2014/09/13 - 2014/09/15
179位(同エリア558件中)
naoさん
長野県北安曇郡白馬村北城青鬼(ほくじょうあおに)は、白馬連峰の山麓を流れる姫川流域に広がる白馬村中心部から北東側に寄ったところにある、岩戸山の山懐に抱かれた小さな集落で、北アルプスの五竜岳や鹿島槍ヶ岳を望む緑豊かな集落には、伝統的な民家が連なる家並みと、およそ200枚の棚田が広がっています。
江戸時代に新潟県糸魚川市と長野県松本市を結んでいた大動脈で、信州の「塩の道」として知られる千国街道は、白馬村を中継地として盛んに人々が行き交っていました。
この千国街道を小谷村千国で分かれ、東方の小谷村梨平〜白馬村青鬼〜野平を経たあと、柄山峠を越えて鬼無里村(きなさむら)に通じる「間道」は、単なる生活道路としてだけではなく、善光寺や戸隠神社への参詣道としても使われ、多くの人々が往来します。
この「間道」の途中にある青鬼は、今でこそ主要な道路から外れ、山間の静かな里の風情をたたえていますが、かつてはこれらの参詣客を通じて、頻繁に外部との交流が行われていました。
現在の青鬼集落は、東西約250m、南北約100mのなだらかな南斜面に、15棟の民家がほぼ三日月状に並んでおり、近年建てられた1棟を除き、江戸時代後期から明治時代にかけて建てられた14棟の主屋と7棟の土蔵により構成されています。
14棟の主屋は、いずれも茅葺の寄棟屋根(鉄板で被覆されていますが・・・)が架かる伝統的な建物で、白壁と化粧貫が印象的な真壁造りで統一された平屋建てと中二階建てが混在しています。
特に中二階建ての建物は、正面の屋根だけを短く切った、戦国武将が被る兜によく似た「かぶと造り」と呼ばれる特徴的な屋根が架かり、また、その中二階部分が僅かに手前に持ち出される「出桁造り」になっています。
集落東側の小高い所に広がるおよそ200枚の棚田は、沢から遠く、また高い所にあるため、山腹の急な斜面に延長3kmに亘って設けられた、「青鬼上堰」と呼ばれる用水路から水を引く事で、稲作を可能としています。
この「青鬼上堰」は、江戸時代末期の1860年から1863までの4年の歳月をかけて村人総出で完成されたもので、一部には急斜面の岩盤をノミでくり貫いて開削したところもあり、いにしえの人々の偉業を今に伝える、大変貴重なものです。
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- 自家用車 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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白馬連峰に低い雲が垂れ込める中・・・
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青鬼集落を目指して白馬村の田園地帯を走り抜けます。
青鬼集落は、白馬連峰の山麓に広がる白馬村中心部から北東側に寄ったところにある、岩戸山の山懐に抱かれた小さな集落です。 -
千国街道(国道148号線)を東へそれて青鬼集落へ向かう途中に、白馬村の中心部が一望できるビュースポットがありました。
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山肌を縫うゲレンデは、白馬村がウィンタースポーツのメッカであることを教えてくれます。
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先ほどのビュースポットから少し走ると、青鬼集落に差しかかりました。
今でこそ国道から外れ、山間の静かな里の風情をたたえていますが、かつてこの道は、善光寺や戸隠神社への参詣道として使われていたもので、参詣客が頻繁に往来していました。 -
黄金色の畦道でコスモスが咲いています。
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岩戸山のなだらかな南斜面に位置する青鬼集落には、15棟の伝統的な民家が連なり、印象的な農村景観を形成しています。
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15棟の内、近年建てられた1棟を除き、江戸時代後期から明治時代にかけて建てられたもので・・・
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その全てが、元々茅葺の寄棟だった屋根を鉄板で覆っています。
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庭先にいろんなお花を植えておられる民家。
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ハイビスカスにそっくりのこのお花は、葉がカエデによく似ているのでモミジアオイと名付けられています。
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とてもよく目立つ、真っ赤な花びらが特徴です。
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モミジアオイは青鬼集落のあちこちで見ることが出来ます。
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「天保」の文字が見える石像が、道端に祀られています。
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青鬼集落に見られる中二階建ての民家の多くは・・・
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戦国武将が被る兜に似た、正面の屋根を短く切った・・・
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「かぶと造り」と呼ばれる特徴的な屋根が架けられています。
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さらに、白漆喰壁と化粧貫が特徴的な・・・
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真壁造りで統一された外壁を見せています。
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ポツンと、一軒だけ離れて建つ民家。
なんだか、寂しげではあります。 -
白馬村の汚水枡の蓋がありました。
白馬村の代名詞とも云える白馬三山(白馬岳・杓子岳 ・白馬鑓ヶ岳)と、白馬村の花「カタクリ」がモチーフになっています。 -
青鬼集落の中で最も北側に建つ民家。
この民家の左手に、青鬼神社への石段の参道があります。 -
先ほど並んでいた民家の裏側です。
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ここにもモミジアオイが咲き乱れています。
さて、次は東側の斜面に広がる棚田に向かいます。 -
民家を見下ろす東側の小高い斜面にやって来ました。
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眼前に北アルプスの五竜岳や鹿島槍ヶ岳を望むことが出来る斜面には・・・
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200枚あまりの棚田が広がり、こんなにダイナミックな大パノラマが待っていてくれます。
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畦道に顔を覗かせるススキの穂が・・・
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稲刈りが始まるのを待っています。
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この棚田を維持するのに必要な用水は、江戸時代末期に4年の歳月をかけて村人総出で完成させたもので、一部は急斜面の岩盤をノミでくり貫いて開削したところなど、古の人々の偉業に支えられながら稲作を続けておられます。
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畦道に植えられた栗の木には、毬栗がすずなりになっています。
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枝先にたわわに実った毬栗は・・・
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いずれ訪れるであろう収穫を待っています。
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幕末から明治にかけて開かれた棚田は、石垣で法面が保護されています。
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石垣の上の石像。
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石垣には、大小さまざまな石を積みあげる、野面積みの工法が使われています。
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北アルプスの山頂付近に低く垂れこめる雲。
この日はずっとこんな空模様が続いています。
まっ、雨に降られることを思えば、まだマシか。 -
この辺りからは民家の屋根がわずかに見えるだけです。
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棚田を潤す用水の取水位置は、ここからさらに奥に入ったところになります。
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この稲穂は緑っぽい色なので、もち米のようです。
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山懐に抱かれた集落だからこその風情をたたえています。
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水利の関係で微妙に段差が付けられた棚田。
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畦道の延長線上にそびえる北アルプスの峰々。
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その視線を左にずらすと、森が迫っています。
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頭を垂れる稲穂。
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ここにも毬栗がたわわに実っています。
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新しい畦道が目に入るとついつい後戻りしたりして・・・。
なんだか、同じところをウロウロしています。 -
でも、ウロウロしているお蔭でこんな野の花を発見したりして・・・。
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今度は、人の手で育てられている・・・
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コスモスと出会いました。
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稲穂越しに北アルプスの峰々を望むと・・・
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雄々しいその姿をくっきりと見せてくれます。
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水を引き込むために、山腹の急な斜面に延長3kmにも亘る用水路を造ってまでも開かれた美しい棚田。
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近代的な建設機械のない江戸時代末期の事ですから、大小の石を積みあげるのにも村人総出の大仕事でした。
その労力たるや大変なものであったろうことは想像に難くありません。 -
そんな、いにしえの人々の苦労の末に生まれた、こんなに素晴らしい棚田に、感謝の気持ちを抱かざるを得ません。
いつまでもこの姿を留めてほしいものです。 -
あまり水気のないところなのに、蒲の穂が生えています。
通常は、小川や池の淵に生い茂っているんですが・・・。 -
可憐に咲き誇る淡いピンクのコスモスが・・・
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のどかな集落に彩りを添えています。
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ゆっくりと流れる素晴らしい時間の中に、いつまでも身を置いていたいのはやまやまですが・・・
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日々の暮らしがそんなことを許してくれるわけもなく、喧騒の町へと帰ります。
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帰り道、松川に架かる千国街道の橋の上から見た白馬連峰。
川の流れと一体となった姿は一見の価値ありです。 -
この日の昼食は、大町にある「わちがい」さんへお邪魔し、この地方の郷土料理「おざんざ」をいただきました。
「おざんざ」とは、塩を一切使わず、納豆酵素をつなぎに地卵で練り込むと云う独自の製法で作られるうどんのことです。 -
料理が運ばれてくるまでの間、こんな写真を撮りながら待っていると・・・
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先ず、おぼろ豆腐と季節の小鉢が運ばれてきました。
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豆腐などの前菜をいただいていると、いよいよ「おざんざ」の登場です。
強いコシがありながら、スルッと喉を通る食感は格別で、大変美味しくいただきました。 -
食後、「おざんざ」の乾麺を我が家へのお土産に買い求め、信州をあとに家路につきます。
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この旅行記へのコメント (2)
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- こあひるさん 2014/11/09 17:13:35
- こんな村が・・・
- naoさん、こんばんは。
昔の家屋そのまま保存された・・・山あいの村があるのですねぇ・・・。
町家や蔵を残す家並みはしばしば見かけますが、こんな小さな辺鄙な集落で、よく15軒も取り壊さずにそのまま生活して保存してきたなぁ・・・と感心してしまいました。
苦心して積んだ手造りの石垣と棚田や、統一感のある集落の家並み・・・こんな風景のところ・・・のんびりと訪れてみたいです。
よくこういう村を見つけたものですね〜〜!
こあひる
- naoさん からの返信 2014/11/09 19:19:43
- 何か奥深いものを・・・
- こあひるさん、こんばんは。
投票ありがとうございます。
北アルプスを前にした棚田の写真を見て、何という棚田だろうと調べた時にこの村の存在を知りました。
本当に辺鄙な山あいの集落に、昔のままの姿で佇んでいる素晴らしい民家が、今も日常生活の場として使われているのを見て、とても感動してしまいました。
青鬼の人々にとっては、過去から連綿と受け継がれてきて、当たり前のことなんでしょうが、「先祖代々の土地だから」と云う一言では片づけられない、何か奥深いものを感じてしまいました。
nao
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