2026/10/06 - 2026/10/07
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山代,山中,片山津,粟津の4つの温泉地からなる加賀温泉郷。山中温泉の【みやこわすれの宿 こおろぎ楼】の旅行記(ブログ)です。大露天風呂付き和洋室「椿の間」に宿泊し,地物の毛蟹を味わいました。こおろぎ楼は,地元・橋立漁港のセリに参加する権利(買参権)を有する旅館です。
https://korogiro.com/
江沼神社 長流亭,芭蕉が足跡を残し,五百羅漢でも知られる全昌寺など,旧城下町・大聖寺の街並みも訪ねました。新婚旅行で初海外のハワイから帰ってきたばかりの機動隊のエース・M君との2人旅。
まずは,「みやこわすれの宿 こおろぎ楼」の大露天風呂付き和洋室「椿の間」を動画でご覧ください。
https://youtu.be/8hG0mufOIvA
【こおろぎ楼】の「椿の間」の宿泊料金は,一休で以下のようなプランがありました(2名1室総額,素泊まりプラン以外は夕朝食付,ポイント即時利用,15日前までキャンセル料なし,入湯税300円別途)。チェックインは14時,アウトは11時。
●素泊まりプラン 100.320円
●厳選じわもん懐石 146,300円
○地物毛蟹と厳選食材 188,100円
●のど黒懐石 188,100円
今回は「地物毛蟹と厳選食材」のプランで予約。
こおろぎ楼の全6室の客室構成は以下の通り。大浴場はありませんが,全客室に露天風呂が付いています。下記URLから,各客室のフロアプラン(間取り)もご覧になれます。
https://korogiro.com/rooms
○大露天風呂付和洋室「椿の間」(100㎡)
●(半)露天風呂付和洋室「紅葉の間」(100㎡)
●(半)露天風呂付和洋室「あやとりの間」(100㎡)
●離れ・露天風呂付き客室「季の間」(80㎡)
●離れ・露天風呂付き客室「結の間」(80㎡)
●露天風呂付き客室「河鹿の間」(60㎡)
大阪から加賀温泉までのJRの運賃・料金は,
往路の大阪→加賀温泉(全行程グリーン車)が1人片道10,270円(チケットレス商品 7,960円+新大阪→敦賀の乗車券 2,310円),
復路の加賀温泉→大阪市内(北陸新幹線グランクラス・飲料軽食なし+特急サンダーバード・グリーン車)は通常きっぷで1人片道14,470円。
往復で1人 24,740円でした(全行程・普通車指定席にすると,チケットレスで1人往復 14,520円になります)。
旅行記の構成は以下の通り。( )内は写真の枚数です。
【 EKIBEN in the Thunderbird Ltd. Exp. 】(1)
【 YAMANAKA ONSEN in Kaga 】(2)
【 KAKUSENKEI Gorge @Yamanaka Onsen 】(8)
【 KOROGIRO @Yamanaka Onsen 】(8)
[ "Tsubaki-no-Ma" @Korogiro ](8)+Movie
[ In-room Dinner @Korogiro ](7)
[ In-room Breakfast @Korogiro ](2)
【 CHORYUTEI Villa @Daishoji 】(8)
【 KAGA-SHINMEIGU Shrine @Daishoji 】(2)
【 ZENSHOJI Temple @Daishoji 】(9+3)
【 Sabo-kokutani @Kutaniyaki Art Museum 】(1)
【 Green Car & GranClass on the Hokuriku Shinkansen 】(1)
表紙写真は,みやこわすれの宿 こおろぎ楼「椿の間」のリビング・ダイニング。。
- 同行者
- 友人
- 一人あたり費用
- 10万円 - 15万円
- 交通手段
- タクシー 新幹線 JR特急 私鉄 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
-
【 EKIBEN Lunch in the Thunderbird Ltd. Exp. 】
2026年10月6日(火),非番のM君と,新大阪駅・在来線構内の「駅弁にぎわい」で弁当を選んで,特急サンダーバード19号に乗車。M君は「あっちっち神戸のすき焼きとステーキ弁当(1,680円)」,おれは加賀温泉の駅弁「紅(くれない)の蟹弁当(1,450円)」を。
干菓子は金沢の「和菓子村上」の「わり氷(216円)」(阪急うめだ本店で購入)。
新大阪駅を11:19に出発して,「特急サンダーバード19号+北陸新幹線つるぎ20号」で,敦賀乗換え,加賀温泉駅には13:20に到着。新大阪駅 駅
-
【 YAMANAKA ONSEN in Kaga, Ishikawa pref. 】
山中温泉総湯・菊の湯のおとこ湯(写真上)と,おんな湯に隣接する山中節の館「山中座」(写真下)。
加賀温泉駅から山中温泉総湯まではタクシーで4,800円。鶴仙渓の「あやとり橋」から宿のある「こおろぎ橋」まで,遊歩道を散策します。山中温泉 菊の湯(共同浴場) 温泉
-
表通りの「ゆげ街道」は,いかにも観光地然としていますが,横丁に入ると鄙びた温泉町の家並みが続きます。
-
【 KAKUSENKEI Gorge @Yamanaka Onsen 】
【鶴仙渓】(写真左)は,山中温泉を流れる大聖寺川の形作った景勝地で,川沿いに遊歩道が整備され,【あやとり橋】(写真右上)や【こおろぎ橋】(写真右下)などの美しい橋が架かります。鶴仙渓 自然・景勝地
-
鶴仙渓遊歩道お散歩マップ
-
あやとり橋の下に「道明が淵」があります。大聖寺川の流れが川底を深く浸食してできた【道明が淵(山中の温泉)】は,「おくのほそ道の風景地」の一つとして,国の名勝に指定されています。読み方は,「どうめいがふち(やまなかのいでゆ)」。
写真は,江戸末期の文久年間に「道明が渕」近くに建てられた芭蕉の句碑(正確な建立年代につき1861年説と1863年説あり)。
『山中や 菊はたおらじ 湯の匂』
古い句碑ですが,文字は比較的はっきりと読み取れます。「きくは」の
「き」は「畿」ではなく「支」,
「く」は「久」ではなく「具」,
「は」は「波」ではなく「盤」
をそれぞれ字母とする変体仮名で書かれています。
「奥の細道」の原文で見てみましょう。 -
画像出典:連歌俳諧書集成 (洒竹・竹冷・知十文庫)『おくのほそ道』(東京大学総合図書館所蔵),東京大学デジタルアーカイブポータル
https://da.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/portal/assets/3c740e02-362e-2a3b-34d5-ebc00033837b(参照 2026-10-09)[引用者にて傍線等付加]
温泉に浴す。其功有明に次と云。
『山中や 菊はたおらぬ 湯の匂』
[松尾芭蕉『おくのほそ道』]
*
「有明」とは「有馬温泉」のことだそうです(誤字か)。山中の湯の効能は,有馬に次ぐと云う,と書かれています。
https://4travel.jp/travelogue/12075914
句碑の「たおらじ」は,出版された「奥の細道」では「たおらぬ」に推敲されています。画像では「たおらぬ」の「た」は,「太」ではなく「堂」を字母とする変体仮名で書かれており,判読がやや難しいですね。
文法的には,「手折らじ」の「じ」が打消しの意志・推量を表す助動詞「じ」の終止形である(切れ字となる)のに対して,「手折らぬ」の「ぬ」は打ち消しの助動詞「ず」の連体形です(切れ字にはなりません)。
語感の差に加えて,「手折るまい」という意志を前面に出すか否かという違いもあります。 -
『山中や 菊はたおらぬ 湯の匂』
[私訳]
(古来,菊は長寿の象徴であったけれど)ここ山中の湯の匂いに包まれれば,菊の花を手折って長寿を願う必要などないほどだ。
この句の解釈にあたっては,古代中国の伝承,ないしは日本の能の演目である「菊慈童」を持ち出さないと気が済まない向きもあるようですが,重陽の節句(九月九日)に菊花に綿を被せ,翌朝,香りと露を含んだ綿で体を拭って長寿を願う風習があったことなど思い浮かべることができたなら,それだけで十分でしょう。
以前に日当山温泉郷の旅行記で,
https://4travel.jp/travelogue/12072562
被綿(きせわた,着せ綿)として紹介したところですが,源倫子から菊花に被せた綿を賜った紫式部のお歌が思い起こされます。
九月九日,菊の綿を上の御方より賜へるに,
『菊の花 若ゆばかりに 袖ふれて
花のあるじに 千代はゆづらむ』
[紫式部集,紫式部日記]
(「若ゆ」は「若返る,若やぐ」という意味のヤ行下二段活用動詞の終止形。え/え/ゆ/ゆる/ゆれ/えよ)
写真は,初冬の山中温泉・鶴仙渓。
[この写真の撮影日は,2001年12月16日] -
鶴仙渓の「道明地蔵と慈母観音」
鶴仙渓の道明が淵近くにある小さな祠。優しいお顔の石仏です。 -
鶴仙渓の不動滝と川床
落差5mほどの美しい滝のそばにある川床(4月~11月)。「川床ロールまたは冷製抹茶しるこ+加賀棒茶」のセットはひとり千円ですが,山中温泉宿泊者は500円引きになります。鶴仙渓 川床 グルメ・レストラン
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鶴仙渓の風景(采石巌(さいせきがん)付近)
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【 Miyakowasure no Yado KOROGIRO @Yamanaka Onsen 】
こおろぎ橋と【みやこわすれの宿 こおろぎ楼】外観。2022年に全面的にリニューアルされた全6室,全室露天風呂付きの温泉宿です。大浴場はありません。みやこわすれの宿 こおろぎ楼 宿・ホテル
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こおろぎ楼・1階ロビー脇のショップ
チェックインは14時から。こおろぎ橋を見渡すロビーで抹茶とお菓子をいただきました。 -
こおろぎ楼・3階のテラス
鶴仙渓を見下ろす屋上テラス。冷蔵庫が設置されており,缶入りのソフトドリンクはフリー(オレンジジュース,アップルジュース,ブラックコーヒー,微糖コーヒー,緑茶,コカコーラ)。アルコールも注文できます(有料)。みやこわすれの宿 こおろぎ楼 宿・ホテル
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こおろぎ楼の朝のテラスから
山の端から朝日が顔を見せるのは,07:15頃でした。
テラスの利用は4月から11月頃まで。夜は22時まで。小学生以下は利用不可です。 -
こおろぎ楼・2階のラウンジ
鶴仙渓を見渡すラウンジ。オーナーお気に入りのチェアが集められています。よくわからないけど,ハンス J. ウェグナーやアルネ・ヤコブセン,フィン・ユールらの手になる北欧家具の椅子たちでしょうか。みやこわすれの宿 こおろぎ楼 宿・ホテル
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ラウンジでは一日中,マシンでコーヒーを淹れていただくこともできます。小学生以下は利用できません。
-
アルネ・ヤコブセン(Arne Emil Jacobsen. 1902-1971)のドローイング本を愉しみながらすっかり寛ぎました。
-
イチオシ
夜のラウンジもシックな雰囲気。
みやこわすれの宿 こおろぎ楼 宿・ホテル
-
イチオシ
[ "Tsubaki-no-Ma" with a large open-air bath @Korogiro ]
「椿の間」のリビング・ダイニング(1)
フロアプラン(間取り)は,こちらでご覧になれます。
https://korogiro.com/rooms
奥にミニバー,流しとトイレ。ミニバーのソフトドリンクはフリー,ビールは有料です。部屋食の準備をする仲居さんが出入りするための専用の入口が設けられています。みやこわすれの宿 こおろぎ楼 宿・ホテル
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「椿の間」のリビング・ダイニング(2)
【大露天風呂付き和洋室「椿の間」】はB1Fにあるため,窓からは「こおろぎ橋」を見上げる感じになります。窓を開けると,川音の絶えることはありません。 -
「椿の間」のベッドルーム
動画を見ていただくとわかるように,B1Fへの専用エレベーターを降りるといきなり「椿の間」のベッドルームです。
https://youtu.be/8hG0mufOIvA
手前左手にクロゼットと金庫,右手にバスルーム。そして大きなプロジェクターのあるベッドルームの奥にリビング・ダイニングがあるという間取り。部屋食の準備するための専用入口が別にあるため,中居さんがベッドルームを通ることはありません。 -
クロゼットには,浴衣がひとり2枚,羽織,足袋。バスルームにはバスローブも用意されています。
-
「椿の間」のバスルームとアメニティ(1)
ティーツリーのナチュラル ピュア シートマスク(HONEYとPEARL)がある! M君が早速,使ってますw
バスローブに加え,バスタオルは1人2枚ずつ,足拭きも2枚用意されていました。 -
椿の間のバスルームとアメニティ(2)
LEAF&BOTANICS の
○エマルジョン カレンデュラ
○ローション カレンデュラ
○クレンジング カレンデュラ
○リフレッシュシャンプー
○リフレッシュコンディショナー
○ボディソープ グレープフルーツ
それに,MARKS&WEB の
○フォーミングフェイスウォッシュ -
「椿の間」の大露天風呂(1)
泉質は,単純温泉(低張性・弱アルカリ性・高温泉)。みやこわすれの宿 こおろぎ楼 宿・ホテル
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「椿の間」の大露天風呂(2)
2.7m×4.0m。7~8人ぐらいは余裕で入れる大きさです。別にシャワーブースがあります。シャワーの水圧はやや弱いかな。みやこわすれの宿 こおろぎ楼 宿・ホテル
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[ In-room Dinner, "Local hairy crab & selected ingredients" @Korogiro ]
こおろぎ楼の夕食(1)
■食前酒 苺酒
■先 付 河豚煮凝り
■前 菜 袱紗焼
小豆貝旨煮
丸十レモン煮
柿アボカド和え
翡翠銀杏
煮凝りは,デカいポーションで出てきたなぁと思ったけれど,旨いわぁ。まるでフグのコンソメスープ! 柿はペースト状のアボカドで和えてあります。上品な甘さが引き立ちます。 -
こおろぎ楼の夕食(2)
■造 り 毛蟹と地物魚介
橋立漁港に揚がった地物の毛蟹が登場。まずはお造りから! 鯛,中トロとガスエビ(めっちゃ新鮮)かな。みやこわすれの宿 こおろぎ楼 宿・ホテル
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こおろぎ楼の夕食(3)
■椀 物 丸真蒸
丸(すっぽん,鼈)の真蒸(真薯・真丈)。まったく臭みはなく,フグの煮凝りと同様,スッポンの旨みが凝縮されています。白髪葱を乗せたしんじょうは大きいけれど,軽くてふわふわ。 -
こおろぎ楼の夕食(4)
■焼 物 毛蟹宝楽焼
ミソの甲羅焼きとともに。毛蟹のミソは最高っすね。加能がに(オスのズワイガニ)のミソより美味いかも。日本酒が進みます。みやこわすれの宿 こおろぎ楼 宿・ホテル
-
こおろぎ楼の夕食(5)
■炊合せ 蓮根饅頭
■鍋 物 能登牛すき焼き
松茸入りのすき焼き鍋。肉は少し固いかな。結構甘めの割り下風の出汁は好み。お行儀悪いけど,余った生卵は最後にご飯にかけて… -
こおろぎ楼の夕食(6)
■酢 物 毛蟹
みたび毛蟹を堪能したあと,
■食 事 石川県産米(ゆめごこち)
香の物
■止 椀 赤だし
■甘 味 五郎島金時プリン
ごちそうさまでした。橋立の毛蟹をシンプルに,造り・焼き・蒸しで味わい尽くしました。 -
お酒は,
■石川県の冷酒3種飲み比べセット (2,403円)
■地酒「獅子の里」3種飲み比べセット (2,630円)
もありますが,M君の選択により,
■獅子の里 純米吟醸
(山中温泉 松浦酒造 1合 1,518円)
■手取川 あらばしり 大吟醸生酒
(白山市 吉田酒造 1合 1,771円)
をいただきました。
ビール(中瓶)は 974円です。 -
[ In-room Breakfast @Korogiro ]
こおろぎ楼の朝食(1)
朝食も部屋食です。ゆっくり9時からお願いしました。すでに2Fのラウンジで目覚めのコーヒーを,そして3Fのテラスで朝日を浴びながらオレンジジュースをいただいてます。フルーツ入りのヨーグルトが付きます。みやこわすれの宿 こおろぎ楼 宿・ホテル
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こおろぎ楼の朝食(2)
イカとエビのお造り,牛肉の朴葉味噌焼,茶碗蒸し,トマトサラダ,鰰(ハタハタ)など盛りだくさん。
朝食後は11時のチェックアウトまで,部屋の露天風呂を満喫。チェックアウト後は,旧城下町・大聖寺へ。11時半から「江沼神社 長流亭」の見学を予約しています。こおろぎ楼から長流亭まで,タクシーで 6,100円でした。 -
イチオシ
【 Enuma Shrine, CHORYUTEI Villa @Daishoji in Kaga, Ishikawa pref. 】
長流亭・外観(1)
[この写真の撮影日は,2001年12月16日]
大聖寺河畔に佇む国指定重要文化財【江沼神社 長流亭】。江戸中期,1709年に,加賀藩の支藩・大聖寺藩の第3代藩主・前田利直(1672-1711)の休息所として建てられたもの。寄棟造,こけら葺で,小堀遠州好みとも言われる茶室風の建築です。
見学には予約が必要。フラッシュを使用しないことを条件に,内部の写真撮影も許可していただきました(見学所要時間は15~20分程度)。長流亭 名所・史跡
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長流亭・外観(2)
間取りは中央2室を座敷とし,その四周を1間幅の入側(いりかわ,座敷と縁側の間の通路)が取り囲みます。中央の座敷は「上の間」と「次の間」に襖で仕切られ,それに合わせて入側にも杉戸が設けられています。
長流亭は元来,大聖寺川の川面に近い高さで建てられていましたが,洪水対策のため嵩上げされています(→建物の下の白っぽい土台部分のない状態を想像してみてください。水上コテージのような趣きだったのでしょう。彦根の国名勝「玄宮園」内の八景亭のごとく・・)。 -
イチオシ
長流亭・内観(1)
貴賓用の「上の間」の床と付書院。「真・行・草」の「真」の格式です。 -
イチオシ
長流亭・内観(2)
上の間の付書院の繊細かつ典雅な意匠。長流亭 名所・史跡
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長流亭・内観(3)
「次の間」の床。次の間は上の間と同じく「6.5畳+床の間」ですが,床は上の間の床と向かい合うように(斜交いに)設けられています。
落とし掛けには野趣に富む曲がり木。上の間とは対照的に,素朴な草庵風の趣きがあります。長流亭 名所・史跡
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長流亭・内観(4)
いずれも網代天井ですが,上の間は格式高い格天井(写真左上),次の間は竿縁天井(写真左下)。
写真右は,入側の天井のみごとな「へぎ板(枌板)」。次の写真の天井部分です。木の繊維に沿って割り裂いて作った板で,建築当初からのもの。木が自然の輝きを放っています。 -
長流亭・内観(5)
座敷を取り囲む入側に設けられた杉戸と竹節欄間(たけのふしらんま)。杉戸には華やいだ七宝花菱紋。長流亭 名所・史跡
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長流亭を所有する江沼神社の社殿
2026年10月現在,江沼神社は庭園整備工事中でした。江沼神社庭園 寺・神社・教会
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【 Kaga Shinmeigu Shrine 】
山ノ下寺院群のひとつ【加賀神明宮】。拝殿は江戸後期,1824年の建築。藩政期には,慈光院という真言宗の寺院でした。
大聖寺城下の南西の丘陵地沿いに,7つの寺と1つの神社からなる「山ノ下寺院群」があります。
これは,「越前」との国境を防御するために,藩が意図的に(浄土真宗以外の)寺社を集めたものと言われています(一揆を警戒した藩は,浄土真宗の寺院だけは,城下の町中に孤立・点在させました)。
山ノ下寺院群
・加賀神明宮
・本光寺(法華宗)
・宗壽寺(日蓮宗)
・正覚寺(浄土宗)
・全昌寺(曹洞宗)
・久法寺(法華宗)
・蓮光寺(日蓮宗)
・実性院(曹洞宗) -
加賀神明宮の御神木,銀杏と大杉
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【 ZENSHOJI Temple @Daishoji 】
【熊谷山(ゆうこくざん)全昌寺】。元は山代にあった曹洞宗の寺です。戦国時代から安土桃山時代にかけての大聖寺城主・山口宗永(1545-1600)の信仰を得て,1597年に山代から大聖寺に移されました。
宗永は関ヶ原の戦いで西軍についたため,東軍の前田利長に攻められて大聖寺城は落ち,宗永は自刃。墓所はここ全昌寺にあります。全昌寺 寺・神社・教会
-
全昌寺本堂の御本尊・釈迦牟尼仏。慈愛に満ちた厳かなお姿です。
全昌寺 寺・神社・教会
-
「豊臣秀吉朱印状」(全昌寺所蔵)
大政所殿御煩之由
候之間 許御留守
之儀 江戸大納言
加賀宰相へ能々
被仰付 即被成御上洛候
之間 此由大政所殿へ
被相達待可被申候
恐々謹言
七月廿一日 秀吉
関白殿
*
1592年7月,朝鮮出兵の基地であった肥前名護屋城(佐賀県唐津市,旧東松浦郡 鎮西町・呼子町)で,母・大政所の危篤を知った秀吉が,京都にいる甥の関白・秀次に送った書状。
「こちら(肥前名護屋)の留守は,江戸大納言(家康)と加賀宰相(利家)へよくよく命じてすぐに上洛するので,そのように大政所殿へ伝えて待っていてほしい」という内容。
全昌寺に伝来した経緯は不明ながら,歴史的事実を実証する上で,貴重な原本資料とされます(大政所は書状の日付の翌日,死去)。全昌寺 寺・神社・教会
-
全昌寺の「ばせを(芭蕉)塚」と曽良の句碑
(写真左)「ばせを塚」と柳の木
正面には「者勢越(ばせを)塚」と刻まれています。
この「者」を字母とする変体仮名の「は」に濁点を付けたものは,現代生活においてもよく目にします。蕎麦屋の看板や暖簾の「生そば」の「ば」ですね。字母で書けば「生楚者゛」と書いてあるわけです。
「者」を「は」と読むのは,漢文において主格を表す助字の「者」を,通例「~は」と読み下すことに由来します。
句は碑の側面に刻まれていますが,見た目だけでは判読は困難です。
(写真右)曽良の句碑全昌寺 寺・神社・教会
-
写真は「ばせを塚」と曽良の句碑の説明文。
[この写真の撮影日は,2001年12月16日]
説明文の通り,(太閤の朱印状からほぼ百年後の)1689年8月5日(旧暦),8泊の逗留を終えて山中温泉を出発した松尾芭蕉は,8月7日に全昌寺の衆寮(しゅりょう,修行僧の宿舎)に宿泊。
翌朝,越前の国に向かいました。全昌寺を出立する際に芭蕉の詠んだ句が,
『庭掃て 出ばや寺に 散柳』
(「柳」は春の季語ですが,「散る柳」は秋の季語)
病を得て師匠である芭蕉と別れて伊勢・長島に向かっていた曽良も,前夜にこの寺に泊まり,次のような句を残していました。
『終宵[よもすがら] 秋風聞や うらの山』
『奥の細道』には次のように記されています。 -
画像出典:連歌俳諧書集成 (洒竹・竹冷・知十文庫)『おくのほそ道』(東京大学総合図書館所蔵),東京大学デジタルアーカイブポータル[引用者にて傍線等付加]
大聖持の城外,全昌寺といふ寺にとまる。猶[なほ]加賀の地也。曾良も前の夜,此寺に泊て,
終宵[よもすがら] 秋風聞や うらの山
と残す。一夜の隔[へだて],千里に同じ。
(中略)
けふは越前の国へと,心早卒[こころそうそつ]にして堂下に下るを,若き僧ども紙・硯をかゝえ,階[きざはし]のもとまで追来る。折節[おりふし]庭中[ていちゅう]の柳散れば,
庭掃て 出ばや寺に 散柳
とりあへぬさまして,草鞋[わらじ]ながら書捨つ。
*
「一夜の隔,千里に同じ」。芭蕉と曽良,二人の心持ちはこの短い言葉に集約されておりましょう。
「とりあへぬさまして,草鞋ながら書捨つ」とは,「取るものも取りあえず(あわただしく),わらじを履いたまま(一句を)書き付けた」という意味です。画像では「書捨つ」の「つ」は,「徒」を字母とする変体仮名で書かれています。
「出でばや」の「ばや」は,動詞の未然形に接続して自己の願望を表す終助詞。(一宿の御礼に)庭を掃いてから出発したいものだ,の意ですが,実際には庭を掃かずに出立したのでしょう。 -
全昌寺の五百羅漢(1)
全昌寺・羅漢堂の本尊は「華厳釈迦牟尼仏」,向かって右は獅子に乗る「文殊菩薩」,左は象に乗る「普賢菩薩」。
芭蕉が全昌寺に足跡を残してから約180年後,明治維新の前年の慶応3年(1867年)に,京都の仏工・山本茂祐により五百羅漢像の制作が始まりました。釈迦三尊,四天王,十大弟子,五百羅漢の計517躯を具備しています。全昌寺 寺・神社・教会
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イチオシ
全昌寺の五百羅漢(2)
全昌寺 寺・神社・教会
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全昌寺の五百羅漢(3)
全昌寺の五百羅漢に関連して,以下では,
・山形県 東置賜(ひがしおきたま)郡
・滋賀県 彦根市
・広島県 尾道市
の3つの曹洞宗寺院にある「木造五百羅漢像」について概観します。全昌寺の五百羅漢とほぼ同時代(19世紀前半から中葉)のものです。
五百羅漢像が曹洞宗の寺院で多く見られるのは,道元禅師の教えにより羅漢供養が特に重んじられていることによるものです。 -
玉龍院(山形県 東置賜郡 高畠町)の五百羅漢
お釈迦様を中心とする十六羅漢像のまわりに,五百羅漢と三十三観音像が安置されています。
羅漢像は,京都の仏工・正司覚太を中心する一門の合作で,京都から海路はるばる運ばれ,酒田からは最上川を遡って長井ヘ,そこから馬で運搬されました。五百羅漢の搬入は,天保6年(1835年)のことです。
像は東日本大震災により被災しましたが,2022年に修復が完了しています。
[この写真の撮影日は,2018年7月1日]
下記の『山形/宮城旅行記』から,五百羅漢の他の写真もご覧いただけます。
https://4travel.jp/travelogue/11366234五百羅漢 名所・史跡
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天寧寺(滋賀県 彦根市)の五百羅漢
彦根の【萬年山 天寧寺】の五百羅漢は,江戸後期(19世紀前半)に京都で活躍した仏工・駒井朝運が1826年から1831年(文政~天保年間)にかけて制作したもの。釈迦如来,十大弟子,十六羅漢,五百羅漢の計527躯が安置されています。
[この写真の撮影日は,2002年4月6日]天寧寺 寺・神社・教会
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天寧寺(広島県 尾道市)の五百羅漢
尾道の【海雲山 天寧寺】の五百羅漢は,江戸・文化年間(1804-1818年)から明治の初期までの約60年間に亘って,一体一体寄進されたもの。
最前列に十六羅漢,二列目に釈尊の十大弟子,三列目以降に五百羅漢,計526躯を完全に備えています。
[この写真の撮影日は,2002年9月22日]
下記の『2026年 尾道旅行記』から,五百羅漢の他の写真もご覧いただけます。
https://4travel.jp/travelogue/12026438天寧寺 寺・神社・教会
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M君とオレ以外には観光客のいない全昌寺の見学を40分ほどで終えて,石川県九谷焼美術館の【茶房古九谷】でティータイム。
■抹茶(季節の上生菓子付) 1,200円
■加賀の紅茶(菓子付) 1,100円
お菓子の銘は「菊慈童」と「山路」でした。
大聖寺駅から加賀温泉駅まで「IRいしかわ鉄道線」で一駅戻り,帰路に就きます。石川県九谷焼美術館 美術館・博物館
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加賀温泉駅を14:24に出発し,「つるぎ25号+サンダーバード26号」で,大阪駅には16:36に到着しました。
写真は,つるぎ21号(往路・先頭は1号車)のグリーン車・11号車1番AB席と,つるぎ26号(復路・先頭は12号車)のグランクラス・12号車6番BC席。
閑雅にして豊かな加賀の文化と自然に触れ,山中の出で湯と橋立の毛蟹を心ゆくまで愉しみました。
了
北陸新幹線 乗り物
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