったとか・・・結局トロッコ列車はぜんぜん使えない〜〜。
今日は運休日だから、保線のお仕事が行われているのね。 -
誰もいないアプトの道を歩進むと 建物が見えて来ました。
旧丸山変電所 明治45年(1912)煉瓦造 国指定重要文化財(碓氷峠鉄道施設として)
平成14年改修工事完了
回転変流機の機械室と蓄電池室の2棟
電化に伴い横川火力発電所、軽井沢・矢ヶ崎変電所と共に建設。 -
軽井沢方面にある建物 機械室の側面。
現在は修復がされている為良い状態が見られますが、
改修以前は、天井が抜け、窓は割れた、かなりの廃墟状態だったそうです。 -
機械室棟
交流6600ボルトを直流650ボルトに変換しました。
元々鉄道の為の変電所なので、外部からここへアクセスする道路は無いようです。
建物自体は、華美な装飾はありませんが、窓のアーチ型や側面のデザインなどなかなか素敵です。 -
ドアも昔の感じで復元されています。
-
機械室の建物はガラスが素通しなので、中を覗くことができます。(蓄電池室はスリガラスで中が見えない)
屋根は壊れて落ちてしまったようで、この鉄骨トラスは改修で復元されたものです。
中の機械類は無く、壁際の柱は、多分、耐震補強材ですね。
修復で使ったのであろう、煉瓦の残りや、前の建物から外した装飾部分らしき物も置いてあります。
年に何度か、内部の見学会はあるそうです。 -
2つの建物の間の段差部分。場所自体 峠に向かった斜面なので、機械室と蓄電池室は建っている場所の高さがちがっています。
石垣と煉瓦の階段で行き来が出来るようになっています。
扉の上には三角の屋根跡が残っているので、庇か、2つの建物の間には渡り用の屋根があったのかもしれません。 -
蓄電池室の機械室側の面。
こちらにも庇跡っぽい三角があります。 -
蓄電池室 2つの建物の外観の違いはさほどありません。
この中に312個の蓄電池が設置され列車が通らない時に充電し、列車の登攀時に放電して電力を補っていたそうです。 -
横川駅方面からの眺め。
手前に2つの煉瓦の柱があります。門があったのかもしれませんね。 -
扉やガラスは全て改修で復元されたもののようです。
庇も以前は壊れしまってなかったようです。
せっかくきれいに改修されているのに、なにせ不便な所で、なかなか見学者も来にくいのがナンであるな・・・。
ここでじっくり見学している間、他に2人の人が歩いていたけど、本当、人少ないねぇ。
午前中の富岡製糸場は大盛況だったけどね〜。
鳥の声しか聞こえない 静かな場所でじっくり好きなだけ美しい煉瓦の建物を眺めることが出来て、満足満足。
見学終了し、来た道を「峠の湯」まで戻ります。 -
トロッコ列車のまるやま駅は目の前ですが、降りる人が少ないからなのか???トロッコ列車運行時も止まらなくなっている悲しい駅。
煉瓦で雰囲気合わせて造ってあるのにね〜。 -
次に見たいのは「めがね橋」
絵地図を見ると、めがね橋の近くに駐車場があるようです。
そこからアプトの道へ上がれるようなので、めがね橋駐車場を目指しましたが、
駐車場の手前 道路から、めがね橋全景が見えました。
そうだ、もしかして、上からではこの景色は見られないよね・・・と丁度、道路工事中の片側通行で車を停止させられたので、写真を撮りました。 -
旧国道18号のめがね橋の見えたカーブから少し軽井沢寄りの場所に駐車場がありました。
観光バスもここに停まり、めがね橋まで歩くのでしょう。
駐車場は工事中で、新しいトイレの建物を作っているようでした。
なので、現在は仮設トイレ・・・。
この工事の進み具合だと5月の連休頃には出来るだろうけどね。
ここに停めて歩こうか?と思ったけど〜。橋の上までかなり登りのようなので、
もしかしたら、先の熊ノ平から歩いた方が楽かも〜?とそちらへ移動する事にしました。 -
カーブをいくつも曲がって、着いた熊ノ平駐車場は・・・駅のレベルではなく、道路脇で、めがね橋駐車場とほとんど同じ感じ。
アプトの道の終点なので、勝手に売店とか休憩所とかがあるのかと思ったけど、そういうものは一切ありません。
おまけに道路の反対側にある仮設トイレは冬季閉鎖(凍っちゃうのかもね) -
楽に遊歩道まで入れるかと思ったら、そうはいかず、結局、ここでもなが〜い階段を上がらないと「アプトの道」には入れないのでした〜。
この階段結構疲れた・・・。 -
上がった先は、旧熊ノ平駅あたり。アプトの道はここで終点となります。この先 まだ線路跡はありますが、歩く事はできません。ここは、軌道が残り、線路の間に遊歩道がありました。
向こうのトンネルの方向が横川方面です。 -
記念碑らしいものがありました。
碓日嶺鉄道碑 明治26年(1893)碓氷線開通記念に軽井沢駅前に建てられたものですが、
関東大震災で倒壊、軽井沢には復元されたものが建てられ、こちらは修復された、オリジナルだそう。 -
駅構内には変電所跡が今も。
熊ノ平変電所 昭和12年(1937)に設けられ、アプト式廃止後も平成9年(1997)北陸新幹線開通に伴う、横川〜軽井沢間の廃線まで使われた施設です。
こちらは、廃墟となっています。
網入りガラスもあちこち割れて、ドアや変電設備はサビ、怪しい雰囲気になっていました。
(けっこう、こういう雰囲気好きです) -
ここから、アプトの道を歩き、めがね橋まで行ってみます。
熊ノ平駅から横川方面にはトンネルが四つもあります。(画像では木がじゃまで一番左のトンネルが良く撮れませんでした)
>右から アプト旧線下り押し下げトンネル。旧本線(アプトの道)。新線下り3号トンネル(旧線上り突っ込みトンネル)。新線上り2号トンネル。
熊ノ平駅構内は狭いので、列車すれ違いの為にこれらのトンネルが掘られました。
と、解説が下げてありました。
突っ込みトンネルと押し下げトンネルの意味が判らん??? -
トンネルの事を昔は「隧道(ずいどう)」と呼びました。
重文指定の名称も「隧道」表記なので、ここからは、トンネルの事を「隧道」と記載します。
隧道、橋梁とも全て明治26年(1893)建造
第1〜第10隧道は国指定重要文化財
橋梁も煉瓦アーチの5基 第2〜6橋梁は国指定重要文化財
右から2番目のトンネルだけ、徒歩で入ることができます。
碓氷第10隧道(軽井沢側)
ここから煉瓦のトンネルが続きます。 -
10号隧道の内部。10号は長さ102.66mと短いので、出口の明るい所が見えます。
内部は天井まで全て煉瓦積み
トンネル内は軌道もはずされ、歩きやすく舗装されています。(たまに水溜りあり) -
脇に窪んだアーチ型は待避所です。
鉄製の何かのフックのようなものが壁に残っていましたが、この形のものは、他は錆びて落下したのか、見かけませんでした。 -
経年の地下水の浸透や蒸気機関車時代からの汚れで煉瓦は色も変わっています。
-
待避所の窪みは案外浅く、人一人が入れる位の深さしかありません。
ここは中も煉瓦が積まれていますが、窪みの壁が手堀りの岩盤のまま、という物も多かったです。
明治時代、このトンネルは大した機械も無く掘ったのですよね・・・。 -
出口の向こうにいくつものトンネルが続いているのが見えます。
-
第6橋梁
煉瓦造の鉄道用橋梁もいくつもあります。
短く低いものから長く高い物まで。第2〜6橋梁が重要文化財指定です。 -
8号隧道(横川側)
8号〜10号はほとんど同じデザインの煉瓦積みの入口部です。
工事を請け負った会社によって違いがあるようです。 -
7号隧道を横川方面に出た所には旧国道18号の道路につながる階段があります。(ただし、下には駐車場はありません)
-
7号隧道(横川側)
入口部のデザインが違います。煉瓦積みですが、アーチ型の左右に柱状のものがあります。 -
6号隧道(軽井沢側)
こちらの入口部は煉瓦ではなく、石積みです。
一番長いトンネルで546.17mあります。 -
長くて先が見えず かなり暗いのかと思ったら、横から光が射して案外明るい所が見えます。
先が見えない真っ暗なトンネルだと不安になりますが、横からの光で、なんとなく安心して歩けます。 -
旧国道18号方面にアーチ型の横穴があいています。
これは、長い6号隧道の工期短縮の為、途中の横からも掘った際の出入り口部分で、
乙横抗と言われるものです。
工事終了後は塞いでしまうことが多いそうですが、蒸気機関車の排煙の為に残されたのではないでしょうか。 -
ここは、横穴が5つ並んでいるので、明るいです。
天井部分にも排煙穴が空いていました。
長いトンネルなので、蒸気機関車時代は、排煙の為に必要な穴だった訳ですね。 -
所々に照明はついていますが、この先は長くそれなりに暗いです。
照明は午後5時に消されてしまうとか書かれていましたので、夕方ここに来る場合は、うっかりすると真っ暗闇〜なんて事になりかねないです。
ここを歩いている時、トンネル内を人の声が響いてよく聞こえてきました。
出口先のめがね橋上の人の声かと思ったら、トンネル内を後ろから歩いてくる人の話し声でした。
長い煉瓦のトンネルは音が良く響きます。 -
6号隧道(横川側)
こちらは、石と煉瓦の両方が使われています。
ここを出るとめがね橋です。 -
めがね橋上から横川方面、5号隧道を見ます。
-
橋の山側(国道と反対側)に道路へ降りる道が作られています。
めがね橋駐車場からアプトの道に上がる場合は、ここを登ってくるのですね。
ちょうど、団体バスのお客さんたちが見学を終えて、下りて行く所でした。 -
めがね橋の上です。軌道は外され、平らな道になっています。
-
山側に電化された旧信越本線(新線)の鉄橋が見えます。平成9年(1997)に廃線となり、もう使われていない鉄橋です。
-
碓氷第3橋梁 (めがね橋)国指定重要文化財
全長91m高さ31m 現存する煉瓦造の橋としては国内最大規模のもの。
この碓氷峠の数々の煉瓦建造物、どれも短期間にひとつひとつ煉瓦を積み重ねて造られたという事も、驚愕します。
明治24年(1891)〜明治26年(1893)の短期間に工事を急いだ事もあり、鉄道工事の殉職者は500名にもなったそうです。 -
めがね橋で折り返し、10号隧道を出て、熊ノ平駅まで戻って来ました。
構内に慰霊碑があります。
これは、昭和25年(1950)6月 豪雨の後、4回の山崩れが起こり、鉄道職員と家族50名が亡くなられた事故の殉難碑です。
家族までが被災したのは、構内に宿舎があったからです。 -
「アプトの道」は、熊ノ平で終わりとなっています。
この先、線路は軽井沢方面に続いていますが、立入禁止です。
駅から見ると、軽井沢方面にはトンネルが3つ。 -
トンネルの中へ続く線路はかなりの登り坂となって、先の方は見えません。
めがね橋と丸山変電所の建物を見て、ちょっとめがね橋の上を歩けばいいかな、位で
来てみた「アプトの道」は、重要文化財の煉瓦建造物が並ぶ、見ごたえのある場所でした。
今回は、入りませんでしたが、横川駅そばの「碓氷峠鉄道文化むら」の施設も30以上の車両が展示してあり、
電車好きな人にはさぞかし楽しい場所だろうと思います。
そろそろ、軽井沢に向かい、ホテル内も明るいうちに見たいと思います。
この続きは
日本のクラシックリゾートホテル 軽井沢万平ホテルで、レトロを楽しむ
http://4travel.jp/travelogue/10998410
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