2024/05/27 - 2024/05/27
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kirinbxxさん
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20世紀初頭、ヨーロッパ各地で流行したモダニズムは、当然のこととして各地域で少しずつ違っていました。
カタルーニャ地方では、当時のバルセロナとカタルーニャの置かれた政治的状況、スペイン全体の事情などから、他のどの地域よりも「建築」分野で特徴的な作品が多く生まれたといいます。100人以上の建築家がモダニズム様式の建築を残していますが、その中でも傑出していた3人の建築家が、互いにまったく違った傑作を残しています。
現在、二つの作品が合わせて世界遺産登録されているルイス・ドメネク・イ・ムンタネーはそのなかの一人。私たちはこの日、この建築家が残した二つの作品を見学に行くことにしていました。
まずは一つ目、サン・パオ病院(Hospital de Sant Pau)へ。
1348年、バルセロナで黒死病が蔓延し、当時の人口の約3分の1が死亡したあと、15世紀初頭に幾つかの病院が設立されました。その後19世紀後半までの間に医学もバルセロナという町も大きな進歩をとげ、バルセロナは「大規模な総合病院」を持つ必要に迫られました。そこで建設されたのがこの病院でした。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- 同行者
- カップル・夫婦(シニア)
- 交通手段
- 鉄道 タクシー 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
-
サグラダ・ファミリアの見学を終えて次の目的地へ。大都市バルセロナは当然の事ながらバス路線が充実しています。そこかしこでこのようなバス停を見る事ができます。
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なにやら古めかしい、趣のある市場だなぁ、と見ながら歩いていると・・・
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こんな路上駐車を発見。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
真ん中のグレーの車、どうやって出るのでしょう。 -
次の目的地が見えてきました。尖塔が印象的です。
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ここが入り口です。
カタルーニャ出身のパウ・ヒル・イ・セラ(Pau Gil i Serra)は兄とともにパリで銀行や運輸業など多くの事業で大成功を収め、独身のままパリでなくなりました。彼は遺言で、自分をバルセロナに埋葬すること、銀行は清算してその額の半分を、バルセロナが必要としていた総合病院建設のために使うように指定しました。残り半分を甥に残したのですが、なぜか相続から外された甥の一人が訴訟を起こしたりして、着工までには時間がかかったようです。 -
これが病院?どう見ても教会ですね。
それも当然のこと、1401年に出来た元の病院は教会の慈善施設でしたし、6つの病院を統合したあとの運営も市と教会が行ってきました。資金を提供したパウ・ヒルは敬虔なカトリック教徒であり、彼の意志はカトリック教徒として、貧しい人々を支援するための総合病院をバルセロナに建設することでした。
中央にあるのが彼の石像です。
1902年に建設が始まったこの病院は1930年に完成し、パリで一般的だったように「個人が寄贈した病院でも公立として運営されるように」と望んだ彼の遺志に従い、スペイン国王アルフォンソ13世に引き渡されました。
2009年、病院としての機能はこのすぐ近くに建設された現代的な医療複合施設に移転されています。 -
この彫刻はエウセビ・アルナウによって作られたこの病院の紋章です。
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それぞれの建物には見事な装飾モザイクがあります。
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これらは、フランチェスク・ラヴァルタ と マリオ・マラリアーノ によって作られ、中世からの病院の歴史を物語っているとのこと。
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右端に入り口があります。
開館は冬期を除いて9時30分から18時30分まで。
ここも、細かく入場料が設定されていますが、17ユーロのセルフガイドツアーが一般的向け料金です。勿論予約もできますが、現地でも購入可能です。ガイドツアーは基本的にカタルーニャ語とスペイン語、他言語はリクエスト。日本語はないでしょうね。オーディオガイドもありますが特に必要は感じませんでした。 -
このシールを見えるところに貼って、見学スタートです。
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荷物はロッカーに。
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最初に通る場所がここ。かって救急患者のために使われていたエリア、現在は多柱式ホールと呼ばれている場所です。煉瓦のアーチで上部に緑の陶板装飾。こんなところからすでに「細部にも装飾を加えたがる」特徴が。
ここを順路案内に従って進むと。。。 -
このトンネルに。
パウ・ヒルは建築についても幾つかの指示を残していて、それと、予算面、元々あった病院の活用などのため、地上に分割された多くの棟を建設することになったため、その間の移動のために作られたトンネルです。かっては、救急サービスエリアから全ての棟に行く事ができましたが、現在観光客が通れるのは、全長1kmもあるその一部だけです。 -
5台のプロジェクターを使った円形スクリーンで、ムンタネーの業績と病院の歴史を映像で紹介していました。
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病院といえども、細部まで凝った装飾を施すのがこの時代、西ヨーロッパ全体に見られた特徴です。カタルーニャのモダニズム様式は、「中世とムーアの影響」が特徴とされています。
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病院には、「患者が病気や痛みから回復し、新鮮できれいな空気を吸える、木々に囲まれたリラックスできる環境」が必要である。そう考えたパウ・ヒルの遺志通り、ムンタネーはパビリオンごとに 2 つの庭園を設け、中央には遊歩道を設置、そこに空気を浄化すると言われていたセイヨウトチノキ、シナノキ、オレンジの木を植えて木陰をつくりました。
145,000平方メートルの敷地内には48の建築物、地図で見ても大きな1区画です。 -
これは聖ラファエル分館という、看護用のパビリオンです。何かを流用したのではなく、最初から病院として建設したのに、この外装。
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内部は現在修復作業中で、これはまだ作業が始まってもいない部屋です。同じような部屋は幾つかあり、そのうちの一つはベッドやヒーターなどが置かれて当時の様子が再現されていました。
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これは何ですかねぇ???前衛芸術?
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「長い間カタルーニャの図像の特徴的なモチーフであり、モダニストによって修正され、扱われたドラゴンを現代的に再現したものです。」
ということです・・・・・なるほど。 -
これは、生徒達がワークショップで活用するためのスペース、コンパクトサイズのインタラクティブプレーヤー付き。12歳未満無料、18歳までの学生はわずか4ユーロでこの世界遺産施設を見学でき、ワークショップが行える。「豊か」ってのはこういう事でしょう。
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はじめは手術室としてつかわれていたホール。
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ドメネク・イ・ムンタネー・ホール、建築家にちなんで名付けられたこの部屋は、建築当時の様子をほぼそのまま残しているそうです。高さ4mの巨大ステンドグラス窓に美しいアーチ。
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隅から隅まで装飾を施さねばならないと決めていたかのような部屋です。
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トレンカディス、カタロニア語で「砕けた」を意味する言葉で呼ばれる手法で飾られた壁。トレンカディスは日本ではまるでガウディが発明したかのような紹介の仕方をしているサイトもありますが、そうではありません。民俗芸術として何世紀も前からあった手法です。
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天井まである大窓のステンドグラス。
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管理パビリオン(患者が最初に入る建物)の天井。多色八角形のステンドグラスをはめ込んだドーム型天井。
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廊下にもこのようなステンドグラスが。
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これらのステンドグラスを使った窓は、当時ヨーロッパ随一と評判をとった工房で作られました。
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とにかく、どの部屋もしっかり装飾がされていて、とても病院とは思えません。おかげで、ユネスコの世界遺産リストには、「(カタルーニャ音楽堂の内部について)過剰な装飾に溢れる。病院の設計や装飾も同様な印象を与えるが、病人のニーズには十分応えている。」なんて書かれてしまってます。
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表に出てほっと一息。
それにしてもこんな寄せ植えもセンスを感じます。 -
しかし、人が少ない。サグラダ・ファミリアでは沢山見かけた日本人もまったくいません。団体ツアーらしい人達も見かけず。あとで日本のツアーをちょっと調べたら、多くがここは無視。もったいないことです。
まぁ、おかげで予約もせずふらりときて、ゆったりと見学できるんですけど。 -
病院の正門、正面に大聖堂が見えます。
これでこの日の前半は終了です。
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