2025/08/12 - 2025/08/12
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tokyopigletさん
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今日はリトアニア第二の都市・カウナス。日本のシンドラー杉原千畝の足跡を辿りに行って、リトアニアの苦難の歴史に打ちのめされ、世界遺産・モダニズム建築に圧倒され。
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今日は100キロ離れたカウナスへ。
ホテルの朝食を待たず、boltのタクシーで駅近くの市場へ
このメインの建物はパンや加工食品、別棟に肉と魚、野菜、日用品などがあり、なんでも揃う -
朝早くてまだ半分も空いてなかったが、山積みのハチミツ、すごい種類のソーセージなど、とても楽しい
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ビリニュス駅。かわいい
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切符はQRコード ちょっと贅沢して一等の指定席
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カウナス行きは1,2時間に一本。国内交通はバスの方が本数もあって便利らしい
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駅で朝ごはん。豚肉のピロシキ~!割と薄味
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これに乗る。2階建て3両編成。一応急行位の感じ。
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ドアボタンを押して開けるタイプ。自動で閉まっちゃうので出発かと思って焦る
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座席はこんな感じ。この車両は、なぜか、森の動物のぬいぐるみや、フェイクの木の枝などが飾られていた。
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ホームにはカフェもあり
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車掌さんが切符をチェックしたらお水くれた。1等席だから?
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風景は、割と平らで、緑と水が豊か
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1時間10分ぐらいでカウナスに着いた。
ここから丘を登って杉原千畝記念館を目指す。 -
カウナスはポーランドに首都ビリニュスを占拠された1920年から1939年までリトアニアの首都だった。この極めて短期間に、大量の建設が行われたため、この時代の先端であるモダニズム建築が大量に作られて、そして多分その後大きな都市の発展がなかったため、多くが残されている。
杉原記念館に向かう住宅地にも、素敵なお家がたくさん -
修復中の住宅 おされ
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杉原記念館。元、在リトアニア日本公使館。当時一回が公使館のオフィス、2階に一家が住んだ。
ある日の朝、この領事館の前がビザを求める無数のユダヤ人で埋め尽くされたという
建物の前にはリトアニアと日本と、そしてウクライナの旗 涙 -
今日は記念館は休館日。事前に団体で申し込めば開けてくれると知って前日にメールしたんだけど音沙汰なく、外観だけでも、と諦めていた。
が、念のため覗いてみたら、記念館のお兄さん曰く、1030に団体の予約で開けるから、その時来たら入れてあげるよ、って。わーい! -
近所をお散歩。体育大学。
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立派なアリーナ…最近できたらしい
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この建物に柔道クラブが!
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リトアニアのスポーツの歴史はここで始まった、との石碑。有名なバスケットボール選手の活躍を讃えたものらしい。
バスケットボールはリトアニアの国民的スポーツで、1937年に欧州選手権で優勝、ソ連時代の1998年にはソ連にオリンピック金メダルをもたらし、独立後初の1992年五輪ではソ連を下して銅メダル、など、歴史に伝説を刻んできた。 -
1030に戻ると、団体は遅くなりそうだからって入れてくれた。20分の映像を含め、すごく展示が充実していて、日本語の資料もたくさんあって。たっぷり1時間は勉強した。知らないことばっかりだった。
以下、長文だけど今回知ったこと。
まず、当時リトアニアに邦人はいなかったのに、公使館が開かれたのは、緊迫するヨーロッパ情勢を知る必要があったからで、諜報活動が主な任務だったところに、ユダヤ人問題に遭遇したのだった。
それから、杉原公使の英雄的行為は、単独では機能しなかった。まず当時のオランダ公使ヤン・ズワルテンダイク(民間企業の駐在員だったが、頼み込まれて名誉領事になった)が、ほぼ独断で当時オランダ領キュラソーのビザを大量に発行した。当時キュラソー入国にはビザが必要なかったので、行ってみればフェイクのビザだったし、難民のほとんどが結果的にキュラソー以外の国に行ったのだが、その紙があることがユダヤ人の移動には必要だったのだ。それをわかって大量のビザを発行したクワルテンダイクは母国に帰り、自分の行為が大量のユダヤ人を救ったことを知ることなく一民間人として亡くなったという。
しかしヨーロッパは西も南もユダヤ人には閉ざされていて、キュラソーを含めヨーロッパを脱出するには、シベリア鉄道で日本を経由するしかルートはなく、日本の通過ビザを求めてユダヤ人が日本領事館に殺到した。杉原領事は日本政府の指示に反して日本の通過ビザを大量に発行した。シベリア鉄道の旅費は、米国のユダヤ人団体からの寄付で賄われた。また、近年、ソビエト政府が通過ビザを発給し、手数料として50万ドルもの発給代を収入していたことがわかった。
そしてウラジオストック総領事代理の根井三郎氏も外務省からの訓令に抗議し、敦賀行の船への乗船許可や独断で渡航証明書を発行した。また、大迫辰雄氏をはじめとするJTB職員がユダヤ難民を敦賀まで送り届け、彼らの資金となるアメリカのユダヤ人協会からの援助金を難民一人ひとりに給付する役割を果たしたという。
偶然かかわった多くの人の英雄的行為により、多くのユダヤ人が救われた。これは素晴らしい美談ではあるけれど、この翌年、ナチスドイツがリトアニアを占領、リトアニアのユダヤ人20万人が収容所に送られ、9割が命を落とした。そして、このユダヤ人を助けようとしたリトアニア人が、数多く処刑されている。
本当に狂気の時代、生き死には無数の人の英雄的善意と、薄氷の上の運命によって決まっていたのだと胸が痛む。そして、それを生き残って建国されたユダヤ人の国・イスラエルの今の行動を見ると・・・どうしようもない悲しみに満たされてしまう・・・
ソビエト政府に働きかけ、英雄的行為を讃えられているが、これだけでユダヤ人を救うことはできなかった。同じように
リトアニアもユダヤ人も酷い目にあってきたのが身に染みる -
映像や音声を使った展示が工夫されている。自分の写真でビザを映してくれる
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美しいモスク。この地域には昔からタタール系のイスラム教徒がおり、近年は中近東からの移民も増えているそう
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静かな堂内
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町の中心の聖ミカエル・カトリック教会。ネオ・ビザンチンっていうのかな?正教かと思っちゃう
ここからまっすぐ、カウナスが首都だった時代の新市街のメインストリートが伸びている -
すっきりした堂内
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教会の広場のカフェでランチ
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野菜スープ 何とも言えない滋味あふれるおいしさ
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チキンクリームシチューに、付け合わせはサフランライス?ビーツ、赤キャベツ
スープとこれのランチセットで6?位、安い!おいしい! -
新市街はモダニズム建築がいっぱい
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丘の上の教会に上がるケーブルカーは故障中・・・仕方なく歩く
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丘の上のキリスト復活教会 世界遺産のモダニズム建築群の一つ
すばらしい! -
堂内も素晴らしい
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屋上から棟を眺める かっこいー
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眺めも素晴らしい
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首都時代のカウナスのメインストリート
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屋上のチャペル ちょっとフランクロイドライト風w
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首都でなくなってから発展してないから、こんなにいい建物がいっぱい残っている?
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国立チョルリョーニス美術館
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表側はディタウタス大公戦争博物館
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メトロポリスホテル。領事館を退去した杉原千畝氏は、ここでもビザを書き続けた
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記念プレート
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歴史を感じさせる内装 エレベーターはありません
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ロビーに資料が飾られていた
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広場の写真展、ダライラマが来たのね
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ここで休憩
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ピスタチオのアイスデザート、甘さ控えめ
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銀行。かっこいー
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ヴィタウタス大公像
15世紀初めにリトアニアの最盛期を築いた開港の銅像。
足元には枯れた支配下に置いた、ロシア、ポーランド、タタールの兵士と、折れた剣を持ったドイツ騎士団の兵士 -
中央郵便局。修復中。かっこいい
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シナゴーグ。博物館として公開している。
1872年建設、ネオバロック様式。
ホロコースト以前、カウナスには3万人近いユダヤ人がいて、25か所のシナゴーグや礼拝所があったが今は2~300人だという。 -
世界一美しいものの一つ、といわれる祭壇
二階のギャラリーに昔の写真などの展示があるが、あまり手入れがされていない。細々と運営されているシナゴーグ -
旧大統領官邸。ポーランドの最初の独立時代、1919年~1940年に、ビリュヌスがポーランドに占拠されているため、ここが首都となった。1940年6月15日、最後の政府集会が行われ、その後ソ連の占領により独立派失われた。
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この辺りから旧市街。聖ペテロ&パウロ大聖堂。15世紀の建築で、リトアニア最大のゴシック様式の教会
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豪華絢爛!
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美しいチャペル
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旧市庁舎。白鳥と呼ばれる美しいバロック様式。現在の建物は18世紀のもの。広場は大修復中
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カウナス城。
13世紀にドイツ騎士団の侵略を防ぐために作られた城。元は4つの塔があったが、現在は1つ残るのみ。
カウナスを流れるネムナス川が当時騎士団領とリトアニアの国境だったため、多くの戦闘があった。14世紀に騎士団に占領され破壊されたが、15世紀にヴィタウタス大公の時代に再建された。のちは城としての機能を失い、監獄等に使われた。 -
カウナス駅に戻る。駅の正面は工事中
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駅のホームに、杉浦千畝氏のプレート。ここでもベルリン行の列車が出発するまで、ビザを書き続け、最後に言った。「許してください。私にはもう書けない。皆さんのご無事を祈っています」
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ヴィリニュスに戻り、街はずれの聖ペテロ・パウロ教会へ。17世紀のバロック装飾の傑作
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内装全体を2000以上の漆喰彫刻が飾る 圧巻
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聖ウルスラのチャペル。アーチの上に、乙女たちを船で率いる聖ウルスラ。
右下のマグダラのマリアは、彫刻家の妻がモデルと言われ、一人だけ古代ではない当時の衣装を着ている -
聖ペテロが元漁師だったことにちなんでか、船の形のシャンデリア。メインのキューポラから下げられている、素晴らしい銀とクリスタルの細工
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旧市街に戻り、左が聖アンナ教会。15世紀末の後期ゴシック様式。フランボワイアンゴシックの傑作と言われる。ロシアへ攻め入るナポレオンが、この教会を見て、わが手に収めてフランスに持ち帰りたい、と言ったとか。
右はベルナルディン教会。15世紀にフランシスコ会が創設。内部はソ連時代に破壊されて現在修復中。 -
聖アンナ教会の内部。床のデザインも天井のヴォールトも大変美しい。
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祭壇には聖母子と聖アンナ
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本日のディナーはこちら。リトアニアの各時代をモチーフにした料理だそうで、ミシュラン掲載店
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前菜はチーズとハチミツとキュウリが入ってるらしい、ムースみたいなの。美味しい。
奥は黒パンと、緑色のガーリックバター。 -
ビーバーのパテ!!
ビーバーは、泳ぐから魚とみなされ、肉を禁じる時期に特にしっぽ部分が食されたそう。とってもおいしい -
ロシア・東欧の夏の定番飲み物、クワス。黒パンを発酵させたソフトドリンク。ちょっと癖があるけど、さわやかでおいしい。
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ザリガニの冷たいスープ。素晴らしく美味しかった
この後お肉の写真撮るの忘れた・・・ -
デザート。リトアニア名物のバウムクーヘンみたいなお菓子でできたアイスクリーム、って意味わからないけど、確かに焼き菓子の味がするアイスクリーム
いちいち説明があってすごく時間がかかったけど、美味しかったから許す
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