パリ滞在記③（オルセー美術館）

2009/07/03 - 2009/07/09

パリ滞在中にオルセー美術館に行き、じっくり美術鑑賞をしてきた。オルセー美術館内ではフラッシュを使用しない写真撮影は黙認だったので、日頃、本でしか見たことのない名画の数々をカメラに納めてきた。営利目的に使うつもりは全くなく、オルセー美術館訪問の参考として見て頂ければ幸いである。写真：オルセー美術館のレストラン

私のホームページ『第二の人生を豊かに―ライター舟橋栄二のホームページ―』に旅行記多数あり。
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エリア パリ(フランス)

セーヌ川に面し絶好の場所にあるオルセー美術館（写真）はコレクションも逸品ぞろい。特に、日本人に人気の印象派の作品の宝庫である。

オルセー美術館は非常に人気があるので開館（9:30）前には美術館に行き、チケット売り場の列に並ぶ。写真：美術館前の広場

入場料12ユーロ（ロダン美術館入場券を含む）を払って入館する。さっそく日本語音声ガイド（５ユーロ）を借りる。これは本当に便利でガイドがいなくてもしっかりした作品説明が聞ける。写真：オルセー美術館前の建物

写真：オルセー美術館の中央通路、当初はオルレアン鉄道の終着駅として造られた。中央通路と円形天井に鉄道駅の面影が残る。

写真：『ヴィーナスの誕生』凝った構図、緻密な手法、正確で詳細の歴史画で有名なアレクサンドル・カバネル（1823-1889年）の作。『ヴィーナスの誕生』は出品したサロンで絶賛されナポレオン三世が購入した。見事な若き女性美！

トマ・クチュール（1815-1879年）の『退廃期のローマ人』（写真）３年間かけて制作、道徳的退廃を批判。絵画の大きさに驚愕！

ギュスタヴ・ギヨメ（1840-1887年）の『砂漠』（写真）19世紀のナポレオン・ボナパルトのエジプト遠征でオリエントの国々の謎めいた扉がヨーロッパ世界に大きく開いた。ギヨメはアルジェリアが気に入り、乾燥し太陽が照りつけるこの国の運命、自然の荒々しさを『砂漠』で表現した。

シャルル・ド・トｳルヌミーヌ（1812-1872年）の『アフリカ象』（写真）オリエントへの旅の思いを緻密でつやのある鮮やかな色合いで表現。

ジャン＝バティスト（1814-1883年）の『蛇にかまれた女』（写真）美しくもエロティックな構図に、ついカメラのシャッターをきる。

ジャン＝フランソワ・ミレー（1814-1875年）の『種をふるう人』（写真）、ミレーの初期の作品。ミレーはノルマンディー中産階級を相手に肖像画家として活動をはじめた。

ジャン＝フランソワ・ミレー（1814-1875年）の『晩鐘』（写真）、ミレーの幼少の頃の想い出。農村の日常の風景。美術の中で農民が重要な地位を占めるようになったのは、産業拡大による農村人口の都市への大移動と、その結果としての彼らの「望郷」に起因している。

ジャン＝フランソワ・ミレー（1814-1875年）の『落ち穂拾い』（写真）、夕暮れ時、人間への愛情と人間への理想を表現。1849年以降、ミレーはフォンテーヌブロー森の外れに位置する村バルビゾンの画家グループ（バルビゾンの画家たち）に参加する。グループは重要テーマとして風景を取り上げ、森、沼、畑等の現実素材を描く習慣を取り入れた。

ギュスタヴ・クールベ （1819-1877年）の『Baigneuses』（写真）バルビゾン派の人たちは、必ず屋外で写生して作品を描いていたことから写実的であったといえる。クールベも写実主義の画家である。

エドｳアール・マネ（1832-1883年）の『草の上の昼食』（写真）1863年のサロンに応募した際、マネはすでに芸術家や批評家たちから新機軸画法を探求するグループのリーダーと思われていたが、同時に、自由で簡潔な技法と近代生活に着想を求めた首題を批判する者たちもいた。サロンにて『草の上の昼食』は落選。

エドｳアール・マネ（1832-1883年）の『黒い帽子のベルト・モリゾ』（写真）黒を多用し影と光がモデルの知性と情熱が生き生きと表現されている。ベルト・モリゾはマネのお気に入りのモデル。

エドｳアール・マネ（1832-1883年）の『浜辺にて』（写真）印象派は19世紀のアカデミー派に反発して生み出された新しい前衛的美術で、マネはその先駆者（初期印象派）である。何気ない日常の同時代を描く。マネは絵画の新しい方向を示した。

William Bouguerea（1825-1905年）の『Naissance de Venus』（写真）、10代の娘のあまりにも美しいビーナス像に見とれる。

オルセーのコレクションは素晴らしいが、中階にあるレストラン「ミュゼ・ドルセー」（写真）は名画に匹敵するレストランである。

11:30のオープンとともに入店し窓側の席に座る。見上げれば巨大なシャンゼリアと素晴らしい天井壁画（写真）。ヨーロッパの宮殿でのランチタイムである。

まずはドリンク。名画鑑賞の疲れをいやすためにカフェオーレ（3.4ユーロ）とコーラ（3.7ユーロ）を注文。心豊かなランチタイムのはじまり。

食事は一番シンプルで安い「Today`s menue(16.5ユーロ)」を注文。メインの鳥料理（写真）を味わう。これがくどくてまずい。付け合せもフレンチフライではなく×

デザート（写真）は卵白を使ったフワフワのムースで、これも×、実に高くてまずいランチだった。しかし、レストランの店内の雰囲気は抜群なのでティ−タイムに利用するといいかもしれない。

食事の後は本格的に「印象派」の名画鑑賞に出かける。写真：上階のトップから中央通路を見下ろす。

クロード・モネ（1840-1926年）の『Le pont d Argenteuil』（写真）

クロード・モネ（1840-1926年）の『セーヌ川にかかる橋、石炭をはこぶ労働者』

クロード・モネ（1840-1926年）の『川辺の風景』
モネは雲と水の命、大気の流動する揺らめき、微妙な反映、光が生む移ろい効果に熱中する。

クロード・モネ（1840-1926年）の『アルジャントｳイユのセーヌ河畔』（写真） 川辺の風景、雲がぽっかり浮かんでいる。鮮やかで、生き生きと空と雲の流れで全体を覆いつくしている。

クロード・モネ（1840-1926年）の『戸外の人物習作（左向きの日傘の女）』、この時期に、モネは一瞬の光景の解釈に没頭し、輪郭がかすかにわかる程度の人物を包む光の描写をとらえようとする。

クロード・モネ（1840-1926年）の『戸外の人物習作（右向きの日傘の女）』、この時期に、季節、時間、気候、光によって変動する同じ素材を描くという考えが生まれた。

クロード・モネ（1840-1926年）の『ロンドンの国会議事堂、霧を貫く陽光』、モネがロンドンに滞在中、ロンドンとテムズ川の風景を連作的に製作した作品中の１つ。

ピエール＝オーギュスト・ルノワール（1841-1919年）の『ムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏場』（写真）、この作品はモンマルトルの丘の頂上、風車の足元にあった大衆飲み屋で現地制作したもの。彼は太陽の反射を、生い茂る葉を通して描写することに熱中した。

ピエール＝オーギュスト・ルノワール（1841-1919年）の『Chemin montant dans les hauters herbes』（写真）

ピエール＝オーギュスト・ルノワール（1841-1919年）の『婦人の横顔』（写真）

ピエール＝オーギュスト・ルノワール（1841-1919年）の『婦人の顔、ベール』（写真）

ピエール＝オーギュスト・ルノワール（1841-1919年）の『都会の踊り』（写真）、実物大の大きさで『都会の踊り』、『田舎の踊り』２部作の１つ。

ピエール＝オーギュスト・ルノワール（1841-1919年）の『水浴する女たち』（写真）、ルノワール最期の作品。

エドガー・ドガ（1834-1917年）の『舞台のバレエ稽古』（写真）

エドガー・ドガ（1834-1917年）の『』（写真）

カミーユ・ピサロ（1830-1903年）の『』（写真）

印象派の３名の作品、左からシスレー、ピサロ、モネ

フィンセント・ファン・ゴッホ（1853-1890年）の『自画像』（写真）は、自分の印象について、常に不安げに問いかけた連作の後期作品。

フィンセント・ファン・ゴッホ（1853-1890年）の『自画像』（写真）

フィンセント・ファン・ゴッホ（1853-1890年）の『星月夜』（写真） ローヌ河岸で描いたコバルトブルーの幻影的画像、街灯が照らす夜あるいは星がキャンバスいっぱいに広がっている。

フィンセント・ファン・ゴッホ（1853-1890年）の『オーヴェールの聖堂』（写真）表現力豊かで壮麗な色、螺旋状で流動的な形がオーヴェールの村の平穏な聖堂を劇的で荒々しい素材に変えている。

フィンセント・ファン・ゴッホ（1853-1890年）の『アルルのゴッホの部屋』 （写真）

ポール・セザンヌ（1839-1906年）の『婦人とコーヒー沸かし』（写真） 興奮も感情もなく静物画のように人物を扱っている。

ポール・セザンヌ（1839-1906年）の『リンゴとオレンジ』 （写真）

ポール・ゴーギャン（1848-1903年）の『タヒチの女たち』 （写真）ゴーギャンが初めてタヒチに到着して間もない頃の作品。タヒチの光景を目の当たりにして、彼の喜びに満ち溢れた雰囲気が出ている。

ポール・ゴーガン（1848-1903年）の『』