イラン鉄道の旅、その４（世界遺産イラン縦貫鉄道、アルボルス山脈を越えてカスピ海へ）

2024/04/10 - 2024/04/23

２０２１年世界遺産登録されたペルシャ湾から首都テヘランを経てカスピ海へと結ぶイラン縦貫鉄道に乗る旅の後半、1930年代に４０００ｍ級の高山が連なるアルボルス山脈を、当時は長大なトンネルを掘る技術がなかったであろう、そのために高低差を克服するために巨大なループ線をいくつも引いて、橋梁やトンネルなど当時の高度な建築技術で開通させた鉄路、鉄道ファンとしてはこれはぜひとも乗車しないと、テヘランからカスピ海に近いサーリーまで乗車する、さあどんな景色が待っているのか

エリア サーリー(イラン)

• 旅行の満足度: 5.0
• 交通: 5.0

• 同行者: 一人旅
• 一人あたり費用: 20万円 - 25万円
• 交通手段: 鉄道 徒歩
• 航空会社: エア アラビア タイ・ベトジェットエア タイ・エアアジア X
• 旅行の手配内容: 個別手配

今日はイラン縦貫鉄道の後半,テヘランからカスピ海へ向かうルートに乗車するためにホテルを朝6時に出て地下鉄で再びテヘラン駅に来た

テヘラン鉄道駅 駅

月曜日の朝のテヘラン駅は通勤客と遠方へ出掛ける乗客たちで混雑している

06：50、７時20分発サーリー行き218列車の改札が始まりホームへ向かう

今日の機関車も先日アフワーズへの列車と同じくGM製のディーゼル機関車だ

客車の入口で車掌さんの検札を受けて座席へ向かう、
６人用コンパートメントで座席の間隔が少し狭いが、明るく清潔だ

列車は定刻どおり７時20分にテヘランを出発、駅構内の外れに保存蒸気機関車が見えた

空港方面へ向かうテヘランメトロ１号線が並走する

郊外まで町並みが続く

新しい線路に取替工事中のようです、画像ではかすんでいてよく見えませんが、富士山に似た形のイラン最高峰のダマヴァンド山（標高５６０９ｍ）が見えるよと、あの山は火山だよ、向かい座席のアリーレザーさんが教えてくれた、彼はテヘラン在住でトレッキングが趣味

０８：２４，Pishv駅に停車、乗客が少し乗り込んできました

車窓からは町並みが消えて不毛地帯が広がってきた

広い荒野を列車は進む

朝日を浴びた地表むき出しの山並み

テヘランへ向かう客車とすれ違う、この路線の前半はイラン第２の都市マシュハドとを結ぶ幹線です、テヘランとマシュハド間は多くの客車の運行があるようだ

０９：０５，Garmsar駅に停車,長大な貨物列車が停車しているのが見える

石油輸送の長いタンク列車と機関車が見えます、チェコ製でしょうか、この駅はサリー方面へ向かうイラン縦貫鉄道の路線とマシュハドへの幹線との分岐駅です

マシュハド方面からの乗り換え客でしょうか、多くの乗客が乗り込んできました、私のコンパートメントも満席になりました

駅を出るとマシュハドへ向かう線路と分岐して列車は左手へ進みます、ここからは単線のようです

車窓には荒涼とした景色が広がる

やがて山間部へと入ってきました

保線用の車両でしょうか、かわいらしいディーゼルがいます

０９：２６，Bon-e-Kuh駅に停車

この付近ではなにか果実栽培がおこなわれているようです

水量は少ないが川が流れているようですね、列車は川に沿って走っています

振り返っても川の流れで削られた大自然の地形が目の前に広がります

切り立つ岩山、アメリカ西部の景色のようでもあります

10：09，Mohmoodabad駅

大きな木々が育たない過酷な自然環境なのでしょう

１０：２０，Simndasht駅に停車、

１０：３３，Zarrindasnt駅に停車、久しぶりに民家が見えた

１０：５４，Mahabad駅に停車、川の流れがあるのでしょう、木々が生えています

砂漠地帯から少し緑が増えてきました、花を咲かせた木々もあり、やはりほっとしますね

１１：１５，Firooz Kooh駅に停車、引き込み線路が何本かあり、機関庫がある大きな駅のようです

すこし停車時間があるようです、ホームに降りてみました、先頭の機関車が切り離されています、この先は沿線中の最大難所の峠越えです、機関車の付け替えでしょうか

機関車は側線に停車していた２台のディーゼルと連結した

３重連の機関車で牽引していくようです、線路の先には高い山並みが待っている

昔は日本でも蒸気機関車D51の3重連で牽引していた時代もありました、
こちらは３台のディーゼル機関車です、爆音を響かせて近づいてきます、わくわくします

11：２５，連結作業が行われて出発
この後、前方車内にいたキャンプに行く途中の40人のイランの高校生と先生方に日本の事について教えてくれと頼まれて、車内でちょっとした交流会でした

１２：００，注文した昼食が届けられお昼ご飯です、見た目は悪いがビーフシチューのようなカレーライスのような、野菜と牛肉がよく煮込まれとてもおいしかった

その間にも列車は８の字ループ線で勾配を上って来ていた、トンネルを抜けると視界が広がる、遠くには雪をかぶった山脈が見える

巨大なループ線区間だ、車窓左下にはこれから走る線路が２本見える

前方にはこの先向かう町並みが遙か下に見える、巨大なSの字のループ線だ、列車はトンネルに入り大きくカーブして進路を１８０度変えて高度を下げていく

今度はに右手下にもう１路線見える

進路が変わり標高がすこし下がった

12：12，Dogal駅

駅の右下にはこの先進む線路と橋梁が見える

ループ線の右カーブのトンネルをくぐると今度は右手上に先程の駅が見えた

さらに右手の上方向には通ってきた線路の石橋が２つ見える

左手には遠く眼下に見えていた町並みが近づいてきた

列車はさらに大きな左ループトンネルを抜けて高度を下げる

橋を渡り今度は右手に町並みを眺め坂を下る

右カーブのトンネルを抜けると列車は町並みに入ってきた

振り返ると通過してきたVERESK橋が見える

高低差を克服するためにいくつものループ線を引き、岩山の間を２本の橋梁で結んだり、鉄道模型のジオラマのようだ、実に楽しい

１２：２３，Veresk駅に停車,ハイキングに行くのでしょうか、リュックを背負った人が下車していた

列車はさらに山に沿って坂を下ります、右手下にはこの先進むトンネルが見えている

左に右にと大きくカーブしながら、右下にはこの先の線路が見える

１２：４４，Sorkhabad駅に停車、列車はこの先左ループトンネルで進み、向こうに見える橋梁を渡っていく、山の上から谷へと降りてきた

列車はさらにもう一つS字ループを下る

標高がずいぶんと下がったのだろう、車窓には緑が多く見えるようになってきた

１3：2０，Pole Sefid駅に停車、川に沿って家々が広がる比較的大きな町のようだ

無事に峠を越えてきた、運転手は機関車のチェックをして、乗客たちは１5分間の停車時間でモスクやトイレ休憩

アルボルス山脈を越えて車窓には木々が茂り気候帯が変化してきたのがわかる

１４：３４，Qaem Shahr駅に停車、向かいに座っていたアリーレザーが下車

車窓に街並が広がり、停車している客車が見えた

１５：００、終点のSari駅に定刻に到着した

テヘランから７時間４０分、イラン縦貫鉄道の旅もサーリー駅にて無事終了です
線路はこの先カスピ海の港町Bandar Torkamanまでつながっているのですがこの列車はここまでです

サーリーの駅舎

列車の乗客たちはタクシーや迎えの車で駅を離れ、イランの高校生たちはチャーターバスに乗り込み出発していった、
サーリー駅前には特に何もなく、町の中心部はすこし離れているのかな

駅前にSARIのサインボードだけがありました

サーリー駅の待合室にてすこし休憩、列車待ちの乗客もいます

機関車は向きを変えて出発準備中です

18：00、サーリー発テヘラン行２１９列車になります

ホームには人が増えてきました、テヘランに向かう客かなと思ったら
17：40、カスピ海沿いの街Bandar Torkamanからのローカル列車が到着しました

17：50，サーリーからの多くの乗客を乗せて折り返し出発していきました

ローカル列車が出発した後にテヘラン行の列車の改札が始まりました

１８：２０，列車は２０分遅れてサーリーを出発

車窓には夕暮れのサーリーの街

１８：３９、Qaem Shahr駅に停車、多くの乗客が乗り込みます、偶然にも再びアリーレザーと同じコンパートメントでした、ほかの同室の人ともおしゃべりした後は外も真っ暗、寝台ベットで列車の揺れとレールの音を聞きながら熟睡でした

01：50，テヘラン到着、ホテルに帰ってお休みします・・・続く・・・