京都、大阪、奈良、滋賀を巡る旅 ☆ 大阪・富田林編

2025/03/26 - 2025/04/01

京都、大阪、奈良、滋賀を巡る旅 ☆ 大阪・富田林編
桜の季節、京都に宿をとり、足を延ばし大阪、奈良、滋賀を巡ってきました。
3年前に京都を訪れた際には、醍醐寺、哲学の道、原谷苑、円山公園、蹴上インクライン、平野神社、祇園など、京都の桜の名所を中心に回ったため、今回は“これまで訪れたことのない、オーバーツーリズムの影響が少ない寺社とエリア巡り”をテーマに7日間かけて訪ね歩いてきました。
1日目は大阪の寺内町・富田林を、
2日目は奈良の大神神社と橿原神社を、
3日目は興正寺、西本願寺、京都御苑を、
4日目は三井寺と毘沙門堂を
5日目は湖東三山の金剛輪寺と西明寺を、
6日目は早朝の清水寺と石清水八幡宮を、
7日目は大沢池、二尊院、車折神社を巡ってきました。
桜は開花したばかりで時期的にやや早かったですが、オーバーツーリズムの喧騒から離れ、静かな散策が楽しめました。

この旅行記は1日目、富田林を訪れたときのものです。

エリア 富田林・羽曳野(大阪)

• 旅行の満足度: 4.5

• 同行者: カップル・夫婦（シニア）
• 交通手段: 新幹線 JRローカル 徒歩
• 旅行の手配内容: 個別手配

新幹線で新大阪に到着後、京都駅のコインロッカーに荷物を入れ、JR新快速、地下鉄御堂筋線、近鉄南大阪線を乗り継ぎ、富田林に向かいました。
新大阪から富田林まではおよそ1時間30分ほどの行程でした。

近鉄南大阪線 乗り物

駅前の観光案内所に向かい、事前に富田林の地図やパンフレットを送ってもらったことの感謝を伝え、富田林の寺内町エリアに向かいました。
パンフレット類の送付が迅速だったこと、係りの方の対応がとても丁寧だったことが印象に残りました。

観光交流施設きらめきファクトリー 名所・史跡

趣ある富田林に残る寺内町の様子です。
富田林は室町時代末期に創建された、興正寺別院を中核とした宗教都市で、江戸時代から昭和の初めまでに建てられた、200以上の建造物が伝統的建造物に指定されています。

多くの建物は子孫の方たちが現在も住んでいるため、内部を見学することはできませんが、この旧田中家住宅は公開されていて、無料で内部を見学することができました。

旧田中家住宅 名所・史跡

幕末から明治にかけて資産家だった方の住宅で、明治時代の民家の特徴が色濃く残っていました。

旧田中家住宅 名所・史跡

旧田中家住宅からは、高くそびえるPL教団の塔が見えました。

19世紀初めに建てられた、材木商を営んでいた方の住まいでした。屋根のいたるところに外部からの侵入を防ぐための犬矢来や忍び返しが設けられ、煙出し屋根が設置されています。

奥谷家住宅 寺・神社・教会

旧東奥谷家住宅
奥谷家の分家で、主屋は1829年に建てられました。建物は現在、古文書や歴、写本などと一緒に富田林市に寄贈され、市が管理、保管しているそうです。

材木商を営んでいた方の住宅で、庄屋も務めた名家です。敷地は1ブロックを占めていて、とても広い住宅に圧倒されました。

越井家住宅 名所・史跡

主屋の裏に建つ、黒漆喰の長くいくつもの窓が備え付けられた米蔵や、外から見ると広さが異なる屋根が幾層にも続いている八棟造りの主屋、レンガ造りの防火壁など豪商だった様子が伝わってきました。

越井家住宅 名所・史跡

木のぬくもりが感じられる建物や白壁、格子の建物が立ち並ぶ富田林寺内町のメインストリート・城之門筋。
日本の道100選にも選ばれています。

城之内筋沿いに石畳が並んでいます。その下は水が流れ、現在は暗渠になっています。かつては防火用の水として利用されていたそうです。石畳の途中には短い橋が架かっていて、昔は水が流れる堀を渡るために使用されていたとのことです。奥谷家住宅そばには岩栄橋と刻まれた石橋があり、奥谷家（岩瀬屋）が永く繫栄するようにと名付けられたそうです。歴史を感じる堀と橋です。

用心堀跡 名所・史跡

江戸時代初めから明治中頃まで、木綿店を営んでいた方の建物です。主屋は18世紀前半に建てられ、寺内町では旧杉山家に次いで古い建物とのことです。

田守家住宅 名所・史跡

油屋を営んでいた方の建物で、18世紀後半に建てられたとのことです。主屋近くに並ぶ土蔵は油蔵として使用されていたそうです。
秀吉の署名と花押が入った書状が伝わる名家だったようです。

杉田家住宅 名所・史跡

1603年創建の真宗本願寺派の寺です。本堂は1720年に建立され、寺宝として親鸞上人真筆の金泥十字尊号や、光明皇后による金泥写経を保持しているそうです。

妙慶寺 寺・神社・教会

城之門筋に建つ、寺内町成立の中心になった寺です。桃山時代に建てられた表門の両側には、鐘楼と鼓楼が建っていて、歴史と風格が感じられました。

興正寺別院 寺・神社・教会

興正寺別院の表門と鼓楼。

興正寺別院 寺・神社・教会

興正寺別院の鐘楼。

興正寺別院 寺・神社・教会

18世紀中ごろに築かれた、木綿商や瀬戸物商を営んでいた木口家住居です。

京都から高野山に通じる東高野街道の道しるべとして、1751年に造られた道標で、当時旅人の必需品だったくわへきせるとかひなわ火と刻まれています。町の中での火の用心を呼びかけていました。

火の用心の刻字がある道標 名所・史跡

富田林で呉服商を営んでいた方の住宅です。向かいに建つ仲村家の分家だったことから、瓦には仲村家の家紋が入っています。建物には物置部屋として使われたであろうつし2階や、明り取りや通風として利用された丸い形の虫籠窓、屋根には魔除けのための瓦人形などが備えられています。

18世紀後半に建てられた、酒造業を営んでいた方の住居です。店と主屋が前後になっている建て方で、当時の商家の典型的な建物だそうで、河内で最大規模の出荷量を誇っていた店だったようです。多くの文人墨客も訪れていたそうで、吉田松陰も訪れたとのことです。

仲村家住宅 名所・史跡

寺内町創立以来の旧家で、富田林八人衆の一人として町の経営に携わっていたそうです。酒屋を営んでいて、当時70人ほどの使用人がいたそうです。敷地や建物も大変広く、建物には40000枚の瓦が使用されていたとのことです。主屋は17世紀中ごろと古く、農家の間取り形式の町家建築で重要文化財に指定されています。
富田林寺内町で数少ない見学できる住宅です。

旧杉山家住宅 名所・史跡

奥谷家の分家だった南奥谷家住宅です。屋根の部分の煙出しがなく、壁上部の窓から煙を抜くように造られていました。屋根全体が曲線を描いていたのも珍しかったです。

奈良県十津川村から移住し、富田林で酒屋を営んでいた方の住宅です。広い敷地には格子や木塀、白壁の主屋と土蔵、客をもてなす書院座敷が建っていて、酒屋として大いに繁盛していた様子が伝わってきました。葛原家住宅は一部修理中だったため、写真は向かいに建つ南葛原家住宅です。葛原家の分家で、1854年に造られた建物です。屋根の上に盗賊除けの防御柵が設けられていました。

葛原家住宅 名所・史跡

富田林寺内町の見学を終え、南大阪線で大阪阿部野橋に向かい、地下鉄御堂筋線に乗り換え、なんばで下車しました。
周辺は飲食店も多く、平日の午後でしたが、若者と海外からの観光客で大変混雑していました。
初めて訪れましたが、あまりの混雑に一度訪れれば十分かなと感じてしまいました。

道頓堀 名所・史跡

道頓堀商店会にある串カツ店で遅い昼食を食べ、京都に戻りました。

元祖串かつ だるま 道頓堀店 グルメ・レストラン