四国一周鉄道一人旅３泊４日 １日目（徳島城・丸亀城）

2025/10/07 - 2025/10/10

九州と北海道は鉄道でほぼ一周しており、本州のJR東日本・JR東海・JR西日本も総路線の７割は踏破しているので、残すところ四国のみとなりました。北四国（瀬戸内側）は仕事で何度も訪れていますが、南四国（太平洋側）はゴルフで１度訪れたきり。それも車移動が多かったのでJR四国の乗車率（＝乗車距離／総路線距離）は３割未満にとどまっています。そこで今回はJR四国乗り潰しに挑戦することにしました。

ただ鉄道で一周するだけでは面白くないので、四国にある日本100名城９つのうち7つを訪れることにします。城巡りが趣味というわけではありませんが、お遍路は荷が重いので安直な選択です。車窓ファンの私としてはあくまで鉄道に乗ることが目的で、100名城はチェックポイントという位置付けです（四国の100名城は９つあるのに計画時に７つと誤認し、高松城と大洲城を見落としていました。AIで旅程を策定しましたが、私のプロンプトの出し方が良くなかったからだと思います）。

例によって鉄ちゃんではありませんので、鉄道に関する蘊蓄などはありませんので悪しからず。

［旅程］
10月7日　横浜→羽田→徳島→高松→丸亀→今治（泊）
10月8日　今治→松山→宇和島（泊）
10月9日　宇和島→窪川→高知（泊）
10月10日　高知→阿波池田→徳島→羽田→横浜

エリア 今治(愛媛)

• 旅行の満足度: 3.5
• 観光: 3.5
• ホテル: 3.5
• グルメ: 3.5
• 交通: 3.5

• 同行者: 一人旅
• 一人あたり費用: 5万円 - 10万円
• 交通手段: ANAグループ JR特急 徒歩
• 旅行の手配内容: 個別手配

鉄道で四国一周するのに悩ましいのは、
① ルートの選択
② 切符の手配
の２点です。

①のルートはAIに相談すれば解決できます（ただし、過信禁物）。

問題は②の切符の選択。青春１８きっぷ（５日間12,050円）に馴染んだ私は、１日あたり2,400円を超えるとどうしても高いと感じてしまいます。しかし、JR四国は特急主体のダイヤ編成を行なっているので、１８きっぷは使い勝手が悪い。

JR四国独自の四国グリーン紀行は４日間で20,950円と高い。バースデーきっぷは３日間で9,680円と安いものの日程的にきついのと、私の場合、誕生月が７月なので暑くて辛い。四国フリーきっぷは通年利用できるものの３日間で16,440円するし、日程的にきついことに変わりありません。

そこで私が選んだのはジパング倶楽部の３割引。４日間、８本の特急列車（自由席）を乗り継ぐ方法です。これだと乗車券、特急券合計で16,150円。１日あたり4,000円ちょっととなりますが、１８きっぷより１泊分ホテル代が浮くと考えればトータルで割安です。

グリーン紀行はグリーン車・指定席が利用できるという触れ込みですが、JR四国でグリーン車があるのは今回のルートでいしづち・しおかぜ・南風の３つの特急だけ。JR四国の場合、トップシーズンでもない限り自由席で確実に座れるばかりか、列車変更が自由、座席の選択も自由なので眺望の良い席を選べる自由席の方が好都合でした。

１０月７日（火）曇りのち晴れ
早朝、最寄駅発の空港バスで羽田に向かいます。定点観測の鶴見つばさ橋。朝のラッシュ時なので大黒JCTあたりから断続渋滞です。

鶴見つばさ橋 名所・史跡

ANAラウンジもビジネスマンでいっぱい。

羽田空港国内線ANAラウンジ (本館北) 空港ラウンジ

8:55発 NH281 徳島行
今回は往復とも特典航空券。徳島空港を選んだのは特典航空券の利用しやすさもあります。

機材到着遅れで出発時刻を５分遅らせていますが、実際のプッシュバックは定刻から20分遅れでした。

機材はA321。

雲の上から富士山が顔をのぞかせます。

大鳴門橋が見えたら

徳島阿波おどり空港に到着。

徳島阿波おどり空港 空港

11:17 空港バスで徳島駅に到着。予定より30分遅れです。

徳島駅 駅

ふなもと アミコ店

『秘密のケンミンSHOW 極』で紹介していた鳴ちゅるうどんを試します。舩本うどん 440円。

平打ちで腰のないもっちり麺にあっさり出汁、ネギと揚げのシンプルトッッピング。普通に美味しい。

徳島城に向かいます。

Googleマップに従ったら城山の裏を半周させられました。

おかげで城の北側を流れる助任川にも巡り会えました。

７年前、徳島に来て城のそばをバスで走ったとき、徳島城は石垣が見事だと感じていました。

城山の海蝕痕

城山の貝塚

城山貝塚 名所・史跡

石垣と堀川

数寄屋橋

巨大な石を積み上げてあります。地元産の「阿波青石」と呼ばれる緑色片岩で築かれており、雨に濡れると青緑色が際立ちます。７年前は雨だったので神秘的な景観に驚いたものです。

徳島城博物館 JAF割引 240円
徳島藩と蜂須賀家に関する歴史資料や美術工芸品が展示されていますが、撮影不可なのが残念。徳島城の見事なジオラマが一番の見どころです。

徳島城博物館 美術館・博物館

旧徳島城表御殿庭園（国指定名勝）
安土桃山時代の武将、大名であり茶人、造園家としても業績を残した上田宗箇が須賀家政に強く請われその客将となり作庭した大名庭園。

「阿波の青石」といわれる緑色片岩を多用しているのと、数寄屋橋下から地下水路を通して内堀の海水を導入した潮入り庭園であるのが特徴らしい。

枯山水にある全長10.35mの青石橋（渡れます）は中央で折れていますが、阿波国徳島藩初代藩主蜂須賀至鎮が踏み割ったという伝説があります。

いずれにせよ、これまで見た中で一番素晴らしい大名庭園、必見です。

1875年（明治8年）に御三階櫓以下、城内のすべての建築物が撤去され、石垣と堀、庭園、鷲之門のみが残りました。

下乗橋

鷲之門
脇戸付きの薬医門で、幕府に鷲を飼うからと申し立て建造したことからその名があると伝えられます。

徳島城跡・鷲の門 名所・史跡

結局、通常ルートとは逆に回ってしまいました。帰りは線路を跨ぐ陸橋を渡って近道で駅に戻ります。

徳島駅

徳島駅 駅

13:24発 うずしお16号が入線。高徳線に乗るのは初めてです。

特急うずしお 乗り物

自由席の車内はこんな感じ。わざわざ指定券（通常＋530円）を取る必要はありません。今回は８本の特急に乗るので▲4,240円の節約。

もちろん絶景を拝む進行方向右側の座席を選択。

徳島市のシンボル 眉山が見えます。

ほどなく吉野川を渡ります。河口近くは悠然とした大河です。

こちらはレンコン畑。

引田駅手前から瀬戸内海が見えます。

海の青さが映えます。

香川県は山の形が面白い。こちらは円錐形のビュート。

五剣山
涅槃仏の顔に見えます。

屋島は台形のメサ。

高松駅は櫛形の頭端式ホーム。映画で見るヨーロッパの駅みたい。

高松駅 駅

14:50発 いしづち15号松山行。予讃線に乗り継ぎます。

特急 いしづち 乗り物

こちらの自由席もこの通り。こんども右側座席を選択。

高松操車場

香東川

高松貨物ターミナル駅

五色台の峰々
ビュートです。

大束川付近で瀬戸大橋線と分岐して本四備讃線と合流。宇多津駅で特急しおかぜと連結します。

丸亀駅に近づくと丸亀城が見えてきます。

丸亀駅 駅

13:20 通町商店街はシャッター通り。

丸亀通町商店街 市場・商店街

まちの駅 秋寅の館
こんな歴史的建造物もあります。

秋寅の館 名所・史跡

丸亀城が見えてきました。見上げる高さ、これを登ります。

丸亀城 名所・史跡

大手二の門が見えます。

大手二の門

大手一の門 二の門 名所・史跡

大手一の門

高石垣（三の丸北石垣）
丸亀城は「日本一高い石垣」を謳っていますが、山麓から山頂まで４重に重ねられた総高としての日本一であり、単独で１位は大阪城本丸東面の32.0m、２位は大阪城南外堀30.0m、３位は私の故郷の伊賀上野城29.7mで、いずれも築城の名手 藤堂高虎の設計になるものです。大阪城調査前は長い間、伊賀上野城が１位とされていたので、丸亀城を「日本一の石垣」と呼ぶのは個人的には抵抗があります。

高浜虚子の句碑
「稲むしろあり
　　飯の山あり
　　　昔　今」

三の丸から見た飯野山

石垣が続きます。

二の丸跡

天守　大人400円
丸亀城は、江戸時代またはそれ以前に建設され、現代まで保存されている現存１２天守のうちの一つです。

急な階段をよじ登ります。

天守から見える丸亀市街。遠くに瀬戸大橋も見えます。

造船所や瀬戸内の島も見えます。

天守を降りたら15:58、急げば16:19発の特急に間に合うのではないかと駅にかけ戻ります。

丸亀通町商店街 市場・商店街

なんとか３分前に駅に辿り着きました。

丸亀駅 駅

しおかぜ・いしづち17号が入線。再び予讃線で今治に向かいます。本来は１時間あとのしおかぜ19号に乗る予定でした。

特急 しおかぜ 乗り物

豊稔橋の水門
AIで調べると30kmも離れた豊稔池堰堤とハルシネーションを起こします。

志々島や粟島

荘内半島
この辺りは現役時代に何度か通過した場所。

石鎚山を探しますが見つかりません。

ここでもなさそう。結局よくわかりません。

伊予西条駅にある四国鉄道文化館。

四国の瀬戸内側は工業都市がずらりと並び、日本の他の地域に比べても活気があります。知人も大勢いますが、教育レベルも高い。

伊予西条駅 駅

17:45 今治駅に到着。

今治駅 駅

駅前に猿飛佐助の銅像。
『立川文庫』に登場する真田十勇士 猿飛佐助の物語の原作者が、今治市出身の山田阿鉄一族のためだそう。

猿飛佐助像 名所・史跡

鳥林
ホテルチェックインの前に、まずこの店で夕食です。「今治焼き鳥」の人気店。今治焼き鳥は、串に刺さっていない皮を鉄板で軽く焼き、小さな板状の鉄の重しを乗せプレスしてつくる焼き鳥です。

鳥林 グルメ・レストラン

当店名物 皮焼、レンコン、せんざんきの他に、ばら焼（せせり）、鳥ねぎ、きも焼、なすびなど。瓶ビールと山丹正宗本醸造を頼んで4,190円。
当店に〆のメニューはご飯以外ありません。

なのでコンビニに立ち寄って

おにぎりと缶ビールを調達。

ホテルはしまなみプライムホテル今治。昨年開業したばかりのビジネスホテルです。

しまなみプライムホテル今治 宿・ホテル

しまなみ海道のサイクリスト達を意識したホテル。

部屋は広々として快適でした。

近くに現役時代、宿泊したことのある今治国際ホテルがあったので訪れてみます。今治造船が海外の船主のために作った迎賓館的ホテルと聞いています。

今治国際ホテル 宿・ホテル

なのでファシリティは一流。とりわけ最上階のスカイバー「TOPHAT」は、私がこれまで訪れた東京や大阪の一流ホテルのメインバーを凌ぐ素晴らしいインテリア。ここを再訪するのが目的です。

ギムレットとアードベック ウーガダールをいただきながら１時間ほど過ごしました。

この日の歩数は19,475歩、11.7km歩いた疲れで心地よく眠りにつきました。