コーカサス３カ国への旅 11日間+ドーハ　9日目　エレバン市内＆近郊観光

2024/09/28 - 2024/10/09

9日目は首都エレバンの市内観光と、近郊にも少し足を延ばしました。
なんといってもノアの箱舟が乗り上げたというアララト山を見られたことに大感激しました。雲一つない青空にくっきりと稜線が見えて、感慨もひとしおでした。 　

1日目9/28(土）QR4854(JL059）22:50羽田発
2日目9/29(日）04:40ドーハ着　QR353　08:30ドーハ発　12:20バクー着　市内観光（国立絨毯博物館、拝火教寺院、マンマンディの地表から噴き出る炎、マルダカン城）バクー泊
3日目9/30(月）バクー市内＆近郊観光（殉教者の小径、乙女の望楼、シルヴァン・シャフ汗の宮殿、コプスタンの岩山に残る石器時代の岩絵）バクー泊
4日目10/1(火）ショマハのセブン・ドームス　シェキの市内観光（ハーンの宮殿、キャラバン・サライ）シェキ泊
5日目10/2(水）ジョージア入国　テラヴィのワイナリー　トビリシ泊
6日目10/3(木）ムツヘタ観光（ジュワリ寺院、スヴェティツホヴェリ教会）ジョージア軍用道路　アナヌリ教会　ツミンダ・サメバ教会　カズベキ泊
7日目10/4(金）十字架峠　トビリシ市内観光（ムタツミンダ山、シオニ寺院、メテヒ教会、ハマーム、ナショナルギャラリー）　トビリシ泊
8日目10/5(土）アルメニア入国　ハフパット修道院、サナヒン修道院、セヴァン修道院　エレヴァン泊
★9日目10/6(日）エレヴァン市内＆近郊観光（共和国広場、エチミアジン大聖堂と宝物館、スヴァルトノツ教会跡、リプシメ教会、アルメニア歴史博物館、エレプニ遺跡と博物館　エレヴァン泊
10日目10/7(月）エレヴァン近郊観光（ホルヴィラップ修道院、ガルニの太陽の神殿と浴場跡、ゲガルドの洞窟修道院）
11日目10/8(火）QR286　03:30エレヴァン発　7:30ドーハ着　ドーハ観光　ドーハ泊
12日目10/9(水）QR4850（JL050）07:15ドーハ発　23:55羽田着　

エリア エレヴァン(アルメニア)

• 旅行の満足度: 4.5

• 同行者: 一人旅
• 旅行の手配内容: ツアー（添乗員同行あり）

9日目、朝食は7時半から各自、出発は9時でした。

お菓子色々。真ん中の左のミルフィーユのように見えるものが、今日の夕食のデザートにも出ました。

色々ありそうなのに、取るといつもこの程度です。

お部屋からの眺め。
なんだか、こう寂れた感じがします。
アゼルバイジャン、ジョージア、アルメニアとやってきて、添乗員さんと「松竹梅って感じですね」と話していました。

9時に出発して郊外の教会を目指して走っていると車窓にアララト山が見えました。

昨日も遠くに見えていたのですが、今日はくっきりよく見えました。
お隣は富士山と同じくらいの高さの小アララト山。

9時半、リプシメ教会に到着しました。

リブシメ教会 寺院・教会

ジョージアでは聖ニノが有名ですが、アルメニアではこのリプシメという女性が有名だそうです。618年にローマから追放されてアルメニアに来て布教活動をしていたのですが、とても美しかったので当時の王様に結婚を申し込まれ、私は既に神様と結婚しています、と断ると怒った王様が命じ、民衆が石を投げて亡くなったそうです。他にも同じく拷問を受けて亡くなった女性殉教者数人のお墓が教会周辺で見つかっているそうです。

入口前に、司教のお墓。書いてある西暦は司教を勤めた年だそうです。

中に入ります。

狭いながら、ドームがあります。

リプシメ。剣を持つ王様が足元にいる構図は、キリスト教が勝利する、ということを表しているそうです。

後ろには石を投げる民が描かれています。

ぶどうとザクロで彩られた華やかな祭壇。

祭壇向かって左側の小さなお部屋に入ると、当時の絵と

リプシメが投げられたという石と

真ん中にリプシメのお墓がありました。
この棺自体は新しいものだそうです。

外観。
外側の壁の二つの窪みが耐震設計になっているそうで、地震で崩れたことは一度もないそうです。

7世紀の教会です。
アルメニア使徒教会、と月さんが話すので、その使徒は誰ですか、と尋ねるとバルトロマイとユダ（タダイ）の二人だそうです。
アルメニア正教ではこの二人が重要だとのこと。

西の方を見るとアララト山がくっきり見えました。
今日も快晴です。曇りや雨の予報の日でも、朝起きると晴れているんです、と添乗員さんが驚いていました。
9時半から10時過ぎまでの見学でした。

5分ほどバスに乗ってやってきたのはアルメニア正教の総本山、エチミアジン大聖堂。

エチミアジン 寺院・教会

こちらは最近作られた門だそうです。
以前のクラシックな門は撤去されたそう。
アゼルバイジャンの国旗は、赤が血、青が平和の青、オレンジ色はこちらではアンズがアルメニアのプラム、と呼ばれるのでアンズの色だそうです(月さん談）。

後ろは野外で礼拝ができるようになっています。
なんだか、大人数が集まる機会が最近あって、そのために新しく作られた場所だそうです。

祭壇には十字架はありませんでした。

広い敷地で、建物を見ながら進みます。
こちら、神学校だっけ？

こちらがエチミアジン大聖堂です。

回りはお花がきれいに植えられています。

素敵です。

今まではこじんまりした教会ばかりでしたけど、

ここはさすがの総本山、といった大きさでした。

10時半に鐘が鳴り始めました。

こちら、5年間修復中だったのが、9月28日に修復を終えて公開を再開したそうです。本日10月6日の日曜なので、月さんが「皆さん、本当に運がいいです！私も久しぶりに中に入れます」とのことでした。

中はさすがの総本山、しかも修復完了直後ということで美しさがキラキラして見えました。

最初の教会は聖グレゴリウスがこの地に4世紀初頭に造ったそうです。

その当時の土台、と言う石が入って右下の方にありました。

立派な祭壇。

そして、日曜日、鐘が鳴ったということはミサが始まるらしく、信者の方が集まってきていました。

ドームはさすがに高いし、何より描かれている絵が美しくいつまでも見ていられます。そろそろミサが始まりそうなので退出しました。居てもいいとは思いますが、宝物庫の予約時間もあるのでそちらに向かいます。

教会からすぐの場所に小さなお土産物屋さんと宝物庫。
修復中の臨時の宝物庫なので、大主教の屋敷の一室にあるそうです。
そのうち、大聖堂の中に戻されるのでは、とのことでした。

大主教のお住まいなので、中に入ったら写真撮影禁止と聞いて、外から一枚だけ撮影しました。

宝物庫のチケット。

お庭を通り抜けて宝物庫。
といってもこの一室のみです。
外はだめだけど、中は撮影OKだそうです。

こちら、アララト山で見つかったノアの箱舟の木片。
どうしてそうみなされたかというと、1世紀にアララト山の上で木片が見つかり、その木の種類が5137ｍの山には生えないような木だったことから、そう考えられたそうです。

左端が欠けているのはエカテリーナ二世から豪華な衣装を送られた当時の大主教が、お礼にこの木片の欠片を贈ったからだそうです。欠片は今ロシアのどこかにあるはずらしい。フランスにオベリスクを片方送ったエジプトの王様といい、なんかすごい事をしますね。

大きさは右の手と比べるとわかるように、それほど大きいものではありませんでした。

そしてこちらが、キリストの脇腹を刺したというロンギヌスの槍。
ローマ兵のロンギヌスはイエス様が絶命したかどうかを確認するために脇腹、肝臓を刺したそうです。死んでいたら水、生きていたら血が出るはずが、水と血の両方が出たそうで、怖くなった彼は槍を置いて逃げ、残された槍を拾った弟子のユダ（裏切ったイスカリオテのユダではないもう一人のユダ）がアルメニアに持ってきたと伝えられています。水はイエス様の死、血は復活を表していると考えられています。アルメニアでは今でも洗礼式で十字架をもらった後、赤と白の紐に通して3日間は身につけることになっているそうです。

ロンギヌスの槍がある、と言われている場所はポーランドのクラクフ、オーストリアのウィーン、バチカン、と他に3カ所ありますが、近年調べたところ、その金属は1世紀後半のもの、とわかったそうです。アルメニアは聖遺物は調べない事になっているのですが、他の3ヵ所のものが偽物だったので、きっとこれが本物！と、アルメニアの人は信じています、と月さん。
槍にある模様は後から付けたものだそうです。

こちら、聖水。洗礼式に使われるそうです。
初代大主教のグレゴリウスがイエス様の聖水を元につくったものを水を足して今でも9日おき（だっけ？）に作り続けているそうです。ちょっと不謹慎ですが、名店の秘伝のたれみたいな感じでしょうか。

こちら、大主教の杖。
大主教になった時に自分の身長と同じ長さで作られるそうです。

蛇がついているのは、モーセが自分の杖をへびに変えて、人々に信仰を見せた、というお話からきているそうです。

あちらの手の形も大主教だけがする形、とか説明があったような気がします。

20分ほどフリータイムになりました。
トイレに行ったり売店を見たりした後、入口の薔薇がきれいだったのでベンチに座って癒されました。
10時10分から11時45分までの見学でした。

10分ほど走ってスヴァルトノツ教会跡にやってきました。
アララト山がまたきれいに見える場所です。
先ほどのエチミアジン大聖堂と一緒に「エチミアジンの大聖堂と教会群ならびにズヴァルトノツの考古遺跡」として世界遺産になっています。

エチミアツィンの大聖堂と教会群及びズヴァルトノツの古代遺跡 史跡・遺跡

7世紀に建てられたのですが、10世紀の大地震で崩壊したそうです。

今はほんとに一部が残っているのみ。

世界遺産に認定されたので、再建することもできないそうです。

アララト山が良く見えました。

小アララト山が3896ｍ、大アララト山が5137ｍです。

カズベキ山と同じくらいの高さですね。
こちらもコーカサス山脈の一部です。

遺跡はこんな感じ。

遺跡越しのアララト山がいい感じでした。

7世紀の人もこの光景を見ていたのでしょうか。
アララト山は今はトルコの領土内にありますが、アルメニア人にとっては精神的にとても大切な山だそうです。

帰る時、離れて撮った一枚。
遺跡を見るより山を見ていた時間が多かったかも(笑)。
11時55分から12時20分の見学でした。

20分ほど走ってやってきたのはエレプニ遺跡。
小さな灰色のバッタが無数に飛んでいました。

エレブニ 散歩・街歩き

こちらからもアララト山がよく見えました。

遺跡の案内図。結構広そう。

ここは、キリスト教の前、太陽や月を神様としていた時代の遺跡だそうです。
碑文が3ヵ所あるそうで、一つは午後行く歴史博物館にあるそうです。

観光地、というより放置された遺跡をただ歩くという感じでした。

こちらにも碑文。

一番偉い神様は強いので強いライオンに乗っている、という絵。

奥にもあります。

当時考えられていた神様の絵。ほぼ人間に見えます。

遺跡から見下ろした光景。
遠くに小アララト山と大アララト山。

アップ。
5倍だとこれが限界です。
最近のiPhoneは10倍撮れるらしいから羨ましい。

とはいえ、雲ひとつない青空でアララト山を見ることが出来て感謝です。

広がる街並み。
正直、ここには何しに来たのかな、という程度の感想しか持てませんでした。
坂を上って降りて、滞在時間は25分でした。

と思ったらバスに乗って5分、次は遺跡の博物館へ。

あとで日程表を見ると本当はマテナダランという場所に行くはずが、休館のため、こちらに来たそうです。ですよね～という感じの場所でした(個人の感想です）。

遺跡の見取り図とか

一番偉い神様はライオンに乗っています。

その説明。

2番目の神様は

ヤギに乗っているそうです。
1番目と2番目の差が激しい(笑)。
2番目の神様の神殿も近くにあるそうです。

玄武岩（だっけ？）を彫って水道管として使っていたそうです。
小さな博物館なので、こちらも25分で終了。13時45分に出発してエレバンに戻ります。

14時前、ホテルの前を通り過ぎました。
日曜日なので道路は空いているようです。

なんかすごい建物が。
こういう建物が町の中心部に建っているという事がアルメニアという国の経済状況をよく表していると思いました。

14時5分、昼食のレストランに到着。

いつもの毎度毎度の前菜各種。

お水は炭酸水も置いてあったので嬉しかったです。

スープ。

メインは珍しく、取り分けではなく一人一人にお皿で出てきました。

甘いデザートに甘いはちみつをめちゃくちゃ沢山かけるおじさん。

甘いです(笑)。
アルメニアのコーヒーはトルココーヒーみたいに、最後まで飲まず、上澄みを飲む感じでした。
14時5分から15時40分までものすごくゆっくりしたお昼でした。

以前はレーニン広場と呼ばれていた共和国広場です。
あちらはアルメニア歴史博物館。今から向かいます。

共和国広場 広場・公園

外務省だっけ？

お花がきれいに整えられています。

最初に紹介されたのが人類最古と言われる革靴。

アルメニア歴史博物館 博物館・美術館・ギャラリー

なんと紀元前3600年ごろのものだそう。

こちらのうっすら見えるダンスする人たちは

紀元前1000年紀。紀元前1000年から紀元前1年の間のことを1st millennium BCと言うんですね。

昔の馬車。
ご遺体を運んだそうです。

こちらも紀元前15世紀ごろのもの。
全てが古すぎてよくわからなくなってきます。

今でも使えそうなアクセサリーやかんざし。

こちらの模様は太陽光システムを模しているそうです。
太陽と色々な惑星を表しているんだとか。

これも紀元前12世紀ごろのもの。

こちらが、先ほどのエレプニ遺跡から持ってきたものだそうです。

紀元前8世紀。

ギリシャ時代のものだそうです。
金がまぶしい。

最後にアルメニアのジオラマの説明がありました。
現在のアルメニアは最大国土の時の10分の１になってしまったそうです。
右上がセヴァン湖、左下がアララト山、その手前の川がトルコとの国境だそうです。

絨毯の展示は各自で、とのことで見に行きました。
アルメニア各地方の絨毯の模様のマップ。
拡大しないと模様がよくわからず；；

絨毯は古くても17世紀と、上の階で見てきたものに比べると年代は新しめでした。
博物館は15時50分から17時まで。

17時10分、ホテルに戻ってきました。

希望者のみ近くの市場へ。
道を渡ってすぐでした。

市場、というだけあって本当に大きな市場でした。

生鮮品、特に果物類が多い印象でした。

私が見たかった雑貨類はほぼないので、猫を見つけては喜んでいました。

Tさんがザクロを購入してお部屋でふるまってくれました。アゼルバイジャンよりずいぶん高かった気がします。ドルで払う、というと値段調整のためにおまけのアンズやミカンをつけてくれました。アンズが意外に美味でした。
ザクロは、アゼルバイジャンで食べたものより酸味が強かったけれど、それはそれでまた良し、という味でした。一粒ずつ食べていると小一時間くらいかかりそうなので、途中でお皿を持って自分のお部屋に戻って後はかぶりつきました(笑)。Tさん、ごちそうさまでした！

19時半からの夕食。
お昼が遅かったのでこの時間になりました。
なんか、毎日しっかり食べるのも疲れるから一日くらい夕食フリーの日があってもいいかも。胃を休ませたい…

明日の観光で旅行が終わる（とこの時は信じていた）ので、添乗員さんがドリンク1杯つけてくれました。
ミランダという名のファンタオレンジを飲みました。

スープ。

葡萄の葉っぱでお肉を包んだドルマ。

きしめんのようなパスタと天ぷらのような衣のついたカリフラワー。
デザートは撮り忘れましたが、固いミルフィーユのようなクッキーのような甘いお菓子でした。朝食バイキングに同じものが並んでいました。
21時までの夕食でした。
今日はあちこち回ったので10000歩以上歩いていました。