2010/01/16 - 2010/01/18
8761位(同エリア22964件中)
世界攻略者さん
- 世界攻略者さんTOP
- 旅行記213冊
- クチコミ2件
- Q&A回答0件
- 2,413,877アクセス
- フォロワー69人
みなさん、バンコクでの両替どうされてるでしょうか。銀行、T/C、ATM、両替所、どれが一番お得なのか。ちょっと真剣に考えてみました。
** 基本情報は2010年1月のもの。
==バンコク関連==
バンコク 予防接種を大人買い (赤十字、スネークファーム)
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10442104/
==両替関連==
[ネパール] カトマンズ タメル 両替屋のひみつ教えます
http://4travel.jp/travelogue/10438076
[マレーシア] クアラルンプール 両替虎の巻
http://4travel.jp/travelogue/10797388
[香港] 香港両替事情 - 真の為替王は誰だ
http://4travel.jp/travelogue/10915799
[中国] 世界一詳しい人民元投資マニュアル
http://4travel.jp/travelogue/10608450
変更:
2011/07/04 国際キャッシュカードのレートとタニヤ酒屋の情報を追加
2011/10/05 トラベラーズチェックの内容修正
2014/07/31 カード引出し手数料の情報を追加
PR
-
[まえがき]
私がバンコクの為替事情に興味をもったのは、2009年4月のATM手数料導入がきっかけでした。それ以降、現金を引き出す毎に150バーツ(420円)徴収され、ATMの利用が全く割りに合わなくなりました。そこで初めて、その他の両替手段の損得を調べてみたのですが、思ったより奥が深いようです。というわけで、今日はバンコクの両替事情を紹介したいと思います。少々長いですがお付き合いください。
[目次]
銀行/両替店
(イントロ、銀行リスト、基準レート、空港レート、
銀行の特徴、エリア別特徴、レート一覧)
トラベラーズチェック
(イントロ、T/Cの手数料)
ATM/クレジットカード
(イントロ、ATM/クレカレート、国際キャッシュカード)
スーパーリッチ
(イントロ、レート、活用法)
まとめ
(比較まとめ、戦略) -
[銀行/両替店]
==イントロ==
バンコクでの両替の基本は銀行です。銀行の店舗はそこら中にあり、観光客が多いエリアにはブース型の両替専用店舗も多くみられます。では、どこの銀行のレートがいいのでしょう。これは一概にはいえません。なぜなら各銀行がホームページに掲載しているのレートと、街の店舗のレートは同じではないからです。競争が激しい場所では、レートを少し上げているのです。ですので、各銀行の設定レートではなく、各店舗が調整したレートを見なければいけません。
タイでは、銀行ではない独立系の両替店もあります。店舗の数は少ないですが、そのレートの良さから存在感があります。これらの店も合わせて見ていきます。
写真: 表示レート設定ソフト -
==銀行リスト==
バンコクに店舗展開している銀行は、どこも両替サービスを行っています。主な銀行とURLは次の通りです。
カシコム銀行 (K Excellence)
http://www.kasikornbank.com/EN/Pages/Default.aspx
クルンタイ銀行 (KTB)
http://www.ktb.co.th/en/main/index.jsp
サイアムシティ銀行
http://www.scib.co.th/en/home/default.asp
サイアム商業銀行
http://www.scb.co.th/index_en.shtml
バンコク銀行
http://www.bangkokbank.com/Bangkok%20Bank/Pages/main.aspx
TMB銀行
http://www.tmbbank.com/personal/index-en.php
UOB銀行
http://www.uob.co.th/index.htm
アユタヤ銀行
http://www.krungsri.com/en/index.aspx
どの銀行も英語のホームページを持っており、最新の為替レートに加え、過去のレートも検索することもできます。タイの銀行は意外と進んでいるのです。レートは一日平均2-3回変わり、その回数やタイミングは各銀行バラバラです。ホームページに載っている最新のレートを、その銀行の「基準レート」と呼ぶことにします。 -
== 基準レート ==
まず、各銀行のホームページを分析して、銀行の基準レートがどの程度いいレートなのかチェックしたいと思います。スプレッド(中値からの乖離)で比べます。
- BUYレート - (極端な例除く)
USD 100 平均1.23% 最大1.60% 最小1.15%
USD -20 平均2.49% 最大2.95% 最小2.31%
USD --1 平均3.64% 最大3.98% 最小3.34%
USD T/C 平均0.73% 最大0.98% 最小0.60%
EURO -- 平均1.31% 最大1.44% 最小1.13%
JPY --- 平均2.00% 最大2.38% 最小1.21%
こう見てみると、日本円のレートは決してよくありません。小額のドル紙幣は激悪です。基本的に市中の銀行は、基準レート、またはそれに少しだけ色をつけたレートで商売しています。
== 空港レート ==
唯一の例外が空港のマネーチェンジで、基準レートよりも悪いレートが使われます。
USD空港 4%前後
JPY空港 4%前後
ドルの場合、額面に関わらず同じレートなので、空港で100ドル紙幣を両替するのはお勧めできません。なお、これはバーツを買う場合のレートで、バーツ売りのレートはこれほど悪くありません。スワンナプーム空港には、サイアム商業銀行(写真)とTMB銀行が入っていますが、レートは全く同じです。 -
次に、バンコク市内の各店舗のレートが、基準レートからどれだけ上乗せされているかを調べます。用事のついでに以下のエリアの銀行のレートをチェックしました。カオサン、シーロム、プロンポン、伊勢丹周辺、プラチナムモール、パンティッププラザ、スクンビット通り。その結果を、各銀行の特徴、各エリアの特徴に分けて紹介していきます。
== 銀行の特徴 ==
銀行系の両替はどこでも一緒というわけではありません。それぞれの銀行にも個性があるのです。いくつか見ていきましょう。
アユタヤ銀行: カオサンのランブトリ通り交差点に支店を構える黄色い銀行。大きな店舗でどことなく安心感が感じられます。しかし、この銀行は、どこでも基準レートのままで商売をしていますようです。他がレートを調整してきても我関せず。相対的にアユタヤ銀行のレートは悪めです。
カシコム銀行: K Excellenceのマークが目立つ緑の銀行。この銀行はとにかく両替店舗が多い。カオサン地区だけで5ヶ所もあります。特徴としては、すぐ近くの店舗でもレートが全然違うというのがあります。カオサンの5店舗もすべてレートが違います。
UOB: 紺色の外資系銀行。カオサンとプロンポンで安定していいレートを出しています。移動式の両替カーを持っており、夜遅くまで営業しています。両替業務に積極的なようです。
TMB: 水色。日本円とユーロの基準レートが飛びぬけて悪いユニークな銀行です。プロンポンなど日本人率の高いところだけ、他の銀行にレートを合わるところが狡猾です。シーロム店など、レート調整をしない店舗では日本円の両替はやめたほうがいいでしょう。
KTB、サイアムシティ銀行: 今回調査した日に限れば、この2つの銀行は基準レートが他よりやや高めです。
その他の銀行に大きな特徴はありません。
独立系の店: これは本店と支店/系列店に大きく分類されます。後者は観光客が多いエリアに戦略的に店を出しています。独立系の最大勢力がスーパーリッチ1965です。これらの店は後ほど詳しく説明します。 -
== エリア別特徴 ==
続いてエリア別に分析していきます。
=カオサン地区=
カオサン通りとランプトリ通りに安宿街が形成されています。その中に、銀行系12軒、独立系3軒、合わせて15軒の両替店舗があります。そのうち銀行業務をしている店舗はアユタヤとクルンタイの2店だけで、残りは両替専用店です。銀行系で一番レートがいいのがUOB、カオサン通りの真ん中あたりにあります。そのすぐ隣のサイアム・シティ銀行もレートを合わせてくる傾向があります。銀行系の店は夜になるとレートが落ちるので注意が必要です。
カオサンのベストレートを謳うのが独立系のレインボー(写真)。カオサン通りの東端と、ランプトリ通りの西端に店舗があります。これらの店は、後で詳しく述べるスーパーリッチの系列店です。2011年春、ひさしぶりにカオサンに行ってみると、スーパーリッチの直営店がカオサン通りにできていました。これにより、3つの独立店でカオサン地区をまんべんなくカバーすることになり、銀行包囲網ができつつあります。これらの3店は外観がかなり異なりますが、レートは全く同じです。銀行系と同じかちょっとだけ良いレート。カオサンでは、基本的にはここで両替すれば間違いないでしょう。 -
=シーロム=
ビジネス街のシーロム。すぐ近くにルンピニ公園と日本人向けクラブが並ぶタニヤ通りがあります。シーロム通りの銀行系両替所を2,3チェックしましたが、どこも基準レートで商売していました。ここにもスーパーリッチの支店があり、銀行よりいいレートを出しています。レートはカオサンのスーパーリッチと同じか少し悪い程度。一見、スーパーリッチの独り勝ちのようですが、上には上があります。タニヤ通りの酒屋が二軒ほど私設の両替業務をしており、近場のスーパーリッチを上回るレートを出しています。
ただ、これらの店はレート表を張り出している訳ではないので、店の中に入って尋ねるとかしないとレートがわかりません。また、扱っている通貨も、日本円、ドルなどのメジャー通貨に限定されます。しかし、兼業とはいえ、このエリアではベストレート(特に日本円)なので、急に4000バーツほど必要になった紳士の方は重宝するでしょう。
写真: 今回調査したタニヤ・スピリット(Thaniya Spirit)。もう一店のタニヤ・リカーに関しては不明。 -
=プロンポン=
BTSの改札すぐ外に銀行系3店舗。少し離れて、日本語の古本屋を過ぎた先にスーパーリッチの出張店舗があります。ここでも銀行系ではUOBが一番いいレートを出すのですが、スーパーリッチがそれを少しだけ上回るレートを設定してきます。嫌な奴です。駅の外、スクムビット道路沿いにも両替できるところがありますが、そちらのレートは平凡です。
=伊勢丹周辺(写真)=
最寄り駅のBTSチットロムに、スーパーリッチの出張店舗があります。レートはプロンポンと同じです。ここから伊勢丹まで両替するところは見当たりません。伊勢丹向かいのスーパーBig-Cの中にも、スーパーリッチ系列の店があります。ここのレートはカオサンのレインボーと同じで、BTSの支店より少し上です。Big-Cの北側の道を奥に進むと、スーパーリッチの本店があります。こここそ、バンコク為替ワールドの本丸ですが、あまりに語ることが多いので、後まわしにします。
=プラチナム・モール、パンティッププラザ=
伊勢丹を北に向かうと大通りがあります。道路を越えるとプラトゥナーム市場、左に曲がると激安衣類市場のプラチナム・ファッションモールがあります。ここの一階にある銀行店舗は、プロンポンよりいいドルレートを出しています。レートの上乗せ度が、客層を反映しているようで面白いですね。ただ、たまたまこの日だけレートが良かった可能性もあります。すぐ近くにある「バンコクの秋葉原」ことパンティッププラザはやや平凡なレートです。コンピューターに興味がある人は、そんなにお金に困っていないということでしょうか。ここでもカシコム銀行は建物の中のレートだけ上げる姑息なことをしています。
=スクムビット通り =
アソークからナナにかけて多数両替店舗があります。夕方ということもあるのか、ほとんどの店舗が基準レートで商売しています。ナナ駅手前の店舗だけ少しレートを上げて頑張っています。ナナ駅の近くには、もうひとつの独立系の雄VASU(後述)があります。今回、VASUのレートをチェックするのを忘れましたが、基本的にスーパーリッチ本店に近いレートです。 -
==レート一覧==
調査した結果をまとめるとこうなります。そのエリアでの最高レート、銀行系限定の最高レート、そして銀行店舗がどれだけ基準レートよりレートを上げて頑張っているか、この3点に注目しました。比較はスプレッド(市場の中値からの乖離)。数字が小さいほどいいレートになります。
=USドル100=
場所、最高レート、最高レート銀行、上げ幅
カオサン: 0.7%(レインポー)、0.7%(UOB)、0.21%-0.45%
シーロム: 0.5%??(タニヤ酒屋)
プロンポン:0.88%(S-Rich)、0.94%(UOB)、0.21%-0.27%
伊勢丹/プラチナム:0.05%(S-Rich本店)、0.79%(Siam Com)、0.12%-0.45%
ナナ周辺:??(VASU)、0.94%(Siam Com)、0.00%-0.30%
=ユーロ=
場所、最高レート、最高レート銀行、上げ幅
カオサン: 0.88%(レインポー)、0.95%(UOB)、0.31%-0.42%
プロンポン:1.09%(S-Rich)、1.09%(UOB)、0.19%-0.27%
伊勢丹/プラチナム:0.21%(S-Rich本店)、1.20%(バンコク)、0.12%-0.08%
ナナ周辺:??(VASU)、1.11%(カシコム)、0.00%
=日本円=
場所、最高レート、最高レート銀行、上げ幅
カオサン: 0.99%(レインポー、S-Rich)、1.21%(UOB)、0.39%-0.66%
シーロム: 0.45%??(タニヤ酒屋)
プロンポン:1.43%(S-Rich)、1.49%(UOB)、0.39%-0.58%
伊勢丹/プラチナム:0.28%(S-Rich本店)、1.9%(バンコク)、0%-0.07%
ナナ周辺:??(VASU)、1.79%(Siam City)、0.00%
こう見てみると、銀行系に限ればカオサンのレートが一つ抜けていて、それをプロンポンが追う感じです。独立系も含めると、やはり伊勢丹とナナが断トツです。タニヤの酒屋もかなりいいレートを出しています。予想通りの独立系圧勝ですが、銀行も結構頑張っていると思います。それでも0.5%程度の上げ幅が精一杯なようです。
**タニヤ酒屋のみ別の日にリサーチしたため、スーパーリッチ本店と比較してどの程度レートがいいのか正確なデータはありません。深夜まで営業 + パスポートコピーなどの面倒な手続きがないことを考えると、かなり使い勝手のいい店と言えます。 -
[トラベラーズチェック]
== イントロ ==
T/Cはほとんどの銀行系両替店舗で現金化できます。独立系は基本的に扱っていないはずです。基準レートのところで分析しましたが、ドルのT/Cレートは現金レート($100)より0.5%ほど高く設定されています。T/Cレートは現金レートと違い、支店毎の調整は行われていません。ですので、同じ銀行ならどこで換えても同じレートのはずです。T/Cのレートは各銀行のホームページでチェックできます。
== T/Cの手数料 ==
タイでT/Cを現金化すると、一枚毎に手数料がかかります。税込みで33バーツです。現在1ドル=33バーツくらいですので、100ドルのT/Cを換えた場合、手数料だけで1%目減りする計算になります。現金レートとの0.5%の差があっさり飛んでしまうのです。タイでT/Cを使うのは損ということでしょうか。念のため調べてみましょう。8000円(100ドル)を円からバーツに換えるシナリオを考えて見ます。平均的な銀行のレートを使用した場合、実質レートはこのようになります。
日本円 - 2%(タイで両替) -> バーツ。計2.00%
日本円 - 1.25%(ドルT/C作成時の為替損) + 2%(T/C発行手数料) -> ドルT/C -> 1%(換金手数料) + 0.73% -> バーツ。合計約5.0%
日本円 - 3.5%(日本で両替) -> ドル現金 - 1.23%(タイで両替) -> バーツ。合計約4.73%
こう見ると、現金にしろTCにしろ一旦ドルに替えるのがいかにバカバカしいかわかります。T/C発行手数料を割り引く銀行から買ったとしても、大勢に影響なし。
[変更(2011/10)] 2009年からTC発行手数料が2%に値上げされたを受け、内容を少し変更しました。東京三菱UFJのレートを見ると、最近はTTSが+1円、現金売りレートが+2.8円になっているようです。それも計算に反映させました。日本の銀行は、パーセンテージではなく、プラス何円でレートを決めています。これは、銀行の収入が為替相場に左右されない一方で、円高になるほど実質の手数料率が上がります。 -
[ATM/クレジットカード]
== イントロ ==
2009年4月より海外カードを使いATMからお金を引き出す場合、150バーツの法外な手数料がかかることになりました。(2014年現在、一部の銀行は180バーツに値上げ)。これは、タイ国内発行のカードからは徴収されないのですが、旅行者がタイで銀行口座を開くのは非常に難しい状況です。海外カードとは主にビザやマスターのネットワークを利用するカードを指すのですが、この時なぜか中国発行の銀行カード(銀聯系)からはこの手数料が徴収されていませんでした。ネットワークにより微妙な違いがあるようです。
150バーツ(420円)といえば、1万円下ろしても4.2%手数料にもってかれることになります。手数料を全体の1%以内に抑えるためには、一度に15000バーツ(42000円)も引き出す必要があります。レート以前の問題です。これがクレカのショッピングになると、この手数料はかからないはずなので、まだ利用価値はありそうです。
== ATM/クレカのレート ==
クレカでキャッシングした時のレートは次のような形で計算することができます。
キャッシングの場合、(visaやmasterの)銀行間レート + 利息
タイ・バーツのの対円インターバンク・レートは、だいたい0.3%-0.5%くらいのスプレッド推移しているようです。仮に18%の金利で25日-55日間借りたとすると(一括払い)、利息が1.23%-2.71%。両方あわせて1.53%-3.21%、平均2.37%になります。これはあくまで平均的なカードの例で、優遇利息(15%以下)のカードもあれば、締め日の関係で累積金利が高くなるものもあります。困ったことに、近年多くのクレジットカードでは、海外キャッシングに対して、引出し手数料を徴収するようになっています。典型的なケースで1万円以下108円。それ以上で216円。さらにタイの場合、150バーツ(450円)追加で上乗せされて、ダブル・トッピング! もう勝負ありです。
** 引出し手数料のないカード(ライフとか)を使ったり、前倒し返済で利息分を減らす手もありますが、タイに限っては無力です。
一方、ショッピングの場合、
(visaやmasterの)銀行間レート + 1.6%/1.63%の手数料
で計算されます。インターバンク・レートと合わせても、1.90%-2.13%(平均2.0%)とほどよいレートに落ち着きます。ショッピングなので、必ず買い物を伴うのが不便ですが、忌々しいATM手数料から逃れられる上に、カードによっては、ポイント還元もあるからお得です。もちろん、、お店からサーチャージを請求されなければ、の話ですが..。
==国際キャッシュカード==
続いて、比較的利用者の多い国際キャッシュカードはどうでしょうか。クレジットカードのキャッシングと違い、各銀行かなり恣意的にレートを決めています。
シティバンク: インターバンクレート + 4-4.5% (約4.9%)
新生銀行: インターバンクレート + 4% (約4.4%)
楽天銀行(Visaデビット): インターバンク・レート + 3.024% (約3.4%)
この中では、シティバンクのみ引出し手数料(216円)がかかります。これらのカードもVisa/Masterなどのネットワークを使用しているため、引き出しごとに150バーツの手数料がかかります。
=参考=
ビザのレート
http://usa.visa.com/personal/card-benefits/travel/exchange-rate-calculator.jsp
FX History (市場の銀行間レート)
http://www.oanda.com/currency/historical-rates -
[スーパーリッチ]
== イントロ ==
バンコク最強のレートを誇るのが独立系両替店。具体的には2つのスーパーリッチとVASUを指します。他にもウィークエンドマーケット近辺などいくつか専業両替店がありますが、アクセスに問題があるので、ここでは割愛します。
伊勢丹の向かいにあるBig-Cの北側の道を奥に行くと、オレンジ色の「Super Rich 1965」が2店舗、その向かいに緑色の「Super Rich (Thailand)」があります(写真の看板)。袂を分けた経緯は知りませんが別の会社です。混乱を避けるため、オレンジの方をオレリッチ、緑の方をミドリッチと呼ぶことにします。ここまで「スーパーリッチ」と書いてきた情報は主にオレリッチの方を指します。オレリッチは出張店舗や系列店があるため、ミドリッチよりもメジャーです。そのため、ミドリッチを偽者扱いする心無い旅行者もいますが、普通にちゃんとした会社ですしレートも互角です。両社ともホームページを持っており最新レートをチェックすることができます。
オレリッチ: http://www.superrich1965.com/
ミドリッチ: http://www.superrichthailand.com/exchange.asp
この2つのスーパーリッチ本店は、銀行系とは別次元のレートで商売しています。では、2つのリッチのどちらのレートがいいのでしょう。私が観察した限りでは、マイナー通貨については同じです。ドル、ユーロ、日本円、中国元で多少差が出ます。通常はこれらの通貨も同じレートですが、差が出る時は、ミドリッチのほうがいい場合が多いようです。両店、通りを挟んで5秒で移動できますので、両方比べるのがいいでしょう。ただし、レートは店舗の中に入らないとわかりません。
もう一つの有名な独立系両替店、スクンビットのVASU(活素)はどうでしょうか。レートを比較すると、スーパーリッチのほうが少しレートがいいようですが、差はわずかです。いずれにせよ銀行系よりはずっといいレートを出しています。VASUはBTSナナ駅の近くにあります。 -
== スーパーリッチのレート ==
では早速、どれだけレートがいいか見てみましょう。ミドリッチのレート表を定期的に読み込むソフトを作り、解析してみました。表の見方ですが、それぞれの通貨の典型的なレートを片道のスプレッド(市場レートからの乖離)で表示しています。数字が小さいほどいいレートです。その次の括弧の中に、売りレートと買いレートのポイント差のぶれを載せています。ポイント差が小さい日ほど、レートがよくなります。マイナー通貨はポイントの刻みが大きいので、レートが倍くらい悪くなる時もあります。
通貨、レート、ポイント差
ドル(100) 0.045%(0.02p - 0.07p)
ドル(10,20,50) 0.15%(0.08p - 0.12p)
ドル(1) 0.60%(0.38p - 0.42p)
ユーロ 0.21%(0.1p - 0.3p)
日本円 0.28%(0.001p - 0.0025p)
シンガポールドル 0.21%(0.05p - 0.15p)
マレーシアリンギット 0.26%/0.51%(0.05p or 0.1p)
インドネシアルピー 2.99%(0.0001p - 0.00025p)
フィリピンペソ 0.6%/1.4%(0.01p or 0.02p)
香港ドル 0.23%(0.02p)
中国元 0.2%(0.02-0.03p)
台湾元 0.47%(0.005p-0.015p)
韓国ウォン 0.6%(0.003p - 0.004p)
インドルピー 1.39%(0.02p)
オーストラリアドル 0.37%(0.1p-0.3p)
英国ポンド 0.27%(0.2p-0.5p)
UAE 0.54%(0.1p - 0.15p)
南アフリカ 1.8%(0.1p - 0.2p)
この他、ヨーロッパ系、中東系の通貨もあります。
いかがですか。これはタイ国内だけでなく、世界的に見ても抜群のレートです。これだけポイント幅が狭いと、日中の市場レートに追随しないと儲けが飛んでしまいます。ミドリッチの場合、一日だいたい3-7回、多い日は10回ほどレート表を変更しているようです。
こんなにレートがいいのなら「もう銀行いらないよね」という話になります。しかし、店舗がここしかないため、日々の両替には不便です。確かに、オレリッチはBTSに出張店舗、カオサンに系列店を持っています。残念ながら、これらの店舗は、その出店場所の相場に合わせてレートを決めているため、本店ほどレートがいいわけではありません。 -
== スーパーリッチ活用法 ==
なぜこんな薄利なレートで商売できるか全く不明ですが、これを利用しない手はないでしょう。いくつかスーパーリッチの活用法を考えてみました。ここで紹介する方法は、同様にレートがいいVASU(写真)にも当てはまります。
1. 余った通貨を処分する。
ドル、ユーロ、日本円以外の通貨の場合、銀行の両替は極端にレートが悪くなります。そんなマイナー通貨にも、スーパーリッチではいいレートを提供しています。通貨によりますが、片道0.2-1.0%くらいでしょうか。以前、中国元、香港ドル、台湾ドルそれぞれ小額の紙幣を持って両替したことがあります。カウンターの女性は、あっという間に3通貨の計算を行い、バーツの支払いをしてくれました。
2. 円をドルに換える。
長期旅行者の場合、万が一のために最低でも300-500ドル程度の現金をドルで所持しておきたいもの。スーパーリッチは円->バーツ、バーツ->ドル、共にレートがいいので、クロスで両替してもせいぜい0.3-0.4%の損でしかありません。日本の銀行で換えれば約3%、一番レートのいい新橋の金券ショップでも1.5%-2.0%です。
国によっては、現地通貨よりドルのほうが使い勝手がいいところがあります。また、ドルでしかまともに両替できない国もあります。具体的にはお隣のミャンマーがそうです。ドル以外の通貨は両替しにくく、できたとしてもレートはよくありません。T/Cも使えず、ATMもありません。ひとつだけクレカからキャッシングができるホテルがありますが、手数料を7%ほど取られます。ミャンマー旅行にはドル現金が必須なのです。残念ながらスーパーリッチではミャンマーチャットを取り扱っていません。聞くところによるとカオサンの旅行代理店で余ったチャットを買い取ってくれるところがあるようです。カオサンはミャンマー人労働者が沢山いるので、まあ納得です。
3. 余ったバーツを次行く国の通貨に換える。
次に向かう国の通貨に前もって両替しておくのです。現地で両替するよりレートがいい通貨が結構あります。スーパーリッチで換えれば、シンガポールドルで0.1%-0.3%、マレーシアリンギットで0.25%-0.5%。インドルピーで1.4%。中国元で0.2-0.3%のスプレッド(為替手数料)で両替できます。
4. 余ったバーツを日本円に換える。
レートがいいので、あらかじめ多めにバーツに換えておいて、帰国前に余った分を日本円に戻すのです。往復0.5%くらいです。ただ、いくらレートがいいといっても、それは市場レートに対しての話ですので、円高に動けば実質損になります。
これらの方法を活用すれば、少しだけ得した気分になります。「スーパーリッチでちょっとだけリッチに」これが合言葉です。 -
[まとめ]
==比較まとめ==
レートの比較をわかりやすく整理してみます。ある日のドルと円のレートをグループ分けするとこうなります。
[対ドル]
=第一グループ (0.5%以下)
ミドリッチ・オレリッチ本店(0.05%、伊勢丹)
VASU(??%、スクンビット)
タニヤ酒屋(0.45%??、シーロム)
=第二グループ (1%以下)
レインボー/UOB(0.7%、カオサン)
スーパーリッチBig-C店(0.7%、伊勢丹)
サイアム商業銀行( 0.79%、プラチナム)
スーパーリッチBTS店舗(0.88%、プロンポン/チットロム)
レート高めの銀行店舗(0.94%、N/A)
=第三グループ (2%以下)
銀行の基準レート平均(1.23%、全国)
T/C実質レート 平均(1.73%、全国)。
** T/C作成コスト含まず。
=第四グループ (2%以上)
タイ空港レート(4%、スワンナプーム)
日本でドルに両替後、タイで両替 (4-5%)
日本でドルT/Cを作って、タイで両替 (4.23-5.05%)
[対円]
=第一グループ (0.5%以下)
ミドリッチ・オレリッチ本店(0.28%、伊勢丹)
VASU(??%、スクンビット)
タニヤ酒屋(0.45%??、シーロム)
=第二グループ (1%前後)
レインボー(0.99%、カオサン)
スーパーリッチBig-C店(0.99%、伊勢丹)
=第三グループ (1.5%前後)
UOB (1.21% カオサン)
スーパーリッチBTS店舗(1.43%、プロンポン/チットロム)
UOB (1.49% プロンポン)
=第四グループ (2%前後)
銀行の基準レート平均(2.00%、全国)
クレカ - ショッピングレート平均(2.02%、全国) ポイント還元含まず。
=第五グループ (2%以上)
タイ空港レート(4%、スワンナプーム)
クレカ - ATMで5000バーツ下ろした場合の平均(5.4%、全国)
銀行カード - ATMで5000バーツ下ろした場合の平均(6.3%-7.4%、全国)
=第六グループ (大気圏外)
日本の銀行 (17%、タイバーツ取扱支店)
だいたいの傾向がわかりましたね。最後のレートは冗談としか思えません。 -
==戦略==
データが出揃ったところで、最後に両替戦略を考えてみたいと思います。空港からのスタートです。
1.空港に到着。バスやタクシー代だけ、円または小額のドル紙幣から両替します。
2.ホテルがスクンビットならVASU、カオサンならレインボー、プロンポンならスーパーリッチの支店、シーロムならタニヤの酒屋で、当面の分を100ドル紙幣や日本円から両替します。夜遅い場合は、まだ開いている両替店舗を見つけます。
3.ホテル代などカードで払えるものはカードで払います。
4.もし伊勢丹、ナナ周辺、タニヤに立ち寄る用があれば、それぞれスーパーリッチ本店、VASU、タニヤの酒屋で両替します。
5.選択肢がない場合のみATMからお金を引き出します。
こんな感じでしょうか。結局、常識的なところに落ち着きましたね。ここまで調査しておいて今更ですが、よほど散財しない限り、レートの差に大きな損得はありません。仮にレートが2%悪くても、1万円換えて200円の違いです。ちなみに2007年のレートは今より3割ほどバーツ高でした。結局タイは楽しんだ者勝ちなのです。「じゃあ、なんでわざわざ調べるの?」と聞かれれば「知りたかったから」としか答えようがありません。 -
さて、今回の調査は参考になったでしょうか。多分なってないでしょう(笑)。いずれにせよ、よい旅を。
[リンク集]
==海外旅行記一覧==
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album?dmos=os&sort=when&view_mode=list
==国内旅行記一覧==
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/?dmos=dm&sort=when&view_mode=list
== 両替、為替関連 ==
[タイ] バンコク両替事情 - 為替をめぐる知的冒険
http://4travel.jp/travelogue/10439814
[ネパール] カトマンズ タメル 両替屋のひみつ教えます
http://4travel.jp/travelogue/10438076
[マレーシア] クアラルンプール 両替虎の巻
http://4travel.jp/travelogue/10797388
[香港] 香港両替事情 - 真の為替王は誰だ
http://4travel.jp/travelogue/10915799
[中国] 世界一詳しい人民元投資マニュアル
http://4travel.jp/travelogue/10608450
この旅行記のタグ
利用規約に違反している投稿は、報告する事ができます。
この旅行記へのコメント (4)
-
- おぷさん 2015/02/16 12:48:02
- 奥が深い
- 読み物として単純に面白かったです。
ぜひ他の記事も読ませていただきます。
-
- shinさん 2011/04/24 17:03:53
- http://thailand.ryogae.com/がいいですよ
- http://thailand.ryogae.com/ がリアルタイムでバーツ両替レートがわかるので便利ですよ。
- 世界攻略者さん からの返信 2011/05/05 15:40:21
- RE: http://thailand.ryogae.com/がいいですよ
- こんにちは。
早速参考にさせていただきます。
> http://thailand.ryogae.com/ がリアルタイムでバーツ両替レートがわかるので便利ですよ。
コメントを投稿する前に
十分に確認の上、ご投稿ください。 コメントの内容は攻撃的ではなく、相手の気持ちに寄り添ったものになっていますか?
サイト共通ガイドライン(利用上のお願い)報道機関・マスメディアの方へ 画像提供などに関するお問い合わせは、専用のお問い合わせフォームからお願いいたします。
バンコク(タイ) の旅行記
旅の計画・記録
マイルに交換できるフォートラベルポイントが貯まる
フォートラベルポイントって?
4
17