2024/11/21 - 2024/11/21
355位(同エリア1078件中)
玄白さん
仏教の信仰心はほとんど持ち合わせていないが、古美術としての仏像や仏教寺院の建築の美しさを愛でるのは楽しい。
というわけで、中学校の修学旅行以来60年ぶりに世界遺産が3つもある奈良県に3泊4日の旅へ。わずか4日の旅で、それぞれの地の歴史・文化を深く理解するのは無理で、見所のいくつかをつまみ食いのように巡る、まさしく修学旅行スタイルのせわしない旅である。
オトナの修学旅行最終日は山の辺の道のミニハイキング。昼過ぎには京都から新幹線で帰宅せねばならないので、午前中の限られた時間に、大神神社から柳本まで歩き、帰りはJR奈良線で戻るという旅程である。フォトジェニックな絶景があるルートではないが、古代日本、ヤマト王権発祥の地であり、かつて日本古代史に凝っていた時期があり、その当時読んだ歴史書を思い出しながらのハイキングである。
- 旅行の満足度
- 4.5
- 観光
- 4.0
- 同行者
- カップル・夫婦(シニア)
- 交通手段
- レンタカー 新幹線
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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ホテル奈良さくらいの郷の朝食。地域の野菜をふんだんに使った玉手箱だ。和食だが、洋食のパンもあるので、欲張って両方を食べる。
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早めの8時前にチェックアウトし、山の辺の道の南側スタート地点である大神神社に向かう。近くに参拝者用の無料駐車場がある。
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鳥居をくぐると掃き清められた長い参道がある。杉木立の木漏れ日が参道に差し込み、すがすがしい気分である。
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イチオシ
大神神社拝殿。朝から巫女さんが行ったり来たりしてお勤めを果たしている。日本最古の神社で、背後の三輪山がご神体なので、本殿はなく、拝殿のみである。
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拝殿
現存する拝殿は室町時代に再建されたものである。祭祀は、古神道形式で、拝殿奥に三つ鳥居という独特の鳥居が結界として置かれ、その先は神職でさえ、踏み入れない神聖な所とされている。 -
祈禱殿の釣り灯篭
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大神神社であまり時間を使いたくないので、山の辺の道に向かう。
大神神社と狭井神社を結ぶ参道で、くすり道と言われている。参道には薬草や薬木が40種類以上植えられている。 -
狭井神社に行ってみよう。
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狭井神社拝殿の手前にある鎮女池。
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池の端に真っ赤な橋がかけられていて、渡ったところに小さな社がある。市杵島姫神社神社という。祭神の市杵島姫命というのは、水を守護する女神である。この神は、神仏習合により七福神の一人、弁財天と同一視されている。
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狭井神社拝殿。第11代の垂仁天皇の頃、疫病を鎮めるために創建されたと言われる神社である。垂仁天皇は、実在が疑われてはいるが、実在したとすると3世紀後半から4世紀初め頃らしい。
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山の辺の道を歩き始める。ところどころ敷石で舗装されているところもあり、ほぼ平坦で歩きやすい。
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季節がら、花いっぱいというわけにはいかないが、たまに野の花に出会う。これはアキノタムラソウかな。
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イチオシ
玄賓庵(げんぴあん)の白壁の横を通る山の辺の道。玄賓庵とは、桓武・平城・嵯峨天皇に厚い信任を得ながら、俗事を嫌い三輪山の麓に隠棲したという僧侶で、ここに隠遁したと伝えられている。
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玄賓(げんぴん)の山門。いまでは真言宗の寺となっている。
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寺の本尊は不動明王だが、建物内部に入って拝観するには事前予約が必要だという。
これは、山門の外から拝観できる前立ち本尊だろうか? -
瓦屋根の塀の端に鳥の形をした飾り瓦がある。
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イチオシ
先を急ぐ。やがて桧原神社の三つ鳥居が見えてきた。大神神社の三つ鳥居は見なかったが、なるほど、三つ鳥居とは、こんな形をしているものなのか!
現存する三つ鳥居は1965年の伊勢神宮の式年遷宮のときに出た廃材を利用して作り直されたものだという。
三つ鳥居の起源は良くわかっていないが、本殿に代わるものという位置づけでもあるらしい。
桧原神社は、大神神社の摂社、すなわち本社である大神神社と末社の中間的な位置づけの神社ということのようだ。 -
神社境内からは二上山が遠望できる。日の入りの頃には二上山付近に沈む夕日の絶景になるという。
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さらに歩みを続ける。
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真っ赤な実をつけたピラカンサスor南天?
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黄葉が道沿いにあり、目を楽しませてくれる。
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ヨシノアザミ?
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桜井市穴師付近の山の辺の道。このあたりはミカン栽培が盛んなようで、観光ミカン狩りをしているミカン農家が散在している。
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山の辺の道のあちこちに「万葉歌碑巡り」と銘打って万葉集の歌碑が所々に置かれている。和歌好きだったら、歌碑をひとつずつ訪ね歩くのも山の辺の道の楽しみ方かもしれない。
この歌碑は奈良時代の代表的歌人、柿本人麻呂の歌が刻まれている。 -
民家の軒先に咲いていた皇帝ダリア
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田んぼの端にあった小さな祠。玄白が生まれ育った実家の田舎にもこんな祠があったことを思い出す。
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枝ぶりがよい残り柿。
奈良は柿の生産量が全国2位の一大生産地である。柿の葉寿司といった郷土料理が生まれたのも納得がいく。 -
晩秋だというのに、まだ朝顔が咲いている。
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のどかな田園風景である。すでに稲刈りは終わり、元気よくひこばえが芽吹いている。
余談だが、田んぼによってひこばえが出る場合とあまり出ない場合がある。田んぼの土の管理が行き届いた田んぼにはひこばえが出るので、農家にとっては、その年の稲作の管理の良しあしの指標になるのである。玄白は、実家が農家で今は亡き父がそう教えてくれた。 -
しばらく行くと「←ひもろぎ遺跡」という看板があったので、30mほど山の辺の道を外れて行ってみた。なんてことはないミカン畑の片隅に石碑が置かれているだけであった。そばに説明看板が立てられていて、それによると「神籬(ひもろぎ)」とは、神道の神を祀る祭事において、社殿のなかに神を祀るのではなく、その時々に神が降臨する岩や木などの依り代を置いて祭祀するためのモノ。社殿がない時代の古い神道の形式らしい。現代でも地鎮祭で執り行う形が神籬を使った儀式で、脈々と現代日本に残っているのが面白い。
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コスモスとミカン畑
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やがて、うっそうと木が生い茂った小山が見えてきた。渋谷向山古墳である。長さ300mにもなる前方後円墳だが、地上からはその形はわからない。
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イチオシ
山の辺の道を外れて南側の前方部まで行ってみた。宮内庁は、この古墳が第12代景行天皇陵だとして前方部に遥拝所を作っている。出土した埴輪などの年代測定から4世紀中ごろの築造だとされている。景行天皇、その息子である日本武尊は、実在はしていないという学説もある。
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古墳の反対側まで来た。古墳の濠のそばまで畑が広がっている。
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一面のセイタカワワダチソウ。休耕田となって日が経っているのだろう。農家の高齢化、後継ぎ不足を象徴する光景である。
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最寄りの駅、JR奈良線巻向周辺には弥生時代後期~古墳時代前期の広大な巻向遺跡があり、近くには卑弥呼の墓ではないかという説もある箸墓古墳がある。それにあやかって、この付近の山の辺の道の案内標識には、卑弥呼の里とある。いまだ、邪馬台国が機内か九州か、結着はついていないのだが・・・
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青空に映える皇帝ダリア
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ふたたび、小山のような巨大な前方後円墳が出てきた。行燈山古墳である。
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イチオシ
土手を上って見ると、古墳を取り巻く濠が見える。古墳を取り巻く濠は1kmにもなる。古墳の大きさは、全国で8番目、奈良県では2番目に大きな古墳である
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風がなく、古墳を覆う密生した樹林が濠の水面に映り込んでいる。
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穂がひらいたススキが陽光を浴びて銀色に輝いている。
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山の辺の道を離れて、南側の前方部に行ってみる。500mほどの距離である。
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行燈山古墳は、渋谷向山古墳に次ぐ大きさである。この古墳も、宮内庁によって、根拠もなく第10代崇神天皇の墓とされている。築造年代は渋谷向山古墳よりさらに古く、4世紀前半である。
諡(おくりな 仏教の戒名のようなもの)に神がついているのは、神武(初代)、崇神(10代)、応神(15代)の3人だけであり、神武から9代開化天皇までは実在しない、記紀編纂者の創作という説が、ほぼ確定している(いまだに皇国史観に囚われた一部の人は実在を信じているが・・)崇神天皇もまた実在が疑われているが、実在したという説もある。そのなかでも神武=崇神という説、古墳時代のヤマト王権は、初代崇神天皇の三輪王朝、応神天皇を始祖とする河内王朝、継体天皇を始祖とする越前王朝と3つの王朝交代があったとする説など諸説があり、古代史は謎が多い興味深い時代である。いずれにしても天皇家は神武から万世一系というのは、歴史的事実ではないことは確かであろう。 -
山の辺の道に面した農家の軒先に、干柿がぶら下がっている。柿の一大産地、奈良らしい光景である。
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柳本駅近くにある黒塚古墳。やや小ぶりの前方後円墳(長さ130m)で、3世紀後半の築造である。公園として整備されていて、古墳の上を歩くことができる。被葬者は不明だが、卑弥呼が魏から送られたものと同じ形式の鏡、三角縁神獣鏡が33枚も出土している。
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柳本駅の駅舎。
この後、柳本駅から三輪駅まで電車で戻り、奈良駅近くでレンタカーを戻して古都奈良の旅を終えた。 -
大神神社無料駐車場に駐車しておいたレンタカーで、JR奈良駅近くの日産レンタカーに車を戻し、大和路快速で京都駅へ。
昼食は新幹線車内にて。発車間際で危うく乗り遅れそうになった。その際、慌てて缶ビールを落とし、凹んでしまった。この旅一番の危機であったが、なんとか、無事に3泊4日のオトナの修学旅行を終えた。
~完~
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