南ドイツの旅　その７−２　ミッテンヴァルト観光

2008/09/11 - 2008/09/11

2008.9.11（木）午後　ミッテンヴァルト観光

ゼーフェルトを後にして、ヴァイオリン作りの里、ミッテンヴァルトへやってきました。

この街の目抜き通り、壁画が描かれた家の並ぶオーバーマルクト通りへ行くと、８年前に比べ、観光客が増えていてびっくり。

通りのレストランで、思いがけず、子どもが演奏するチロル音楽を聴きながら遅いランチを食べ、懐かしい場所も訪れて、満足の午後となりました。

（旅行期間：2008年9月5日〜9月14日）

エリア ミッテンヴァルト(ドイツ)

• 交通手段: 鉄道

14:15、ミッテンヴァルトの駅に降り立つ。

駅から続くバンホーフ通りを行き、振り返ってカーヴェンデル山を仰ぎ見る。

2000年７月にミッテンヴァルトを訪れた時は、寒い日が続いたせいで、山の頂に雪が残っていたが、この日のカーデンヴェル山は神々しいばかりに輝いていた。

教会の前で、壁画が綺麗な家の並ぶ”オーバーマルクト通り”に曲がろうとして目をパチクリ。

オープンカフェのテーブルがたくさん並んでいるではないか！

そして、観光客もいっぱい。

８年前、ヴァイオリン博物館を見学してこの通りに来ると、お昼休みでほとんどの店が閉まり、そのせいか、通りを歩く人は少なかった。

ミッテンヴァルトが素敵な街には変わりないが、静かだった通りに活気が出たのが、嬉しいような、悲しいような…。

アコーデオンの音色が聞こえ、音のするほうへ行ってみると、レストランの前で小学生くらいの３人の男の子がチロル音楽を演奏していた！

２人がアコーデオンを奏で、１人がしゃもじのような形のカスタネットを鳴らしている。

１曲終わったら、今度は２人がダンスを始める。道行く人は皆、足を止め、その様子を眺めている。

通りをはずれ、木彫りのエーデルワイスとリンドウを買った店を探しに行き、戻って来た時も演奏していたので、立ち止まって見ていると、レストランの席を立つ人がいる。

すかさず、道を横切り、空いたテーブルに座った。

15時、ジャガイモのスープで遅いお昼。

暑い日の午後、周りのテーブルのビールが目に入った途端、ノドがゴクッ。「ビールを頼みたいんですが。小さいのを。」言ってみると、出てきたのはミッテンヴァルトの地ビール！

さらに嬉しいことに、店の人が写真を撮ってあげると申し出てくれた。男の子たちに何か言い、いっせいにこちらを振り返ったので、ニッコリ笑って手を振る。

なのに、３人の反応はヒヤヤカ。ちょっとー、変なこと言ってないでしょうね。ま、とにかく、貴重な記念写真となる。

彼らの報酬は、クリームたっぷりのケーキ。微笑ましい気持ちで、嬉しそうに食べる子どもたちを後ろから眺める。

15:40、子どもたちの前に置かれた帽子の中にチップを入れて、レストランを後にする。楽しい演奏をありがとう！

ミッテンヴァルトに来た記念に、何か買って帰りたい。レストラン近くの木彫りの人形を置く店に入ったら、お店の人がどこか見覚えあるような。もしかして…。

「以前、別の場所にお店がありませんでしたか？」尋ねると、思ったとおりうなずいた。さっき、木彫りのエーデルワイスを買った店を探しに行ったけれど、なくなっていて、メインストリートからはずれた場所だったしなぁ、と思っていた。でも、ここに移ってたんだ！

あの時、木彫りをお父さんから習ったと話す彼の様子に、朴とつとした印象を受けたのだが、今は観光客慣れしている感じ。目抜き通りに店を構え、きっと繁盛しているんだろうな。

今回もエーデルワイスを買って店を出る。

では教会へ行ってみよう。

内部は全く記憶に残っておらず、写真を撮っているうち、ミサが始まる。どこか張りつめた雰囲気があったのは、このせいだったようだ。静かに扉を開けて外へ出る。

８年前、パンを食べてひと休みした広場へ向かう途中、そのパンを買った店の前を通る。

店の棚には、あいかわず田舎っぽいケーキが並んでいた。

飲み物を買った店も健在だったけれど、広場は工事中。

道を戻り、教会裏の通りへ行く。

ヴァイオリン博物館の前にも観光客。

これまた８年前、お茶したカフェの脇を通り、16時半、ガルミッシュへ向かう電車に乗る。

さようなら、ミッテンヴァルト。

旅の終わりが見え始め、ちょっと寂しい。

この日もにぎやかな通りをフラフラ。アイスクリームを食べながら歩いていると、雷が鳴る。あんなに天気が良かったのに、怪しい空模様になってきた。

それでも通りを去りがたい。のんびりシュトラウス広場まで来て、いつのまにか通りを歩く人が減り、カフェのテーブルが空になっているのに気づく。

みんな、山の天気の変わりやすさを知っていたのだ。ホテル近くのスーパーへ来る頃には、大粒の雨が落ちだし、ほどなく、土砂降りの雨になった。

夕飯は部屋で軽く済ますつもりが、下からとってもいい匂いが漂ってきて、心が揺らぐ。確か、メニューは豚肉だった。食堂へ行くか。じゃあ、その前にお風呂。汗を流して、19時半、食堂へ。

今日はワインを飲んでみよう。「辛くなく、甘くもなく」お願いすると、お薦めのワインを考えている様子。

「フランケンワインは苦手です。」念のため言う。「あれは辛口ですからね。」そして、ピッタリのがありそうって感じに人差し指を立て、食堂を出て行き、運んできたくれたのはラインガウのワイン。好みの味で嬉しい。

この日のスープは、千切りクレープが入ったコンソメ味。

メインの豚肉の料理“シュヴァイネブラーテン”が美味しくて、ペロッと食べてしまう。

デザートはラムレーズンのアイスクリーム。すべて二重丸！

食堂に、トレッキングの格好をした韓国人と思われるカップルが雨に降られて濡れたまま現れ、明日のメニューが欲しいと言っているのが聞こえた。テーブルのメニューを手に取って見れば、なるほど、日付が入っている。毎日、差し替えているんだ。私も貰おう。

今夜と明日のメニュー、飲みきれなかったワインのデキャンタを持って部屋へ戻る。ベランダに出ると、月がボンヤリ霞んでいた。天気予報はこれから下り坂。明日は雨かもしれない。