2014/09/13 - 2014/09/15
147位(同エリア595件中)
naoさん
長野県上田市は、真田昌幸が1583年に上田城築城とともに整備した武家屋敷や城下町の伝統を受け継ぐ町で、北国街道の宿場町としての顔も併せ持っています。
この北国街道は、上田城址公園の北側を東西に走る国道18号線と矢出沢川を隔てた南側を通っており、矢出沢川から分かれた蛭沢川の東側を南に折れると、石畳の道に伝統的な様式の町家が軒を連ねる、柳町の美しい町並みが現れます。
切妻屋根で平入りの町家には、見事な千本格子や袖卯建をあげたものが多く見られ、また、この地方の繭倉にこぞって使われていた、「置き屋根」と呼ばれる二重屋根の架かった土蔵などが柳町の町並みを特徴づけています。
宿場町の面影を今に伝える柳町の、美しい町並みが持つ価値に気付き、城下町上田の貴重な文化的財産として保存すべきという機運が高まる中、年々伝統的な町家が失われるのを嘆いていた町の有志の方が、明治時代の初めに呉服屋を営んでいた見事な格子戸のある木造二階建ての商家を改装したカフェや、長年物置代わりとして使用されていた土蔵をレストランに改装するなど、自らが率先して町並みの保全・活用に取り組まれておられます。
これに触発された上田市も、総合的かつ計画的な景観形成を目指した「ロマンのまち整備事業」計画を策定、その中で「上田の歴史的町並みと建造物」を重要な景観資源に位置付けるなど、優れた景観形成に努めておられます。
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- 自家用車 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
PR
-
上田市の柳町の町並みにやって来ました。
-
町並みに着いて、先ず目に入ってきたのが「保命水」です。
保命水は、上田の飲料用水道としては最も古い明治14年に造られ、上下水道が整備された昭和の時代まで柳町住民の生活水として使われてきました。
源泉を海禅寺境内の湧水に求め、木樋や土管を使って柳町の北国街道の角まで自然の落差を利用して流下させたものです。 -
昼食には、手打百藝を標榜されている、蕎麦の「おお西」さんへお邪魔しました。
こちらのご主人は、30年以上に亘って蕎麦粉十割の「更科そば」を追い求めてこられた方です。 -
お店の方に、「お薦めの蕎麦は?」とおうかがいすると、「発芽そばがお薦めです」とのことなので、それをお願いしました。
これは、発芽した蕎麦の実を原料に、ご主人が考案されたもので、腰の強い、歯応えのある食感を持っています。
もちろん、美味しくいただきました。 -
店内の様子です。
客席は、畳席とテーブル席が用意されています。 -
蕎麦打ち場には、ご主人の蕎麦に対する想いが込められた扁額が掛けてあります。
-
さて、腹ごしらえができたので町歩きを始めます。
-
信州と云えば、蕎麦とともによく知られているものに、味噌があります。
-
このお味噌屋さんは、武田信玄の子孫にあたられる家柄だそうです。
-
柳町の地名が示すとおり・・・
-
柳が植えられた町並みは、いい風情を醸し出しています。
-
「おお西」さんの店先で、涼しげな音色を響かせる風鈴。
-
袖卯建のあがる町家には、針灸院の看板が掲げられています。
-
袖卯建と柳が仲良く共存しています。
-
百日紅の花が、町並みに彩りをもたらせています。
-
3層に重なった屋根が、単調になりがちな町家妻側の景観に変化を与えています。
-
「真田六文銭ヲ携帯セヨ」と書いた看板が置いてあります。
そう云えば、戦国時代に六文銭を旗印とした真田幸村は上田城に縁があったんですね。 -
焼鳥屋さんのお店の正面には・・・
-
4枚引きの大きな格子戸がはめられています。
イベントの時なんか、開け放すこともあるんでしょうね・・・。 -
正面側が全て格子の町家。
「壮観!」の一言です。 -
袖卯建の上がるこの町家には・・・
-
煙出しの腰屋根も付いています。
-
先ほどの、正面が全て格子の町家は、妻面にも見るべきものがありました。
組み上げられた構造材が、必然の美を見せています。 -
柳町の町並み保全や活用に、自ら率先して取り組まれた方がオープンしたカフェ。
-
このカフェは、明治時代の初めに呉服屋を営んでいた木造二階建ての商家を改装されたものです。
-
カフェのお向かいにある和菓子屋さんの看板。
この町にぴったりの趣があります。 -
呉服屋さんの建物だっただけに、袖卯建や格子戸とともに、ガス灯まで備えています。
-
そのカフェのお隣には・・・
-
東京渋谷に本店を構える天然酵母パンの人気店の、上田店があります。
-
2階に併設されたカフェでは、信州の旬の野菜を食材にしたスープランチなどが供されています。
-
積み上げられた薪の切り口が見せる景観に、いつも惹きつけられてしまいます。
人間の手で積み上げられたのは間違いないんですが、作為的ではない偶然の美しさがそこにはあります。 -
この土蔵風の町家は、パン焼きの工場なんでしょうか・・・。
-
天然酵母パンのお店のお隣は造り酒屋さんです。
-
さすがに造り酒屋さんだけのことはあります・・・
-
植木鉢に酒樽を使っておられます。
-
こちらは吊るし雛のお店です。
この地方では、三月に初節句を迎える女の子に「吊るしもの」を送る風習があるそうです。 -
こんなにかわいい吊るしものなら、初節句を迎えた女の子が喜んで遊びそうです。
-
旧北国街道の案内板のあるこの辺りが柳町の南端になります。
では、そろそろ引き返します。 -
南端から見た柳町の町並み。
-
距離が短いので、北の端まで見通せます。
-
どの町家の玄関先にも、瓦を縦につなぎあわせた行燈型の外灯が置いてあります。
景観を大切にしようとの想いから、柳町の方々が申し合わせて置いているんでしょうね。 -
卯建の屋根には、意匠を凝らすように鳥の飾り瓦が取り付けられています。
-
造り酒屋さんの行燈型の外灯は半分くらいの高さしかありません。
-
造り酒屋さんの杉玉と看板。
-
天然酵母パンのお店の前でたたずむ二人。
「お二人さん、ここのパン美味しいよ!」 -
「今なら他のお客さんも居ないようだから、入るにはチャンスだよ!」
-
年々、柳町から伝統的な町家が失われるのを見て、自ら率先して町並みの保全・活用に取り組まれておられる、ここのご主人の気概には敬服します。
-
第三者がとやかく言うことではないんですが、これからもこの町並みの保全・活用に尽力されるよう、切に祈るばかりです。
-
何度見ても、この妻面の姿は美しいです。
-
妻面に越屋根を見せる町家。
-
その越屋根は、屋根の棟全体にわたって付いているようです。
-
こちらは蕎麦の「おお西」さん。
-
上田市の汚水桝の蓋。
真田六文銭がモチーフになっています。 -
この橋は、柳町の北端にあるお味噌屋さんの角を西に進んだ所に架かっているもので、西端の入口になります。
-
なまこ壁や白漆喰塗の土蔵が存在感を放っています。
-
橋の下を流れる水路沿いにも、白漆喰塗の土蔵が並んでいます。
-
この土蔵造りの建物は、1階に窓が付いているので、住宅として使っておられるようです。
-
右側に見えるのは雑貨屋さんです。
-
左手のガラス窓の建物は、お味噌屋さんのお店の一部になります。
商品をストックする倉庫なのかも知れません。 -
保命水の所まで戻ってきました。
北国街道の宿場町と云いながらも、本陣や脇本陣などは他の場所に建てられているので、しっとりとした良い町並なだけに、若干物足りなさを感じるのは私だけでしょうか・・・。
では、この辺りで次の目的地へ向かいます。
利用規約に違反している投稿は、報告する事ができます。
コメントを投稿する前に
十分に確認の上、ご投稿ください。 コメントの内容は攻撃的ではなく、相手の気持ちに寄り添ったものになっていますか?
サイト共通ガイドライン(利用上のお願い)報道機関・マスメディアの方へ 画像提供などに関するお問い合わせは、専用のお問い合わせフォームからお願いいたします。
naoさんの関連旅行記
旅の計画・記録
マイルに交換できるフォートラベルポイントが貯まる
フォートラベルポイントって?
0
60