猪苗代湖の畔の旧有栖川宮翁島別邸

2010/07/10 - 2010/07/11

めちゃくちゃ忙しかった６月の決算月が終わって、ようやく一段落。
そうなるとやっぱり旅に出ないと・・・
でもさすがに疲れた体を癒すとなると行き先は温泉。
それなら、２０数年ぶりに親孝行を兼ねて、栃木に住む母親を連れて会津経由湯西川温泉の一泊の旅を企画して出かけてきました。
でも、どこに行くにも途中の近代建築ははずすことはできず、まずは猪苗代にある、天鏡閣（旧有栖川宮翁島別邸）からスタートしました。

エリア 猪苗代(福島)

• 同行者: 家族旅行
• 一人あたり費用: 1万円 - 3万円
• 交通手段: 自家用車 徒歩

今回の旅を企画したとき真っ先に思い浮かんだのがこの建物

天鏡閣と呼ばれる『有栖川宮翁島別邸』

天鏡閣は有栖川宮威仁親王の別邸として1908年（明治41年）建てられたもの。

「天鏡閣」の名付けの親は大正天皇で、皇太子の時ここを訪れた際、別荘から見える猪苗代湖が鏡のように見えたことから命名したとされます。

廊下の突き当りには明治時代のドレスをまとったマネキンが３体

ちょっと怪しい雰囲気です

豪華なカーテンや絨毯、天井に吊るされたシャンデリアは明治後期における皇族別邸の気品ある豪華さを物語っています。

会津木綿を使ったドレス

階段は３箇所付いていましたがここがメイン階段

こちらは撞球室。
上野の池之端にある旧岩崎邸にも撞球室がありましたが、ビリヤードって明治の頃より行なわれていたんですね。

湯殿の浴槽　
随分小さいですが、これってどうやってはいるのでしょうか？

明治４０年製造の呼出用受信機
日本電氣（ＮＥＣ）製で主賓客室などの主たる部屋に押しボタンが取り付けられ、受信機と接続され機能していました。

この別邸の主だった有栖川宮家は、かつて存在した宮家の一つ。

伏見宮、桂宮、閑院宮とならぶ世襲親王家の一つで１０代目で途切れ、祭祀は高松宮家へと引き継がれています。

洋館にはなくてはならないマントルピース
部屋ごとにデザインが違います

マントルピースと上にある鏡は各部屋ともセットで設置されています。

同じように見えるマントルピースも両側の壁には違った種類のタイルが貼られています。

鮮やかなブルーのタイル、これが一番きれいでした。

こちらは桃がデザインされたタイル

暖炉の周りは大理石

大理石のお風呂もありますが、間口の狭い浴室はちょっと使い勝手が悪そうです。

有栖川宮家と関連の皇室の面々

明治のドレス試着とロイヤルティー＆スイーツで明治の皇族の気分を味わいませんか！
ってなことで早速味わってしまいました。

場所は先ほどロープでさえぎられていたメインダイニング

ロールケーキセット　これははずれ、中のクリームがおいしくなかった

こちらはマンゴタルト　こっちはグッド
なかなか美味でした。

女房と母親がチャレンジしたのは明治のドレス
本人は会津木綿のドレスが着たかったようですが、スタッフの方がこっちのほうが絶対にかわいいとのお勧めによりピンクを選択。
ピンクって膨張色
小柄なこともあってコロッとした感じになってしまいました。

７７歳の母親も果敢に挑戦
でもかなり無理あるんじゃないの・・・・？
お一人様５００円の変身コーナーでした。

横に建っている付属建物。

ここの館の主だったのは、１０代目最後の有栖川宮威仁親王で、元帥海軍大将を務めていました。

庭にある立派な銅像は有栖川宮親王

この像はもともと築地の海軍大学校前にあったもので、ここに移設されたのは昭和５９年のこと。

外観はルネッサンス様式を巧みに取り入れた一部三階建ての和洋折衷の建築様式になっています。

スレート屋根の上には八角形の塔屋が乗っていて外壁には下見板貼になっています。

玄関上部のバルコニー、縦長の上げ下げ窓や棟飾り、丸窓のドーマなど様々な洋風建築の要素で構成されています。

猪苗代湖畔の高台に建っていますが、現在は周囲の樹木によって視界がさえぎられてしまっています。

２階からはこの猪苗代湖は見えませんでした。