Singapore　リリーに会いたくて　普段着のシンガポール⑮　さよならリリー

2010/03/03 - 2010/03/09

「明日の夜はうちにきてね。6時ごろ息子が車で迎えにいくから。」

オーキッド・ガーデンで夢中になって撮りまくってて
はっと気がついたら5時過ぎていてあせりました。
帰りのラッシュでバスが渋滞にまきこまれたらどうしょやう。
走るように歩いて出口にたどりつく。

幸い、それほどの渋滞もなくホテルに帰り着いてシャワーを浴びて。

息子は広島に3ヶ月ほど滞在していたことがあり、もうすっかり忘れちゃったといいながら、せいいっぱいの日本語で歓迎してくれました。
あなたはお父さんそっくりねえ。
「え？それはいいことなんでしょうか？悪いことなんでしょうか？」
うぐ◎◎
リリーのご主人は色白の顔立ちの整った方ですけど口の悪さは天下一品（笑）

「母はあなたがきてくれてとってもハッピーなんです。」
しみじみした口調にちょっぴりリリーの苦労がしのばれたりして。

★Singapore　リリーに会いたくて　
　普段着のシンガポール　サイトマ　ップ(table of contents)
　http://4travel.jp/traveler/tougarashibaba/album/10447182/

エリア シンガポール(シンガポール)

• 同行者: 一人旅
• 交通手段: 鉄道 高速・路線バス
• 航空会社: JAL

「さあ、あがってあがって。」
「やあ、しばらく。」
「はじめまして」

リリーの家は
リタイヤしたご主人とリタイヤしたご主人の妹さんとの3人暮らし。
息子一家はＭＲＴひとつ駅隣のマンションで暮らしています。自転車でもすぐのところ。
週末に二人のお孫ちゃんに会うのがリリーの最大の楽しみです。
「私のキングとクイーンよ。」

リリーの家は
マンションの多いシンガポールにはめずらしく庭つきの一軒家。
何部屋かある2階の寝室のうち3部屋はバスルームつきでしかも各部屋が日本のの2倍ぐらいの広さ。

表紙の蟹は「買ってきたのよ～。」
蟹のソースをバゲットにからめていただくんですけどそのパンのおいしいこと！
中身まで粘り強くてドンクのパンみたい。

唐辛子婆の若かりし頃、ドンクのパンを食べるのは贅沢なことでした。
でも、う～んと力を入れなければ引きちぎれない粘り強さが大好きで。
ところが永らく外国で暮らしている間に世間様のパンの嗜好はかわったみたいで。
「外はパリっと、中はふんわりやわらかく」

簡単にちぎれるフランスパンなんて唐辛子婆はきらいぢゃ。
なのでドンクからも遠ざかっていたのですが。
フランス領でもなかったシンガポールにこんなおいしいパンがあるなんて！
しかも蟹の身がぎっちりつまっていてと～ってもおいしい！！
もう、シンガポールに移住したいくらいです。

おでんの赤唐辛子もそれほど辛くなくて
おいしくいただきました。
クイティオもコクのある味つけでおいしい。

前にも書いたかも知れませんが
リリーのご主人は週2回マレーシアにゴルフに行く。
車で1時間ほどで安くプレイできるそうです。「食事もガソリンも安い！」

ご主人の妹さんの毎日は、お庭の手入れをしたあとＰＣで株式投資。

きれい好きのリリーは自分の家だけでも広くて大変でしょうに
週1回は息子のマンションにいってお掃除。
「お嫁さんも働いてるからね。」
リリーの独身の兄のところにも出向いてお掃除。
「昔の男は何も（家事が）できないからね。」

夕食後、ご主人が
「近所でインド人のカラフルなお祭りがあるよ。」
それで、すぐにでかけることに。

これは近所の団地のバスケットコート。
熱帯のシンガポールでは
日がくれてからのスポーツが盛んなようです。
団地のあちこちに運動施設のあるところ多し。

収穫を感謝するホーリーなんとかっていうお祭りでした。
色のついた粉をだれかれとなく浴びせてお祝いするというもの。

幸いなことにちょうど粉かけが終ったところだったので
私たちの衣服は無事でした(*^.^*)

集会所の

舞台では

歌や

踊りの真っ最中

こんなにいっぱいインド人がいたんだ?\(◎o◎)／
と驚くほどの人出でした。

ここからはシンガポール最終日です。

夜の便なので午前中に買い物やヒンドゥー寺院に行ったりして
お昼にホテルをチェックアウト。
リリーの息子を住まわせているマンションに向かいます。

「昼間は誰もいないし今日は火曜日でしょ。
息子一家はお嫁さんちに泊まる日なの。
だからゆっくりしてって。」

この建物はマンションに隣接する公民館。
その前にもバスケットコートがありました。

息子一家はもうすぐ都心に近い40階建てのマンションに
引っ越すことになっている。

じゃー、ここはどうするの？貸すの？売るの？
「う～ん、どっちかにはしたいんだけどね。
このマンションは私たちにとってとってもラッキーな買い物だったの。
それで主人が貸すのも売るのも嫌がっててねー。
幸運が逃げてってしまうような気がするって。
貸すにも売るにも運が他人についていってしまったらどうするんだ？
っていうのよ。
あの人、知ってのとおりの迷信家だから。」

そうね。
「夜にたまごを買うな。お化けがついてくる。」
（卵の白身の粘りにお化けがくっついてくるのだそうで）
「夜咲く花は植えるな。魔物だ。」
とかね(*^.^*)

団地内の運動遊具。

おしゃれ。

お掃除のいきとどいたきれいな団地で

MRTの駅やバスターミナルもすぐそこ。

霧がかかっていたのでわかりにくいのですが
ぐるっと見渡しても一軒家の一角はこのあたりだけでした。
ほんとに
ほとんどの人がマンションやアパートに住んでいる。

リリーの息子のマンションは4LDKで一部屋の広さはやはり日本の倍ぐらい。
キッチンも６畳ぐらいでゆったりしてる。

ステンレスのドアが多かったです。
これはリリーの息子の家ではなく階下の家です。

不思議なことに網戸がない。蚊やハエがこないのかなー？
「ほとんどでないわねー。政府がかなり強力にコントロールしてるから。
デング熱がこわいからね。」

市街地にも緑がいっぱいの熱帯のシンガポールで
害虫を撲滅するのは大変なことだと思うけど。

そういえば市場に行ってもハエがブンブンということはなかった！！
植物園の熱帯雨林でガイドツアーに参加してたときも一回も蚊にさされなかった！！
蟻や蝶はいたから小動物がまったく死に絶えているわけではない。
いったいどうやって蚊だけ殺しているのかしら？

網戸のある暮らしって結構うざい。
なければどんなにスッキリしてることか！！

午後のたっぷりした時間を私たちはおしゃべりについやした。
司馬遼太郎の「菜の花の沖」で
リコルド少佐と捕虜の高田屋嘉平衛が名残を惜しんで語り明かしたように。

同い年で。
同じように昔は国が貧しくて。
そして同じように高度成長期を通り過ぎてきた・・・。

ご主人のリタイヤでリリーは「夫在宅ストレス症候群」一歩手前。
「あのとおり、まったく昔型の男でしょう。家のこと何もしないのよ～。
ご存知のとおり人づきあいは悪いし。
近所の義兄はほんとに穏やかでいい性格なのにねえ。
あなたみたいにしてると構ってくれる人誰もいなくなっちゃうわよといっても意に介さず、よ。」

でもカラチでご主人は私たちには親切だったわ。
ゴルフやサイクリングでお出かけしてくれるだけでも
リリーは息抜きできるじゃないの？
何の趣味もない人よりよっぽどマシじゃないの？

「私より義妹のことの方が大事に思ってるのよ。
だから私なるだけ外にでることにしてるの。
兄弟姉妹が多いからでかけるところはいっぱいあるわ×◎△■！×●△○×！！」

興奮してまくしたてるリリー(^_^)

そんなことないって。
ご主人はリリーのあたたかくて穏やかな人柄に絶大なる信頼をおいてるじゃないの。
カラチでの大家さんとのトラブル交渉を覚えてないの？

「そうだったわね。いつも交渉時にはそばにいてくれと言ってたわ。
一人で交渉に臨むと自分が何を言い出すか、何をしでかすかわからないからって（苦笑）
終ったらいつも『殺してやるう～～～！！』だった（笑）」

気持ちがおさまったリリーはいった。
「我慢強く愚痴をきいてくれてありがとう。
あなたがきてくれてほんとうに嬉しかったわ。」

テレビで空港のボーディング状況を確かめてくれて。

「中国正月のときは
このランタン全部に灯りがともってとってもきれいだったわ。

あなたが帰ったら今度は私がマレーシアの甥のところにあそびに行くの。
そこから帰ったら老眼の手術をするわ。」
えっ？そんなのあるの？

「姪がこないだ近眼の手術をしたのよ。老眼用のもあるんですって。
5年毎にやりなおさなければならないし保険がきかないから高いけど
眼鏡かけると頭が痛くなるのよ。
人生を楽しむための出費だと思えば惜しくはないわ。」

尊敬に値するほどの節約家にして
使うときの思い切りの良さったらほんとにお見事！

こんどはリリーが東京に遊びにきてね。
「あんな物価の高い街にいくもんですか！九州（博多）ならいいかも。」

日本もデフレでずいぶん安くなってるのよ、といっても信じてくれない。
日本は高い、という情報がすっかりインプットされてる・・・。

がんばれ観光国を目指す日本。

さよならリリー。

会えてよかった。

こんどは博多に会いにいくよ。