2025/08/15 - 2025/08/15
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2025/08/15
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ヴェラーノ墓地
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あっという間に旅行最終日。
サルディーニャ島を早朝に離れて、少し早めにローマに着きました。今回の旅の目的の最後の1つはローマにあります。
ローマは一番大好きな女優モニカ・ヴィッティが生まれ育った街。モニカ・ヴィッティは、2022年2月2日に天に召され、今はローマで永遠の眠りについています。8月15日は、イタリアでは聖母被昇天祭(フェッラゴスト)。※モニカ・ヴィッティの本名もMariaです。日本ではお盆にあたります。
8月15日にローマに行くなら、やっぱりお墓参りにいかなくては!
[旅程]
<1>2025/8/10 (MON)
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NRT 22:25 ------ DOH 03:20 QR
<1>2025/8/11 (MON)
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DOH 09:25 ------ FCO 14:15
FCO 17:30 ------ CAG 18:40
*Tuvixeddu Apartment シンセツオヤドマヨッテゴメン
*I Fenu gelateria サルディーニャノアジ!
<2>2025/8/12 (TUE)
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*Cattedrale di Cagliari ロゾーニカワイイ!
*Cagliari 1920 Store ユニフォームカワイイ!
*Matrice Cagliari フィオッコディネヴェ オイシカッタ
*Su Nuraxi di Barumini ヨウハイシネ
*Sartapp オーナーアリガト
*Laboratorio TAIF キョショウ!
*Stagno di Sale de Porcus ミワタスカイギノシオ
*Is Benas Country Lodge ステキナホテルデシタ
<3>2025/8/13 (WED)
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*Spiaggia di Mari Ermi マイベストビーチ!
*Arcobaleno Gelateria Artigianale オイシイジェラート
*Piscina de Fornelli オサカナトオヨゲル!
*Spiaggia La Pelosa ドコマデモウツクシイ!
*Bioagriturismo NURE カワイイオヤド
*Ristorante Pizzeria Il Paguro ナマハムメロン
<4>2025/8/14 (THA)
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*CONAD オカイモノタノシイ
*Nuraghe Flumenelongu オヤドノウラヤマイセキ
*PC of the Sacred Heart and San Marco ヴィンテージ
*Spiaggia di Maria Pia ニギヤカビーチ
*Alghero Cattedrale ラッキーイベントソウグウ
*Complesso Monumentale San Francesco サツエイキンシ
*LITTOS. Laboratorio Di Tessitura Manuale ボチコノオミセ
*BioAgriturismo Nure ノウカレストランオープン
<5>2025/8/15 (FRI) *Ferragosto
AHO 07:00 ----- FCO 8:00 ITA Airways ←イマココ
FCO 22:40 ------ DOH 05:10
<6>2025/8/16 (SAT)
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DOH 07:30 ------ HND 23:55
- 旅行の満足度
- 5.0
- 同行者
- カップル・夫婦
- 交通手段
- 鉄道 高速・路線バス 徒歩 飛行機
- 航空会社
- カタール航空
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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辺りが明るくなる頃に、予定通りにアルゲーロ空港から離陸できました。眼下に広がる美しいサルディーニャの海も見納めです。
飛行中充電もできましたし、飲み物も出て一息つけました。あっという間にイタリア本土の海岸線が見えてきます。
今回イタリア国内線は、行きは新興のAeroitalia。帰りは復活のITAエアウェイズを使いました。個人的な感想はITAが全然良くてITAが好きになりました。 -
定刻通りにローマ・フィウミチーノ空港に戻ってきました。到着はタミ1です。
「まずはバゲッジを預けちゃおう」
「じゃあタミ3に向かおう。このまま歩いていけるみたい」
「日本行きのカタール航空はタミ3出発だしちょうどいいよね」
一度地上に出て、歩いて5分程でタミ3に到着します。フィウミチーノ空港 空港
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問題はここからです。フィウミチーノのタミ3に荷物預けがある…という情報はありましたが実際どこにあるのか分かりません。1階のアライバルロビーは、タミ1との接続箇所から順にドア1から並んでいます。「Left baggage」という看板に従ってまっすぐドア6迄歩けばよいのですがドア5迄はまっすぐ建物の中を歩いていけるのに、ドア6だけは一度建物の外に出る必要があります。
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荷物預けサービスは7時~23時迄のオープン。奥まったところにあって全く目立ちません。
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窓口に申し込むと、奥のベルトコンベアに荷物を載せるように指示がきます。料金の支払いは荷物引き取り時で、1個10EURです。
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到着からおよそ1時間。9時過ぎには身軽になってレオナルド・エクスプレスのフィウミチーノ空港駅に来ることができました。
「切符は赤い自販機で買えるみたいだね」
「電車の時刻は決まってるのに、ホームが掲示されてない…」
「そこのキオスクの人に聞いてみよう」
聞いてみると、次の電車は3番ホームだろうということです。近くの自販機で切符を購入してから、3番ホームに戻ってエクスプレスを待ちます。1人14EUR。180円換算だと思うと結構します。 -
座席は余裕を持って座れます。大型荷物を置くスペースがとても充実していて、乗客は思い思いに荷物を車内の荷物台に置くことができます。30分程の道行ですが、テルミニ駅が近づくと、車窓の向こうに遺跡が見られるようになって、気分もあがります。
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テルミニ駅には10時到着。帰りの便は22:40分。ここからおよそ12時間でのローマ巡りです。
「着いた~!」
「ここからどうする?」
「まずはヴェラーノ墓地。それから”階段”。」
「サンピエトロ大聖堂だけは14時の予約よね」
「移動含めて午前中のうちにお墓参りしないとね、急ごう」
まずは1日乗車券を購入しに、駅地下のATACチケットオフィスに向かいます。テルミニ駅 駅
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階段を降りてサイン通りに歩くと赤い看板のATACチケットオフィスがありました。窓口のガラスを見ると、乗り放題チケットの見本が貼り付けてあります。
「24、48、72…、最後の7は1週間だろ。ここで売ってるみたいだね」
「当たりみたいね。良かった」
「こんにちは!ローマパスの24時間のください」
「ローマパスは売ってないわよ」
「あれ?そうなの??でもココに貼ってあるよ」
「ローマパスはインフォメーションに聞いて、ここには売ってないわ」
「はあ?ココにローマパスあるよね?」
「貴方言葉通じないの?困ったわね。売・っ・て・な・い・のよ」
「この24時間のチケットだよ!」
「え?それなら8.5EUR。最初から言いなさいよ」
窓口で思わぬ押し問答になりました。ガラス窓に貼ってあるチケットはただの「24時間チケット」でローマパスではありません。私たちはてっきり一日券がローマパスだと思っていて、話が噛み合わずにこんなことになりました。本物のローマパスはものすごく高いので、半日滞在で元は取れません。
後で知ったのですが今はクレジットカード決済でピッで乗降したら、1日の上限金額が24時間チケットの8.5EURと同額以上に請求されないらしいですね。 -
チケットも手に入れて、ヴェラーノ墓地行きのバス停に向かいます。途中地上にもATACのキオスクがありましたが、日曜や祝日は閉まっていて、この日も閉まっていました。
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バスが来るまで少し時間があるので飲み物だけ調達しました。バス停の後ろにある鞄屋さんに荷物預かりサービスの看板が。サイズもあるので一概には言えませんが、1日一個5EURならお安いのかも。
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しばらくしたらバスがやってきました。テルミニ駅からヴェラーノ墓地までは71番ラインで15分です。
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遺跡や古い建物だらけの街なのに落書きが多いです。イエローの路面電車とすれ違った時も、背景には派手に落書きがありました。Varanoのバス停のすぐ目の前がヴェラーノ墓地です。
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ヴェラーノ広場の向こう側に墓地の入り口が見えます。門の右側に2軒、お花屋さんが並んでいます。
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ヴェラーノ墓地は古代のネクロポリスに19世紀初頭に作られたローマの公共墓地です。多くのローマ人や有名人が眠っています。旦那はフェッラゴストの祝日で開いているか不安だったようですが、嫁は開いてるに決まってるじゃないと、全く疑っていませんでした。
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手前のお店はお忙しそうなので、奥のお店でお花を準備します。店主の方に声をかけて、気に入ったお花を選びます。
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黄色と赤のお花を一束いただいてから、墓地に向かいます。
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近くまでくると、門にも彫刻が並んでいるのが見て取れます。
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彫刻に雨の汚れとは思い難い色がついています。
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こういう白と黒のコントラストはSLの煤の跡とか火災煤を思い出します。
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地図はホームページでダウンロードして持ってきました。お墓には区画と番地が決まっていて、どの区画がどこにあるかマップで確認できます。マップにある赤線は園内を走るバスで、今回お伺いする区画は2番バス停の近く。歩いた方が早そうです。
基本は7時から18時迄、たまに17時迄ですが、そもそもお墓に夕方に行かないなと思ったり。門を潜ったすぐ先が1番バス停です。 -
様々なお墓が並んでいて、すごく立派な彫刻や墓石が目を惹きます。
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購入したお花です。
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巨大なモニュメントがついている2階建のお墓とかまるでお家のようなお墓とか。お墓の向こうには教会も見えます。
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モニカ・ヴィッティのお墓へのアクセスは、2番バス停から右に入って墓地外周に沿った区画132を目指して歩きます。
「こっちかなー?」
「もう1区画上じゃない?」
「あそこから入れるみたいよ?」 -
向こうの方に壁式墓地が並んでいるのが見えます。外周の壁沿いだけでなく、壁式墓地が集まった建物が1区画にあったり、たくさんあります。イタリアでは珍しくないそうですが、珍しいです。
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コーナーを曲がって132区画に入ります。お花が咲いた門をくぐると、石畳の空間が広がっていました。区画はわかっていましたが、番地は事前の調べがつかなかったので、一つひとつのお墓を見て回ります。
「この辺りのはずなんだけど…」
「あ!あそこの白いお墓、お墓参りに来てる方がいるよ」
「いってみよう!」 -
順番に見ていって、石畳を抜けたところにようやく見つけました。モニカ・ヴィッティがここに眠っています。
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イチオシ
墓石には若かりし頃のポートレートがはめ込んであります。
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お墓にはたくさんお花が供えられています。ヴィッティ愛されているんだなと実感しました。私たちのお花も飾り、ご冥福をお祈りしました。
「ありがとね!学生の頃から一番大好きな女優さんだったの」
「見つかって良かったね」
「うん!」
「もう1人行きたいお墓あるんだっけ?」
「マストロヤンニね」
「それはどの区画なの?」
「それがよくわからないのだけど、大体の場所はわかってるの」 -
墓石の下に番地の記載がありました。139番地です。
改めて手を合わせてから、モニカ・ヴィッティのお墓を後にします。
2025年9月20日に夫のロベルト・ルッソ氏もお亡くなりになったそうです。
ご冥福をお祈りいたします。 -
壁式墓のある1番区画の奥に、マルチェロ・マストロヤンニのお墓があるようなのですが、探しても探しても見つかりません。
「お墓の番号わかってないの?」
「71番なのはわかってるんだけど…」
「ここ75番だよ?」
「ここは79番。でも間にあるお墓の数と番号が全然合わないじゃない」
「数字順になってないのかな?」
「ヴィッティのお墓参りできたし十分だよ」
「何言ってんのここまで来て。地道に探すよ」
8月のローマ。バカにならない暑さの中、お墓を一つづつ覗き込みながら捜索します。蚊にもたくさん刺されました。 -
お墓を探してウロウロしていた旦那が、ふとあるお墓の前にある張り紙に目をやりました。
「ファミリアマストロヤンニ???あ…もしかして!」
「見つかった?」
「たぶん。このお墓じゃないの?」 -
植栽のある花壇の下。他の70番台のお墓と少し違う位置にマストロヤンニのお墓がありました。
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小石やちょっとした供物も置いてありました。
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念願のお墓参りも終えてヴェラーノ墓地を後にします。次の目的地はPopstairsプロジェクトというアートです。Varanoから今度はトラムのライン19に乗ってレジーナ・エレナ通りを移動します。
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リエジ通りのLiegi駅で降りて、あとは歩きます。ちょうどお昼に差し掛かったのでカフェで一休みします。
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Il Cignoという名前のお店だけに看板や店内の陶板に白鳥があしらわれています。暑い中歩いて喉も乾きました。ジェラートいただきます!
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旦那とシェアしてピスタチオ、ババ、リコッタエクラメーラ、コーヒー、レモン、マンデラの6種類をセレクト。お値段は8EURです。
「やばっ、全部うまい」
「生き返る~」 -
Il Cignoからパリオリ通りを歩いて10分程の路地裏にPopstairsプロジェクトのアートがあるはずです。
「この辺りのはずだけど…」
「頼むわよ、歩く地図なんだから」 -
イチオシ
角を曲がった所に唐突にソレはありました。Popstairsプロジェクトの「モニカ・ヴィッティの階段」です。エットーレ・スコラ監督の「Dramma della Gelosia」という映画、アデライダ役のヴィッティが描かれています。M・マストロヤンニも出ています。
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その映画はYou Tubeで見ましたが、ヴィッティは花屋の売り子でした。そのシーンのロケ地はヴェラーノ広場なんだそう。お墓参り前に買ったお花屋さんとは違う場所ですが、偶然の一致がうれしい!
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見る人の角度を計算して、一段一段絵を描いてあるので、見方を変えるとこんなふうになります。踏んでごめんなさい!
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イチオシ
次は14時に予約したサン・ピエトロ大聖堂に向かいます。草むしりをもう少ししたかったのですが、あまり時間がなくてちょっとしかできなかったのが残念です。
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最寄りのバス停に充電器が付いていたので、ありがたく使わせて貰いました。サン・ピエトロ大聖堂までは、まずライン223でトレビの広場を過ぎて、ライン62にTritoneで乗り継ぎます。到着まで約1時間かかります。
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ヴィットリオ エマヌエーレ 2 世橋を渡るとバチカンはもうすぐです。S. Pietro停留所で降りて坂を登ります。バシリカはまっすぐの看板に従って進むと、ベルニーニの噴水があるピエトロ広場に到着しました。
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広場の真ん中にはオベリスクが立っています。
バチカン市国 史跡・遺跡
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目を奥に向けるとそこにサン・ピエトロ大聖堂が!
サン ピエトロ大聖堂 寺院・教会
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目の前に大聖堂が見えているのですが、前面は全て椅子で埋められています。アクセスした反対側から延々と通路が伸びていて、辿るしか入口にはたどり着けません。
「まずいな~、これじゃ14時に合わないよ」
「あまり遅いと不安だけど、少しくらい大丈夫でしょ」
「15時からの入場はフェッラゴストで中止になってるからさ」 -
通路のスタッフさんに予約票を見せて優先入場レーンで入口の天使の門を潜ります。途中の水道でみんな水を汲んでいるのを見て、私たちもペットボトルに水を補充しました。
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行列に並んで歩くと、地下にまず移動して、教皇のお墓があるグロッタに入ります。
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グロッタは地下にある歴代教皇の墓所です。歴史を感じる棺がいくつも通路脇に並んでいます。精緻に作られた石棺やモザイク画の装飾は十分に時代を感じさせて、まるで博物館のようです。グロッタを抜けると、いよいよ聖堂です。
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聖堂の中に入ると、目の前に壮麗な装飾に飾られた広大な空間がドーンと広がります。
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イチオシ
4本の螺旋状の柱に支えられたバルダッキーノは荘厳としか言いようがなく。ローマの存在意義を示す聖ペテロの墓所の位置に設置されています。
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イチオシ
向こうに見える司教座のステンドグラスも同様に聖霊が中心に据えられており、神の存在を象徴的に感じさせる仕掛けになっています。
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バルダッキーノの天井には聖霊の姿が描かれ、天蓋には天使が教皇冠を掲げ、教皇ウルバヌス8世の紋章の蜂がデザインされています。背後の司教座の主催段は、黄金の天使たちがステンドグラスの周りを囲んでいました。
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バルダッキーノの上にはミケランジェロがデザインしたと言われるクーポラが望めます。
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イチオシ
外周部には聖書の一節、イエスが聖ペトロに天と人の世を繋ぐ鍵を授けて、教会の礎石たれと伝えた文言が入っています。
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内周には教皇シクストゥス5世が1590年に大聖堂を建立した旨のメッセージがフレスコで表されています。
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大聖堂の中は壮麗としか言いようがない大空間です。
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至る所が聖人や天使や歴代教皇の像で飾られ、金色に輝いています。
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クーポラの左右はアーチで区切られて、小クーポラへと繋がります。このアーチの装飾がまたすごく美しいのです。
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イチオシ
アーチを超えると礼拝堂に入り、小クーポラにもフレスコ画が描かれています。
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側廊の方も素敵です。
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ここもアーチ部分の装飾が気に入りました。真ん中の金の竜の周りに白の天使が飾られたメダイユがかわいいです。
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アーチの先にある小クーポラ。こういう小さなクーポラもたくさん天井にあります。
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ベルニーニの聖ロンギヌスはじめバルダッキーノ周りの四柱の聖人像や聖ペテロの像。天使の聖水盤や、歴代のローマ教皇の墓石などなどなど。大聖堂内には様々な像が並べられています。
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左の写真は聖ヒエロニムスの聖体拝領、右は聖セバスティアヌスの殉教というテーマのものでそれぞれ礼拝堂になっています。他にも様々なフレスコ画が、数多くの礼拝堂に飾られていて、きりがありません。色々と見て回っているうちに疲れ切ってしまいました。
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「よー、元気~?」ピッ! (グレゴリウス16世)
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そういえば今年は25年に一度の聖年。陽気な教皇さまの像に励まされて「聖なる扉」から聖堂に入りなおしました。
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聖なる扉、入りまーす!扉が開いているのは2026年1月6日まで。それ以降は次の聖年まで、扉は固く閉ざされてしまいます。
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入ったところすぐに、ミケランジェロのピエタ像です。
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イチオシ
バチカンのピエタ像はガラスケース越しでの展示ですがオリジナルです。なんと24歳のミケランジェロのデビュー作なんだとか。あまりにも有名すぎる彫刻です。
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そのほぼ向かいにスウェーデン女王クリスティーナの墓碑もあります。北方の英雄グスタフ=アドルフの娘。6歳で王位を継いでスウェーデンを北方の強国としてバルト帝国へと押し上げたのですが、北方の戦争が終わったら国教会からカトリックに改宗して退位。イタリアに住み着いたという自由気ままなお嬢様です。「The Girl King」という映画にもなっています。
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もう一つ興味深いのがスチュアート家の墓碑です。グレートブリテン&スコットランドの僭称王、スチュアート朝ジェームズ2世やチャールズ3世が祀られています。北米のドラマ「アウトランダー」でジェイミーとクレアがいたジャコバイトの旗頭になったカトリック最後の国王(僭称)で、特にチャールズ3世のほうはシーズン2で描かれたカローデンの戦いで指導者プリンス・チャーリーとして物語にも登場しています。
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「そろそろ15時30分だ、いかないと」
「クーポラ登るんだよね」
「思った以上に疲れるし、エレベーターにしといてよかった」
聖堂内の案内で、クーポラに登るためのエレベーターがあるので、それに乗って屋上のテラスまで直行します。 -
まずはテラスをぐるりと回ってみます。
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クーポラの上部に人が登っているのがテラスからも見えます。これから階段で私たちもあそこまで登ります。広場正面に向かって屋上に並んでいる十二使徒の像も、テラスから背面をズラリとみることができます。
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「あそこの建物、カフェみたい」
「時間はまだあるでしょ?登る前に休んでいこうよ」
「賛成~」 -
中は小さなカフェスペースとお土産屋さんになっていました。アイスクレマカフェとクロワッサンをいただいて一息入れます。クレマカフェは4EUR。疲れた身体に染みいる美味しさです。休憩してだいぶ復活しました。
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一休みした後、クーポラへの階段を登りはじめます。
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クーポラの内側に入ると、ガラス越しにですが大聖堂内部を上から眺められます。先程は遠くにあったクーポラ内縁のメッセージも目の前です。教皇の紋章が入り口にもあり、壁には天使の顔のモザイクが全部で17枚ありました。
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さらに螺旋階段を登っていきます。最初は広かった階段も、だんだん狭くなり、最後の部分は細い階段をロープに捕まって登ります。最後まで登り切ると、クーポラの展望台に到着です。
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サン・ピエトロ広場やテラスも望めました。
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東西南北、ローマ市街が360度見渡せます。
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バチカンの鉄道路線も覗き見できます。このままイタリア国鉄に接続するそうです。
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バチカン市国の紋章が庭に見える建物は政庁舎です。
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クーポラから広場まで降りてきました。ちょうど広場に出るところに門を固める衛兵さんが。教皇領のスイス傭兵といえば高名な傭兵部隊です。こんな素敵かわいい制服の衛兵さんだとは知りませんでした。
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イチオシ
かわいいと言えば広場にあったバチカン市国のポスト。
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広場の出口付近にはバチカン市国公式ショップも並んでいます。
様々な聖人グッズとかマリアさまグッズを取り扱っています。私たちもココでもメダイユを一つ購入しました。 -
次の目的地は「ポポロ広場」。フラミニア街道の出発点としてローマの玄関口の役割を持つ広場です。広場に面したサンタ・マリア・イン・モンテサント教会は、2022年2月5日にモニカ・ヴィッティの葬儀が行われました。今回の旅の最後の締め括りです。
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広場の手前までバスで移動して、残りは歩きます。立派なヘリテージビルになりそうなファサードの廃ビルがある街並みを楽しみながら、およそ17時にはポポロ広場までやってきました。
中央にオベリスクが建ち、向こう側にサンタ・マリア・デル・ポポロ教会やポポロ門も見えています。 -
双子教会と呼ばれる道を挟んで2つある教会の横から広場に入ります。
モンテサント教会の方の営業時間は17時30分~19時30分となっていたのですが、フェッラゴストの祝日に開くかは調べてもわかりませんでした。サン・ピエトロ大聖堂も早く閉めてしまいましたし、本当に開くのか確証はありません。いずれにしても17時の今はまだ扉は閉ざされています。そこで1番営業時間の短いサンタ・マリア・デル・ポポロ教会を先に回ることにしました。 -
広場の向こう側のサンタ・マリア・デル・ポポロ教会までやってきました。ポポロ広場の教会では最も有名な教会で、18時には閉まってしまいます。
サンタ マリア デル ポポロ教会 寺院・教会
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身廓の奥に主祭壇があります。
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主祭壇の上には教会を再建したローヴェレの紋章。額装には聖母子像。祭壇の上には華やかな天井画のあるクーポラから光が入っています。
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聖堂内にはは多くの礼拝堂があり、それぞれの礼拝堂はローマの有力者たちが絵画や彫刻で飾っています。目立つのは再建を主導したローヴェレ家の礼拝堂。正面に飾られているのはルネサンスの作家ピントゥリッキオの「キリスト降誕」。他にもピントゥリッキオの絵でストーリー仕立てになっていて、存在感があります。
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他の礼拝堂もローマの有力貴族が寄進して手に入れて自家のお墓や廟にしています。市民の寄進でできたという伝承はあるけど、16世紀の改修後のここはちっともポポロ(市民)感はなくて、名家の競い合いが反映されてるのがローマっぽい気がします。
左上はチーボ礼拝堂。元々はピントゥリッキオが手がけていたそうだけど、後にチーボ卿が修復。飾られている無原罪の聖母と教会博士という絵は後の作品。
右上はアレクサンドリアの聖カタリナを祀るコスタ礼拝堂。元々はローヴェレ家礼拝堂の一部。後にコスタ枢機卿が買い取って分離したのだそう。最初は1/3くらいをメインスポンサーが持ってたみたい。
二列目の左右はフィオーリ礼拝堂。飾ってある聖人がなんの聖人かわからないけど、イタリアで修道女スタイルならシエナのカタリナなら既に列聖されているから彼女なのかも?隣の絵が飾ってあるほうも含めて悪名No. 1の名門ボルジア家の礼拝堂を再建した方の名前がついたのだそう。
三列目の左はモンテミラビレ礼拝堂。三列目の右はメッリーニ礼拝堂。メッリーニは枢機卿をしてた偉い人みたい。
一番下は左が聖十字架礼拝堂。右がテオドーリ礼拝堂。上のほうにちらっと見えているのがルネサンスの作家ジュリオ・マッツォーニの天井画。 -
特別なのが大作家ラファエロが礼拝堂を設計したキージ家の礼拝堂。キージ家は教皇の金庫番と言われたローマの名門。聖堂内には、他にも右の凝ったお墓があって、マリア・フラミニア・キージ・オデスカルキというキージ家の方も祀られていたり。やはり聖堂内に一定の存在感があります。
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他にも怖いお墓がたくさん。キージ家の礼拝堂にもまんま骸骨が置いてあってひきますし、一番左の髑髏がひっついたお墓とか、趣味悪~…としか思えない。画家のガスパレ・チェリオのお墓なんだそう。真ん中の上にあるお墓も下の方に髑髏マークが入ってるアルフォンシーナ・オルシーニのお墓。オルシーニ家は教皇を多数輩出しているローマの名家なんだそう。真ん中下はヒントなしでよくわからないけど、よく見ると覆面なのか覆いなのか顔見えてなくて怖いし。最後の右は怖くないルドヴィーコ・ポドカタロ枢機卿のお墓。
他にも床にはちょっとポップな色大理石の羽生えた骸骨マークがあったりして、気持ち悪がっていたら、ここから悪魔が出てきた映画があったとか。有名な模様だったみたい。 -
イチオシ
所狭しと彫像やら絵画やらがてんこもりですが、お気に入りはこちらの天使のレリーフ。ちょっとヘタウマでカワイイこういうのがいいわ。
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とりわけ有名なのがカラヴァッジョの絵画があるチェラージ礼拝堂。
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正面の絵画はアンニーバレ・カラッチの「聖母被昇天」。左右に配置された2枚がカラヴァッショ。左側「聖ペテロの磔刑」右側の「聖パウロの回心」です。カラヴァッショの出世作なんだとか。
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サンタ・マリア・デル・ポポロ教会から出て、広場の真ん中にあるオベリスクを通って双子教会に向かいます。17世紀の旅人がローマに到着した時に目にしたであろう風景そのままです。
ポポロ広場 (ローマ) 広場・公園
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フラミニア・オベリスク、実はすごい古いものです。何しろローマ帝国初代皇帝アウグストゥスがエジプトでラムセス2世が建てたものを引っこ抜いて持ってきたんだそうですから紀元前1200年のオベリスクです。おまけに真ん中にこんなリアルなライオンが4頭もいて、水を吐き出しています。
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オベリスクを超えると、目の前に双子教会が。左がサンタ・マリア・イン・モンテサント教会、右がサンタ・マリア・デイ・ミラーコリ教会です。
並んではいますが二つの教会はそれぞれ別運営。開いている時間も違います。本来なら金曜日は左のモンテサント教会は17時30分~19時30分のはずですが、今日はフェッラゴストの祝日。日曜に準じるとお昼しか開きません。ホームページに対応が記載されておらず…見る限り扉は閉じているようです。右のミラーコリ教会の方は、16時~19時。こちらはホームページでフェッラゴストの日のオープン時間に言及されていて、19時まで開いています。玄関付近も左には人がおらず右にはたくさんの人が訪れているのが見て取れます。
「え~…ヴィッティがお葬式した教会だけ閉まってる」
「うーん。普通平日なら今の時間帯が3つとも開くんだけど…残念だけどお隣だけ見てこようよ」 -
ミラーコリ教会に入ると、中央に十字架のモニュメントが配置されて、奥に主祭壇が設けられています。サンタ・マリア・デル・ポポロ教会に比べるとシンプルな作りですが、高さがある立派な教会です。
サンタ マリア デイ ミラーコリ教会 寺院・教会
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主祭壇には聖母子像。
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側礼拝堂は、赤白のイエスのものと、青白の無原罪のマリアのものでした。
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落ち着いた教会で演出でメインの祭壇やオブジェを印象付ける傾向です。率直に言えば物語性は薄く、良く言えば純粋に聖母マリアの奇跡を再現して伝えようとしています。
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ミラーコリ教会から広場に戻って、モンテサント教会を確認しましたが、やはり扉が開くことはなく、残念ながら見学はできませんでした。
「残念開いてない…」
「仕方ないわね。疲れたしジェラート食べて一休みしよう」
「確か近くに美味しいお店があったよ」
「……?さっきからうるさくない?」
「それ僕も気になってた。なんの音だろ?」
「それになんか臭くない?」
「なんか燃えてるような匂いするよね?」
呑気な会話をしながら、広場を歩いていくと奥のピンチョの丘の向こうから煙がもうもうと上がっているのに気がつきました。
「ほら!煙!火事みたい!」
「ミラーコリ教会に入る前から臭かったから…結構燃えてる?」
「近そうだけど…」
「火事場の野次馬はどうかな。ジェラート屋さんの方向は逆だから煙に巻かれることはないよ」 -
良くみると広場にも小さな消防車らしき車も控えていました。お仕事お疲れさまです。
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ジェラート屋さんまでは歩いて直ぐ。テベレ川にかかるレジーナ・マルゲリータ橋を渡ります。イタリアジェラートの締めくくりに選んだのはGelateria La Romanaさんです。チェーン店ですが人気で行列ができていました。店員さんにオーダーを伝えて席につきます。1スクープで3.5EUR。2スクープなら4EUR。3スクープなら5EURです。生クリームをトッピングすることもできるそうなので、それもお頼みします。
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左は嫁のバナナ、ヨーグルトナチュラル、フラゴラ(イチゴ)の生クリームトッピング。右が旦那のマンゴー、ミルク、ヨーグルトミレーノッチの生クリームトッピング。10EURです。
これがもうフレッシュで冷たくておいし~!!
何気に今日はジェラートをエネルギーに生きています。Gelateria La Romana スイーツ
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空港で荷物を引き取って、飛行機に乗れば後はゆっくり休んで、目が覚めたら日本です。今回は長年行きたかったサルディーニャ島を巡り、嫁憧れのモニカ・ヴィッティのお墓参りをしてきました。
初めてイタリアに行きましたが、さすが聖年のバチカンは目を白黒させながらの観光でしたし、サルディーニャの海は素晴らしく、人の優しさは身にしみました。もちろんボチ子も最高でした。サルディーニャもローマも、とても好きになりました。また機会を作って遊びに行きたいと思います。
長くなりましたが、この旅行記が今後皆さまがサルディーニャ島を訪れる小さなきっかけやヒントになれば幸いです。フィウミチーノ空港 空港
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この旅行記へのコメント (8)
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- Tripにこちゃんさん 2025/11/02 12:01:13
- こんにちは。
- トゥーバーズさま
いつも見て頂き、ありがとうございます。
サン・ピエトロ大聖堂は、見たいと思っていたところなので、じっくり写真を
見させて頂きました。
ここはただも観光地ではなく、聖地としての存在感が伝わってくる場所ですね。
写真からスケールの迫力が伝わってきます。
楽しい旅行記を、ありがとうございました。
- トゥーバーズさん からの返信 2025/11/02 19:31:03
- Re: こんにちは。
- こんばんは!
Tripにこちゃんさま。
Tripにこちゃんさまが行かれていたアフリカは、なかなか思うように日程の取れない私たちに取っては憧れの地です。いつも旅行記ワクワクしながら拝見しています。続きも楽しみにしていますね。
サンピエトロ大聖堂、さすがカトリックの総本山、説得力のある美しさでした。
私からもフォロー致しました。今後とも宜しくお願いいたします。
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- ちーちゃんさん 2025/10/20 18:09:38
- ステキなイタリア旅行!
- こんばんは~(*^▽^*)
私の知らないイタリアを、見せてもらえてとっても楽しかったです!
サルディーニャ島って、
とってもステキな所ですねー(*´∇`*)
可愛いボチ子もあって、一度行って見たいなあと憧れながら見ました。
ローマではバチカンの地下、知らなかったです。
それにお墓参りまで!
マストロヤンニは知っていますが、
モニカ・ヴィッティさんは知りませんでした。
でも見つける事が出来て本当に良かったですね!
ローマでも、
まだまだ見てない所が沢山あって、
トゥーバーズさんの旅行記を見ているとまたすぐにでも行きたくなっちゃいました。
いつもどこでも、レンタカーを借りてあちこちへお出かけになるトゥーバーズさん、
本当に憧れます♪( ´▽`)
- トゥーバーズさん からの返信 2025/10/21 09:07:18
- Re: ステキなイタリア旅行!
- ちーちゃんさま
コメントありがとうございます。嬉しいです。サン・ピエトロ大聖堂ではたくさんちーちゃんさまの旅行記を参考にさせていただきました。
日程もあって、今回はいつも以上に「好き!」を全開にした旅にな
り、その分行けなかった場所も多くて。本当は映画繋がりで、旅行記で行かれていたコロンナ宮殿にも行きたかったのですが、残念なことに回りきれませんでした。
でも映画の舞台の旅、本当にいいですね!私たちもローマに今すぐにでもまた飛んで行きたい気持ちです。
映画といえば、ちょうど機内で『教皇選挙』を観ました。今年はローマ教皇のご逝去とコンクラーベもありましたね。裏側では、いろんな方々の思いがあったんだなと感慨深かったです。
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- 熟年ドラゴンさん 2025/10/18 13:21:56
- 映画観ました。
- 太陽はひとりぼっち、スェーデンの城、あとよく覚えて無いけど赤い砂漠、トプカピ、唇からナイフ。
トプカピはメリナ-メルクーリしか覚えてないけてど。
- トゥーバーズさん からの返信 2025/10/19 18:34:39
- Re: 映画観ました。
- 熟年ドラゴンさま
コメントありがとうございます!
ヴィッティの映画、いい映画ばかりですよね~!
初めてヴィッティに出会った映画は『太陽はひとりぼっち』で、完全にノックアウトされました。
美容院に雑誌の切り抜きを持って行ったこともあります。でも仕上がりは毎回「違う!コレじゃな~いっ!」って感じで。
そんなことも今では懐かしい思い出です。今回花を手向けられて本当よかったです。
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- Emi さん 2025/10/17 00:11:56
- モニカ・ヴィッティ
- モニカ・ヴィッティのお墓参りが出来て本当に良かったですね♪
自分がやりたいことをする旅って満ち足りた気分になりそう~。
イタリア、私もまた訪れたいです。
- トゥーバーズさん からの返信 2025/10/17 20:50:15
- Re: モニカ・ヴィッティ
- こんばんは!Emiさま
コメントありがとうございます!
そうなんですよ~!今回サルディーニャから帰る予定を繰り上げて、無理矢理ローマでの1日をヴィッティのために捩じ込みました。
旅行記にアップしてないんですが、お墓の前で記念撮影したりもして、最高の思い出です。
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