2009/09/13 - 2010/09/20
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世界攻略者さん
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インド最北の大都市であるスリナガル。ここは、ダル湖のハウスボートという見所に加え、「インドの中のイスラム社会」という興味深い場所でもあります。モスクやラマダンを通して、彼らの信仰を観察してみました。
**情報は2009年9月中盤のもの。1ルピー=1.9円で計算。
==カシミール観光白書 シリーズ一覧==
① スリナガル ハウスボート大全
http://4travel.jp/travelogue/10438056
② モスリムという生き方 (モスク、ラマダン、イスラム) <==
http://4travel.jp/travelogue/10452111
③ スリナガル グリーン・グリーン (グルマルグ、カシミール鉄道)
http://4travel.jp/travelogue/10545380
==インド・ラダック夢の跡 シリーズ一覧==
①真夏のダライラマ対策 (ティーチング)
http://4travel.jp/travelogue/10446819
②マルカ谷 D.I.Y.トレッキング (執筆予定)
③ラダック・フェスティバル 非公式ガイド (チャム・ダンス)
http://4travel.jp/travelogue/10437919
④その素晴らしき日々 (滞在情報、ティクセ・ゴンパ、バイクでゴンパ巡り)
http://4travel.jp/travelogue/10641487
変更:
2014/09/13 写真追加 + 拡大。
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[目次]
イントロ
スリナガルのモスリム
モスクめぐり
- ジャマ・モスク
- マクドゥーム・サヒブ
- シャヒハマダン・モスク
- ハズラトバル・モスク
ラマダン
- ラマダン月
- イード直前
- イード前夜
イード
- 新年のお祈り
- 肉料理
- モスク参拝
- 着飾る
- 悪ガキ
- 公園めぐり
- 三日目
まとめ -
[イントロ]
長年の国境問題を抱えるインドとパキスタン。その最前線がインド領カシミール。戦後、宗教によって分割された両国ですが、歴史のあやでイスラム圏のカシミールがインド側に残ってしまいました。そのカシミールの中心が、観光都市でもあるスリナガル(シュリーナガル)。インドにあって、最もイスラム純度の高いところです。
カシミールの住民は両国からの独立を主張していますが、心情的にはパキスタン寄りのようです。現実的には現状維持(インド)がベストなのかもしれません。
2009年9月中旬、私がスリナガルにやって来た時は、ラマダン(断食月)の真っ只中でした。ダル湖のボート型ホテル、ハウスボートに滞在しながらこの町のイスラム文化を見ていきたいと思います。 -
[スリナガルのモスリム]
イスラム教は戒律に重きを置く宗教です。一日五回のお祈り、宗教的行事、食べていいもの・いけないもの、断食月のラマダン、など。そのため、どうしても宗教中心の生活スタイルになってしまいます。
ダル湖の小島のような道路のない場所でも、人が住んでいる限りモスクがあり(写真)、早朝からアザーンの呼びかけが聞こえてきます。 -
スリナガルがあるのは、インド北部のジャンムー・カシミール州。ジャンムーがヒンドゥー教、ラダックが仏教、スリナガルを含むカシミールがイスラム教、と見事に宗教で住み分けされています。
スリナガルは人口100万人の大きな町。その住民はほぼすべてイスラム教徒で、一部のシーア派を除いて基本的にスンニ派です。
スリナガルに滞在していると、イスラムの影響力を知らされるエピソードに事欠きません。ハウスボート滞在中、肝心な時に世話人が礼拝中で、見つからないことがよくあります。ダル湖でガラの悪い客引きをしている若者でさえ、モスクへの参拝は欠かしません。あるシカラ乗りの老人は、「わしには妻も子供もいない。アッラーの神がいるだけだ」とやせ細った腕で今日もボートをこぎ続けます。宗教は人生の一部であり、それなしの生活はありえないのです。 -
[モスクめぐり]
まずは、彼らの信仰を支えるモスクを見てみましょう。スリナガルには、大小、星の数ほどモスクがあります。その中で、有名なものをいくつか紹介ていきます。
==ジャマ・モスク(金曜モスク)==
市内にはオールドタウンと呼ばれるエリアがあります。トタン屋根、レンガ造りからなる古い建物が多く残るエリアで、スリナガル最大のジャマ・モスク(Jama Masjid)は、そんな旧市街の中にあります。
ジャマ・モスク(写真)は、一見大学のような雰囲気の建物で、あまりモスクらしくありません。広い中庭を囲むように口の字型の建物があり、中は礼拝スペースになっています。東西南北にある入り口ホールの上には尖った屋根があり、この上に例の大音量スピーカーが設置されています。この尖がった屋根は、カシミールの古いモスクの特徴です。
** 後ろの山の上にあるのが、ハリパルバット・フォート。 -
中を見てみましょう。西側ホールだけは、出入り口の代わりにメッカの方向を向いたミフラーブが、備え付けられています(写真)。この建物は随所に木材が使われており、高い屋根を支えるのは378本もの柱。信者たちは、大理石にはない木の温かみを感じながら、メッカにお祈りを捧げます。
ここへのアクセスですが、ダル・ゲートからそう遠くないのでオートリキシャが便利でしょう。近くの道路を通るバス(5ルピー=10円)もあります。入場は無料ですが、カメラ代として10ルピー(20円)必要です。 -
どこか静かで落ち着いたジャマ・モスクですが、その雰囲気が一変する時があります。それは金曜午後の集団礼拝。イスラムの戒律では一日五回の礼拝をしなければなりません。一日の中でより優先順位の高い礼拝があるように、この金曜午後の集団礼拝は一週間で最も大切なものとされています。モスクによって時間は異なりますが、だいたい一時半から二時半くらいから始まります。
実は私が最初にジャマ・モスクを訪れたのは、まさにこの恐怖の金曜日でした。3000人を超える信者が集まり、とてもモスクの中に入ることができません。写真は、敷地内の芝生エリアに陣取る信者たち。 -
溢れた人達は、敷地の外、モスク東側の道路に座り、礼拝の開始に備えます(写真)。この「外野席」は、さらに100メートル北、モスクとは関係ない商店街まで続いており、彼らは目の前の商店に向かってお祈りすることになります。大事なのは、メッカの方向を向いてること。だから、これでいいのです。同様の理由で、建物の平らな屋上に陣取る人達もいます。
** 運動会の応援席のような道路エリア。外野席に敷物は欠かせません。もちろん裸足で。 -
あれ、礼拝するのは男性だけ? いえいえ、青空礼拝の場合でも、女性専用エリアは設けてあります。写真は、モスク北側のマーケット手前に集まる女性信者たち。
それにしてもすごい人の数ですね。周辺の商店が繁盛しているのも、この金曜礼拝があってこそ。この時まだイスラム教慣れしていなかった私は、強引に中に入ろうとしたり、写真を撮ろうとしてあちこちでガンを飛ばされました。やはり金曜日のモスクめぐりは避けたほうがいいのなか。それとも、あえて行くべき? -
==マクドゥーム・サヒブ==
ジャマ・モスクから見て北東方向に、頂上にお城のようなものがある丘(写真)があります。これはムガール帝国時代の城塞であるハリパルバット・フォート(Hari Parbat fort)で、現在はインド軍が駐屯しています。
写真: 左矢印: マクドゥーム・サヒブ、右矢印: 見晴台 -
その丘の中腹にあるのが、次に紹介するマクドゥーム・サヒブ(Makhdoom Sahib)。いわゆる聖人を奉ったモスク(写真)で、ジャマ・モスクから北に進むと、モスクへと続く石段が出てきます。
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このモスク自体はたいしたことないのですが、建物を抜けて2,3分歩いたところにある見晴らし台はなかなかです。そこから近くの街並みや、北東のナギン湖を見下ろすことができます。なお、その途中で山の頂上へと続く道が出てきますが、行っても兵士に追い返されるだけでしょう。
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==シャヒハマダン・モスク==
ジャマ・モスク向かって左手の道を10分ほど歩いた先、ジェラム川に寄り添うように古風なモスクが建っています。これがシャヒハマダン・モスク(Shah-i-Hamadan Mosque)で、スリナガル最古(1395)のモスクとして知られています。13世紀、ペルシャから布教に来たシャヒハマダンにより設立されました。
現在の建物は1730年代に建替えられたものですが、木造の外観は田舎の小学校のようで味があります。もちろんカシミール・スタイルのとんがり屋根付き。他の主要モスクと違い、周辺には門前町のような賑わいはありません。礼拝用の大きな空き地がなく、収容人数に限界があるのでしょう。 -
建物の入り口は、さすがにイスラム風。中がどうなっているのか気になりますが、イスラム教徒以外は入ることができません。確信犯的に入ろうとしても、兵士にやんわりと断られることでしょう。
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==ハズラトバル・モスク==
カシミールで最も"聖なる"モスクとされているのがハズラトバル・モスク(Hazratbal Mosque)。ドームとミナレットを従え、外観は白で統一されています。先に紹介したモスクと違い、世間的なモスクのイメージそのままです。通称ホワイトモスク。
ダル・ゲートからハズラトバルまでは、バスが頻発しているのでアクセスは簡単です。モスクはダル湖のほとりに位置しており、東側に水辺の公園、その逆側に礼拝用の広場があります。ダル湖の眺めと相まって非常に開放感のあるモスクです。
ここには預言者モハメッドの髪の毛が祭られてれており、大きな行事の時に公開されるとのことです -
モスク内部もオーソドックスで、奥に進むとミフラーブのある部屋があります。この写真では右手側が西になるので、信者は横長の礼拝スペースに並んで、祈りをささげることになります。
大型モスクではありますが、礼拝の時間以外はひっそりとしており、普段は熱心な信者が数人いるのみです。
以上、主要モスクの紹介でした。 -
[ラマダン]
私がスリナガルに来たのがラマダン明けの一週間ほど前。運良く、ラマダン(断食月)とラマダン明け(イード)の両方を体験することができました。イスラム教が最も輝く節目のイベントです。
==ラマダン月==
ラマダンの間、信者は日の出から日没まで食事をすることができません。私がハウスボートで朝食をとる頃には、オーナー家族はとっくに食事を済ませているはずです。日中、食堂は開店休業状態。ただ、ダル湖の周りだけは観光客を見込んで普通に営業しています。ヒンドゥー教のインド人観光客にラマダンは関係ないからです。 -
「いま、何時だ?」。夕方近くになるとさすがに腹が減るようで、ボート漕ぎから頻繁に時間をきかれます。シカラ乗り場では、その日の断食終了の時間に近づくと、客引きそっちのけでそわそわし始めます。そして時間になると、待ってましたとばかりに鍋が開けられ、用意されていたライスが一斉に配られます。それを仲間で分け合いながら、むさぼるように胃に流し込む男たち。みんなよく頑張った! 毎日訪れるすがすがしい瞬間です。
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==イード直前==
一ヶ月のラマダンが終わった後の3日間は、イード(EID)と呼ばれ、日本の正月のような賑わいを見せます。もう断食しなくていいのですから、その喜びもひとしおでしょう。
イード前の数日は、基本的にショッピング・タイム。新年に備え、新しい服を買ったり、食料を買い込んだりと何かと忙しい師走のような時期です。スリナガル最大のショッピング・エリアである、ラル・チョーク(Lal Chowk)と周辺のマーケットはすごい人出で、バスも進めないほどでした。 -
店先には、普段売っている商品に加え、正月向けのものも並びます。写真は、爆竹やクラッカーなどの賑やかしグッズ。中国と違い伝統でもなんでもありませんが、イード中、子供らは爆竹で遊びます。お金に余裕がある家は、より高価な打ち上げ花火を購入したりします。爆竹も花火も、ラマダンが明ける前から、バンバン、フライングで鳴り響いていました。湖は音がよく通るので、遠くの花火もよく聞こえるのです。
一方、女の子向けには、新調の洋服が好まれます(前の写真)。イードでは、大人が子供や年下の人にお年玉をあげる習慣があります。子供限定ではないので、どちらかというと中国式です。買い物 + 現金収入で子供を含む若者にとっては、ウハウハの季節でしょう。 -
ところで、スリナガルのマネキンはすごい顔をしています。こんな顔の人形が商店街のあちこちにあるのですが、果たしてこれはインド式なのか、パキスタン式なのか。私にはよくわかりません。
** 1人だけ本物が混じっています。 -
==イード前夜==
ラマダン明けの日にちは、サウジアラビアの学者が新月を見てから決めるため、前日の夜にならないと確定しません。そのかわり一度決まると速報が流れ、世界中のイスラム教徒がお祝いを始めます。何というか、流動的な年越しです。
この地方では、ラマダン明け前夜、夜通しでダンスを踊る風習があります。この伝統は、現在周辺の田舎で行われる程度で、スリナガル市内では完全に廃れてしまいました。それでも伝統は伝統。イード中、カシミール・チャンネルでは、テレビ用に撮影された民族ダンスを一日中放映していました。正月番組みたいなものですね。 -
[イード]
==新年のお祈り==
ラマダンが明け、イード初日の朝を迎えました。この日は特別な礼拝があるため、ジャマ・モスクやハズラトバル・モスクなどの大型モスクには大勢の信者が集まります。初詣と天皇参賀を合わせたようなイベントでしょうか。
写真: イードの「正しい過ごし方」を解説した現地新聞(英語)。 -
礼拝は朝九時半スタート。当初、ハズラトバル・モスクで見るつもりでしたが、ダル・ゲート近くの広場に物凄い数の人が集まっているのを見つけ、こちらを見学することにしました。場所は、観光案内所前のポログラウンド。ここはすべてのモスクの敷地を合わせたくらいの広さがあります。M.A. Roadから、遥か向こうの通りまで、一万人はいるかもしれません。
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広場前方には白い服を着た男性が陣取り、その後ろにカラフルなスカーフを被った女性が続きます。また男性にガンつけられると嫌なので、女性エリアを道路の外から見学することにします。
九時半になると、スピーカーから流れる声に従い礼拝スタート。まずは、立った状態でお祈りを捧げます。なんだか朝礼の時間みたいですね(この後も的外れなコメントが続きます..)。
** 服装だけでなく、芝の上の敷物もカラフル。 -
続いてお辞儀。ラジオ体操じゃありませんよ。横から見ていると、マスゲームに見えてしまいます。何しろ、数千人が同じ動きをしてますからね。
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そして、流れるように土下座。永田さん(タートル・ポジション)を彷彿とさせます。 その後、左右を見て手を上げる、といった一連の動きが行われ、約10分間のお祈りタイムは終了。人々は、何事もなかったかのように家に帰っていきます。さすがはモスリム。新年行事の正体は、やはりお祈りでした。
** 何が起こっているのか理解していない子供らに注目。 -
これらの動作は普段の礼拝と変わらないようですが、今日のは年に一度の特別なもの。壮大なお祈り風景を目にすることができた私は、とてもラッキーな人間といえるでしょう。インドの影響を受けたと思われるカラフルな正装は、他のイスラム国では見かけない鮮やかさです。
なお、この新年の礼拝が行われるのは、イード初日のみ。普段、このポログラウンドで礼拝が行われることありません。 -
==肉料理==
イードのお楽しみといえば、その豪勢な食事です。各家で肉をふんだんに使った料理を作り、ラマダン明けを祝います。普段も肉は食べられますが、肉料理は割高なので、一度に沢山出てくるとはあまりありません。そしてラマダン明けということもあり、日中に食べてこそ意味があります。ハウスボートの家族が、ランチをご馳走してくれるというので、昼前にボートに戻りました。
ダイニングで待っていると、4点ほどマトンやチキンを使った肉料理が出てきました(写真)。いつもの野菜ばかりの料理と違い、今日は肉ずくしです。私はハウスボートの客でもあるため、いつも通り家族とは別にダイニングで食事をします。ラマダン明けの豪華料理と聞いて、何かクリスマス・ディナーのような、派手なセッティングや大勢での食事を予想していたので、ちょっと期待はずれでした。 -
かといって他の家に招待されたとしても大差はないと思います。どの家もダイニングは狭く床に座って食べるため、やはり期待する様な雰囲気はありません。結局のところ、イードの食事は、料理が少し豪華になっただけで、それ以外は何も変わらないのでした。
写真: あとでキッチン小屋を訪れたら、床に座って同じものを食べていました。 -
==モスク参拝==
食事の後、モスク巡りに出発。イードならではの盛り上がりとかあるのでしょうか。まずジャマ・モスクに行ってみましたが、特に人が多い感じはありません。やはり午前中の祈祷がすべてで、イードだからといって特別に参拝することはないようです。普段から通っている場所なので、当然といえば当然です。
続いてシャヒハマダン・モスクに行ってみました。こちらは敷地内で何か行う準備(写真)をしていますが、やはり人が多い訳ではありません。この日は一家だんらんで過ごす人が多いようです。
今日は、モスクの中よりも、むしろモスクの外に正月らしさを感じます。華やかなサルワール・カミーズを着て街を歩く女性たちは、どこか楽しそうです。 -
==着飾る==
ラマダンが明けると、人々は新しく買った服や、いつもより派手な服を着て新年を迎えます。それが最も顕著に現れるのが幼い女の子で、王女様のような、着せ替え人形のような、とにかく派手な服を着ています。たまに男の子が王子様風の格好をしていることもありますが、全体の一割くらいです。 -
この時期、人の集まる場所では、屋台や簡易遊園地が設置されています。写真は、シャヒハマダン・モスク近くで見つけた人力観覧車。そこで遊んでいるのは、主に派手カワイイ衣装を着た女の子たち。お気に入りの服を着たからには、外出したくなるもの。日本で言えば、浴衣を着て友達と夏祭りをひやかすよう感覚じでしょうか。
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こちらは、人力メリーゴーランドでお遊びになられる下町のプリンセス達。
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==悪ガキ==
一方、王女様ごっこする訳でもない男の子らは、羽目を外すことでイードを楽しみます。私は、より絵になる女性の写真を撮影したいのに、彼らが写真を撮れ撮れうるさいので、同じくらい彼らに付き合わされることに。写真は、屋台で銃のおもちゃを購入した子供。紛争地帯だけあり、どこか様になってますね。 -
誤解を恐れずに言えば、スリナガルの男性たちはガラの悪い人が多い。それは子供も同じで、人懐っこさの中にも、どこかアグレッシブな面が目につきます。もしかすると、お隣ラダックに住むアジア系住民を少し下に見ているのかもしれません。
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==公園めぐり==
イードは、基本的には親戚や友人を訪ねたり、訪ねられたりしながらプライベートで過ごすもの。ニューイヤーの特別なイベントなどはなく、モスクも新年の礼拝を除いていつも通りです。では出かけたい人はどこに行くかというと、なんと公園です。
スリナガルには、ダル湖の東側にムガール庭園が点在しています。その中でも有名でアクセスしやすいのがニシャート庭園とシャリマール庭園。共に湖を回るバスで簡単にアクセスできます。 -
地域最大のムガール庭園を擁するニシャート・バーグに行ってみました。イード中、公園めぐりをする人が多いようで、チケット(10ルピー)を買うのも一苦労です(写真)。
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公園の中は家族連れが多く、芝生にシートを広げ、ピクニック気分で楽しみます。
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庭園は数段のテラス式になっていて、その中央を水路が流れています。テラスの段差にある滝やプールは、子供たちの格好の遊び場。男の子は半裸で暴れ、女の子はよそ行きの服を濡らしながらはしゃぎます。
若い男性ばかりのグループも多く見かけました。ここが出会いの場になるわけもなく、改めてインドの娯楽の少なさを感じます。公園は夜には閉まってしまうため、実に健全な遊び方です。これがタイあたりなら、夜のディスコ巡りとでもなるところですが、保守的なヒンドゥー・イスラム社会ではちょっと考えられませんね。 -
==3日目==
イードも3日目になると、8割近くの店が営業を再開します。用事のついでにジャハンギル・チョーク近くのマーケットに寄ってみました。このショッピング・エリアの一角、ジェラム川沿いには、ドレスや靴、バックなど女性用の店が多数並ぶ通りがあります。スリナガル版女人街といったところでしょうか。
通りはイード中にもかかわらず結構な混雑ぶりで、買い物客からは、どことなく休み明けのリフレッシュ感が漂います。イード前のショッピングですっかり購買意欲を刺激された女性が、「もう一着!」と新たなドレスを物色しているのかもしれません。未だに女性の社会的地位が低いイスラム社会ではありますが、このあたりの事情はどの国も同じなのでしょう。
**場所はラル・チョークから西側の橋を渡ってすぐ。 -
[まとめ]
宗教は本来、個人の問題のはずですが、それが生活の一部となっているような地域では、選択の余地はありません。その傾向は、イスラム教やユダヤ教など戒律の強い宗教であるほど顕著です。
これは、生まれた時から生き方が決まっているようなもので、ある意味シンプルでわかりやすい。余計なものに心を惑わされることもなく、大きな信仰の流れの中で、生を受け、人生を送り、死んでいく。もし輪廻があるのであれば、一度そのような社会で一生を過ごしてみたい気もします。しかし残念ながら、イスラム教はキリスト教の流れをくむため、死んだ後はそのまま最後の審判を待つというのが、彼らの死生観です。
誰よりも神への祈りに時間を割いているモスリムの人々。インドであろうと、パキスタンであろうと彼らに幸福な未来が訪れることを、はたからお祈りしております。
[リンク集]
==インド旅行記一覧==
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==国内旅行記一覧==
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==海外旅行記一覧==
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